FXなら安心と信頼のFX|セントラル短資FX

  • 法人のお客さま
  • サイトマップ
  • よくあるご質問
  • お問い合わせ
  • 推奨環境
  1. セントラル短資FX
  2. マーケット情報
  3. マーケットビュー
  4. 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX

マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

梯子を外された英中銀インフレーション・レポート

更新日:2014年5月16日

先進国の中で一番景気回復力が強く、住宅バブルの危険性まで指摘されている英国。当然ですが、G7加盟国の中でも、最初に政策金利の引き締めに動くと予想されており、その結果、ポンドは昨年夏の安値から約14.5%上昇、ポンド実効レートは、同時期より11.7%上昇しています。

しかし、5月14日に発表された四半期インフレーション・レポート、そしてカーニー総裁をはじめとする金融政策委員会(MPC)の理事達による記者会見は、そんなイケイケムードに冷や水を浴びせた内容となりました。

2014年1〜3月期の雇用統計

インフレ・レポート発表の1時間前に、今年1〜3月期の雇用統計が発表されました。失業率は6.8%まで低下し、2009年2月以来の低水準となったことが確認されていますが、この日の注目は、週賃金上昇率でした。

2008年秋のリーマン・ショック以降、【インフレ率>賃金上昇率】の関係が続いており、いつまで経っても個人消費が回復するきっかけがつかめずにおりました。しかし5年以上の時間をかけ、先月はじめて【賃金上昇率>インフレ率】への逆転に成功したのです。この逆転関係が継続すれば、個人消費主導で経済が安定的に成長出来る土台が整うことになるため、第2四半期以降のGDP上方修正の可能性を先取りした形で、ポンドは1.70に向けて動きだしました。

今回発表の賃金上昇率予想は2.0〜2.2%となっていましたが、もしサプライズがあるとすれば、予想を上回る良い数字になるに違いない!と自信満々でした。しかし、いざ蓋を開けてみると、結果は+1.7%と先月と変わらず。更にショックだったことは、ボーナスを除く賃金上昇率は+1.3%となり、先月発表された+1.4%を下回る結果へ。

※クリックで拡大できます

データ: 英統計局(ONS)ウェブサイト

空白の3ヶ月

さて、いよいよ待ちに待った5月の四半期インフレーション・レポート(以下、インフレ・レポート)の発表となり、カーニー総裁以下、副総裁などが記者会見場に勢ぞろいしました。マーケット参加者、少なくとも英国をベースとする私達は、イケイケムードいっぱいでした。

しかし記者会見がスタートすると同時に、カーニー総裁から出てくる発言のどれもこれもが、予想以上にハト派色の強い内容となり、ポンドは急落。

※クリックで拡大できます

一番ショックだったのは、マクロ経済予想や利上げ予想時期など多岐にわたり、2月に発表された前回のインフレ・レポート内容とほとんど変化がない点でした。この2月から5月の3ヶ月の間には、予算案の発表やイースター休暇があったことに加え、住宅バブル懸念が囁かれはじめ、一気に金利先高感が台頭した時期と重なります。テレビや新聞を見るたびに、「英中銀は歴史的低金利とさようならをして、来年5月の総選挙を待たずに利上げするらしい。」という内容の報道が繰り返され、特に2〜3年物の住宅ローン金利が急上昇した時期と重なります。この国の住宅ローンは変動金利をベースとしたものが多いため、「今のうちに固定金利に変更すべきだ!」という特集がたくさん組まれていたのを覚えています。

しかし、インフレ・レポート内容を読む限り、この3ヶ月間、特に何も変化していないということになります。なぜか、非常に不思議な気分です...

インフレ・レポートで気になった点

政策金利見通し

これは、今回のインフレ・レポートに載っている《政策金利見通し》のチャートです。5月分の予想は紫のラインですが、前回2月の黄色いラインと、ほぼ同じ。

【最初の利上げ時期】として、2月のレポートでは「2015年第2四半期」となっておりましたが、カーニー総裁が今月に入って行なった講演で、「最初の利上げは、2015年5月の総選挙よりも、前になるかもしれない。」と語ったことを受け、市場予想は2015年第1四半期に前倒しされたばかりです。

このチャートを見る限り、最初の利上げは2月のレポートと同じ見通しのようですが、記者会見でカーニー総裁は、

「Economy Closer To Point Where Bank Rate Needs To Rise
金融政策の引き締めが必要なレベルに近いレベルまで、景気拡大が進行してきた。」

とも語っているため、‘’少なくとも年内の利上げの可能性はないが、2015年上半期には、利上げしますよ!‘’と言ったのも同然だと理解してよいでしょう。

GDP予想

政策金利と同じく、将来のGDP予想も2月のレポートとほぼ変化ありません。

このチャートは、過去3回分 (2013年11月⇒緑のグラフ、2014年2月⇒赤いグラフ、2014年5月⇒青いグラフ) のレポートから数字を拾い、私が作成したグラフです。

2013年11月から2014年2月にかけて、各年のGDP見通しは大きく改善されましたが、2月から5月にかけては、ほぼ横ばい状態となっています。これを見る限り、政策金利上げを急いでいるようには、見えません。

インフレ予想

次は、メインのインフレ率の予想です。

ロウソク足チャートで月足の終値が1.65台を上抜けて終了した2013年12月以降、ポンド高によるインフレ率の低下が話題にのぼるようになりました。それを反映するかのように、インフレ見通しも、2013年11月から2014年2月のレポートにかけて、一気に低下していることが確認出来ます。2015年と2016年それぞれのインフレ見通しは、2月のレポートも5月も全く変わらず。

今回のレポートで将来のインフレ予想に関して、少し気になることが書いてありました。

「While inflation was likely to pick up somewhat in coming months, all members agreed that the probability that it would be above 2.5% in 18-24 months’ time remained less than 50%.
近い将来、インフレ率は上昇する見込みではあるが、18〜24ヶ月後に2.5%を超える可能性は、50%以下であるだろうと、金融政策理事会の理事全員が考えている。」

理事全員が‘’2.5%以下である可能性が高い‘’と考える理由は、@ポンド高なのか? A景気回復も穏やかなものとなり、インフレを誘発するほどのものではないのか?あるいは、B予想以上に《Spare Capacity(余剰生産能力)》を完全に使い切るのに、時間がかかるからなのか?理由が知りたいなと思いました。

Spare Capacity(余剰生産能力)について

2月14日のコラム記事でご紹介したように、英中銀は2月のインフレ・レポートで、従来の失 業率数値目標をメインとしたフォワードガイダンスを中止し、内容の変更に動きました。変更後のフォワードガイダンス内容の部分を抜粋しますと、

>>政策金利を上げるタイミングは、Spare Capacity(余剰生産能力)を完全に使い切ってからとなる
→ レポート内で表示されている現時点でのSpare capacityの割合は、GDP比で1〜1.5%程度となっており、これを吸収するには、今後2〜3年かかると予想しています。そして、これだけのSpare capacityが英経済には存在するため、インフレ圧力がかからないとも付け加えています<<

5月のレポートでもSpare Capacityについて、1ページ以上を割いて説明がありました。

「The margin of spare capacity had probably narrowed slightly over recent months, but the central view of most MPC members was that it remained in the region of 1%-1.5% of GDP. The Committee judged that there was scope to make further inroads into slack before an increase in Bank Rate was necessary
Spare Capacityの割合は、ここ数ヶ月で若干縮小したと考えられる。しかし、MPC理事達の見方では、現在でもその割合はGDP比で1〜1.5%程度のままとなっている。実際に政策金利を上げる必要が出てくるまでには、この緩みを使い切ることが優先される。」

としており、Spare Capacityは2月の時点と変化ない《GDP比で1〜1.5%程度のまま》なのであれば、「一体、2月から5月の間、英国は何をやっていたのか?」という素朴な疑問が頭の中を駆け巡っています。

住宅バブルについて

記者会見の質疑応答で、一番多かった質問が、住宅バブルに関してのものでした。ここにきて、住宅ローン貸し出し基準が緩和されたことも手伝い、ロンドンの住宅価格は昨年だけでも18%も上昇しています。

ただし、カーニー総裁の発言をまとめると、

  • ロンドンの住宅動向だけで、英国全体の金融政策は決定出来ない
  • 住宅バブルを防ごうとするのなら、金融政策は最適な手段ではない
  • 金融政策は、バブルを防ぐ手段のひとつであり、全てではない
  • 住宅バブルを防ぐには、他にいくつも手段がある。例を挙げれば、住宅ローン取得資格を厳格にすることも、そのひとつだ
  • 中央銀行が不動産市場の価格コントロールに奇跡を起こすことは、無理である

この発言を聞く限り、住宅市場を冷やすために、早急に利上げを実施する姿勢は、全く感じられません。

ここで一点だけ注意しますが、6月17日に英中銀・金融行政委員会(FPC)が四半期ごとの会合を開く予定となっており、6月26日にはFinancial Stability Report(金融安定報告書)を発表します。その中で、住宅価格の上昇を抑える規制措置を導入し、金融引き締めの必要を回避するとの予想が高まっています。

ポンド高について

質疑応答の場で、最近のポンド高について、記者から質問が出ました。それに対しての総裁からの返答は、

「FX movements in past have reflected differences in strength of recoveries
最近のポンド高は、景気回復速度とその見通しの違いにより、生じた。つまり、英国の景気回復は、他の地域と比較して、早く強いものなので、ポンドが強くなった。

Persistent sterling strength will challenge the balance of UK expansion
しつこいというほどポンドは強いが、これは景気拡大のバランスに影響を与えることになるかもしれない。」

この後、チャーリー副総裁が続けて発言しておりますが、
「ポンド高が及ぼす影響の大きな違いは、@インフレ面⇒輸入インフレを抑える効果がある。A実体経済⇒ポンド高により輸出に影響を与える。つまり、(今後ポンドが強くなり続けるのであれば)輸出への影響が心配される。」と付け加えました。

全体の印象としては、先週の欧州中銀金融政策理事会後のドラギ総裁記者会見とは違い、英中銀はポンド上昇に対しては、まだ深刻な警戒感を見せていないと、私は理解しました。

まとめ

金利先高感が若干薄れ、ポンドも対ドルで下落に転じました。しかし、今回の下げは、来月にもマイナス金利導入となるかもしれないユーロ急落の影響を受けたつられ安にも見えます。

もし、「米ファイザーと英アストラゼネカの買収話が合意に至り、キャッシュでの支払い額が大きくなる」などという英国特有のポンド買い材料が出ないとも限らず、ポンド/ドルの1.70台の可能性を完全にあきらめきれない自分がいるのも事実...

先週のコラム記事のまとめでお勧めしたドル/スイスの買いも、既に150ポイントほど上昇し、ここから少し調整が入る値動きとなってきました。

ドル/スイスに次いで、自分の中で注目している通貨は、ポンド/スイスです。

もし6月5日にECBがマイナス金利導入に踏み切れば、6月19日に開催されるスイス中銀金融政策理事会では、マイナス金利導入、又はユーロ/スイスのフロアー:1.20の引き上げに動くのではないか?という観測が高まってきました。

※クリックで拡大できます

これはポンド/スイス週足チャートですが、緑線の50週移動平均線(50週SMA)が今後数週間のうちに、青線の200週SMAを上抜けるゴールデン・クロスの可能性が見えてきました。出来る限り、50週SMAが通る1.4620から、200週SMAのある1.4680に引き付けたレベルで買い、赤いラインが通るレジスタンス: 1.51Lowで利食いたいと思っています。ちなみに、1.51Lowの参考レートは、ユーロ/ポンド 0.8100、ユーロ/スイス 1.2260くらい。

長期的には、紫のレジスタンス: 1.58Lowも可能だと考えておりますが、まだまだ時間がかかりそうです。1.58Lowの参考レートは、ユーロ/ポンド 0.7900、ユーロ/スイス 1.2500くらいとなっており、スイス中銀のフロアー引き上げがないと、このレベルを達成するのは、少し難しいかもしれません。

 

メルマガ無料配信中!

メルマガの配信をご希望の方は右のボタンより登録ページへお進みください。

マーケットビュー メルマガ登録

セントラル短資FXで取引をはじめる 当社でお取引をご検討の方

無料セミナ―を受講する

セントラル短資FXが提供する無料セミナー

「マーケットビュー」執筆陣も出演中。外貨投資の基本からFXのトレードテクニックまで各種セミナーを開催しています。

取引をはじめる

オンラインでスピード口座開設 最短翌営業日で開設

口座開設

!
  • ※当社による情報サービスは、お客さまの投資判断に当たって参考となる情報の提供を唯一の目的としており、断定的な判断の提供や特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
    当社および情報提供者は、情報の正確性、完全性、適時性等を保証するものでは一切なく、情報の内容を予告なく変更する場合があります。また、当該情報の利用によって生じたいかなる損害についても、一切責任を負うものではありません。投資の最終判断は、お客さま自身で行ってくださいますようお願いします。
    当社が提供する情報の著作権は、セントラル短資FX株式会社または情報提供者に帰属します。当社の事前の承諾なく情報の全部または一部を引用、複製、転送などにより利用することを禁じます。
マイページログイン
口座開設
わからないことは
0120-30-8806 携帯電話・PHSからもご利用いただけます。
ご利用いただけない場合 03-6833-0250

受付時間:午前08:00〜午後07:00(平日)