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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

久々のドラギ砲、炸裂相場!

更新日:2014年5月9日

待ちに待った欧州中銀(ECB)金融政策理事会が、今月も開催されました。ここで敢えて“待ちに待った”と表現したのは、今回はドラギ総裁が就任して以来はじめて、ユーロ/ドルが1.40目前まで強くなっての理事会だからです。

過去何ヶ月にも渡り「行動の準備は出来ている」と発言はするものの、肝心な行動がついて来ないため、市場関係者もさすがにうんざりしていたところでした。当然ですが、今月の理事会も「どうせ口だけドラギさんの繰り返しだよ...」というコンセンサスでした。しかし、ドラギ総裁は、記者会見の質疑応答で、「6月の会合で新たな金融政策措置を検討する可能性がある」と発言し、マーケットが一気に動き出したのです。

本日のコラムは、ドラギ総裁の記者会見の内容を中心に、久々の“ドラギ砲”を分析してみたいと思います。

欧州中銀(ECB)理事会、事前予想

5月8日のECB金融政策理事会に先駆けて行なわれた、ブルーンバーグのエコノミストを対象とした調査では、58人中、56人が「据え置き」、2人が「利下げ」を予想。私自身も、今月もギリギリで据え置き決定だろうな...と考えておりましたが、それには理由があります。

先週のコラム記事でも紹介したとおり、ユーロ圏の過剰流動性額が先月末に1,000億ユーロを割り(チャート上の@) 、短期金利の急騰を招きました。しかし、ECBは今月に入るや否や、90日物と7日物の資金供給オペを実施。その結果、流動性が一気に2倍以上に膨らんだのです(チャート上のA)。

これを受け、短期金利は急落しましたが、為替市場でのユーロは落ちるどころか、1.40台を目指して堅調推移するという皮肉な結果へ・・・。

しかし、ここでひとつの問題を抱えることになったのです。それは、流動性供給用オペのひとつであった7日物が、ECB理事会前日に期限を迎えるため、理事会当日は、過剰流動性は先週の800億ユーロ台よりも低い740億ユーロまで落ち込む結果となったのです(チャート上のB)。

このチャートはECBとEBFそれぞれのウェブサイトから数字を拾い、私自身が作成したものですが、過剰流動性(ECBウェブサイト)は5月7日分まで更新されておりましたが、EONIA(EBFウェブサイト)の数字は、5月6日までとなっていました。つまり、5月7日に一気に流動性が低下した時に、EONIAはどのような反応をしたのかが、早くても5月9日(金)のロンドン午後にならないと確認出来ません。

ドラギ総裁記者会見での発言内容

政策金利は据え置き、追加緩和策の導入も見送られました。ドラギ総裁が記者会見の冒頭で読み上げた声明文も、あらかじめ予想された範囲の発言であったため、ユーロはじりじりと値を上げていきました。そして、質疑応答へと移ります。

最近のユーロ加盟国政府高官からの「ユーロ高けん制発言」について

「We have received a lot of advice recently from policiticians and institutions “on almost everything”. We are certainly thankful for this advice. The ECB is independent and critics should be aware that threats to its independence ‘could cause long term damage to our credibility’

我々は政治家や複数の機関から、ほぼあらゆることについて、数多くの助言を頂いた。これについて、我々はありがたく思っているが、ECBは欧州条約上、独立した機関であり、これらの発言内容により、我々の独立が脅かされているという懸念に繋がるのであれば、長期的に見ると、ECBの信頼性が傷つく可能性がある。」


最近連続して、フランスの首相や経済相がユーロ高について言及しているため、それを受けての発言だと思いますが、EU条約129条によれば、ユーロ圏の為替政策は、ECBだけでなく、EU財務相・経済相会合(ECOFIN)にも、その権限が認められています。ですので、あながち完全無視することも難しいのではないか?と私は理解しています。

フランス以外では、IMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)が、ECBに対して早急な利下げを呼びかけておりますが、これについてはドラギさんも迷惑以外の何者でもないという姿勢を崩しておりません。

ユーロ高について

「We had a discussion on the exchange rate. The ECB doesn't have a target for the euro, but obviously it's a very important issue. A high exchange rate, and low inflation, is a cause for serious concern.

為替相場については議論したが、ECBはユーロのレベルに対し特定のターゲットは設定していない。しかし、ここにきて当然ながら、(為替レベルは)非常に重大な問題となってきている。為替レートが強いことと、インフレ率が低いことは、深刻な論点である。」

「It is difficult to talk about levels but repeats that a strong euro ‘in the context of low inflation and still low levels of economic activity’ is a cause for serious concern. The stronger euro will have to be addressed.

ユーロの具体的なレベルについて語ることは難しいが、ユーロ高を‘低インフレや経済活動の低迷’という面から見た場合、強いユーロは深刻な問題である。強いユーロについては、それなりの対処が必要となるだろう。」


具体的なレベルこそ口にされませんでしたが、公の場でここまでユーロのレベルについて言及するということは、かなり気にされているという印象を強く受けました。

6月の会合について

米WSJ紙の記者が

「You mentioned the June meeting in the introductory statement.  Is this a signal that we should expect something in June?  総裁は、冒頭の声明文の中で、6月の会合について言及されましたね。これは、ECBは6月に何か行動を起こす準備をしていると受け取ってよいのでしょうか?」

という質問が出てから、完全に流れが変わりました。本当に、このWSJ紙の記者さんが質問をしてくれて「ありがとう!」と感謝です。

「I would say that the Governing Council is comfortable with acting next time but first we want to see the staff projections that will be updated next month (本日の討議は来月の会合の準備という側面が大きい) 理事会は、次回なんらかの対応をとることに、抵抗はない。とりあえずは、来月発表される(四半期のマクロ経済予想である)スタッフ予想を見てからにしたい。」

※クリックで拡大できます

この発言ひとつで、1.3995まで上昇したユーロ/ドルは、1.3894まで100ポイントの下落。ユーロ円も、142.37円から同じく100ポイントの下落を記録。その後も、ジリジリとユーロ安へ動いています。

地政学的リスクについて

ドラギ総裁の記者会見前日に、経済合同委員会で証言を行なったイエレンFRB議長。同議長、そしてドラギ総裁ともに、【地政学的リスク】という言葉を何度も繰り返しました。ただし両者が語る【地政学的リスク】と、それぞれの地域への影響は異なるようです。

@ イエレン議長
地政学的な緊張は、米経済へのリスクとなる可能性 ⇒ ネガティブ

A ドラギ総裁
ウクライナ/ロシアと陸続きであるため、ウクライナ危機が緊張感を高めた場合、ユーロ圏に対して他のどの地域よりも大きな影響をもたらす可能性がある。そしてそれが景気見通しを悪化させる要因ともなりえる ⇒ ネガティブ

ただし、地政学的リスクが起きたおかげで、ユーロ圏マネーサプライ(M3)が増加している。ここ数ヶ月の間で、ロシアからだけでも、1,600億ユーロという資金がユーロ圏に流入してきた。そして、ロシアからだけでなく、ウクライナからの流入もある。最近のM3増加は、域内での資金量増ではなく、ほとんどが域外からの流入によるものだ。つまり、地政学的リスクが台頭すると、安全性を求めた資金が、ユーロ圏へ流入し、それがユーロ高をサポートするという結果となっている ⇒ ポジティブ


最近のユーロ高の背景は、中央銀行の外貨準備の分散投資が理由と言われており、1) 中国がドル買い/人民元売りを通して入手したドルを売り、ユーロを購入   2) 経済制裁に抵抗したロシアが、自国の外貨準備金のドルを放出し、その代わりにユーロを購入   という噂が出ていました。しかし、ドラギ総裁の話を聞くと、ユーロを購入しているのは中央銀行だけでなく、経済制裁や地政学的リスクを嫌気したロシアの富裕層の資金も、安全性を求めて、キプロスなどの国に還流しているとも受け取れます。この点(個人資金の還流)に関しては、私も完全に見過ごしており、目からうろこでした。

ドラギ総裁記者会見のまとめ

今回のドラギ総裁記者会見について、大まかなポイントをまとめると、

@ 6月にスタッフ予想が発表された後、必要であれば「行動を起こす」ことには抵抗がない
A 強いユーロが低インフレを加速させているのであれば、それは非常に深刻な問題である
B 為替レベルに対する懸念を明確にしなければならない
C スタッフ予想での景気見通しは、地政学/新興国/金融市場リスクなどの見地から、下方修正される可能性がある
D 必要とあれば迅速に行動する用意がある
E 非伝統的手段の導入も辞さない
F 政策金利は現行またはそれより低い水準で推移するだろう
G 低インフレ傾向が長期化すればするほど、インフレ・ターゲット達成が難しくなる
H インフレ見通しはバランスが取れており、2015年以降、穏やかに上昇。2016年末頃には、ターゲットの2%近辺まで上昇すると予想
I 経済指標やサーベイ結果を見る限り、ユーロ圏は穏やかな景気回復基調に入った
J ユーロ圏の雇用市場も、安定へと向かっている

6月のECB理事会を占う

今までのコラム記事でも何度も書いておりますが、追加緩和の手段としては、

1)デポジット金利のマイナス(ネガティブ)化
2)条件付きの長期LTRO
3)銀行の預金準備率の引き下げ/撤廃
4)SMPの不胎化中止
5)OMT(加盟国の国債買い入れプログラム)
6)QE(量的緩和)策の導入 ⇒ 幅広い資産の購入
7)担保基準の緩和
8)物価安定の定義(インフレ・ターゲット内容)の変更

この中でも、6月にECBが実施する可能性が高いと思う順から書き並べると、 1) マイナス金利 2)条件付き長期LTRO  6)QE策の導入  あたりではないでしょうか?

デポジット金利のマイナス化

マーケット関係者の間で一番人気なのが、マイナス金利導入説。もしこれが実現すると、主要国の中では初めてのマイナス金利導入となります。デポジット金利がマイナスになるということは、欧州の市中銀行がECBに資金を預ける場合、利子を要求されることになりますので、銀行はその代わりに企業や個人に向けてその資金を貸し出すことが期待されます。

ただし、マイナス金利はいいことばかりではなく、市中銀行の収益圧迫や、不良債権化に対する責任転嫁に繋がる恐れもあるため、決断が難しいでしょう。


条件付き長期LTRO

これは、流動性供給という観点からすると、非常に有効な手段だと思うのですが、11月からのECBによる欧州系銀行監督の一元化を前に、統一基準に基づいたバランスシート査定 (AQR Asset Quality Review 健全性審査)やストレステストを実施している最中に、わざわざやるのかな?というのが、正直な気持ちです。

QE策の導入

QE策を通じて購入する資産が、何になるのか?が問題となってくるでしょう。FRBやBOEが実施した国債購入という選択は難しいため、ECBは社債などに代表される民間債権、或いはABS(資産担保証券)を活用するという考えが、一般論となっています。ただし、米国とは違い、間接金融が中心となっているヨーロッパでは、民間債権やABSの規模が極端に小さく、果たしてQEの対象にふさわしいのかという議論が出てくることが予想されます。

もうひとつの問題点は、一言にABSといっても、発行体により格付けの差が大きいため、特に南欧州を基盤とした民間債権はQEの対象となる格付けに届かない危険性も出てきます。

ただし、ECBはBOEと共同で、今年4月のG20 会合に先駆け、ABS(資産担保証券)マーケットについての短いレポートを既に発表しており、正式な調査結果は5月になるようです。つまり、ABSを通じたQE策導入は6月の理事会に間に合う計算となるため、やはりこの可能性を除外することは無理があると考えました。

まとめ

ドラギ総裁の記者会見を聞いた感想ですが、ここまではっきり言ったからには、6月に何らかの追加緩和策を導入しないという選択はなくなりました。追加緩和に使う手段により通貨への影響は変わるでしょうが、今後1ヶ月のユーロ/ドルは、1.40を抜けて大きく上昇する可能性は若干萎えたと思います。

そして、マイナス金利導入という選択肢が一番人気である点を考慮すると、ユーロ圏のお隣りのスイスも、ここから売られる可能性が出てきたのではないでしょうか?

もしECBがマイナス金利を導入すれば、ユーロ下落 ⇒ 当然ユーロ/スイスも下落 ⇒ スイス中銀(SNB)は1.20のフロアーをサポートするため、無制限介入の継続を迫られます。しかし、無制限介入を永遠に続けるのは無理ですので、SNBもECBに続き、マイナス金利導入に踏み切ると考えるのが妥当な線だと考えています。

同国では既に市中銀行が一部の預金金利をマイナスにしたり、スイスフラン建て預金から手数料を徴収するという形でのマイナス金利導入を実施しています。今後は、ECBのマイナス金利導入論が盛んになればなるほど、結果としてスイス安がテーマになるのではないか?と私は期待しています。とりあえず、5月8日につけた安値: 0.8703抜けを損切りに設定し、ドル買い/スイス売りのオーダーを0.8750/60で出してみました。もし来週にかけて、ユーロ/ドルの下落が加速するような局面が来るのであれば、成り行きで買ってもいいかな...と考えているところです。ただし、その場合、損切りまで100ポイントくらいになってしまうため、ポジションのサイズはあまり大きく出来ませんね。

 

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