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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

大胆な組織改革に取り組んだ英中央銀行

更新日:2014年3月20日

先週末、クリミアで実施された国民投票では、95.5%という信じられないほど多くの人達が、ロシアへの編入を支持しました。その結果を受け、プーチン大統領は早々と「クリミア自治共和国をロシアに編入する」と正式に表明し、クリミアのアクショノフ首相らと共に編入に関する条約に署名しました。

しかし今回の国民投票結果を承認しないアメリカや欧州は、5月24〜25日にオランダで開催される核安全保障サミットの時に、G7首脳会談を同時に開催し、ウクライナ情勢やロシアへの対抗策を協議すると発表しています。通常、核安全保障サミットにはロシアからも必ず参加者が出るのですが、今回に限って、ロシア元首の欠席となるそうです。

ロシアからの一方的とも言えるクリミアのロシアへの編入のニュースを受けたマーケットですが、軍事衝突がなかったことが幸いし、売られ続けていた株価を先頭に、少しずつ以前の状態に戻りはじめました。

英中銀、大胆な組織改革を発表

否が応でもロシア動向が気になる今週のマーケットでしたが、意外や意外、私が住む英国では、2014年度予算案に続き、英中銀から大胆な組織改革の発表がありました。これらのイベントは、短期的な相場かく乱要因にはなりにくいものの、中長期的にはポンドに影響を与える結果にもなりますので、注意が必要です。

今回の組織改革の概要を聞いて感じたことは、民間企業ならではこそ実行可能な改革を、公的機関である中央銀行が断行するという点が、非常に斬新で素晴らしいと思いました。そして、過去の英中銀との決別とも取れる内容となっています。

2007年にピークをつけた英国の住宅市場は、その時すでにバブル化しており、その対応がことごとく後手に廻ってしまった英中銀に対する批判は相当のものでした。そして、その翌年、リーマン・ショックに代表される世界規模の金融危機が英国を襲い、いくつかの金融機関が半国営化され、ここでもあらためて中銀の無策無能ぶりがあからさまになってしまったのです。その後も、四半期ごとに発表されるインフレーション・レポートでのマクロ経済予想も、実体経済とかけ離れた予想が続き、5%を超えるインフレに苦しむ英国の人達の心は、中央銀行から完全に離れてしまいました。それを深刻に受け止めた財務省や中銀が、やっと本気になったのでしょう。

金融サービス機構(FSA)の解体

まず今回の改革を理解するうえで必要な背景説明を簡単にさせてください。

話が少し遡りますが、1997年の総選挙で大勝をおさめた労働党:ブレアー政権は、銀行・証券・保険会社など個別金融機関を監督する目的のため、英金融サービス機構(FSA)を設立しました。このFSAは日本の金融庁のモデルとしても有名でした。FSA設立以降、英国では、1)危機対応:財務省 2)金融政策:英中央銀行 3)金融監督:FSAという《三極体制》を維持してきました。

しかし、2008年秋に起きた金融危機の際、この三極体制が上手く機能しなかった反省から、2010年5月に保守・自民連立政権が発足したのと同時に、FSAを解体し、金融監督権限を英中銀に戻すという決定がなされました。

金融サービス法制定

FSAを解体し、金融監督機能を英中銀に委譲するための《金融サービス法》が2012年12月に制定、2013年4月より施行され、新しい金融監督体制が整いました。

結果として、英中銀には今までの金融政策決定権限だけでなく、金融監督に関する責務が追加されたのです。その際に設立された金融監督業務にかかわる機関名は、

1) 金融監督委員会 (Financial Policy Committee FPC)
2) プリューデンス規制機構 (Prudential Regulation Authority PRA)
3) 金融行為監督機構 (Financial Conduct Authority FCA)

FPCをトップに、PRAは英中銀の子会社、FCAは全く別の機関と位置づけられています。

金融監督委員会 (FPC)

皆様もご存知のように、毎月第一木曜日に、英中銀の金融政策委員会(MPC)が政策金利の発表をします。それに対し、金融監督委員会(FPC )は、MPCと並ぶ英中銀の理事会小委員会という位置づけではあるものの、会合は(毎月ではなく)少なくとも年に4回開催されることが決められています。

FPCのメンバーは、1)議長は英中銀総裁 2)副総裁3名(金融政策担当、金融安定担当、プルーデンス規制担当) 3)金融行為監督機構(FCA)長官  4)総裁指名による英中銀理事  5)財務相指名の外部委員 4名  6)財務省代表者(議決権なし) によって構成されています。

英中銀の大胆な組織改革内容

前置きが随分と長くなってしまいましたが、今週発表された組織改革の内容を見ると、MPC理事とFPC理事の任務交換や、FCAへの出向などが含まれておりましたので、為替をやっている私達には耳慣れないFPC/FCAなどの説明を付け加えました。

前カナダ中銀総裁であったカーニー氏が、英中銀の総裁に就任したのが昨年の7月。就任当初から、英中銀に新風を吹き込むという前評判がありましたが、この組織改革の内容を見る限り、英中銀が1997年に独立して以来、最も大胆な改革となっています。発表翌日の英国各紙でも、「金融市場を脅かす問題に対し、英中銀が一丸となって対応していこう!という意気込みが感じられる」と総じて前向きな評価となっていたのが印象的でした。

今回の改革に対し、カーニー総裁は、

  • 金融危機や安定が脅かされたと判断した場合には、金融政策/市場の安定/金融規制など多角的アプローチにより対応する
  • 英中銀の責務である《物価安定の維持》に集中しすぎてしまい、金融市場を取り巻くその他の問題から目をそらせすぎた
  • 現在の歴史的低金利を不必要に長期に渡り継続した場合、金融安定に問題が生じる恐れがある
  • 金融安定に問題が生じた場合、それが巡りめぐって、物価の安定を脅かしたり、金融政策決定に不透明感を及ぼすことにもなりかねない
  • 英中銀の中核的責務は、物価安定の維持を通して、インフレ率を2%のターゲットに近づけることよりも、我々が住む英国の良さをどんどん引き立たせることである

それでは、私達に馴染みが深い金融政策理事会(MPC)で、どのような人事の変更があったのか、調べてみたいと思います。

※クリックで拡大できます


ビーン副総裁

2013年6月30日に任期満了で退任する予定だったビーン副総裁ですが、その翌月から就任するカーニー新総裁のサポートが必要だとの判断で、1年間だけ任期延長を承諾し、今年6月30日に任期満了となります。後任は、現在外部委員をしているブロードベント氏。

ビーン副総裁は《中立派またはハト派寄りの中立》という立場ですが、時としてはドキッとするようなタカ派的要素を含んだ発言をする方でした。ですので、ブロードベント氏が後任となっても、ハト/タカ/中立の人数は、変化なしと見ています。

デール・主席エコノミスト

今回の改革で、フィッシャーさんと同じくらい痛い思いをしたのが、デールさんかもしれません。ビーン副総裁の後任として名前が挙がっていただけに、今回の発表を聞き、悔しい思いをしたことでしょう。FPC理事との職務交換の理由ははっきりされていませんが、過去ずっと英中銀の経済予測を外しまくった責任を取っての交代という話になっているようです。

ホールデンFPC理事

デールさんと交代するホールデンFPC理事は、歯に衣着せぬ物言いで有名な方で、金融政策についてもタカ派的存在に違いないと見られているようです。果たして実際はどうなのかわかりませんが、とりあえずはタカ派の可能性が高いとされており、その予想通りであれば、ハト/タカ/中立の人数は、ここでも変化なしといえそうです。

和を重視するカーニー総裁が、ホールデン理事を主席エコノミストに選んだことに対し、一部では驚きの声があがっているのも事実です。

フィッシャー・金融市場担当

ビーン副総裁の後任候補として、英国の新聞報道では、デール主席エコノミストの名前が挙がっているのですが、それ以外の国の報道では、フィッシャー金融市場担当理事が、副総裁候補として扱われていました。

先週行われた財務省金融特別委員会での証言で、為替不正操作を理由に停職処分を受けた中銀職員の上司がフィッシャーさんであったため、ボコボコにされたことは私もよく覚えています。今回は、その責任を取った形での処分と言われているようです。

昨年秋、Liborスキャンダルに巻き込まれたのが災いして、英中銀次期総裁ポストを逃したタッカー元副総裁に続き、今度は副総裁のポストを逃したフィッシャーさん。今回の改革の一番の犠牲者という認識で一致しています。

元IMF副専務理事・シャフィク氏

フィッシャーさんの後任:シャフィク氏は、英中銀に新たに新設される【市場・銀行問題担当の副総裁】として8月1日に就任されます。彼女がハト派かタカ派かは、不明。

金融政策には全く関係ありませんが、この方は、米債券運用大手:PIMCOを最近辞任されたエラリアン前CEOの元妻。

フロードベント外務委員

ビーン副総裁の後任として、7月1日より金融政策担当副総裁に就任。この方は、カーニー総裁と同じく、米系投資銀行:ゴールドマンサックス出身者。

この人は、MPC9名の理事の中でも、中立中の中立派として知られています。

注目すべき人物は、この人!

今回の組織改革の報道を聞いていて、この人だけは絶対にマークが必要と感じたのが、新設される【市場・銀行問題担当の副総裁】として8月1日に就任されるシャフィク氏でした。どうして、彼女をここまでマークしようと考えた理由は、この方は2009年からスタートした量的緩和(QE)措置の解消を実行する責任者であるからです。

米英欧、各中銀のバランス・シート比較

最近特に元気よく上昇しているのが、他でもないユーロです。つい1年前までは、債務危機問題の悪化を受け、ユーロそのものが崩壊するのではないか?と心配されていましたが、最近はユーロを取り巻く環境の改善が見られました。しかし、ユーロが買われているのは、それだけが理由でしょうか?

私は各中銀のバランス・シート残高に、通貨の強弱を決定する秘密が潜んでいると考えています。

これらは、米英欧各中央銀行ウェブサイトからデータを取って、私自身が作成したバランス・シート残高の推移を表したチャートです。このチャートから読み取れる事実は、

◎ 米FRBのバランス・シート

バランス・シート残高は現在も増加中。昨年末からテーパリング(量的緩和策の規模縮小)を開始しましたが、他の中央銀行とは違い、未だに量的緩和策を継続しているのは、米国だけ。つまり、早くても今年の秋までは、バランス・シート残高の増加は続きます。

通貨への影響: 市場への流動性供給が継続しているため、ドル安になりやすい


◎ 英中銀(BOE)のバランス・シート

4,000億ポンド付近をウロウロし、増減なし。2009年3月から開始した量的緩和策第1弾、2011年10月から新たに開始した第2弾で、合計:3,750億ポンドの資産買取を実施。2012年7月を最後に買取枠の増加はなく、ずっと同額を維持している。

通貨への影響: バランス・シートの増減がなく、通貨にはニュートラル


◎ 欧州中銀(ECB)のバランス・シート

どんどん縮小中。2011年12月と2012年2月に実施した合計:1兆ユーロ規模の3年物LTROの前倒し返済が開始された2012年末以降、バランス・シート残高は減少傾向が続いている。前倒し返済に加え、今年11月から開始されるECBの銀行監督一元化に先駆け、欧州大手行の資産内容審査のため、各銀行が自行のバランス・シート内容の改善に動いたことも、残高減少に寄与したと考えられる。

通貨への影響: バランス・シートの縮小が加速しており、ユーロ高になりやすい。

英中銀もECBと同じ道を歩むのか?

先ほども書きましたが、シャフィク新副総裁は、量的緩和(QE)措置の解消を実行に移す責任者となります。この人事決定は、今後のQE3解消に向けて、絶妙のタイミングで行われたと私は考えています。

昨年の夏頃は、「QE3解消は、まだまだ先の話である」と発言していたカーニー総裁ですが、ここ数ヶ月の間に発言内容がかなり変わってきており、特に今年に入ってからというもの、QE3解消をすることは、《もし》ではなく、《いつ》へと時間軸が変更されました。

とりあえず、今までの総裁の発言を総合すると、英中銀の超緩和策からの出口戦略は、『利上げ』から始まり、数回の利上げを経て、『QE3解消』へと動くようです。それに 加え、3,750億ポンド全額を解消するとは、約束していません。

ここまでQE3解消に対して慎重になっている理由は、それを見込んで事前に長短両金利を押し上げるような事態にでもなれば、金融市場がパニックに陥らないとも限らないからでしょう。ですので、今回わざわざシャフィク氏を副総裁に選び、QE解消の責任者として、この問題に専念させる覚悟を決めたと考えられます。

一度縮小が開始されれば、BOEのバランス・シートはECBほど早い速度ではないものの、縮小が進んでいきます。そうなれば、流動性も徐々に減ってくるため、それが通貨高に結びつく可能性は高まると私は考えています。ただし、これはあくまでも早くて来年の第2四半期かそれ以降の話でしょう。

唯一、その頃までに英中銀が何度も繰り返している余剰生産能力や需給ギャップに改善が見られなかった場合には、英経済は供給過多であり続けるため、潜在的な価格下落を引き起こす懸念と背中合わせとなり、QE3解消を急がないことにしよう... と結論付けられているかもしれません。

いずれにしても、最近は、ポンド高に対する懸念を表明する中銀理事が出てきているのも事実です。今週発表された3月のMPC議事録では、1)ポンド高はインフレ率押し下げ要因 2)英景気回復に伴い、ポンドの一段高のリスクがある と書かれていました。これとは別に、ビーン副総裁は、今後のポンド上昇は、輸出主導の景気回復達成に水を差すと発言し、中銀当局者が通貨に対して言及するという異例の事態になっています。 ドラギ総裁、そして英中銀当局者それぞれが自国通貨高に対して口先介入とも取れる発言をしはじめた今、ここからの相場展開が非常に楽しみになってきました。自分としては、ECBが本気で口先介入をして来ない限り、久しぶりにユーロ買い/ポンド売りが面白そうだなと思っています。もし週の終値で、0.84Lowを上抜いて終わるようであれば、0.85Highから0.86台までの上昇は可能だと見ています。ただし最近のマーケットは、一寸先は闇ですので、短期取引に集中しており、収益が乗っている間に半分だけでも利食うことに徹するよう、自分に言い聞かせているところです。

松崎美子

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