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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

欧州中銀(ECB)金融政策理事会

更新日:2014年3月7日

今年に入って一番注目を集めた3月のECB理事会。1%を下回ったままのインフレ率、そこに来て陸続きのウクライナでの危機。これらのネガティブ要因を受け、今月の理事会では、マイナス金利を含む追加緩和策導入予想が高まりました。

マーケットのかく乱要因であったウクライナ危機は、ロシアの軍事介入の可能性が後退したものの、クリミア議会でのロシア編入決定、そして3月16日の国民投票実施など、まだまだ予断を許さない状況であることには変わりありません。とりあえず直近の軍事介入の危険性が後退したことを受け、今まで安全資産として買われていた円は大きな調整を強いられ、ドル円は一気に2円近く円安方向へ動いています。

今年は年初のアルゼンチン問題やトルコ政情不安など、新興国やフロンティア市場を舞台とした数々の問題がマーケットを直撃し、1時間前までは収益を出していたポジションが、気がついたら損切りになっていたという経験を何度も経験しました。

大多数の大手米欧系銀行は、《ドル買い》を2014年のマーケット・テーマとしておりましたが今のところ、この予想は見事に外れています。それだけでなくディスインフレで悩む欧州で、ユーロが堅調推移しているのも非常に気になるところです。しかし、ドラギ総裁の定例記者会見では、インフレ低下要因となるユーロ高についてけん制発言が出ず、一挙にマイナス金利や追加緩和策導入の可能性が衰えた理事会となりました。

ECB理事会前の動き/予想

1) マイナス金利導入予想が増えた

今年に入ってからというもの、ECB理事会前に必ず出てくるのが、「マイナス金利導入の可能性」。今月も先月同様、この観測が出ていましたが、利下げ予想に票を入れたエコノミストの数が増えているのが気になりました。

理事会前に実施されたロイター社の調査を比較しますと、2月の理事会前は、21人中3人が利下げ予想だったのに対し、今月は、78人中26人、なんと3割のエコノミストが利下げ予想に傾いていたのです。

ただし肝心のユーロは、今週に入ってからもかなり底堅い動きに終始していました。

2) ユーロ圏からの経済指標

理事会前日(水曜日)に発表されたユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)改定値と小売売上高が両方とも、予想を超える好調さを示しました。PMIは2011年6月以来の高水準、小売売上高は前月比で事前予想の2倍に、前年比に関しては予想:−0.4%に対し、発表された数字は+1.3%と大きく市場予想を上回りました。

このあまりにも良すぎる経済指標を受け、一気にマイナス金利導入観測が後退したことは言うまでもありません。

3) IMFからの発言

強い経済指標が続き、マイナス金利導入観測が急速に衰えた水曜日の午後、ロイターが載せたヘッドラインが話題になりました。その内容は、

「IMF CALLS FOR ECB RATE CUT AND ANOTHER LTRO OR QUANTITATIVE EASING TO AVERT DEFLATION RISK
IMF(国際通貨基金)は、ECBに対し、デフレリスク回避を目的とした政策金利のカット、またはLTRO再導入、あるいは量的緩和(QE)を求める」

私はこの日、ユーロを買い目線で見ていたため、このヘッドラインを見て慌ててポジションを閉めようとしました。しかしそんな焦りは必要なく、たった20ポイント下落しただけで、また元のレベルに戻って行きました。あらためてユーロの底堅さを感じた瞬間でした。

4) 不胎化オペの停止

不胎化オペの説明については、先月のコラム記事で詳しく書いておりますので、敢えて繰り返すことは避けます。

とりあえず要点としては、ギリシャ債務危機が発覚した直後から、ECBは高債務国の国債を流通市場で買い入れ、当該国の長期金利を低下させるお手伝いをしていました。これをSMP(証券市場プログラム)と呼びます。

そして、ECBはここで買い入れた資金を市場に残さず、毎週火曜日にロールオーバーをしながら、資金吸収オペ(不胎化)を実施しています。現在この残高は、1,757億ユーロとなっており、もし不胎化オペを中止した場合、全額が市場に流出することになり、現在の余剰流動性額を一挙に2倍にする計算となります。これは、見方を変えれば《小規模の追加緩和》と受け止められると私は考えています。

為替への影響としては、不胎化中止 → 流動性増加 → 短期金利の更なる低下 →ユー ロ下落に寄与する というシナリオを考えていたのですが、IMFからのマイナス金利導入要請 とも取れる発言でも、たった20ポイントしか下げなかったユーロ。不胎化中止の発表があった としても、100ポイントを越すような急落は無理でしょう。

5) それ以外の追加緩和策導入の可能性は?

インフレ率が低いこと以外に、ECBが頭を悩めているのは、ウクライナ情勢かもしれません。現在は小康状態を保っていますが、いつ何時、事態が急変しないとも限りません。出来れば、陸続きのヨーロッパは、今まで以上に流動性を確保したいところ。その目的で、流動性供給に繋がる追加緩和策導入の可能性はないのか?私は非常に気になっていました。

6) ユーロ高

2月末に104.286という直近高値を付けたユーロ実効レート。

ECBは過去に2度、ユーロ高をけん制するために口先介入をしました。その時の実効レートのレベルは、106〜109

現在のレベルは、口先介入時のレベルには達しておりませんが、かなり接近してきているのも事実です。果たして今月の理事会で、ドラギ総裁が最近のユーロ高について、何か言及するのか?とくに、インフレ低下要因となるユーロ高を野放しにするのか?非常に気になりました。

ECB理事会からの発表

ドラギ総裁は過去の記者会見でも、数々の驚きの発言をしています。そして今月の記者会見も例外ではありませんでした。一番驚いたのは、追加緩和策導入が完全な空振りで終わったことでした。そのため、【今月やらなければ、もう‘やらない’可能性がかなり高まった】と、私は理解しています。

・ 先月のドラギ総裁の発言

先月、ドラギ総裁は記者会見の席で、
「Policy makers “need to acquire more information” to analyze the “complexity of the situation” in the euro-area economy
ECB理事会では、ユーロ圏経済を取り巻く複雑な環境をきちんと分析するためにも、より多くの情報を入手する必要がある」

と語り、その《より多くの情報》として、4つ例を挙げています。

それは、1)ユーロ圏の昨年のGDP値 2)新興国危機の影響 3)ユーロ圏のマネーサプライと民間貸出の数字 4)3月の理事会で発表されるマクロ経済に関するスタッフ予想 の4つとなっていました。

この4点に関する答えは、

  • 1) 2013年Q4GDPは、前期比 +0.3%、前年比 +0.5%となり、速報値と変わらず
  • 2) アルゼンチンやトルコなどの新興国危機は特にユーロ圏に悪影響を及ぼさなかったが、新たにウクライナ危機が登場した
  • 3) ユーロ圏の民間貸し出しは、ECB目標の+4.5%から大きく乖離し、−2%台のままでの推移となっている
  • 4) スタッフ予想内容は、ユーロ圏の経済回復が穏やかに進行することを裏付ける結果となったが、直近のインフレ率は、以前ドラギ総裁が語った【危険領域】である1%を下回ったままであることに、何ら変わりない

・ マイナス金利導入見送り

上記の4つの材料が重なり、特にウクライナという陸続きの地域に軍事的脅威が発覚したことを受け、市場参加者の誰もが、「マイナス金利、または追加緩和策導入をするなら、今でしょ?」と考えていました。しかし、ドラギ総裁の言葉を借りると、「先月から今月の理事会の間に発表された経済指標が、比較的強い内容となったため、直ちに利下げを行なう必要性が遠のいた。」ということのようです。

それ以外のドラギ総裁の発言の要点は、

  • 緩和政策は必要な限り継続
  • 金利は、長期に渡り、現行水準かそれを下回る水準にとどまる
  • 必要ならば断固とした措置を取る
  • ECBは金利変更などの政策手段について広義に協議した
  • 景気回復の速度は穏やか
  • 銀行同盟の実現に向けた一歩一歩は、域内の信頼感を高めることに貢献する
  • 民間貸出が弱いことは、クレジットリスクを反映している
  • 新興国危機によるユーロ圏への影響は、限定的
  • 最近の経済指標はサービス業界の改善を示しており、これは雇用創出に関して大事なことである
  • ユーロ圏コア国と周辺国における消費者信頼感のギャップが狭まってきている

・ スタッフ予想

市場関係者の興味を集めたのが、スタッフ予想に示された《2016年インフレ率予想》でした。もしこの数字が、ECBインフレ・ターゲットの2%かそれに近い数字であれば、追加緩和策導入の必要性が低くなる、逆に1.5%を下回るようであれば、何らかの対策が必要だという認識で一致していたからです。結論としては、+1.5%という際どい数字となっていますが、ドラギ総裁は、「2016年の年末には、インフレ率は+1.7%へ上昇しているだろう。」と付け加えていました。

・ SMP不胎化停止について

ドラギ総裁が記者会見早々に読み上げた声明文に、SMP不胎化の停止という決定が含まれていないと判断したマーケットは、一気にユーロ買いを仕掛けました。ECB理事会で、この決定が見送られたことに対し、ドラギ総裁は質疑応答でこう答えています。

Let me also add that the benefits of such sterilisation are relatively limited given the short maturity of the bonds currently present in the SMP portfolio. So the injection of the liquidity would really last only a relatively short time, less than a year for sure.

  • SMP不胎化停止は、ひとつの選択肢である
  • ただし、今のところ、停止することを正当化できる状況では、ない
  • 流動性がタイトになっているとは思わない
  • 不胎化停止によるメリットは限定的
  • SMPで保有する国債の残存期間が短いため、効果は限定的
  • 不胎化停止による流動性供給期間は、1年未満となることは確実である

ECB理事達の認識では、流動性がタイトになっている訳ではないため、SMP不胎化停止という決断を下さなかったことは、仕方ないかな...と私は理解しました。

しかし、最後の「SMPで保有する国債の残存期間が短いため、効果は限定的」「不胎化停止による流動性供給期間は、1年未満となることは確実である」という部分に関しては、私には理解出来ません。

これは、2013年2月にECBが発表したSMPを通してECBが取得した加盟国の国債残高と、それら国債の残存期間を示した表です。この時点での保有残高は、2,080億7,000万ユーロ、平均残存期間は、4.3年となっているのが確認出来ます。

このときから現在までに、満期を迎えた国債があったため、一番最近の保有残高は、1,757億1,600万ユーロまで減少しています。

ドラギ総裁は、「SMPで保有する国債の残存期間が短い」と仰いましたが、2012年末時点での残存期間が4.3年ということは、現在の時点では、3年くらい残っていることになります。そして「不胎化停止による流動性供給期間は、1年未満となることは確実である」という部分の【1年未満】という数字は、どこから出てきたのか知りたいです。次から次へと満期が来るので、3年後の保有残高は微々たるもので、流動性供給には全く役に立たないという意味で仰ったと思うのですが、やはりなんだかしっくり来ません。

・ 為替レートとインフレ率との関係

ドラギ総裁は、為替とインフレ率との関係について、興味深い話をして下さいました。

The exchange rate is not a policy target for us, but the exchange rate is very important for growth and price stability ... we ask ourselves the question - how much has (the euro level) counted for the low inflation that we see today? We come up with the number - with a figure, which is roughly 0.4 ... that is a significant statement on how the exchange rate might influence our price stability objective.

  • ユーロ相場は政策目標ではないが、成長や物価安定にとって重要である
  • 為替レート(ユーロ実効レート)が10%強くなると、インフレ率の40〜50bps(0.4〜0.5%)押し下げ要因となる

ユーロ実効レートは、2012年の安値から現在までに、10.46%上昇している ⇒ これは、インフレ率を0.4〜0.5%下げる要因となっている ということです。

まとめ

文頭でも書きましたが、今年は《ドル高》の一年になるという予想が多かったものの、ここにきて、ユーロやポンドの上昇が目に付くようになってきました。特にユーロに関しては、米英が超緩和政策からの出口戦略を模索しているのに対し、欧州は追加緩和期待が依然として残っているにもかかわらず、グングンと値を伸ばしています。

域内の好材料に目を向けると、

  • 南欧州、特にイタリアとスペインの国債利回りが、リーマン危機以前のレベルまで戻った ⇒ ドイツ国債とのイールド・スプレッド(利回り格差)の縮小 ⇒ ユーロ買い材料
  • ソロス氏やポールソン氏などの著名なファンドマネージャーが、スペイン不動産に投資する可能性が出てきた ⇒ 周辺国を取り巻く環境の改善 ⇒ ユーロ買い材料

今年11月から欧州の大手銀行の監督権限を持つことになったECBが、それに先駆けて各銀行の資産査定(AQR)に乗りだします。そのため、欧州各行はバランスシート改善を目的とした保有資産の売却などの準備を続けているところ。そこに目をつけたのが、他でもないソロスさんなどのファンド勢。今までならスペインの焦げ付き不動産担保ローンなどには目もくれなかった人達ですが、ここにきて周辺国に対する投資再開の決定をしたということは、これらの国に対して自信を取り戻しつつあるという証拠になります。

肝心のユーロですが、私は今月中に、1.39ミドル(チャート上の黄色線の上限)達成と考えておりましたが、既にユーロは1.3850を超えてきました。

青線のレジスタンスが、1.3820-30台に通っていますが、もしこれより上で今週終わった場合、1.39ミドル達成は時間の問題となるでしょう。

正直、簡単に1.40台に乗るとは考えていませんでしたし、ユーロ加盟国の一部からも、ユーロ高けん制発言が強く出てくるレベルであると認識しているため、現時点では1.3950-70までが、私の中での予想の上限となっています。

松崎美子

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