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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ウクライナ情勢

更新日:2014年2月28日

年明け早々、次々と新しい波乱材料が出てきて、マーケットが荒れています。ざっと頭に思い浮かぶだけでも、アメリカのテーパリング継続・英中銀の早期利上げ観測・アルゼンチンから端を発した新興国危機・日中関係悪化に関する懸念・ディスインフレの深化に伴う欧州中銀のマイナス金利導入観測、そしてここに来て一挙に悪化したウクライナ情勢。

昨年は、アベノミクス/異次元緩和をテーマに、とにかく円売り・日経株価買いさえしていれば儲かった強いトレンド相場でした。しかし、今年は未知数とも言える材料が続出しているため、それぞれの材料をどう消化してよいのか、マーケット参加者の私達が迷ってしまう始末です。

年初には想像もしていなかったウクライナ情勢。本日は日本人にはあまり馴染みのないこの国で一体何が起きているのか?について、書いてみたいと思います。

ウクライナ危機(時系列)

2013年11月21日:欧州統合協定への署名拒否が引き起こした抗議デモ

ウクライナ情勢がここまで悪化したそもそものきっかけは、昨年11月まで遡ります。

昨年11月21日、旧ソビエトに属していた6ヶ国 (ウクライナ・モルドバ・べラルース、そしてコーカサスからは、アルメニア・アゼルバイジャン・ジョージア)とEU代表者が、リトアニアに集まり、小規模なサミットが行なわれました。ここでは、参加国が将来EUに加盟することを視野に入れ、EUとの貿易の自由化や渡航規制を緩和することなどが盛り込まれた《欧州統合協定》への署名が行なわれる予定となっていました。しかし、出席したウクライナのヤヌコビッチ元大統領は、その署名を拒否しました。そしてこのニュースが流れるやいなや、EU加盟を希望する国民が大規模な反政府抗議デモを始めたのです。

同大統領の署名拒否の背景には、ロシアからの圧力がかかっていたと思われますが、EU側にすると、この6ヶ国とは緊密な関係を築いておきたいところ。

皆さんもご存知のように、ウクライナにはロシアからヨーロッパへと続く巨大な2本のガスパイプラインが通っています。それに加え、コーカサス地方、特にアゼルバイジャンは石油とガスの宝庫であり、EUに対しエネルギー輸出を始めました。将来は、アゼルバイジャンを通じて、更に遠くの中央アジアからのエネルギー輸入をも検討しているとも伝えられています。今までの中東一辺倒のエネルギー政策から脱し、安定した供給を世界各地から受けるためにも、EUは前向きにこれら6ヶ国との連携/協力拡大を希望しているのは、当然とも言えるでしょう。

2013年12月17日:ロシアが金融支援を発表

反政府デモの悪化で財政困難となったウクライナに対し、プーチン・ロシア大統領は、総額:150億ドル規模の金融支援を発表しました。
この支援を通して、
1) ウクライナがロシアから輸入しているガス価格の引き下げ
2) ロシアによるウクライナ国債の購入
などが、約束されました。

合意後すぐに、ロシアは30億ドル規模のウクライナ債券を購入。その後、2月中旬に追加で20億ドル相当のユーロ建て債券を購入したとされています。

2014年1月22日:反政府デモで初の死者

昨年から続いていた反政府デモで、初めて3名の死者が出ました。

2014年1月28日:ウクライナ内閣、総辞職

反政府デモがますますエスカレートし流血の事態となったことの責任を取る形で、アザロス首相が辞任を発表。これをきっかけに、全閣僚が辞表を提出し、内閣総辞職となりました。

この事態を重くみたヤヌコビッチ政権は、妥協案としてデモ規制法の廃止を約束するとともに、野党幹部に首相・副首相就任を打診しました。しかし、野党側は、2015年に予定されている大統領選挙の前倒しを交換条件として提示し、平行線を辿るばかり。

この時期から、政局不安を背景にしたウクライナ通貨:フリヴニャ(UAH)売りがはじまり、2月に入ると一気に売り浴びせとなりました。

2014年2月16日:集会参加者への恩赦

1月29日、ヤヌコビッチ大統領は、占領中の行政庁舎明け渡しと交換条件に、反政府デモ参加者に対し恩赦を与える法案を賛成多数で可決。そして、この日になり、やっと行政庁舎の明け渡しが決定しました。

2014年2月18日:反政府デモで25人以上の死者

治安部隊は、首都キエフの独立広場に陣取った最大の反政府デモ隊のキャンプの排除を開始しましたが、デモ隊との間で起きた衝突により、1991年の独立以来、最大の死者を出す結果へ。

2014年2月20日:死者が75人に達する

18日から続いている反政府デモ隊と治安部隊との大規模衝突による死者が計75人に達したことが、明らかになりました。

この日、ヤヌコビッチ大統領はキエフで、ドイツ・フランス・ポーランドの外相と会談。

2014年2月21日:EU緊急外務相会合開催 対ウクライナ制裁採択

(1) ウクライナで起きている暴動や人命の損失を重くみたEUは、緊急外務相会合を開催し、その日のうちに、対ウクライナ制裁の採決に動きました。主な内容としては、ウクライナ政府高官らに対するビザ制限およびその資産凍結、さらにウクライナへの軍用および治安維持用特殊機器の輸出を停止するなど。
同時に、EUは、一連の反政府デモは、ヤヌコビッチ大統領に責任があるという見解を発表。今回の制裁発動に対し、英国・イタリア・オランダ・スペイン・ブルガリアは、あまり乗り気ではなかったと報道されています。そしてドイツは、制裁そのものに反対していた模様。
(2) ヤヌコビッチ大統領、解任。政権崩壊
(3) この日に予定されていた20億ドル規模のウクライナ国債の入札は急遽中止。
(4) 格付け大手:S&Pは、ウクライナの格付けをCCC+から1ノッチ格下げし、CCCとしました。見通しは、ネガティブ。

2014年2月22日:大統領選前倒し実施で合意

(1) ウクライナ政府と大統領との間で、大統領選を今年12月に前倒し実施するという内容で合意 ⇒ その後、大統領選挙は更に前倒しされ、5月25日に実施予定。
(2) EU・米国・IMFなどが次々と金融支援を申し出る

2014年2月23日:大統領代行選出

ウクライナの最高会議(国会)は、トゥルチノフ議長を大統領代行に選出。

2014年2月25日:大統領選、立候補者受付開始

(1) ウクライナ、デフォルト危機が懸念されはじめる。英国の金融情報サービス会社であるマークイット社によると、ウクライナが今後5年以内にデフォルトに陥る可能性は、52%
(2) 挙国一致内閣の樹立に向けた調整と並行し、5月25日の前倒し大統領選の立候補届け出の受け付けが始まりました。

2014年2月26日:暫定内閣の首相任命

トゥルチノフ大統領代行は、経済相や外務相を歴任したヤツェニュク氏を暫定首相として任命する人事を固めたと発表。同氏を首班とする挙国一致内閣は27日に最高会議(国会)で選出される予定。

2014年2月27日:挙国一致内閣の樹立・米露の対話

(1) ヤツェニュク新首相率いる挙国一致暫定内閣が正式発足。IMFに対して支援要請に動く
(2) それを受け、国際通貨基金(IMF)が、来週ウクライナ入りし、支援協議を開始すると発表
(3) Shlapak新財務相、ロシアとは引き続き、支援とガス供給価格について協議継続の姿勢を示す
(4) クリミア地方で、「ウクライナからの独立を問う国民投票の実施」という噂が出た
(5) ケリー米国務長官とラブロフ露外務相がウクライナ危機解決に向け、協力すると発表

ウクライナの財政状態

今週に入り、重債務国であるウクライナがデフォルトするのではないか?という噂が毎日のように囁かれています。同国政府は、通貨切り下げを迫られた場合や、景気後退が顕著となった場合を想定した経済再建と対外債務の返済のため、今後2年間で約350億ドル規模の国際支援が必要となるという見通しを発表し、出来れば最初の支援を1〜2週間以内に受け取りたい意向を示しています。

格付け大手:S&Pは外貨建て債務の返済費用として、年内に130億ドルが必要になるという試算を発表しています。
この内訳としては、
1) 年末までに返済が必要な対外債務額:65億ドル
2) 構造赤字の穴埋め用資金:65億ドル
などが考えられます。

幸いなことに、同国の経済破綻や、それに伴う地政学的リスクを未然に防ごうと、EUや米国、そしてIMF(国際通貨基金)など西側による金融支援の申し出が相次いで発表されました。通常のケースですとIMFが支援に乗り出すには数週間かかりますが、現在のウクライナはそれだけの期間待つことは無理であるため、支援策取りまとめを急ぐよう、英国からはヘイグ外務相がIMFのあるワシントン入りしています。
今回の金融支援に対し、ルー米財務長官は「ウクライナ暫定新政権がIMFに支援要請という手続きを正式に踏まなければいけない」という条件をつけたため、27日に正式な暫定内閣が樹立されてすぐにウクライナ政府はIMFに支援要請し、来週にもIMFとウクライナ政府との協議が開催されるようです。

実は、2010年にもIMFとウクライナの間で155億ドル規模の金融支援の合意がなされたのですが、同国が条件順守しないため、昨年その支援が無効になったという前例があります。今回の支援に対し、IMFは「今まで手付かずでいた財政赤字抑制策の導入・通貨の大幅切り下げ・政府補助金の大幅削減や構造改革などに着手すること」を挙げています。

新内閣の財務相によると、ウクライナは最低でも150億ドル規模の支援がどうしても必要だと発言しておりますが、協議決裂で金融支援が遅れた場合、政府は外貨準備金に頼らざるを得ません。一番最近の発表によりますと、2月1日に178億ドルあった外貨準備高が、今週には150億ドルまで減っているそうですので、是が非でも支援金を受け取りたいところでしょう。

ウクライナ与信残高

国際通貨基金(BIS)は、カントリーリスクを把握するため、国際与信統計を発表しています。これは各国の銀行が海外に対して行なった与信(クロスボーダー与信)の残高を集計したもので、各国の銀行システムが抱えるカントリーリスクを把握するのに適しているのと同時に、ある国に対してどの国からの与信残高が大きく残っているのか、国別(世界全ての国ではありませんが...)に記載されています。

一番最近発表された2014年1月号の与信統計から、ウクライナの与信残高(単位:100万ドル)を国別に分け、トップ5ヶ国を書き出してみました。

日本銀行が発行した2003年8月「マーケット・レビュー」は、このBIS国際与信統計の概要の特集となっており、その中に詳しく記載されています。

それによると、今までは所在地ベースでの統計に頼っていた与信統計に、最終リスクベースを加えるようになりましたが、この理由については、より正確にカントリーリスクが把握出来るだけでなく、【ある国が危機に陥った際に、影響を被る可能性のある与信額の全体像を把握しようとするもの】であると説明がついています。

つまり、ウクライナ危機が悪化した場合、国債保有や与信残高が高いトップ5ヶ国は特に被害が大きいと考えられます。その中でも群を抜いて残高が大きいのがイタリア。ここでは詳細を省きますが、2011〜12年に2度に分けて欧州中央銀行が実施した3年物LTROの返済期限が今年12月から来年春にかけて来るため、イタリア系の銀行は、返済資金の調達で大変だと思います。
そこにきて、全く予期しなかったウクライナ危機が発覚したため、気が気でないでしょう。これについては、また他の機会に記事にしようと思いますが、これらの理由を総合し、私は今年第3または第4四半期に、ECBが長期LTROの再導入に踏み切る可能性が高まっていると考えています。

リスク・オフ相場

私が住む英国では、ソチオリンピックが開催されていた時期でも、BBCテレビのトップニュースはウクライナ情勢に関する報道で埋め尽くされていました。そして、オリンピック終了直後に、ロシア軍船や特殊部隊が黒海に動員された頃から、地政学的リスクに非常に敏感になったのです。特にロシアが軍事介入をしてくるようなことにでもなれば、ウクライナという《一国の問題が国際問題へと発展》し、特に陸続きであるヨーロッパへの被害が心配されます。

ただし、だからと言って、その心配を先取りするようなユーロ売りが続出したか?と言われれば、そうでもありません。今のところ、為替市場におけるユーロに関する見方は2通りに分かれていると考えています。

ユーロ弱気派

ロシアがウクライナ問題に介入する ⇒ それが軍事介入にまでエスカレートする ⇒ 最悪の場合、欧州へのガス供給パイプを止めてしまうリスクが出る ⇒ 欧州の経済は大打撃を受ける ⇒ それと同時に、ウクライナ債務を保有する欧州系銀行のリスク増大 ⇒ ユーロ売り  というシナリオ。

ユーロ強気派

ロシアとウクライナとの関係がギクシャクする ⇒ それらの地域にある資産は、とりあえず安全性を優先し、地理的に近いヨーロッパ(ユーロ)やスイスへ逃避する ⇒ ユーロはスイスと並ぶ安全資産という位置づけになる ⇒ ユーロ買い というシナリオ。

実際のマーケットの動きを見ると、ユーロがどっちつかずの動きに終始している間、確実に買われていったのが、スイスと円でした。

※クリックで拡大できます

つまり、ウクライナ情勢の安定が約束されるまでは、安全資産のスイスと円が買われるという教科書通りのリスク・オフ相場となっているようです。

まとめ

目先の予想としては、IMFとの協議を経て、最初の支援金を受け取り、財政面は一旦落ち着くと考えられます。しかし油断出来ないことも、まだまだ残っています。

クリミア地域の独立を問う国民投票

大統領選と同日の5月25日に実施されると噂されている国民投票。もし噂通りに実施され、クリミア市民が独立という選択をした場合、ウクライナの分裂が起き、それが新たな地政学的リスクへと発展する危険性が高まります。

大統領選挙

欧州議会選挙最終日の5月25日に、前倒し大統領選挙が実施されます。もし、親EU派でない(または、ガチガチの親露派)大統領が選出されてしまった場合、ロシアからの支援に頼らず、西側(IMFや米欧)からの救済を取り付けた暫定政権の決定が無駄になってしまう可能性も出てくることでしょう。

分裂などがきっかけで、新たなウクライナ危機へと悪化した場合

先週、ウクライナの政治危機がエスカレートした時に、同国の銀行から預金が相当額引き落とされたと報道されおり、今後の状況いかんによっては、キプロスと同じような資本流出のリスクと背中合わせになることが考えられます。

その場合、ただでさえ脆弱な実体経済がますます悪化し、金融機関のバランスシートも激しく毀損されることが予想されます。結果として、財政収支の赤字が拡大し、政府の債務残高も増加となり、かなり大規模な財政リスクが考えられます。

 

以上を総合すると、とりあえず来週のIMFとの支援協議がうまくまとまれば、リスク・オフ相場は後退し、買われていた円やスイスの調整売りが出てくることが考えられます。しかし、自分の中では、それだけの理由だけでは、長期的相場観に基づいた円やスイス売りを仕掛ける自信は全くありません。たぶん、5月25日の前と後では、ウクライナを取り巻く環境が大きく変化する可能性が残っているため、それがはっきりするまでは予断を許さない状況が継続すると考えているからです。

最近の相場は、東京⇒ロンドン⇒ニューヨークと、相場の時間帯によって、全く想像もつかない動きを繰り返しています。どんなポジションでも、とりあえず利が乗っている間に確実に利食う。これを徹底すると同時に、今まで以上に厳格に損切りを入れることが大切です。

こういう神経質な相場展開は疲れるな...と感じる読者の方もいらっしゃると思いますが、私は逆に、取引チャンスが多くなっているので、大歓迎です。しばらくは、大きなトレンドが出るとは考えておりませんので、小刻みに5ピップス、10ピップスと小さな収益を積み上げながら、次の大波を待つ、それも相場に生き残る道だと割り切って参加したいものです。

松崎美子

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