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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英中銀インフレーション・レポート

更新日:2014年2月14日

約320年の歴史を持つ英国中央銀行に、初の外国人の総裁が就任したのが、2013年7月でした。その翌月、カナダ人の総裁率いる英中銀は《フォワードガイダンス制》の導入という歴史に残る画期的な一歩を踏み出したのです。

英中銀より一足お先にフォワードガイダンスを導入したアメリカの連邦準備理事会(FRB)は、失業率の数値目標を取り入れていました。【物価安定と雇用最大化を促す】というデュアル・マンデート(2つの責務)を背負うFRBですので、失業率をガイダンスに取り組むことは、当然とも言えます。

しかし、【物価安定】だけが責務として定められている英国中銀にとって、金融政策の決定判断基準に失業率が割り込んできたため、市場は戸惑いました。導入当時は「失業率7%の達成時期は2016年後半」という解説付きでしたが、それから半年が経った現在、早ければ来月にも達成というところまで雇用市場の改善がすすんだたま、尚更混乱は深まっています。

果たして、英中銀は設定からわずか半年でガイダンスそのものを撤廃してしまうのか?それとも、内容変更を経て低金利長期化を別の形でマーケットに知らせようとしているのか?

今年に入ってから、主要国で一番早く政策金利を上げるのは、アメリカではなくイギリスであるという見方が出てきたため、2月のインフレーション・レポート内容は過去にないほど、注目を集めたのです。

英中銀四半期インフレーション・レポート事前予想

四半期ごとに発表されるインフレーション・レポート(以下 インフレ・レポート)では、主にマクロ経済見通しを発表しますが、昨年8月にフォワードガイダンス制が導入されて以来、マーケット参加者や英国在住の私達にとって、インフレ・レポート発表はガイダンス内容の再確認の場と、とらえられています。

マクロ経済予想

事前予想では、GDPは改善するが最近のポンド高の影響もありインフレ率は下落、失業率も下落するというのが、コンセンサスとなっていました。

GDP見通しの改善という部分は、ポンド買いに繋がって然るべきなのですが、インフレ見通しが下がるため、早急な利上げの必要がなくなるため、ポンドの動きとしては、差し引きゼロかな?というのがコンセンサスとなっていました。

フォワード・ガイダンスの変更/撤廃議論

フォワードガイダンス導入により、歴史的低金利(0.5%)の長期化を明確にし、企業や個人は、安心して低金利の融資や住宅ローンを受けられることになっていました。しかし、ガイダンスの基準として「失業率7%」という数値目標を立ててしまったがために、金利見通しに不透明感が生じ、不必要な混乱を招いたのです。

英国中の著名なシンクタンクのほとんどが、「フォワードガイダンスのお陰で、金融政策見通しが、Complications(複雑化)・uncertainty (不透明感)・ confusion (混乱)している。もし英中銀が民間企業であれば、とっくに倒産しているだろう。」とかなり強い口調で非難しています。ロンドン金融街・シティーで働くイギリス人は、英中銀の信用性(credibility)を異常なほどまでに気にしますので、その落胆は大きかったことでしょう。

英FT紙は、現在のフォワードガイダンスは既に効力を失っているため、即刻撤廃すべき!という論調の記事を書いていましたが、他の報道はガイダンス強化に動くのが賢明であるという議論でした。

そこで、気になるダイガンス強化の選択肢として挙げられていたのが、

1)失業率の数値目標の変更
7%を6.5%へ下げる

2)FEDと同じように、ドット・チャートを導入する
米連邦公開市場委員会(FOMC)が3ヶ月に一度発表する経済予測では、『将来の金利水準予想を示すドット・チャート』を載せています。これは理事達が将来の金利水準について、どのような予想をしているのかを、青い丸(ドット)で示したものです。

英中銀も、FRB同様、9名の理事達の将来の金利水準をドット・チャートで表示をすれば、いくら失業率が7%に達したとしても、市場参加者は1年後や2年後の金利水準の予想がつけやすくて便利だという意見がありました。

3)失業率以外の指標を加える
私は、これが選ばれる可能性が非常に高いと考えていますが、その際に加えられるイチオシ指標として「週平均賃金上昇率」を挙げたいと思います。それ以外ですと、名目GDPを加えるという意見もありました。

インフレーション・レポート/フォワードガイダンス発表

マーケットの関心は、フォワードガイダンス内容の変化に集中していましたので、そこに的を絞って書いてみたいと思います。

カーニー総裁と英中銀理事達の記者会見を聞いていたのですが、やけに耳に入ってきたのが Spare capacity (余剰生産能力)という言葉。日本にいた頃にはあまり耳にした記憶がないこの単語、ロンドンで仕事をするようになってからは、頻繁に聞く言葉なので特に違和感はありませんでした。

変更後のフォワードガイダンス

発表されたインフレ・レポートの8〜9ぺ−ジ目のピンクの枠の部分に、変更内容が明記されています。

簡単にまとめると、

  • 1)政策金利を上げるタイミングは、Spare Capacity(余剰生産能力)を完全に使い切ってからとなる

→ レポート内で表示されている現時点でのSpare capacityの割合は、GDP比で1〜1.5%程度となっており、これを吸収するには、今後2〜3年かかると予想しています。そして、これだけのSpare capacityが英経済には存在するため、インフレ圧力がかからないとも付け加えています。

  • 2)(今までは失業率数値目標7%を判断基準にしていたが、今後は) 失業率に加え、労働参加率・労働生産性・ビジネス動向調査・週就業時間数など、多岐にわたって指標を取り入れ、金融政策を判断する
  • 3)実際に政策金利が上がったとしても、上昇ペースは穏やかになる

→ あとで説明しますが、リーマン・ショック前の金利水準に戻ることは、当面ないと言い切っています。そして、歴史的低金利に慣れ親しんだ国民にとって、利上げを受け入れるには時間がかかる。それを判断するためにも、消費動向などをチェックしながらの利上げとなる模様。そしてここが一番大事だと思いますが、金利というものは一度方向が決まると、おいそれと方向転換しないのが普通ですが、このインフレ・レポートでは、「金利変更の方向性を変更することもあり得る」と書かれていました。これはかなり珍しいことだと考えています。

  • 4)新ガイダンスでは、合計で18の新しい指標を監視することになる
  • 5)QE2で買い入れた国債(3,750億ポンド規模)に関しては、少なくとも最初の政策金利上げの時期までは、保有する

→ 金融政策変更を決定するうえで、1)と同じくらい重要度が高いと英中銀が考えているのが、QE2の解除のタイミングとスピードです。景気回復の安定と継続を維持するためには、景気刺激策はまだしばらく必要との見解を示しているものの、実際に利上げに動くためには、QE2解除のタイミングと速度が大きく影響すると明記されています。

絶対的に低い将来の金利水準

上の3)でも書きましたが、英中銀はたとえ利上げが始まっても、その速度は穏やかなものとなり、過去の金利水準までは到底及ばない点を強調しています。

左側のピンクで囲んだ部分を見ると、1998年〜2007年の10年間の平均政策金利水準は、5%でした。しかし、2008年秋のリーマン・ショック後の「平均金利水準レベル」は極端に低く、2〜3%程度となっています。そして、将来もこの【リーマン後の平均金利水準】が適用されると考えられ、約3年後の2016年の年末時点の金利予想は、1.9%と表示されています (右側のピンク枠部分)

これは、過去3回分の四半期インフレ・レポートにおける将来の政策金利レベル予想グラフを数値化したものですが、昨年からの失業率の改善やGDPの上昇を受け、金利先高感は強くなっているものの、2016年末の予想金利水準がいきなり3%台などになっていない点が重要だと思っています。

各指標や重要項目の予想

それでは、政策金利から離れ、実態経済動向について英中銀がどのような予想をしているのか?を見てみましょう。

昨年からの予想外の景気回復に最も貢献したのは、政府と英中銀の連携プレーによる企業融資・住宅ローン支援策のFunding for Lending Scheme(FLS 融資促進のための資金調達スキーム)と、住宅購入支援策(Help to Buy)をベースとした住宅市場の回復でした。

この表の「不動産関連投資」(黄緑枠部分)を見ると、2012年はマイナスでしたが、昨年は一気に1998〜2007年の10年間平均値を抜き、今年の数字はその5倍以上に伸びると予想されています。

しかし、この表を眺めているうちに、個人消費動向関連の項目において、ひとつの共通点があることを発見しました。それは、世帯支出・不動産関連投資・税引き後世帯所得全てが、2014年にピークをうち、その後ジリジリと下落していることです。

もしこの予想が当たっていれば、歴史的低金利の恩恵を受け、2014年の不動産市場や関連投資が沸きに沸く ⇒ Spare Capacityがだいぶ吸収されてくる ⇒ 来年上半期には予想通りに政策金利上げが発表される ⇒ 同時に総選挙が実施される ⇒ 5年に渡る超低金利に慣れ過ぎた国民は、利上げを受け入れるのに時間がかかる ⇒ 将来の利上げに対する不安が高まり、住宅市場の過熱感が一気に冷める ⇒ 不動産投資の落ち込みを補ってくれそうなのが、企業投資の伸び ⇒ しかし、この時期は、「英国のEU離脱の是非を問う国民投票」の実施時期と重なるかもしれない ⇒ 英国がEUから離脱してしまうリスクを考慮し、企業投資が引いてしまうことも考えられる

こういうサイクルに突入するのか?と、少し心配になってきました。

まとめ

今回のインフレ・レポート発表と同時に行なわれた記者会見を見ていて、唯一気になったのは、Spare capacity (余剰生産能力)という言葉を記者会見で連発したカーニー総裁でした。その理由は、同総裁がまだカナダ中銀総裁だった頃、やはりこのSpare capacity という言葉を連発していたのを覚えており、「なんだか、英中銀がカナダ化していくようで嫌だな...」と感じてしまったのです。

そしてたまたまGoogleで他のことをチェックしていたら、米WSJ紙が「英中銀のカナダ化、Spare capacityを重視する姿勢が、カナダ中銀とそっくりだ!」という本当にそのもののタイトルの記事を載せていたのを見て、驚いてしまいました。

それはさておき、今後英国の金融政策決定についてまわる《Spare capacity(余剰生産能力)》という言葉、これは非常に厄介なものです。どうしてかと言えば、Spare capacityを数値化することは不可能だからです。たぶん経済学者が何人か集まって英国のSpare capacityがどれくらいか?を議論した場合、それぞれが違った見解を示すのではないでしょうか?

主要国でも断トツの景気回復を見せ、住宅バブルまで警戒されはじめましたが、英中銀の判断では、英経済にはSpare capacityに余裕があるため、物価上昇がインフレ・ターゲットを越えてしまうリスクを招くことなく、歴史的低金利を享受出来る恵まれた環境となっています。しかし、‘’景気は大きく改善・失業率も予想以上のスピードで下落・インフレ懸念も心配なし・歴史的低金利もしばらく続く‘’という夢のシナリオには、どこか落とし穴がある気がしてなりません。これは英国に住んでいる多くの人達が、感じていることだと思います。

もしこの夢のシナリオが本物であれば、ポンドはまだまだ強くなってしかるべきでしょう。このペースで行けば、一番最初に金利上げに動くのは、アメリカではなく英国となるのは確実だからです。

私は昨年後半から、ポンドを買うなら対ユーロが一番効率がよいと考えており、ターゲットを0.80台に決めていました。しかし今後金利先高感が台頭するのであれば、0.81台下抜けが固まった時点で、0.79台までの下落も可能だと思います。(ポンド/豪ドルも魅力的ですが、私は豪ドル取引をやらないため、取引通貨に入っておりません)

対ドルでは、今回の上昇は1.6675(最大で1.67Low)までと見ており、正直、ここから買いで参戦したくありません。ただし、1.67Lowが綺麗に上に抜けるようであれば、実効レートも急騰するはずですので、ポンド/ドルは1.70を目指す展開になると思っています。

今年のポンドは、対どの通貨で取引するかにより、違う顔を見せると思っているため、動きに変化が出るまでは、ユーロ/ポンドに集中しようと思っています。

 

松崎美子

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