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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ミニ新興国危機となったマーケット

更新日:2014年1月31日

先週から今週にかけて、中国のシャドーバンキング問題から端を発した「ミニ新興国危機」を受け、マーケットは大荒れ状態。この危機は、その後アルゼンチン・トルコ・南アフリカ・ロシアなどへ飛び火しており、関連諸国の中央銀行は高インフレを口実に、通貨防衛のための緊急避難的な利上げを迫られました。

このミニ危機でマーケットが動揺している最中に、バーナンキ議長在任中、最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されました。予想通り、100億ドル規模のテーパリングとなるのか?はたまた、規模を縮小した小型テーパリングとなるのか?それとも、ミニ危機に配慮してテーパリングを中止するのか?市場の意見が分かれるほど、今回の危機のインパクトは予想外に大きいものとなっています。

予期せぬ新興国危機の影響で、突如我々を襲ったリスク・オフ相場。これがすんなりと終結する兆しは、今のところまだ見えていません。安倍政権発足以来、一本調子の株高・円安トレンドに慣れきった日本の個人投資家の方々にとっては、受難の1年になるのかもしれません。相場に絶対はないため、これから円を取引する際には、日経平均株価や米国債利回りだけでなく、トルコ・リラや南ア・ランドを注視しながら行なう癖をつけたいものです。

本日のコラムでは、今回の危機の主役となった3ヶ国を選び、どうしてこのような泥沼の状態に引きずりこまれてしまったのか?を考えてみたいと思います。

アルゼンチン

中国のシャドーバンキングに関しては、日本の読者の方々のほうが、私より詳しいと思いますので省略させていただきます。

デフォルトの王様、アルゼンチン

まず、アルゼンチンですが、私もそんなに詳しくありませんので、いろいろな報道や説明を読みつぶし、自分なりに得た感触を書いてみたいと思います。

まずこの国は、失政とハイパー・インフレに長い間苦しめられた「デフォルトの王様」のような国です。

1990年代から2000年代にかけ、政府はインフレ率を10〜11%と公表しておりましたが、実際は25%近くで推移していた時期が長かったようです。この非常に高いインフレを抑制することが優先され、長期に渡り「1ドル:1ペソ」という大きくペソ高に傾いたドルペッグ制を維持していました。

しかし身の丈以上に強いレベルでドルペッグ制を決定した結果、アルゼンチンは輸出競争力を失ってしまい、国内成長率が低下。【政治危機・ハイパーインフレ・マイナスGDP】と悪いことが連続して続いたせいもあり、この国は国内債務で3回、対外債務でも3回、合計6回のデフォルトを経験。南米では、ベネズエラと並ぶデフォルト大国という烙印を押されています。最近のデフォルト経験は、2001年に起きた対外債務支払い一時停止宣言。これをきっかけに、アルゼンチン金融危機が発覚し、その翌年、同国政府が発行した円建て債券(サムライ債)の利払いも予想通りに不払いとなっています。

外貨準備金に頼った無防備な政策

その後もアルゼンチンを取り巻く経済・金融環境はあまり改善せず、資本の国外流出に伴う外貨準備の減少を止める目的で、フェルナンデス大統領は2007年就任後、ペソの交換を制限する管理フロート制を復活させました。この政策を通して、公定為替レートを意図的にペソ高に設定し、輸入インフレの抑制に努めてきましたが、その反動で製造業をはじめとする輸出企業が国際競争力を失い、外貨の流入が極端に減ってしまいました。輸入代金や国債の利払いなど外貨で支払うものは、全て外貨準備金任せという頼りない政策が続いたお陰で、外貨準備高がどんどん減少し、今日に至っています。

外貨準備金の減少具合を数字で紹介しますと、2011年末には510億ドルでしたが、昨年夏から秋にかけて344億ドルまで減少、年末には305億ドルとなり、年間で30%程度の減少を記録しました。一番最新の数字は、先週木曜日となっていますが、その額は293億ドルと報道されています。

ペソ売り加速

今年に入ってからペソ安が加速していますが、この背景には、同じ南米のベネズエラが通貨切り下げを実施したことが挙げられています。通貨安はインフレ悪化を引き起こすため、同国中銀は必死でペソ買い/ドル売り介入を繰り返しました。しかし、外準の減少に耐え切れず、とうとう1月22日に「これ以上の外貨準備金の減少を避けるため、市場介入を一時停止する」と宣言。それがきっかけとなり、その日は一日で15%のペソ安となってしまいました。

さすがの中銀もこの事態を重く見て、その翌日から2日連続でペソ買い出動し、とりあえずドル/ペソは8台を維持。マーケット参加者の間では、「8ペソ前後での推移を中銀は考えているようだ。」と理解しています。

これは、アルゼンチン中銀のウェブサイトから数字を拾って自分で作成したドル/ペソのチャートですが、22日の介入断念の日に一気にペソ安が加速しているのが確認出来ます。

トルコ

昨年夏、2020年夏季オリンピック招致を目指していた現政権は、イスタンブール中心部の再開発計画を発表。そこには、街中にある樹木を伐採することが含まれており、環境活動家や市民が大反対。最初は座り込みによる抗議だけでしたが、政府が催涙弾の使用も含めた過激な対応をしたことに国民が怒りを覚え、これが大規模な抗議デモへと拡大しました。

それに続き、昨年12月、今度は国内の土地開発をめぐる汚職事件が発覚。そこで、エルドアン首相自身の家族が関与していた疑いが出てきてしまい、同首相の辞任を求める世論が高まりました。しかし、同首相はそれをきっぱり拒否し、結果として同政権の3閣僚の辞任ということで落ち着きました。

ブラジルやタイなど他の新興国では、金融・通貨危機が発覚してから、政治危機へと発展するケースが多いのですが、トルコの場合は反対で、政治危機が引き金となった金融・通貨危機と考えてもよいかもしれません。

今年のトルコは選挙年となっており、3月に統一地方選挙、そして8月には大統領選挙が控えています。そのため、エルドアン首相は経済成長の重しとなる利上げには執拗に反対しているため、先週開催されたトルコ中銀金融政策理事会では、リラ防衛の意味も含んだ政策金利上げを見送らざるを得ない結果となりました。

中銀の大決断!

しかし、金利据え置き発表後は、中国やアルゼンチンとともに、トルコでも通貨安が加速。この事態を重く見たトルコ中銀は、週明け早々「1月29日午前零時(ロンドン時間28日22時、日本29日午前7時)に緊急金融政策会合を開催する」と発表。同中銀が『緊急会合』開催に踏み切ったのは、ユーロ圏債務危機の真っ只中であった2011年8月以来、はじめてのこと。

この緊急金融政策会合での決定内容について、マーケットの関心は2つの点に集中していました。 

  • 1)政策金利上げであれば、上げ幅はどのくらいなのか?  
  • 2)金融政策の発表をするのに、わざわざ深夜という時間帯を選ぶということは、資本規制の導入をする可能性が出てきたのではないか? 

後日、中銀がわざわざ深夜という時間帯を選んだ理由は、理事の一人がアメリカ出張中で、その方の帰国を待たざるを得ないため、例外的に深夜発表となったと説明していました。

緊急金融政策理事会からの発表内容

トルコ中銀は、全ての金利を上げました。具体的な上げ幅は、

  • 1週間物レポ金利: 前回 4.50% ⇒ 新レート  10%
  • 翌日物貸出金利:  前回 7.75% ⇒ 予想 10% ⇒ 新レート12%
  • 翌日物借入金利: 前回 3.50% ⇒ 新レート 8%

さらに大事な点として、主要政策金利が変更されています。いままでは【翌日物貸し出し金利】が主要政策金利でしたが、1月29日より、【1週間物レポ金利】を新しい主要政策金利と位置づけたそうです。

報道各社は、翌日物貸出金利が(7.75%から12%まで上がったため)425bpsの引き締めと報道していますが、実際は、7.75%から1週間物レポ金利 10%となったので、実際の引き締め幅は225bpsとなります。

経済に与える影響は?

市場予想をはるかに超える金融引き締めを受け、対ドルで2.32台目前まですすんだリラ安が、現在は2.26台までドル安/リラ高に戻ってきました。しかし、この高金利がトルコ経済に与える悪影響が既に心配されはじめています。GDPを見てみると、2013年第2四半期に+2.1%(前期比)を記録して以降、第3四半期は+0.9%まで落ち込み、今年3月末に発表される第4四半期の予想は、+0.2%となっており、景気後退が心配されています。そこに、通貨防衛とは言え、ここまで大胆な利上げを断行したため、2014年第1四半期はマイナス成長となる危険性が浮上してきました。

今回の利上げを受け、エルドアン首相は
「The central bank is an independent institution… of course I am against increasing interest rate. If something happens in the future, they will be responsible for any damage done to the country’s growth.
トルコ中銀は独立した機関である。当然、私は今回の利上げに対しては反対である。もし将来(今回の利上げにより)経済成長に悪影響を与えた場合は、中銀の責任である。」
と強い口調で非難。

バシュチュ・トルコ中銀総裁にしてみれば、そもそも昨年から現在までに30%を越える通貨安を放置していたため、中銀の信用性を失いかねないという重要問題を抱えていました。

先週の理事会で、通貨安に目をつむり、政治的圧力に負けて金利据え置き発表をしたことが市場で嫌気されて、リラは急落したため、今回の緊急理事会では、利上げをしないという選択肢はなく、「どのくらいの利上げ幅なのか?」が問題でした。

それ以外の心配事としては、トルコという国は恒常的に経常赤字に悩まされており、最新の数字によると、経常赤字対GDP比は、7%となっています。この数字は、2012年の10%より改善されてはいるものの、赤字分は海外からの資金流入に頼っている状態に変化はありません。更に恐い話として、赤字の8割近くを短期借入で補っているため、継続的に多額の資金を海外から調達せざるを得ないようです。今までは世界的低金利の恩恵を受け、海外からの直接投資で潤っていましたが、アメリカが出口戦略をとり始めたことを受け、トルコの今後の政治的リスクと赤字借り入れがスムーズに行なわれるのか? 今後も注意が必要です。

ロシア

ロシアの通貨:ルーブルは完全なる変動相場制への移行を未だ果たしておらず、「管理変動相場制」という、少しややこしい枠組みの中で動いています。これは、ドルとユーロとで構成する2通貨バスケットというものを中銀が設定しており、毎日の変動を一定の幅に収めるよう運営しているのです。

完全変更相場制へ向けた為替介入政策

昨年10月8日、ロシア中銀は2015年に完全な変動相場制へ移行するという目標を立て、それに伴う為替介入政策規定の変更を発表しました。

中銀の発表詳細を簡単にまとめますと、

  • ドルとユーロからなる2通貨バスケットにおいて、変動が可能な幅(許容変動幅=コリドー)は、変更前も後も全体で7ルーブルとする。変更前のコリドーは、32.25〜39.25ルーブル、変更後は32.30〜39.30ルーブル。
  • 7ルーブルのうち、介入を伴わない【中立的 technical / neutral レンジ】を、変更前の1ルーブルから、変更後は3.1ルーブルに拡大する。繰り返しますが、この中立的レンジの間に収まる限り、中銀は為替介入を実施しない
  • 具体的な【中立的レンジ】は、変更前は35.25〜36.25ルーブルであったが、変更後は34.25〜37.35ルーブルとなる。
  • 2通貨バスケットが中銀が設定した上下限を0.95ルーブル(上下に)超えた場合、1日4億ドル規模の為替介入を実施する。
  • 2通貨バスケットが中銀が設定した上下限を0.95〜1.95ルーブル(上下に)超えた場合、1日2億ドル規模の為替介入を実施する。
  • 2015年にかけて中銀は変動相場制への移行を完了する予定

データ: ロシア中銀 為替政策について

※クリックで拡大できます

無制限介入宣言

先週からの新興国通貨急落を受け、ルーブルも例外ではなく、連日売られています。29日(水曜日)には、中銀総裁が「ルーブルのレートが、2通貨バスケットに対する許容変動幅を超過した場合、無制限に介入する。」と宣言したのです。これは、昨年10月には介入の回数を減らし、完全フロートを目指していたロシア中銀が、180度方向転換を迫られた瞬間でした。

この中銀総裁宣言と同時に実施された為替介入規模は、推定28億ドルとも言われており、2011年9月以降最大規模のルーブル買い介入となりました。同時に開催されたロシア議会では、政策金利上げについて協議されたようですが、そこではシルアノフ財務相が断固として政策金利上げに反対したと伝えられています。

まとめ

今回の新興国通貨危機は、トルコ中銀の大胆な利上げや、南ア中銀の追随利上げが功を奏し、一旦小康状態を保っています。そして、さきほども書きましたように、ロシア中銀の無制限介入宣言を受け、売りが加速していた新興国通貨は調整の買いが入り、マーケットの緊張感がややほぐれてきたようです。

今回の危機では、日本も無傷ではいられませんでした。リスク・オフから安全志向の円買いが殺到し、それに伴い目先の利益確定の動きが勢いをつけたため、昨年一番リターンが良かった日経平均株価が急速に下落したのです。

とりあえず、水曜日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通り100億ドル規模のテーパリング(量的緩和の縮小)を行いました。同時に発表された声明文の中には、先週から市場を動揺させている新興国危機について、一言も触れていなかったことも、市場に安心感を与えたと思っています。

ここからのマーケットですが、先週開催されたスイス・ダボス世界経済フォーラムで安倍首相が基調講演をされてから、日本を取り巻くセンチメントが変わってきているように感じてなりません。そもそも経済フォーラムであるにもかかわらず、講演後の質疑応答で最初に出た「靖国参拝問題」がこちらでは大きく報道されています。特にFT紙では、「安倍総理は、日中間での武力衝突は論外である!とは、明言しなかった」という内容の記事を出し、某大手米系銀行は「日中関係は2014年の2大危機のひとつ」というレポートを出したようです。

この安倍総理発言と時を同じくして、ドル円は下落・日経平均株価も窓を空けて急落しています。もちろん、ミニ新興国危機も同時進行しておりましたので、その影響も大きいとは思います。

長期的には、日本の赤字体質が変化しない限り、円安基調である点には変わりないと考えておりますが、短期的には、ドル円で103.80〜104.04辺りが抜けない限り、戻り売りを考えています。FOMC後に失敗した101.77を割れるかどうか?そこが鍵を握っているでしょう。

 

松崎美子

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