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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英中銀フォワードガイダンスの有効性

更新日:2014年1月24日

毎年この時期の恒例行事となっているスイス・ダボスで開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)。毎回錚々たる面々が一堂に会する場としては、これ以上のイベントは思いつきません。そのような世界的大イベントで、日本の首相として初めて安部総理が開会式の基調講演をしました。私もライブ中継を見ましたが、日本の首相でここまで堂々とした態度で英語の講演をする姿には、誇りさえ感じました。

講演開始早々、「A ‘New Dawn' Is Coming Over Japan(新しい夜明けが日本で始まろうとしている)」と切り出し、いきなり観客をとりこにした安部首相ですが、このあとには、 1)4月より法人税2.4%の減税を柱にした異次元の税制措置を断行 2)今春にも、国家戦略特区を創設 3)電力市場の完全自由化 4)2020年までに指導的地位にいる人の3割を女性にする などと語り、ここからの日本のあり方について説明しました。

昨年9月の訪米の際、ニューヨーク証券取引所で行った「Buy my Abenomics アベノミクスは買い!である」というスピーチは有名で、その甲斐あってか昨年の日経平均株価は57%というずば抜けた上昇を遂げました。今回のダボス講演でも同様の即効性のある発言を期待した私は少しだけ肩透かしを食いましたが、あらためて総理の優れたパフォーマンスと、攻撃的ではないがしっかりと‘物申す’日本の姿に胸を打たれました。

しかし海外での評価は、全く別のところに移っています。それは総理の講演が終了してからの質疑応答の時に出た日中関係についての発言です。エコノミスト達には、「2014年の2大危機」のひとつに、この日中関係を挙げている人もおり、せっかく胸を打たれた講演なのに、焦点はそこですか?と考えさせられました。

最近のポンド高

FXを通して知り合った友人達と話していたら、「年初からこれだけ動いたポンドやカナダの動きに参加出来てない...」とぼやいている人が結構おりました。そして「まだ機会があれば是非これからでもポンド相場に参加してみたい」と皆さん話していたので、最近英国で話題になっている【英中銀のフォワードガイダンスの有効性】に焦点を当てながらポンドについて考えてみたいと思います。

最初は、ここ2週間くらいのポンド高の理由について書きましょう。

1)ファンダメンタルズ

今年に入ってから、先行指標であるPMI(購買担当者指数)、雇用関連の数字、政府の借り入れ額など、ありとあらゆる数字が改善されています。その中でも特にマーケットの反応が高かったのが、小売売上高と失業率だったのではないでしょうか?

・小売売上高

1月17日に発表された12月分小売売上高は、

  • 前月比:予想 +0.4%に対し、出てきた数字は +2.6%(11月 +0.1%)
  • 前年比:予想 +2.6%に対し、出てきた数字は、驚くことに+5.3%(11月 +1.8%)⇒ 2004年10月以来、約10年ぶりの高い数字。

昨年末にこのコラムでも記事を書きましたが、今年のクリスマス商戦は天候不順が災いしたせいか、都市の中心地にある大型デパートの売り上げよりも、地元の小売店での販売実績が大きく伸びたという特殊要因もあったようです。

・失業率

1月22日に発表された9−11月期の失業率は、前年同期比:予想 +7.3%に対し、実際の数字は +7.1%(8−10月期 +7.4%)となり、英中銀が昨年8月に決定した【政策金利見通しに失業率を数値基準として適用】するというフォワードガイダンスの数値目標【失業率7%】にほぼ並ぶ数字の発表となりました。これについては、後ほどあらためて書きます。

・住宅関連指標

住宅金融大手:ネーションワイドとハリファックス、大手不動産会社:ライトムーブなどが発表する住宅価格指数は軒並み上昇。それに加え、英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)が発表した最近の調査結果では、今後3ヶ月間に住宅価格が上昇すると予想した回答者の割合が61%となり、これは1999年9月以来最高となったことが確認されました。この国の住宅市場の過熱ぶりは恐ろしいものがあります。

2) 実効レート

英中銀が毎日発表しているポンド実効レートを見ると、今年に入ってからリーマン・ショック後の高値(チャート上の赤い横線のレベル)をあっさりと上抜けして、上昇に弾みがついてきました。

今まで強烈なレジスタンスであった85レベルが、ここからサポートになってしまうと、リーマン・ショック以前の90〜95辺りが次のターゲットになります。

フォワードターゲット 失業率7%目標

昨年8月、英中銀(BOE)はカナダ中銀・米FRB(連邦準備制度理事会)に続き、現在の金融政策が“いつまで継続するのか?”を明確にするために、フォワードガイダンス制(以下、ガイダンス)の導入に踏み切りました。

これは、現在の英中銀カーニー総裁ご自身が、まだカナダ中銀総裁だった当時、先進国の中で一番最初に導入を決めたガイダンスです。

BOEが導入にしたガイダンス内容は、

  • 政策金利見通しに失業率を数値基準として適用
  • 具体的には、失業率が7%を越える水準にとどまる限り、金融引き締めの可能性は、ない。

などとなっており、それに付随したノックアウト条件のひとつとして、“18〜24ヵ月後のインフレ見通しが、インフレ・ターゲットである2%より0.5%かそれ以上(2.5%以上)のレベルで推移すると、MPCが判断した時”というものが付け加えられました。

過去のコラム記事でもお伝えしましたが、ガイダンスが設定された当時、私が一番疑問に思ったのは、英中銀の責務は、『物価安定の維持』だけであるのに、どうして失業率をそこに介入させてくるのか?ということでした。米FOMC(連邦公開市場委員会) のガイダンスは、失業率とインフレ率の数値目標を両方明記しておりますが、FRBには『物価の安定』に加え『最大雇用の達成』という2つの金融政策目標(デュアル・マンデート)が課せられていますので、当然ともいえるでしょう。

実際に英国での報道を読むと、「一体いつから、BOEはFRBのようにデュアル・マンデートの責務を課される中銀になったのか?」「ノックアウト条件ではインフレ率2.5%という数字が明記されているが、BOEのインフレ・ターゲットは依然として2%のままなのか?それとも、これからは2.5%という数字に注意しなければならないのか?」という疑問が指摘されております。本来であれば、誰にでもわかりやすい透明性の高い金融政策の運営が求められる中央銀行である筈なのに、昨年からBOEのやっていることは、どんどんややこしくなってきている印象を受けます。

失業率の数値目標まで、あと一歩

文頭でも書きましたが、今週発表された9−11月期の失業率は、7.1%となり、ガイダンスの数値目標【失業率7%】にほぼ並ぶ数字となりました。これを受け、マーケット参加者の間では、数々の疑問がわいてきました。

  • BOEは早々に、フォワードガイダンス内容の強化に動くのか?
  • その際には、失業率の数値目標を7%から6.5%へ変更するのか?
  • それとも、FRBのように、もうひとつ違う指標を加えるのか?
  • 早ければ年内に利上げがあるのか?

昨年8月のガイダンス設定時の失業率は、8.1%。その当時、BOE理事達は7%達成時期として「約3年後、つまり2016年後半」をイメージしていました。そして、3ヵ月後の11月に発表されたインフレ・レポートでは、予想以上に好調な雇用市場の改善を受け、7%達成時期を「2015年第3四半期」へと前倒しています。

しかし、その後も住宅市場の回復を追い風に雇用創出がすすみ、今週発表された昨年9−11月期の失業率は、7.1%まで下がったのです。この数字は、2ヶ月前の数字ですので、たぶん現在(2014年1月)の失業率は、既に7%を割れていると考えられています。

ポンド高に関する英中銀議事録内容の変化

2013年12月のBOE金融政策理事会議事録では、
“23 In financial markets, there had been a slight tightening in monetary conditions, with UK longer-term market-implied interest rates rising by around 20 basis points and sterling appreciating by around 2% on the month. These developments were likely to reflect the relatively strong UK data. The sterling effective exchange rate index was near the top of the range it had occupied since early 2009, and had risen by around 9% since its recent trough in March 2013. Although the extent of the final pass-through to domestic prices was uncertain, that appreciation would contribute to disinflationary pressure. But any further substantial appreciation of sterling would pose additional risks to the balance of demand growth and to the recovery.

「最近のポンド高は、英国からの経済指標の数字が良いことを反映している。しかし、今後更に大きくポンドが強くなった場合は、景気回復の足を引っ張ることになるかもしれない」

こういう表現を使って、ポンド高に対する懸念を表明していました。この時の実効レートのレベルは、84.2278

しかし驚いたことに、今年1月の理事会議事録では、このポンド高懸念に対する表現が全て抜けているのです。ちなみに、1月の理事会が行われた日の実効レートは、85.5103 でした。

12月よりも実効レートが上がって(ポンド高)いるにもかかわらず、1月の議事録では「景気回復の足を引っ張るという副作用としてのポンド高」についての言及部分が抜けていることに関して、BOE理事達の間でどういった心境の変化があったのか?非常に知りたいと思います。後付論になってしまいますが、議事録でのポンド高懸念の部分が抜けてから、更にポンドは上昇しています。

期待高まる2月のインフレーション・レポート

2月12日には、新しい四半期インフレーション・レポートが発表され、カーニー総裁をはじめとするMPC理事達が記者会見を行います。次回5月のレポート発表時までには、失業率7%を達成していることでしょう。そうなると、英中銀が金融政策の先行き見通しに対する考え方を説明するには、2月のレポートが最後のチャンスとなります。そのため、過去に例をみないほど、このレポート内容と記者会見は注目を集めることになるでしょう。ここで期待される注意事項としては、

  • フォワードガイダンス内容の強化がされるか?
  • 強化されるのであれば、7%を6.5%への変更か?それとも、新たな指標の追加か?
  • インフレ見通しの下方修正
  • 成長率(GDP)予想の改善
  • 失業率予想の改善
  • もしガイダンスの内容強化がなければ、失業率が7%に達した時の詳しい対処法

ガイダンス内容の強化に関しては、失業率の数値目標を7%から6.5%へ下げるという見方がコンセンサスとなっています。この背景には、昨年10月に行われたビーン副総裁が、“When the 7% threshold is reached there may be scope ‘to maintain in the existing stance of monetary policy longer, perhaps re-setting the unemployment threshold to a new lower level at the same time.” 「失業率7%という数値目標に達した時には、低金利政策の継続を維持するためにも、数値目標を下げるというような再設定の作業が必要になるかもしれない。」とスピーチで語ったためです。

いずれにしても、フォワードガイダンス内容強化の有無にかかわらず、インフレ・レポート発表に伴う記者会見に参加した記者からは、「ここからの金融政策の舵取りと、フォワードガイダンス内容が、どんどん不透明となってきている。それについて詳しい説明を求める」という要求が出るのは確実でしょう。英国に住んでいる私達でさえ、よくわからなくなっているのですから、他の国に住んでいる市場参加者にとっては、もっとややこしくなっているでしょう。

事実、今週火曜日に行われた国際通貨基金(IMF)のブランシャール首席エコノミストの記者会見で、同氏は“It would help if the MPC set out its thinking on when policy might change.”「 英中銀金融政策理事会(MPC)は、金融政策変更の時期について、どのように考えているのか、順序だてて説明してくれると、(金融関係者にとって)大変助かる。」と催促とも取れる発言をしていました。

絶対にないとは思いますが、フッと私の頭によぎったことは、FOMCでフォワードガイダンスを始めた当初は、「1年後」や「2015年中盤まで」というような【時間軸の設定】でしたが、その後【経済指標の数値目標の設定】というやり方に変更しています。同じくガイダンスを導入している欧州中央銀行(ECB)は、「必要な限り、長期に渡り」という文言を使い、やはり【時間軸の設定】という方法を用いています。それに対し、BOEは、【経済指標の数値目標の設定】を用いましたが、次は【時間軸の設定】に変更するということがないのか?少々気になっています。

英中銀が利上げを急がない訳

すぐ頭に浮かぶものとして、3つありました。

1) 実効レート上昇による目に見えない引き締め効果

以前コラムでも説明しましたが、英中銀が発表する実効レートには【4対1方式】というものがあり、例えば実効レートが4%上昇した場合、政策金利で1%の引き締め効果が出るそうです。昨年はポンド実効レートが8%強くなっているので、政策金利2%上げと同じ引き締め効果を持つことを意味しています。

つまり、英国の政策金利はもう何年も0.5%のままですが、現在の英国経済は“目に見えない”2%の政策金利上げと同じ引き締め効果を持ったまま、運営されており、英中銀はこのことを、知りすぎるほど知っているため、早急に利上げに動くとは私は考えておりません。

2) ここからの経済成長見通し

バブルが懸念されるほど住宅市場が活性化し、発表される経済指標全てが順調な伸びを示しているにもかかわらず、英国人はここからの景気回復に少しだけ懐疑的です。その一番の理由は、賃金上昇率の伸びが鈍いからです。

これはリーマン・ショック直後から現在までのインフレ率(赤線)と平均賃金上昇率(青線)のチャートですが、リーマン・ショック以前は4%を越えていた賃金上昇率が、その後ずっとインフレ率より低いレベルでの推移を余儀なくされています。この数字がインフレ率に並ぶか、それを越えない限り、いつまで経っても消費者の財布の紐がゆるくなることは難しいでしょう。

英経済の77%近くがサービス業で占められている以上、個人消費の伸び抜きでは、経済の確固たる成長は、どこかで息切れしてしまいます。

3) 2015年総選挙

今年5月には、英地方選挙と欧州議会選挙があります。欧州議会選挙で最も票を集めた政党が、そのまま地滑り的に、2015年総選挙で与党になるとは考えておりませんが、現在の与党である保守党と自民党が、欧州議会選挙で第3党かそれ以下になってしまうと、特に保守党が猛烈に巻き返しに動くことが考えられます。

そうなると、景気の腰を折りかねない政策金利上げを、BOEに許す筈がありません。この政治的圧力は相当強いものになると予想されます。

まとめ

ポンド実効レートの上昇に対し、BOEが警戒感を示さなかったことを受け、今週に入りポンド高が加速しました。ある米系銀行は、今までずっと売り推奨していたポンドを一挙に買い通貨へと変更したようです。それ以外の大手銀行は英系の銀行も含め、「ポンドは売り」というスタンスを今のところ変えていません。

失業率の話しがよく出てくるので、私も気になり、ポンド実効レートと失業率との関係を調べてみたのですが、案の定、失業率が下がるとポンドは強くなっていました。2013年の値動きを黄緑色で囲んでみましたが、見事に実効レートは上昇し、失業率は下がっています。それ以前の時期をみても、やはり失業率が上がってしまうと、ポンドは下落を余儀なくされているのが確認出来ます。

個人的には、ポンドは対ユーロ、または今年の売り通貨として人気のあるAUDやCADに対して買うのが、一番効率が良いと考えています。そうは言うものの、私はポンドを対AUDやCADで取引した経験がないので、正直よく判りません。

ユーロ/ポンドに関しては、直近の目標として、0.80を考えています。これはポンドが売り通貨であろうが、買い通貨になろうが、対ユーロでは、今年のポンドは買いだと考えているからです。

現在0.82台に戻ってきていますが、出来れば0.8380にひきつけて売りたいですね。その際の損切りレベルは、200週移動平均線が通る0.8430近辺。最初のターゲットは0.80ですが、そこから先は2つの可能性が考えられます。

1) 2月のインフレーション・レポートでフォワードダイガンスが強化される

強化手段や度合いにもよりますが、強化されれば、ポンドは売られます。その時は、一旦ポンド買いのポジションを閉じ、どこまでマーケットが反応するか見守ったほうが安全ですね。ポンド売りが出ても、0.87台が重いと確認されれば、そこから新しくユーロ売り/ポンド買いを考えてよいと思います。

2) ガイダンス強化がなされずポンドが買われる、そしてそれを英中銀も容認する

ないとは思いますが、こういう状況になれば、早期利上げ観測が出てくるのは必須。その場合、英国は米国を抜いて主要国で一番最初に政策金利を上げることになるため、ポンドは更に買われるでしょう。この場合、0.80台が割れ、0.76台くらいまでのオーバーシュートも考えておいたほうがよいかもしれません。

 

松崎美子

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