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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

実効レートについて

更新日:2014年1月17日

昨年とは打って変わり、年初から難しい相場展開が続いています。2013年のマーケットのキーワードとなっていた【アベノミクス相場】も、ここにきて最大の踊り場局面を迎えており、安部政権発足以来進行していた円安・株高がもたつきはじめてきました。

昨年の一方通行的な日経平均株価の上昇が鮮明に頭に焼き付いている相場参加者の間では、少額投資非課税制度(NISA)や、米国の景気回復の足取りが確かになったことを追い風に、今年は1万8000円から2万円に向けて上昇するという強気の見方が多いのも事実です。

果たして年初からのもたつき相場は、更なる日本経済の飛躍に向け、一時的な調整を意味するだけなのか?それとも、春からの消費増税を先取りした悲観論の始まりなのでしょうか?海外にいる私には、うまく判断がつきません。

国策とも言われている【円安・株高】が滞ってしまえば、今まで相場の主役であった円が脇役に押し戻され、マーケットは次の主役探しに走ることも十分に考えられます。今週に入り、ルー米財務長官は「日本の長期的経済成長は(内需拡大により成されるべきであり)、為替水準の恩恵に過度に依存すべきではないし、それは不公平である。」という主旨の発言をしました。15年以上に及ぶデフレから脱却し、世界経済の牽引役として重宝されてきた日本ですが、さすがにここにきて「為替依存症」が目に付いてきたのかもしれません。

果たして、現在の円安は行き過ぎなのか?過去の円相場と比較して、アメリカなどの諸外国の逆鱗に触れる水準まで来てしまっているのか?それについて、実効レートを通して考えてみたいと思います。

通貨の実力は実効レートで測る

日本では『実効レート』という物差しでマーケットを見る参加者が、今でも非常に少なく残念に思っています。私自身も、最初にFXのディーラー・アシスタントとして東京でスタートした時には、この言葉を知らずに仕事をし、何の不都合も生じませんでした。その後、1989年にFXの本場:ロンドンで仕事をはじめてからというもの、事あるごとに『実効レート』という単語を耳にし、「なんだろう?」と疑問を持ち始めたのです。特に英国中央銀行(BOE)は政策金利決定の判断材料として、実効レートを参考にしていると知ってから、必死で勉強しました。

日本で実効レートを知らずに仕事が出来る理由のひとつとして、日本の中央銀行である日銀が、他の主要国の中央銀行とは違い、レート自体を発表していないことが挙げられると思います。英国・欧州・米国それぞれの中央銀行は、毎日自国通貨の実効レートを公表していますが、日銀は国際決済銀行(BIS Bank for International Settlements)が毎月一度発表している世界各国別の実効レートをそのまま使用しているに留まっています。

いずれにしても、実効レートを知らずに為替相場を見るのは、時として不利な立場におかれることもありますので、読者の方に少しでも実効レートに慣れて頂けたらと思い、本日のコラム記事を書くことにします。

実効レートとは何か?

日本では、「実効為替レート」と呼ぶのが一般的のようですが、ここでは少し短縮して【実効レート】と呼ばせて頂きます。ロンドンに来て最初に働いたのがバークレイズ銀行でしたが、はじめて【実効レート】という言葉を聞いた時、すぐに行内のエコノミストに質問しました。その方は、「英国の主要貿易相手国をいくつか選び、対象国全ての通貨・貿易総額・貿易の際に使用される通貨などを拾いだし、相対的な比重を計算して算出された数字」という意味の答えを返してきました。なんだかよくわからない説明でしたが、とりあえず 「1)英国が諸外国と貿易をする際に、どのような通貨が使われているのか? 2)どの国と一番貿易をしているのか?などが大事なんだなぁ...」ということだけはわかりました。それに加え、実効レートの数字が大きくなればなるほど、その通貨の価値は「強くなる」ことも知りました。そして、何年か経てば貿易相手国が変わってくることも考えられます。そのため、各国の中央銀行は数年に一度、実効レート内容の見直しを実施しています。

ポンド実効レート

最初は、私が住む英国の中銀が発表している【ポンド実効レート】について説明しましょう。

ここでは、リーマン・ショックが起きた2008年から現在までのチャートを作成してみました。チャート上のピンクの縦線が、リーマン・ショックが起きた日:2008年9月15日、横線はその日の実効レートのレベル:89.82を示しています。

リーマン・ショックが起きてからのポンド実効レートの動き

  • いきなり急落、結果として17.9%下落
  • その後、78〜85のレンジを行ったり来たり
  • 昨年は、景気の立ち直りを好感し、8%近く上昇

これは、当時勤務していたバークレイズ銀行のエコノミストが教えてくれたのですが、英中銀には【4対1方式】というものがあり、例えば実効レートが4%上昇した場合、それを政策金利におき直すと、1%の引き締めと同じ効果が出るそうです。そうなると、昨年はポンド実効レートが8%強くなっているので、政策金利2%上げと同じ引き締め効果を持つことを意味しています。

つまり、 英国の政策金利はもう何年も0.5%のままですが、現在の英国経済は‘’目に見えない‘’2%の政策金利上げと同じ引き締め効果を持ったまま、運営されているということになります。

英中銀は、この‘’目に見えない‘’引き締めについて懸念を表明していますが、昨年9月の金融政策理事会(MPC)の議事録では軽くポンド高について言及しているにすぎなかったものが、12月の議事録では「今後更に大きくポンドが強くなった場合は、景気回復の足を引っ張ることになるであろう」と警告に変わってきました。

ユーロ実効レート

次は、お隣ヨーロッパのユーロ実効レートを見てみましょう。

ポンド実効レート同様、チャート上のピンクの縦線が、リーマン・ショックが起きた日:2008年9月15日、横線はその日の実効レート・レベル:107.9923を示しています。

リーマン・ショックが起きてからのユーロ実効レートの動き

  • 最初は5.9%下落
  • 結局元のレベルに戻ってくる
  • そこから今度は、5.8%の上昇に転じた
  • その後、ギリシャに端を発したユーロ圏債務危機問題が発覚し、リーマン・ショックどころではなくなってきた。
  • この債務危機問題が収束するまでに、実効レートは115寸前から95割れまで、約17.5%の急落を余儀なくされた。
  • 昨年は、債務危機問題が収束に向かったことを好感し、年間で5.7%ほどの上昇を遂げた。

残念ながら、ECBに対しBOEのような【4対1方式】を当てはめてよいのか私にはわかりませんが、仮に10対1と仮定した場合、昨年は実効レートが5.7%上昇していますから、政策金利に直すと0.57%の引き締め効果が出ていることになります。ECBはそれでなくとも、過去数ヶ月に渡り、過剰流動性の縮小という新たな課題を抱えており、短期金利の上昇がここにきて顕著になっています。それがユーロという通貨のサポートになっていますが、ECB理事会の本音としては、「デフレ払拭のためにも、通貨高は御免被りたい」と願っているように思えてなりません。

米WSJ紙は昨年11月、ハンガリー中銀総裁の弁として、「ドラギECB総裁は、(スイスのバーゼルで行われる中央銀行総裁会議に出席するたびに)ユーロ/ドルが1.30台より強いと、南欧州各国の競争力を損なうことになる。1.10台であれば、世界のマーケットにおいて地中海各国の競争力は維持できる。しかし、1.30台を越えると、話は違ってくる。そして、1.60台を超えてしまうと、たぶんそれに耐えられるのは、ドイツだけになってしまうだろう...と語っていた。」という内容の暴露記事を載せました。

果たして1.30がユーロ高かどうか?については、ドラギ総裁本人の口から弁明がありませんが、過去にECB関係者がはっきりとユーロ高について口先介入に動いたのは、トリシェ前総裁の時に2度ありました。

実効レートで言いますと、106〜109台に集中しており、現在の103台ミドルはまだ口先介入危険水域には達していないと思っています。

ドル実効レート

最後はドルに移りましょう。

ポンドやユーロ実効レート同様、チャート上のピンクの縦線が、リーマン・ショックが起きた日:2008年9月15日、横線はその日の実効レート・レベル:100.7246を示しています。

リーマン・ショックが起きてからのドル実効レートの動き

  • リーマン・ショックの震源地はアメリカであるにもかかわらず、ドルは14.2%も上昇
  • 結局元のレベルに戻ってくる
  • そこから今度は、約7.5%の下落に転じた
  • 昨年は、ポンドやユーロと比較すると地味だったドル。年間の高値までは4.8%の上昇。最終的には年末にかけて、3.9%ほどの上昇を遂げた。

ユーロ/ドル取引が、やりにくい理由

昨年のユーロは、対円やAUDでは綺麗なトレンドが出ましたが、私が取引の中心にしているユーロ/ドルでは、特に年後半は苦戦を強いられました。

実効レートを見ると、その理由がはっきりします。それは、ユーロ実効レートとドル実効レートは逆相関 (片方が上昇すれば、もう片方が下落する) 関係になるのが普通ですが、チャート上で紫に囲んだ2013年の値動きを見ると、両方ともに上昇しているのが確認出来ます。

これでは買っても売っても、大きな利益が出ないはずです。

主要3通貨、全て上昇

それでは、ここにポンドを加えると、どうなるでしょうか?

ドル対ユーロのような綺麗な逆相関関係は、どの通貨に対しても見ることができません。つまり、ポンドという通貨は「独立系」、悪い言い方をすれば「自分勝手に自由気まま」に動いてしまう通貨とも言えるようです。しかし、紫の枠で囲んだ2013年の動きを見る限り、多少の調整はありますが、3つの主要通貨全てが上昇しているのが確認出来ます。

どうりで、対ドルでユーロやポンドを取引する私にとって、難しいわりに全然満足出来る収益が出ない相場だった訳ですね。この「3通貨全て上昇トレンド」が崩れるまでは、ユーロやポンドはクロス取引をするに限ります。

最後に

文頭で申し上げましたが、日銀はBISのデータをそのまま使用しているため、円実効レートは1ヶ月遅れで月に一度だけ発表されます。

これは1980年から2013年11月末までの円実効レート、月足チャートです。これを見て、私はハッとしました。というのは、最近の円相場を語る時、ドル円のレベルだけを見て「まだまだここからの円安余地はある」と感じておりましたが、実効レートを見た途端、【究極の円安レベル】に達しているのが、わかったからです。

この円実効レートのチャートは、日本が変動相場制に移行した1973年から数年後の1980年から現在に至るまで、30年以上に渡り全ての数字が載っています。リーマン・ショックが起きた2008年9月の円実効レートは、85.89。そして最新の2013年11月のデータを見ると、実効レート: 77.61/東京市場ドル・円 スポット17時時点/月中平均: 100円04銭と書いてありました。その後、ドル円は105円をうかがう展開となりましたので、実効レートのレベルは当然11月の77.61よりも低い=円安色の強い数字になっていると想像されます。

過去に80を下回ったのは、いつなのか?と調べてみると、一番最近では円キャリートレード全盛期の2007年(120円台)となっており、それより以前では1980年代までさかのぼることになり、その当時のドル円は200〜250円台となっていました。

アベノミクス効果で、「3桁のドル円」に目が慣れてしまったせいか、なんとも思わなくなっていましたが、こうして実効レートで『本当の円の実力』を検証してみると、変動相場制以降、3番目か4番目に円実効レートが低い(=円安)『異常事態』とも言えるようです。

ここではじめて【為替相場をターゲットとしない内需拡大による持続的成長】を要請してきたルー米財務長官の言葉がやっと理解出来た気がします。アメリカ財務省が年に2回提出する為替政策報告書は、例年5月頃と10〜11月頃の発表となっています。さすがに日本を名指しで非難しないとは思いますが、為替市場に従事する人間としては、「アメリカ政府の堪忍袋の緒が切れた」のかどうかを占う上でも、為替動向とアメリカ側からの発言内容やタイミングをきちんと把握すべきでしょう。

来週からは、政治やビジネスなどにおけるリーダーが一堂に会するダボス世界経済フォーラムが開催されます。日本からは安部首相の出席が伝えらえています。この会合で、安部総理は新たな旋風を巻き起こすのか?それとも、そこに出席した諸外国の高官達に、一本調子の円安について遠まわしにせよ苦言を呈せられるのか?非常に興味深い週になりそうです。気を引き締めて頑張りたいと思います。

 

松崎美子

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