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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

最近のユーロ高について考える

更新日:2013年12月13日

11月の金融政策理事会で、驚きの政策金利カットを発表した欧州中央銀行(ECB)。これに続く今年最後の理事会では、マイナス金利導入の可能性を残したまま終了しましたが、中央銀行の思惑とは裏腹に、ユーロは対ドルで年初来高値まであと少しのレベルまで上昇しています。

私が運営しているブログの読者さんからも、先週くらいから、このユーロ高に関する質問が来ており、私なりにあらゆる角度から原因を調べてみました。そして、「たぶん、これに違いない!」という理由に突き当たりました。それは、過剰流動性の減少です。そのおかげで、銀行間の資金調達コストが引き上げられており、金融引き締め効果が出ているようです。年末越えの資金調達という特殊要因だけが理由であれば、年明けからは引き締め効果が消滅するはずですが、万が一現状がずっと継続するのであれば、ECBはそれを野放しにすることは出来ないでしょう。そうなった場合、来年早々にも追加緩和期待が高まることは間違いないと見ています。

本日のコラムでは、過剰流動性とは何か?現在に至るまで、どのように推移してきたのか?そんなに危機的な状態なのか? ユーロへの影響度など、細部にわたって書いてみたいと思います。

流動性供給オペ

2008年秋、リーマン・ショックが起きた時、マーケットでは「カウンターパーティー・リスク / 信用リスク」が顕在化しました。その直後、ギリシャに端を発した債務危機がユーロ圏で発覚し、信用リスクはアメリカから欧州へと飛び火を余儀なくされたのです。結果として、財政状態がよくないユーロ加盟国の格付けはジャンク債レベルにまで下がっただけでなく、その国に基盤をおく市中銀行の格付けも大きく下げられ、株価が暴落したことは今でも忘れられません。

信用リスクが悪化し、株付けが危なくなった銀行からは預金流出が相次ぎ、安全性を求めドイツやスイスなどへ流れていきました。これがきっかけとなり、ユーロ圏では、信用リスクに加え【流動性リスク】という二重苦に悩まされ始めたのです。

当然ですが、この流動性懸念に対し、欧州中銀(ECB)はいくつかの対策を講じました。

最も代表的なものは、ECBが2011年12月と2012年2月に2度に渡り、欧州系金融機関を対象に固定金利で無制限に資金を供給した『3年物長期資金供給オペ(LTRO)』でしょう。

この総額1兆200億ユーロ規模のオペのお陰で、預金流出で苦しんだ銀行は、当面の資金繰りの目処が立ったことは、ここで繰り返すまでもありません。

前倒し返済額

恵みの雨となった3年物LTROにより、欧州の市中銀行の資金繰り難はとりあえず解決されましたが、ECBはこのオペに対し『1年過ぎれば、借り入れ額の前倒し返済が可能である』という特別条件をつけました。本来であれば、3年物のオペですので、返済は3年後の2015年1〜2月となりますが、この特別条件に基づき、2013年1月30日〜2月27日以降であれば、好きなだけ返済が認められました。

早速、ECBのウェブサイトで、長期LTROの前倒し返済がどのような速度ですすんでいるのか、調べてみました。2度にわたるオペ直後には1兆ユーロを越えていた残高ですが、前倒し返済が開始されると、瞬く間に残高が減少しているのがわかります。

ECBウェブサイトに明記されている毎週の返済額のサマリーとデータ

http://www.ecb.europa.eu/mopo/implement/omo/html/communication.en.html

http://sdw.ecb.europa.eu/browse.do?node=bbn129

イタリアとスペインの場合

ここで注意しなければならないのは、前倒し返済を積極的に行っているのは、主に北欧州を基盤とした体力があって格付けの良好な銀行であり、南欧州各国の銀行からの返済は、あまりすすんでいないことかもしれません。

特にイタリアとスペインの銀行は、1兆ユーロを越える3年物LTROの6割強の資金を借り入れたため、果たしてどれくらい前倒し返済に動いているのか時間をかけて調べてみました。イタリア中銀が毎月発表する前倒し返済額を見る限り、この国の銀行はほとんど前倒し返済をしておりません。スペインの銀行はもう少し積極的で、借り入れ総額の3割弱を返済していますが、まだ7割近く残ったままです。これだけ低金利環境が整っている今、返却が出来ないのであれば、果たして期限までにきちんと返却出来るのか、正直不安になってきます。

もうひとつの心配の種は、イタリアの銀行もスペインも、ここで借り入れた資金は、企業や個人への貸付には回さず、自国の国債購入に使った点だと思います。銀行にしてみれば、1%という固定金利で借りた資金で、4%以上の利回りの国債へ投資出来るのですから、絶好の収益源となります。かたや政府にとっては、自国の銀行が積極的に国債を購入してくれるお陰で、国債利回りが低く押さえられ、借り入れコストも下がり、財政赤字の増加幅が減少するという、非常に嬉しい環境となりました。

しかし、2015年1〜2月に返済が義務付けられているため、それまでに両国の銀行は巨額な返済資金の確保に動かなければなりません。その資金の入手が困難となった場合、果たして国債売却に踏み切るのでしょうか?もしそうなると、両国の国債利回りは急騰し、新たなユーロ圏危機のきっかけともなりかねませんし、それぞれの政府も新規国債の利払い額が急激に増加するため、赤字幅の拡大という頭痛の種に悩まされることでしょう。

今週木曜日、この点について、プラートECB専務理事はFT紙のインタビューに答え、「資本基盤がぜい弱なユーロ圏の銀行が、資金不足の国の国債の購入に自己資金を充てている状況を解消するため、ECBが国債の保有リスクに対し資本を準備するよう銀行に求める方針である」と発言し、イタリアとスペインの国債が売られ、利回りが上昇するという動きがありました。

最近の金利上昇について

欧州銀行連盟(EBF)が毎日発表している指標金利にはいろいろな種類がありますが、ここではユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA Euro OverNight Index Average)と、欧州銀行間取引金利(EURIBOR Euro Interbank Offered Rate)から“期間:1ヶ月”のものを選んでみました。1ヶ月物を選択した理由は、12月ということもあり、年越え資金の確保が必要となれば、この需要が高まると考えたからです。

これは、欧州銀行連盟のウェブサイトからデータを取り、私自身が作成した今年1月から12月11日までの、1ヶ月物Euribor / EONIAのチャートです。

1)1ヶ月物Euribor(チャート上の青ライン)
12月に入ると、いきなり上昇に転じている。想像した通り、月末/年末用の資金繰りのために、銀行による借り入れが一挙に増加したことを物語っている。

2)EONIA (チャート上の赤ライン)
年に数回、急騰しては下がりを繰り返しておりますが、ECBの主要政策金利であるレフィ金利を越えたことはありませんでした。しかし、11月にECBが驚きのカットをして、レフィ金利は0.50%から0.25% (チャート上の黄緑の横線レベル)となったため、12月に入りEONIAがレフィ金利を越えるという異例の動きとなりました。

異例という言葉があてはまるのか心配になり、ECBのウェブサイトを調べていたら、一番最新の12月・月報でいいグラフを見つけました。これは、2011年7月から2013年11月末までのECBの政策金利:限界貸出金利 (細い青ライン) ・レフィ金利 (太い紺色ライン)・デポジット金利 (赤い点線) の推移と、その期間のEONIA (青い点線) を全て同じチャートに載せたものです。

これを見る限り、ユーロ圏債務危機が悪化の一途をたどった2011年秋に何度かレフィ金利を抜けそうになってはおりますが、結局上抜けせずにまた元のレベルに戻っているのが確認出来ます。2012年から今年にかけて、EONIAはどちらかというと、デポジット金利の少し上のレベルで推移しており、レフィ金利の近くまで急騰した例は全くありませんでした。

過剰流動性の減少

文頭でも書いたように、私自身が運営しているブログの読者の方から、「アメリカのTaperingが近づき、本来であればドル高になる相場だと思いますが、全くその傾向が見えません。逆に、11月にECBは利下げをしたのに、最近ユーロがどんどん強くなってます。これについて、どうお考えでしょうか?」という内容の質問が何件か来ております。私自身も是非その答えが知りたくなり、いろいろと調べていくうちに、たぶんこれに違いない!という答えを見つけました。

それが過剰流動性の減少です。

この聞きなれない言葉ですが、簡単にいうと「現在のマーケットで銀行が資金調達の手段として使える資金がどのくらいあるのか?」ということです。具体的な数式は、(翌日物預金+当座預金残高)−(法定準備預金額+緊急借入額)の答えが、過剰流動性額となります。

これら4つの数字は、全てECBのウェブサイトに載っていましたので、各数字をエクセルに載せて、自分で計算してみました。その結果がこのチャートです。

そこには今年2月1日から12月10日までの数字が載っておりましたので、その期間のチャートを作りましたが、年初には5,000億ユーロ規模であった流動性が、夏頃までに半分となり、10月末には1,870億ユーロとなり、ベンチマークであった2,000億ユーロ (チャート上の水色の横線) を割り込んでいます。これだけ急速に過剰流動性が減少した背景には、3年物LTROの前倒し返済が、順調にすすんでいったことが挙げられています。

「どうして2,000億ユーロが、そんな大事なベンチマークとなったのか?」については、今年2月のECB理事会後の記者会見の席で、ドラギ総裁は「金融政策が景気を確実に支援できる水準は、ユーロ圏の金融システム内の過剰流動性が、最低でも2,000億ユーロ以上である必要がある。」と述べ、緩和的金融政策の下限として、この水準に言及しました。他の理事達からも、「過去の経験則からいうと、過剰流動性が2,000億ユーロを割ると、短期金利に上昇圧力がかかりやすい」という内容の発言をしていました。これを聞いたマーケット参加者は、「という事は、もし過剰流動性が2,000億ユーロを下回るのであれば、ECBは景気支援/短期金利を下げるためにも、利下げも含む追加緩和を発表するに違いない」と理解したのです。

私は10月末の時点で、この数字が2,000億ユーロを下回ったことを見過ごしてしまったため、11月の利下げ発表に素直に驚きましたが、ECBにしてみれば「何度も2,000億ユーロの重要性については、お伝えしたはずですよ!」ということで、当たり前の決断をしたに過ぎなかったのです。

もう一度繰り返して書きますが、【過剰流動性の減少 (2,000億ユーロを下回った)⇒ EuriborやEONIAなどの金利が上昇 ⇒ 金融引き締め効果が出た ⇒ ユーロ上昇に直結しているということのようです。

そうなると、ECBが追加の金利カットをしようが、マイナス金利を導入しようが、この過剰流動性問題を解決しない限り、LTROの前倒し返済が継続するうちは、金融引き締め効果が持続するため、ユーロは下がりたくても下げづらい展開になると思っています。

ここからのユーロ

まず最初に、「11月にECBが利下げを決定した理由は、デフレ対策なのか?流動性対策なのか?」が知りたいですね。もし、デフレ対策であったのなら、今後インフレ率が低下した場合に取り得る政策手段の選択としては、

  • 1)デポジット金利のマイナス(ネガティブ)化
  • 2) 3年物LTROの再導入
  • 3) 銀行の預金準備率の引き下げ/撤廃
  • 4) QEの導入

などが考えられます。

もし、流動性対策なのであれば、2)3)4)の選択が適切かと考えています。過剰流動性をどんどん低くさせているLTRO前倒し返済については、ECBが「12月23日から2014年1月15日の間は、前倒し返済受付を一時的に中止する」と発表しましたので、12月20日(金)が年内最後の返済日となり、その日以降の流動性水準は少なくとも大きな減少とならないはずです。

さて、ユーロに目を向けますと、現在の実効レートは、年初来高値(チャート上の赤い横線)をとっくに抜け、高値更新中。

ユーロが誕生した1999年から今までの長期的な動きをみると、高値/安値の50%レベルは、97.7733(チャート上のピンク線)であるため、現在のユーロが高いか/低いかということであれば、高いレベルと言えるでしょう。

前任のトリシェ総裁がユーロ高に言及したのは、実効レートが106〜109台でした。もし、現在のECB金融政策理事会の理事達がその当事と同じ見解であれば、あと少し実効レートが上昇すれば、【ユーロ高けん制発言】が出てくることも考えられます。

海外の大手銀行は、ほぼ例外なく2014年のユーロ/ドルは「売り目線」で見ており、その理由として、米欧の政策金利差の拡大(米>欧)を理由にあげています。しかし、このコラムでも書きましたように、中央銀行のコントロールが効かない市場金利は、単純に米>欧とは言えない状態が続いています。

例えばLibor金利に目を向けると、1ヶ月物Liborは現在、ドル:0.1675%に対し、ユーロ:0.18071%。3ヶ月物Liborは、ドル:0.24%に対し、ユーロ:0.25%となっており、いずれも米<欧であることがわかります。どの国でも年末要因が重なり、この時期は金利が上がりやすいのですが、ユーロ金利は毎日ジリジリ上がっているのに対し、ドル金利はほぼ横ばいとなっていました。やはり過剰流動性の減少が足かせとなり、ユーロを取り巻く金利環境はタイトになっているようですので、これが解消されない限り、年末という特殊要因がなくなったとしても、ストンといきなり年初から金利が下がるようには思えません。

とりあえず、現在自分で考えているのは、AQR向けのバランスシート調整が年末で終わりますので、来年早々にもECBは何らかの流動性供給措置を取ると思います。もしその規模がしっかりしたものであれば、ユーロはドルやポンドに対し、ジリジリと下げていくイメージを持っています。逆に、何の対策も発表されず、来年1月15日からLTROの前倒し返済が再開され、過剰流動性が勢いをつけて減少するようなことにでもなれば、ユーロが1.40台を越えて急騰する局面も想定しながら、マーケットに参加するしかないでしょう。その意味からも、来年初のECB金融政策理事会は1月9日に開催されるため、そこでの発表を待ちたいと考えているところです。

とりあえず、今月に限っていえば、来週のFOMC(連邦公開市場委員会)で、Tapering(QE3規模の縮小)が開始されるのか?今月から開始はしないが、今後の削減規模も含めたスケジュールを発表するのか?それが鍵を握っていることでしょう。

いずれにしても、来年中にはドル高相場が到来すると思っていますが、ユーロは他の主要通貨よりも対ドルで下落幅が小さくなるのかもしれません。そのため、ユーロ・クロスでのユーロ買い、特に対カナダドル、円などが動きが出やすくて楽しいと思っています。

 

松崎美子

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