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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英・財務省発表の財政報告を見て

更新日:2013年12月6日

サマリー

12月に入ってから、マーケットが慌しくなってきています。その傾向に拍車をかけるのは、今週金曜日発表される米雇用統計となることは間違いありません。もしこの時の数字がよければ、今月中旬に行われる連邦公開市場委員会(FOMC)で、一足お先にTapering(QE3規模縮小)が実施されるという予想が高まるからです。しかし、FOMCに先立ち発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、米経済は10月初めから11月半ばにかけて引き続き「緩慢ないしまずまず」のペースで拡大したものの、雇用は「緩慢なペースで増加、もしくは横ばいだった」と記されていました。毎月の雇用統計の数字を見る限り、常に予想を上回る雇用創出を記録しているにもかかわらず、ベージュブックの中身は横ばいと書かれており、かなり温度差が目立ちます。一体どちらが本当のアメリカを反映しているのでしょうか?

さて、私が住むヨーロッパに目を移すと、今週は2つのイベントがありました。ひとつは、英国の財務省が「秋季財政報告」を発表したこと、そしてヨーロッパからは毎月恒例のドラギECB総裁の記者会見でした。

秋季財政報告では、今年のGDP予想が、半年前に発表された本予算での見通しの2倍以上も改善されており、トリプルA復帰か?という期待感が増してきています。緊縮に次ぐ緊縮という過度な財政再建プログラムを実施しながら、景気回復をやり遂げた英国政府に対し、合格点をあげたいと思います。

ドラギECB総裁の記者会見では、全体のトーンがかなり悲観的であったにもかかわらず、ユーロは上昇に転じていたのが印象的でした。

オズボーン財務相: 秋季財政報告

英国では2010年まで、伝統的に年に2回予算案が発表されていました。新財政年度が始まる4月の前月に発表される本予算、そして半年後に、経済成長率や政府の歳入出見直しを発表する秋のミニ予算案です。日本人には聞きなれないこの‘ミニ予算案’ですが、政府が必要と考えれば追加増税が発表されることもあり、納税者である私達にとっては頭痛の種となるだけでなく、インフレ増大の根源とも見られていました。そこで、2010年に発足した保守/自民党による連立政権は、インフレ対策なのかわかりませんが、秋のミニ予算案を撤廃し、代わりに【秋季財政報告】と名づけた財政報告の場を11〜12月かけてに設けました。

今回の秋季財政報告では、市場関係者の間で『GDPの改善度』が注目されていました。特に財務相に言われるまでもなく、住宅市場主導での景気回復が進行していることは国民の誰もが知っていることであり、緊縮財政下であるにもかかわらず、先進国の中でも飛びぬけた経済回復を成し遂げた政府に対し、それなりの評価をしています。

今思えば、3月末に本予算が発表された時、財政規律優先から成長重視の現実的な財政路線への転換の必要性が叫ばれており、国際通貨基金(IMF)も英国政府に対し度重なる警告を発していました。しかし、政府はわが道を行くという姿勢を徹底し、今まで同様、過酷な財政再建プログラムを断行したのです。

しかしその半年以上前に政府と中銀が連携して発表したFunding for Lending Scheme(FLS 融資促進のための資金調達スキーム)、そして本予算で発表されたHelp to Buyスキームが功を奏したようで、住宅市場がじわじわと回復に向かったのです。

マクロ経済指標見通し

秋季財政報告の発表と同時に、予算責任局(OBR)がマクロ経済指標の見通しを発表しています。ここでは、過去3回にわたる予算案・秋季報告での見通しを書き出しましたが、GDPの数字自体は(2013年を除き)大きく変化しておりません。しかし、失業率の改善ぶりに、私は目を奪われました!

【2013年12月 秋季財政報告】

データ: 予算責任局(OBR)経済・財政見通し (2013年12月5日発表)

※クリックで拡大できます

【2013年3月予算案】

※クリックで拡大できます

【2012年12月 秋季財政報告】

※クリックで拡大できます

失業率7%達成は、2015年

秋季財政報告では、2015年に失業率は7%まで落ちると予想しており、これは11月に英中銀が発表した四半期インフレーション・レポートでの予想内容と同じものとなっています。どうして、ここまで失業率レベルにこだわるのかと言えば、英中銀が導入したフォワードガイダンスでは、政策金利見通しに失業率を数値基準として適用し、「失業率が7%を越える水準にとどまる限り、金融引き締めの可能性は、ない」としているからに他なりません。

7%になったからと言って、即刻利上げ!ということではないと金融政策理事会(MPC)から何度も説明されていますが、やはりその時点で景気は相当回復していると予想されるため、歴史的低金利である0.5%を維持していくことは整合性に欠けるに違いありません。イギリスに住む一人として、これだけインフレが高いにもかかわらず、0.5%という低金利をずっと継続してきたことは、ある意味驚異的だとも思いますし、正直、この低金利に頭も心も馴染んでしまい、『昔の高インフレ=高金利のイギリス』を忘れてしまったようにも感じます。1990年代初頭に、住宅ローン金利が15%になってしまい、ローン返済が出来なくなって家を抵当に取られた人達が路上で物乞いをしていた頃が、まるで嘘のようです。

本当に2015年に達成可能なのか?

私は来年後半になってから、「2015年に失業率7%達成は無理だろう ⇒ 金利先高感の失速 ⇒ ポンド下落」というシナリオを描いていました。ここでは、失業率7%達成が、どれほど困難な目標なのか?それとも頭で考えているほど、難しい問題ではないのか?について考えてみたいと思います。

まずこのチャートは、統計局のウェブサイトから失業率(年率)のデータを取り、自分で作成したチャートです。

次は同じく、統計局発表の雇用統計報告から選んだ「フルタイム雇用者数」の増減を描いたチャートをご紹介します。

詳しい数字を書きますと、

  • 一番最新の数字では、英国の就業者数(16歳以上)の総数は、2,995万人となった
  • 上のチャートでも示したが、年初から第3四半期までの9ヶ月で、37万8,000人の雇用者が増加した
  • 今年1月の失業率は、7.8% ⇒ 一番最新の数字は、7.6% ⇒ 0.2%の改善
  • 予算責任局(OBR)の発表によると、今年の就業者増加数は、40万人になる予定

この数字が示していることは、今年に入り就業者数は37万8,000人増加したが、失業率は0.2%低下しただけです。過去に統計局が発表した雇用統計を読み返してみたのですが、2012年は年間を通して、就業者数は約50万人程度増加し、失業率は0.5%低下しています。

2012年の数字だけを見ると、失業率が0.1%低下するのに、約10万人の新規雇用が必要とされる計算になります。しかし、2012年の9月末までの数字を見る限り、失業率が0.1%低下するのに、約19万人弱の新規雇用が必要とされていることがわかります。

これをどう解釈してよいのかわかりませんが、

  • 2012年のパターンの場合 
    ⇒ 失業率が7%になるには、今後60万人の新規雇用が必要となる
  • 2013年のパターンの場合 
    ⇒ 失業率が7%になるには、今後95万人の新規雇用が必要となる

もし2012年のパターンが来年も繰り返されたとして、果たして1年間で60万人規模の雇用増が見込めるのか?については、かなり疑問が残るでしょう。もちろん、政府も英中銀も「2015年のいつかに7%に達成する」という見方ですから、今後12ヶ月ではなく、もう少し拡大して、18〜24ヶ月くらいの時間軸で考えたほうがよさそうですね。景気回復力が強い2013年の失業率の低下率が、苦しかった2013年より小幅である点が気になりますが、来年後半くらいには、「2015年に失業率が7%まで低下するか」の輪郭がおぼろげながらも見えてくるのではないか?と考えています。もしその時までに順調に雇用創出が進んでいれば、たぶん2015年第2四半期くらいが達成時期として浮上してくることでしょう。しかし、何らかの理由で雇用創出の速度が弱まった場合、金利先高感が失速し、ポンド下落のきっかけになると考えています。

最後に

先進国における景気回復力の強さでは、一人勝ちしているかのように見える英国。もちろん住宅市場の立ち直りが大きく貢献したことは疑いの余地がありませんが、お隣りユーロ圏の債務危機が一段落したことも、この国の製造業にとって明るいニュースになったことは、間違いありません。

しかし、雇用市場は安定しているにもかかわらず、民間・公的両部門における賃金上昇率は鈍いままとなっています。そして、最近のポンド高が今後の成長の重しにならないとも限りません。

まず、英経済の77%を占めるサービスセクター、その中心となっている個人消費について考えてみたいと思います。これは統計局が10月に発表した「経済見通し」の中に載っている貯蓄率と可処分所得の推移を表したデータを使い、私が作成したチャートです。この数字は2013年第2四半期までのものとなっておりますが、最近英中銀が語ったところによると、第4四半期になってから、貯蓄率が減少傾向になってきたそうです(具体的な数字は不明)。そして、やはり同じく第4四半期には、ガス・電気料金が平均10%の値上げがありましたので、私たちの購買力は低下してきました。

次は気になるポンド高ですが、先週のコラムでも書いたポンド実効レートが、とうとう年初来の高値を上抜けしただけでなく、昨年3度試してことごとく失敗した84.6357を、いとも簡単に上抜けしたのです。今後、このポンド高が景気回復の足を引っ張るようなことにならないことを祈るばかりです。

データ:英中銀ウェブサイト

※クリックで拡大できます

総合すると、来年1月よりFLSによる低金利の住宅ローンが中止されますので、それでも住宅市場が牽引役となり景気回復が継続していけるのか?が重要になってくるでしょう。そして、その頃にはアメリカのTapering(QE3規模縮小)が既に開始されているかもしれません。FRBは、「債券買い入れ縮小は必ずしも利上げに結びつかない」との見方を繰り返し、市場参加者を納得させようとしておりますが、さすがに縮小規模が予想を上回ってくるようなことにでもなれば、ドル主導のマーケットになることは十分にあり得ます。その場合は、ポンドは対ドルでは苦戦を強いられることにもなりかねませんね!ポンド実効レートが高値圏にいる間は、対AUDなどのクロスでポジションを持つほうが安全だと思います。

 

松崎美子

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