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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ポンド検証

更新日:2013年11月29日

サマリー

今年の中盤に一段落したかのように見えたアベノミクス相場が、ここにきて新たな力を見せています。ドル円は今年5月につけた103円台まであと一息ですが、クロス円に目を向けると驚くような相場展開となっています。ユーロ円は4年来の高値を更新する中、ポンド円は5年ぶりに163円台を上抜け。凧の糸が切れたような値動きを見せているのがスイス円で、1990年以来、初めて110円台乗せに成功しています。

この突然とも言える円安相場のきっかけとなったのが、世界最大の機関投資家である日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針に関する最終報告書の発表でした。発表の2週間前から海外のリアルマネーが日本株を買い越す中、日本の機関投資家は海外の債券投資を6週間も買い越しし、株高・円安の土台を固めました。

GPIFの最終報告書発表と同時に、基本ポートフォリオの構成比率の変更も公表され、将来的には国内株と外国債券/株式それぞれの投資比率を20%ずつにする可能性があることがわかった途端、今年最後の相場を張ってきたのが、他でもないヘッジファンドやCTAなどの短期筋の投資家達。結局、日経平均株価は11日間で11%の急騰を演じたのです。

この相場展開の主役は「日本株高・円安」であることは間違いありませんが、意外なところで頑張っているのが、ユーロやポンドです。欧州中銀(ECB)の予想外の利下げにもかかわらず、ユーロ実効レートはほぼ全戻しを達成。ポンド実効レートは今年の高値を既に更新し、2012年の高値をにらんだ動きとなっています。アメリカのTapering(QE3規模縮小)観測で本来であればドル高となるはずの為替マーケットですが、この予想外に健闘している欧州通貨、特にポンドについて考えてみたいと思います。

ここからのポンド

まず、ポンドを取り巻く環境を取り上げてみましょう。

経済

最初はマクロ経済の代表、GDPについて調べてみました。このチャートは統計局のデータを使い、私自身が作成した2003年〜2013年Q3までのGDP(前期比)ですが、Q1はマイナス成長で苦しかったにもかかわらず、Q2からじわじわ力をつけ、Q3は飛躍的に伸びたことがわかります。

他国と比較したらどんな具合か?と思い、OECDが発表した2013年第3四半期GDP報告を読んでみたところ、こんなチャートが載っていました。G7各国との比較ですが、驚いたことにこの期に限って言えば、英国は米国を抜き、第1位に輝いていたのです。

グラフ: OECD 2013年第3四半期GDP報告

※クリックで拡大できます

どうして英国はこんな急成長を成し遂げたのか?と言うと、やはり英国経済のアキレス腱とも言える不動産市場が盛り上がりを見せ始め、それに伴い家具の購入などに代表される個人消費が増えたことが挙げられるでしょう。住宅市場の回復に助けられ、過去のGDP上昇の足を引っ張り続けていた建築セクターが息を吹き返してきたことも大きな要因です。

しかし、英経済は順風満帆で何の障害もなく、今後も伸び続けられるのか?と問われれば、即答は難しいです。今週行われたインフレーション・レポート内容に関する財務省特別委員会での証言の席で、カーニーBOE総裁は、「Weak growth in the euro area may weigh on the export outlook and limit rebalancing of the economy. 欧州の景気回復力が弱いことを受け、英国の輸出企業の見通しに修正を迫られるかもしれない。そうなると、経済の均衡化に向けた努力が制限されることにもなりうる。」と語っており、不動産市場の活性化でここまで頑張ってきた英国ですが、やはり外部要因の影響は無視出来ないことと認識しているようです。

住宅市場

先ほども書きましたが、不動産市場はイギリス経済のアキレス腱だと私は考えています。私は1988年からこの国に住んでおりますが、サッチャー政権下で徹底的にすすめられた住宅市場活性化策である【持ち家政策】が英国人のDNAにしっかり植え付けられているためか、誰もかれもが一日も早く自身の資産として住宅を取得するべきだという考えが徹底しています。

先週のコラム記事でも説明致しましたが、政府も当然そこに目をつけたようで、英中銀と連携プレーを演じ、Funding for Lending Scheme(FLS 融資促進のための資金調達スキーム)と、住宅購入支援策(Help to Buy)を立て続けに発表。その成果が今年の第2四半期頃から顕著となり、ずっと眠っていた住宅市場がいきなり目を覚ましました。

これは11月発表されたインフレ・レポートに掲載されていた住宅市場関連動向をあらわす数字ですが、赤い枠で囲んだ2013年Q1〜Q3にかけての全ての住宅ローンや不動産に関する数字は、2010〜2012年のものと比較して、大きく改善しているのが確認出来ます。

次は英経済の構成配分に目を向けると、78%がサービス業で占められており(チャート上の水色線)、個人消費の改善はGDP上昇に直結します。たぶん、この住宅ブームが続く限り、個人消費の伸びも平行して改善し続けることでしょう。

しかし、見方を変えれば、英国の住宅ローン金利は、英中銀政策金利に連動して設定されているため、住宅市場の活性化に支えられた個人消費の改善を継続させるためには、英中銀の利上げが遅ければ遅いほどありがたいということになります。その場合、景況感の改善にもかかわらず歴史的低金利となるため、住宅バブルが心配されますね。

この点について、デールBOE主席エコノミストは公聴会の証言の席で、「for sustainable growth what we need to see is stronger investment. 景気回復の継続を確かなものにするためには、(住宅市場に頼りきりになるだけでなく)企業の活発な投資が必要不可欠である。」と念を押しています。デールさんは英中銀金融政策理事会の9名の理事の中でも、タカ派と見られる一人ですので、発言内容は早期利上げを後押しする内容になりがちですが、その点を差し引いても、不動産市場一辺倒の景気回復は、どこかで息切れするか?不動産バブルという副産物を産んでしまうため、政府・英中銀はともに最新の注意を払っていることは間違いありません。

この点について私自身の意見を書きますと、キャメロン首相が約束した【英国のEU離脱の是非を問う国民投票】が、企業マインドを大きく冷やしていると考えています。この問題が片付かない限り、英国がEUから離脱するリスクと常に背中合わせとなるため、私が企業経営者であれば、英国に大きな投資をするのは控えざるを得ません。

英中銀・金融安定報告書

11月28日、カーニー総裁をはじめとする英中銀理事達は、年に2回(5月と11月)発表される金融安定報告書の説明のため、火曜日に続き今週2度目の記者会見を行いました。7月から総裁に就任されたカーニー氏にとっては、はじめての報告となるだけに、市場の注目は否が応でも高まっていました。

そしてその期待に沿うかのように、記者会見が始まるや否や、総裁は爆弾発言をしたのです。それは、Funding for Lending Scheme(FLS 融資促進のための資金調達スキーム)の対象変更の知らせでした。昨年夏から開始されたこのスキームは、個人向けローン・住宅ローン・企業向け融資が対象とされていましたが、2014年1月より最初の2つは対象外となり、企業融資のみとなるそうです。

今年に入ってからの不動産市場を取り巻く環境は大きく変化し、特に夏以降の上昇スピードが速すぎる点が心配されていました。不動産鑑定を専門とする英王立公認不動産鑑定士協会が毎月発表する不動産指数によると、10月の住宅価格は過去11年で最高水準に達し、このままでいくと不動産バブルに突入しかねないとの警告を促し、政府と英中銀に『不動産価格上昇率の上限設定』を迫っていたのです。

それを考慮してかどうかはわかりませんが、この日の記者会見で英中銀は、

  • 英住宅市場の価格インフレが金融安定を脅かしているという証拠は今のところあまりない。ただし、このまま放置すると、リスクになる可能性が出てくる
  • 住宅価格が上昇するのは、ファンダメンタルズに沿った動きとも言える
  • FLSの変更は、BOEの金融政策に対し、何の変化ももたらせない
  • 英中銀は金融市場を不安定にするリスクを除外する最大の努力をしている最中だ
  • FLSの新規住宅ローン補助を来年1月から中止することにより、将来、さらに深刻な問題が発生するリスクを最小限におさえられる
  • 住宅ローン承認件数は、ピーク時と比較した場合、75%程度のレベルでしかない。その点からいえば、まだまだ「住宅ブーム全盛」とはいえない
  • 英中銀が金融安定を徹底すれば、MPCが長期に渡る緩和政策を継続でき、それが景気回復を支援することになる
  • (住宅ローン貸付については)ここからアクセルをさらに踏んで加速するよりも、ギアをニュートラルに戻すことが妥当
  • FLSから住宅ローン貸付を除外するという決定は、オズボーン財務相も理解している

と語り、今回の措置は財務省も合意した内容であることが確認されました。

あくまでも私の考えですが、今回の発表を総合すると、

  • 1)英国の不動産ブームは、やや加熱気味になってきた
  • 2)今回の措置決定にもかかわらず、住宅市場のモメンタム改善ペースは今後も衰えないと予想される
  • 3)住宅市場のモメンタムの改善ペースが継続する限り、英経済は堅調推移するとみられる
  • 4)住宅市場の支援策として、Help to Buy (住宅購入支援策)はそのまま継続する
  • 5)個人向けクレジット市場が回復してきたので、このまま低金利の融資をし続けると、個人の負債がまた増えてしまう
  • 6)住宅市場は立ち直ったので、経済のバランスをとるためにも、今後は中小企業を中心とした融資の活性化を目指したい

今回の措置を受け、私が一番心配しているのは、住宅ローン金利が急上昇してしまうのか?という点です。FLSの導入により、市中銀行は1%を下回る金利で英中銀からお金を引っ張って来れたため、住宅ローン金利をずっと低く抑えることに成功してきました。果たして、この措置が切れる来年1月から、各銀行のローン金利はどのような変化を見せるのか?非常に興味深いと思います。

それ以外ですと、やはり英中銀が分析したように、この国の住宅市場はFLSがなくても、Help to Buyに支えられながら、頑張れると思っています。ですので、今回の措置により中小企業の融資が活性化してくれれば、景気を支える要因がさらに増えて、万々歳となる可能性も出てくるでしょう。

個人消費

最近の英景気回復に関する強気報道を読むたびに心配になってくるのが、賃金上昇率の鈍化です。最近、統計局の賃金関連指標の表示法が変わったので、過去のデータは昨年夏以降のものしかありませんが、これを見る限り賃金上昇率は継続してインフレ率を下回っていることがわかります。この状態が続く限り、不動産価格の上昇に陰りが出てくれば、国民の購買力が一気に落ち込むことが考えられ、イケイケ気分に修正が迫られる局面が訪れることでしょう。

ちなみに、英国のインフレ率と賃金上昇率との関係ですが、2000年4月から現在に至るまでに、 ‘インフレ率は43%上昇し、賃金は40%上昇’したそうです。しかし、リーマン・ショック以降の5年に限って言えば、‘’インフレ率は18%上昇したのに対し、賃金は10%‘’しか上がっておりません。この差が縮小しない限り、英中銀も政府もGDP予想の大幅改善には二の足を踏むと考えられ、予想以上に低金利政策が長期化することも考えられます。

雇用市場

2010年にキャメロン政権が誕生して以来、緊縮に次ぐ緊縮策が断行されました。その当時、政府の歳出削減計画の中心となっていたのが、各省庁の人員カットでした。毎年3月に翌年度の予算案が、秋には財政報告が出ますが、そのたびに各省庁ひとつひとつの削減割り当てが発表され、英国中が暗い雰囲気に包まれたことは今でも鮮明に覚えています。しかしその当時からあまり変化しなかったのが、【労働参加率】です。アメリカではこれが社会問題になっているようですが、英国の場合、民間部門が、解雇された公務員を受け入れるだけの余裕があったようです。

このデータをみると、全体の就業者・フルタイムは第2四半期からぐんと伸びています。パートタイム労働者が第3四半期には減少していますが、一部はフルタイムに変わったと思われます。

ロンドン・オリンピックという特殊要因があった昨年と比較しても、遜色のない雇用市場が繰り広げられていることは、非常に安心感がありますね。

来年のポンド相場を考える

2013年で一番予想外の動きを見せたのが、ポンドではないでしょうか?主要大手銀行は軒並みポンド下落を予想していました。特に10月以降の狭いレンジに納まりながらも下げ渋ったポンドの動きには理由があると私は思っています。それは米英の金利先高感に対する市場の思惑が外れたからに他なりません。

・金利見通し

もともと市場では『米FRB: Tapering年内開始 vs 英中銀: 低金利政策の長期化』という予想でした。しかし、いざ蓋を開けてみると、『FRB: Tapering見送り vs 英中銀: 11月発表四半期インフレーション・レポートでは、フォワードガイダンスでの失業率ターゲット:7%達成時期を(2016年後半から)2015Q3と1年も前倒し』し、金利先高感が台頭し、それがポンド高を招きました。

・政治的リスク

来年5月の欧州議会選挙で、反ヨーロッパのUKIP党が大きく票を伸ばした場合、その翌年(2015年5月)に予定されている英国総選挙に向け、各党が我先にと有権者寄りの政策・公約の発表に動き出すことが考えられます。当然、キャメロン首相が約束している「2017年までにEU離脱の是非を問う国民投票」の実施の前倒し議論も活発になることでしょう。これはポンドにネガティブに働くと私は予想しています。

・ 注目の経済指標

2013年は景気回復トレンドの先取り指標である(マーキット社発表の) PMI (Purchasing Managers’ Index 購買担当者景気指数)に注目しておりましたが、2014年は英中銀のフォワードガイダンスの条件となっている失業率や、賃金上昇率などに代表される雇用関連指標、そして小売売上高に注目したいと思っています。

もし失業率が改善 (または悪化しないが横ばい) しつつ、賃金上昇がインフレ率を低下している状態が今後も継続するのであれば、2014年のどこかの時点で景気の腰折れが予想されます。

それに加えて、住宅関連指標にも注意したいですね。

・ ポンド実効レート

私はポンド取引をする際に、絶対にチェックしているのが、英中銀が毎日発表しているポンド実効レートです。

チャートを見るとわかりますが、2012年には84台ミドルを3回試しに行き、いずれも上抜けに失敗しました。今年は、最近のポンド高の影響で11月27日にとうとう84を抜け、84.2991で終わりました。

いかなる理由にせよ、実効レートが昨年何度やっても上抜け出来なかった84ミドル、もっと詳しく言うと、84.6357の高値を抜け、今度は84ミドルがサポートになるようであれば85、そしてリーマン・ショック前のレベルである90も、おぼろげながらに視野に入ってくるでしょう。

2014年のポンド相場

米欧英系大手銀行の2014年為替予想はまだ出揃っておりませんがが、一般的にポンドに対する見方は、引き続き驚くほどネガティブです。90%以上の銀行は、2014年末時点のポンド/ドル・レベルとして「1.51〜1.54あたり」を予想しているようです。

これらの予想からいえることは、英国を取り巻く経済状態の改善や住宅市場の強さについて、マーケットはかなり織り込み済みであると見ており、ここから新たな何かハッ!とするような材料が出てこない限り、急騰することはそんなに期待出来ないのかもしれません。

ポンド/ドルに関しては、実効レート次第…という逃げの予想になってしまいますが、84ミドルが抜けない限りは、1.54〜1.65台のレンジを予想しています。

来年の一番の注目通貨は、ポンド円となると思っています。私自身、今までポンド円の取引は一切やりませんでしたが、GPIFからのポートフォリオ配分変更の報告書を見る限り、日経平均はまだ伸びる余地がありそうですし、それに伴う円安もまだ期待できそうです。

そういう場合は、掛け算通貨=クロス円が強くなって当然でしょう。2014年のポンド円は155-180円のレンジを設定し、下がったら買いを目標にしています。ただし、5月以降、もしポンドの調整が入るのであれば、一旦160円台くらいまでの下押しは覚悟したいと思っています。

 

松崎美子

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