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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

欧州中銀の「次の一手」は?

更新日:2013年11月22日

サマリー

マーケットを動かす要因は、数え上げたらキリがありません。すぐ頭に浮かぶだけでも、財政政策・金融政策・政治問題にはじまり、毎日のように発表される各国の経済指標や景気動向、そして政府や中央銀行関係者などの要人発言が代表的なものでしょう。

今年の相場を振り返ると、その中でも特に目に付くのが、【中央銀行のプレゼンスの高さ】でした。アベノミクス誕生後に発表された黒田日銀総裁の異次元緩和を皮切りに、バーナンキFRB議長のTapering(QE3規模縮小)発言、そして最近ではドラギ欧州中銀(ECB)総裁によるマイナス金利導入の可能性についての言及です。

ヘッジファンドやアルゴなどに代表される即効性の高いマーケットのかく乱要因とは違い、時として中央銀行のプレゼンスは地味であり、効果が出るまでに時間がかかる傾向がありました。しかし、今年はどんな有名なヘッジファンドよりも、中央銀行の発表や総裁の一言が相場のトレンドを大きく決定しました。それを前提にして考えると、ここに来てにわかに浮上してきたECBのマイナス金利導入観測は、今年を締めくくる絶好の材料になるかもしれません。

ギリシャをはじめとする債務危機全盛期には、「いかに債務危機を収束し、ユーロ崩壊を防ぐか?」という危機管理能力が求められたECB。そして、それが一段落した今、今度は「デフレ対策」を通して実力を試されることになりました。主要国の中央銀行に限ると、マイナス金利導入について話し合ったことはあっても、実際の導入に動いたところは、今まで例がありません。果たして、ECBはその歴史を塗り替えるのか?答えはかなり近い時期に、わかりそうです。

ECBの選択

ユーロ圏のインフレ率が、ECBが設定しているインフレ・ターゲットを大幅に下回ったことを受け、ECBは今月の金融政策会合で、政策金利カットに動き、市場参加者を驚かせました。

ECBの責務は「物価の安定の維持」です。それを考えると、今回の利下げは整合性という面からは合格点かもしれませんが、果たして0.25%の政策金利カットがデフレ防止の特効薬となるのか?については、意見が分かれるところでしょう。

万が一、今回の利下げにもかかわらず、デフレ懸念が悪化すれば、ECBは当然次の一手を考えざるを得ません。

これはあくまでも私個人の意見ですが、その場合に考えられるものとしては、

1) デポジット金利のマイナス(ネガティブ)化
2) 3年物LTROの再導入
3) 銀行の預金準備率の引き下げ/撤廃
4) QEの導入

などが頭に思い浮かびました。

この4つの方法について、個別に私の考えを書いてみたいと思います。

デポジット金利のマイナス化

文頭で、「主要国の中央銀行では、マイナス金利導入について話し合ったことはあっても、実際の導入に動いたところは、今まで例がありません」と書きましたが、主要国以外の国では実際にマイナス金利導入へ動いた例があります。

1) スウェーデン
デポジット金利をマイナス金利にしたが、準備預金制度での付利はマイナスにならなかったため、市中銀行はデポジット口座にお金を残さずに済んだ。結果として、市場で取引されるレポ金利はプラスで推移。

2) デンマーク
デポジット金利と準備預金制度を共にマイナス金利とした。市中銀行は余剰分の資金に対して金利を支払うこととなり、それを受け短期市場金利もマイナス圏に突入。

つまりECBがスウェーデン中銀と同じ『マイナス金利化』を導入した場合、それはあくまでも形式上のマイナス金利となるだけですが、もしデンマーク中銀と同じ道を歩んだ場合、いくつかの利点と弊害が同時に考えられます。

利点

・ 融資の活発化?
市中銀行に余剰資金が発生した場合、それを保有するにはコストがかかります。その金利負担を回避するため、常識的に考えれば企業融資などに振り分ける可能性が高まると考えられます。

・ ユーロ安トレンド?
マイナス金利導入により、市場金利の低下が起こります。当然、ヨーロッパの資金の一部は金利を求めて外へ出て行くため、ユーロ売り/高金利通貨買いとなり、ユーロが下落。それがユーロ圏の景気回復を後押しすることにもなります。

弊害

・ 市中銀行の収益圧迫
英中銀が2009年にマイナス金利導入を見送った一番の理由が、これでした。マイナス金利により市中銀行のコストが高まり、収益率が悪化するため、逆に融資を削って守りの姿勢に入ってしまうか、あるいは融資の利ザヤを上乗せして損失の穴埋めをしようとするため、逆に貸し出しが減少する恐れがあると心配され、結局マイナス金利導入は実現しませんでした。

・ 不良債権化に対する責任転嫁
これもやはり英国で起きた議論ですが、マイナス金利を嫌って銀行が貸し出しを増やしたとしても、その貸し出し自体が、将来、不良債権化しないとも限りません。その際の損失補てんを英政府が引き受けてくれる保証がない以上、自己資本比率を高める義務を課せられていた銀行としては、矛盾する動きに自ら身を投じる用意がなかったことは明らかです。

最後になりますが、マイナス金利の導入に関しては、過去のコラムでも記事を書いておりますので、参考にして頂ければと思います。

3年物LTROの再導入

来年11月4日からECBによる欧州系銀行監督の一元化がスタートします。それに先駆け、欧州の大手銀行:120〜150行に対し、統一基準に基づいたバランスシート査定 (AQR Asset Quality Review 健全性審査)やストレステストが実施されることは、以前にお伝えしました。今週に入りECBは欧州の大手行を対象としたAQR実施は来年2月からとなり、6月には終了するというスケジュールを披露しています。

その準備として、欧州系の銀行はバランスシートの改善を目的として、2011年12月と2012年2月に実施された3年物LTROの前倒し返済を急いでいることがわかりました。英FT紙によると、‘’ECBの資金にいつまでも頼っている銀行‘’という烙印を恐れてか、欧州系銀行による毎週の返済額は、今年前半の36億ユーロ規模から、年後半には平均46億ユーロに増えていることが確認されているそうです。

ECBは銀行による積極的な前倒し返済により市場の余剰流動性がタイトになった場合、相殺する意味でも追加緩和策の導入に踏み切ると予想されています。ただし、追加緩和策=3年物LTROというシナリオになった場合、せっかく前倒してまで返済し、バランスシート改善に動いた欧州系の銀行が、あらためて借り入れるのか?ECBの資金に頼る以外、方法がない銀行という烙印を押されてまで借り入れるのか?正直疑問です。

銀行の預金準備率の引き下げ/撤廃

世界各国の中央銀行は、自国の市中銀行に対し、保有する預金額の一定割合以上の金額を、一定期間に渡り中央銀行の当座預金に預け入れることを義務付けており、これを『預金準備制度』と呼んでいます。

これは、最初のデポジット金利のマイナス化に通ずるところがあるのですが、昨年7月にECBがデポジット金利を0%へカットした際に、準備預金における一定割合を超える部分の預金について利子をつけない決定しました。

今回議論として挙がっているのは、準備預金そのものに対する付利の引き下げ、または撤廃という話のようです。付利のマイナス金利化までは話に出ておりませんので、デンマーク中銀が行ったマイナス金利とは違うと私は理解しています。

QEの導入

私のブログでも、「どうしてECBは、FRBやBOEのようにQEの導入に踏み切らないのですか?」という質問を読者の方から過去に何度か頂いております。

まずFRBやBOEが実施したQE(量的緩和・資産買い入れ策)を振り返ってみると、いずれの中央銀行もこのQE策を通じて自国の国債を購入しています。ECBがこれと同じ形のQEを導入した場合は、ユーロ圏加盟各国のECBへの出資比率にあわせて、各国の国債を購入することになります。出資比率は、各国の人口とGDPのEU全体に占めるシェアを勘案して決定されていますので、当然、ドイツやフランスの国債を大量に買うことになります。

本来であれば南欧州各国の国債を購入したほうが、ユーロの安定にはより多く寄与しますが、 QEは、南欧州の中でも、特にスペインとイタリアの国債利回り低下を念頭に置いて作成されたOMT(Outright Monetary Transactions 国債購入プログラム)と、この点が決定的に違ってくるのです。

そのため、ECBがQEを実施したとしても、恩恵を受けるべきスペインやポルトガルの国債は何のメリットもなく、既に利回りが相当低くなっているドイツなどの国債が大量に買われてしまうため、ECBがFRBやBOE式のQEに動く可能性はないに等しいと、私は考えています。

言葉を変えれば、今までとは全く違う形でのQE策が出来上がり、ECBがデフレ対策としてそれを導入するのであれば、ユーロという通貨にどのような影響を与えるのか、非常に興味深いと思っています。

最後になりますが、英国に住んでいる一人として、BOEが実施した英国債購入を柱としたQE策が実際の景気回復に役立ったのか?を考えると、答えは「NO」または「わからない」となり、積極的に「YES」ではないことも確かです。振り返ってみると、英景気回復に一番寄与したのは、日本ではあまり知られていないFunding for Lending Scheme(FLS 融資促進のための資金調達スキーム)*と、住宅購入支援策(Help to Buy)**だったと私は理解しています。

* FLSとは?

特に中小企業融資や住宅購入ローンに特化した対策で、英中銀が2012年8月に導入した制度。英中銀はFLSに参加した金融機関に対し、「一般家庭の住宅購入や中小企業に対する融資を実行する」という条件をもとに、それぞれの銀行の融資残高の5%を限度に低金利で資金を提供するというもの。これにより、個人・企業ともにローン利用の可能性が高まり、それが経済を刺激するであろうという内容となっています。

** 住宅購入支援策(Help to Buy)

これは2つに分かれています。第一の「Help to Buy」は2013年4月に導入された「Help to Buy: Equity Loan」と言われるもので、はじめて住宅を購入する人のみ/60万ポンド以下の新築物件のみを対象として、5%のデポジットがあれば、20%の貸付を政府が保証してくれます。そして政府からの借入ローンについては、最初の5年間に限り、金利負担はゼロ。
第二の「Help to Buy: Mortgage Guarantee」は2014年1月発効となるスキームを3ヶ月前倒し、今年10月から申請が可能になりました。第一のスキームと違い、これは新築に限らず中古物件の購入にも使用する事が出来ます。

ECBの役割を考える

ECBの役割が、ここにきて大きく変化しています。文頭にも書きましたが、ギリシャをはじめとする債務危機全盛期には、「いかに債務危機を収束し、ユーロ崩壊を防ぐか?」という危機管理能力が求められていました。そして、その危機が一段落した今、今度は「デフレ対策」がECBの課題として出てきたのです。

今月の理事会での利下げ決定に対し、理事全体の25%に当たる6名の理事が反対票を投じたことが明らかになった今、追加利下げや新たな追加緩和策の導入には、今まで以上の反対票が出てくると私は考えています。それに加え、一部の加盟国政府からの政治的プレッシャーも相当強いものとなるでしょう。

ECBが置かれた状況を更にややこしくさせているのは、ECBの責務が【物価安定の維持】であり、それを遂行するために、2%というインフレ・ターゲットを設定していることではないでしょうか?日本がデフレで苦しんでいた当時の日銀は、インフレ・ターゲット制を導入していなかったため、あれだけデフレが長期化したという見方も出来るでしょう。しかし、このターゲットを導入しているECBにとって、デフレ容認はあり得ないことだと私は信じています。ですので、どんな手段を使ってでも、デフレ対策は徹底的になされることは間違いありません。

通貨高、NO NO NO!

ECBは、何がなんでも物価安定の維持を達成するために、インフレ率が2%近くに戻るまで何らかの対策を練らなければなりません。特に通貨高は、インフレ沈静化という逆効果となるため、相当神経質になると思われます。

ECBが毎日発表しているユーロ実効レートを見ると、今月7日の予想外の利下げで、実効レートは急落し、101.7056をつけましたが、その後またジリジリと上昇しています。

まとめ

為替参加者である私達にとってのメインイベントは、11月29日に予定されているユーロ圏消費者物価指数(CPI)11月分速報値の発表です。

ここで前回の+0.7%より更にインフレ率の低下が確認されれば、その翌週に控える12月のECB理事会で、何らかの対策が発表される可能性が一気に高まります。政治的プレッシャーや効果については疑問が残りますが、【デポジット金利を−0.1%へカットする】準備が済んだという観測記事を受け、本当にマイナス金利導入の発表があるかもしれません。そして、この理事会では、3ヶ月に一度のスタッフ予想の発表もありますので、そこで将来のインフレ率がどのように修正されているのか?も見所となるでしょう。

更にもう少し先の話をすると、2014年1月7日にはユーロ圏消費者物価指数(CPI)12月分速報値の発表があります。ここで問題になるのが、ドイツなのです。それは、12月のCPIから算出方法を一部変更することになっており、その影響でこの月の数字は予定よりも0.2%程度の低下が避けられないそうです。

繰り返しで申し訳ありませんが、過去にマイナス金利を導入した主要国がないため、マイナス金利導入という決定がなされた場合は、ECB関係者だけでなく、マーケット参加者にとっても、一種の恐怖心を植え付ける結果となるかもしれません。それは、マイナス金利から発生するかもしれない弊害について、予想が出来ないからに他なりません。日本で言う‘’たんす預金‘’と同じ意味で、ユーロ圏の銀行からお金がざぁ〜っと引いていき、みんなが皆、ベッドのマットレスの下にお札を並べるのかもしれません。

とりあえず、現在わかっているのは、金利カットをしようが、マイナス金利観測が出ようが、急落後に必ずといっていいほど回復するユーロ。果たして、ここからどのような運命がユーロを待ち受けているのか?非常に興味深いものがあると思っています。

 

松崎美子

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