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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ドラギ・マジックは、サプライズ・カット!

更新日:2013年11月8日

サマリー

今月の欧州中銀(ECB)金融政策会合は、ドラギ総裁にとって2年目の締めくくりとなる記念すべき理事会となりました。

2011年11月の就任以来、2度のドラギ・マジックを披露した同総裁。今月は、先週金曜日に発表されたユーロ圏10月分消費者物価指数(CPI)速報値が+0.7%(前年同月比)と極めて低水準になったことを受け、デフレ懸念を払拭するため、ECBがどんな一手を使ってくるのか?にマーケットの関心は集中していました。

3年に及ぶ欧州債務危機の後遺症ともいえる高失業率やリセッションで苦しんだユーロ圏ですが、インフレ率は今年の夏までECBのターゲットである2%から大きく乖離もせずに推移していました。しかし、ようやくリセッションからの脱却が確認された第3四半期以降、エネルギー価格の低下をきっかけとしたディスインフレ懸念が発生。これが将来デフレへと悪化し、日本同様「失われた10年」とならない保証はないため、ECBは厳しい決断を強いられることとなりました。

主要先進国にとって、インフレは厄介な存在ですが、デフレは恐怖と捉えられています。その恐怖の芽を摘むためにも、今月のECB理事会では、1ヶ月早い【政策金利と限界貸出金利のカット】というサプライズ付きのドラギ・マジックが披露されたのです。

欧州中銀(ECB)金融政策理事会とドラギ総裁定例記者会見

ECBは1週間物リファイナンシングレート (公開市場操作における1週間物資金供給オペの最低入札金利) を主要政策金利として使用しており、これを【レフィ金利】と呼んでいます。これを真ん中にして、上には『限界貸出金利』、下には『デポジット金利』がそれぞれ設定されており、限界貸出金利とデポジット金利との差(幅)をコリドーと呼んでいます。

木曜日以前の金利水準は、

  • 限界貸出金利 (赤線) 1.0%
  • レフィ金利 (緑線) 0.50%
  • デポジット金利 (青線)  0%

となっており、金利のコリドー幅は1%となっていました。

そして、今週木曜日に開催された11月の理事会で、ECBは金利カットに動きました。具体的な内容は、

  • 限界貸出金利 (赤線) 0.25%カット ⇒ 0.75%へ
  • レフィ金利 (緑線) 0.25%カット ⇒ 0.25%へ
  • デポジット金利 (青線)  0%で据え置き

結果として、金利のコリドー幅は、0.75%へ縮小。

※クリックで拡大できます

この予想外の動きを受け、ユーロは1.35台から1.33ミドルまで急落。その後、米第3四半期GDP速報値の発表が続き、市場予想をはるかに上回る2.8%となったため、一気にドル高/ユーロ安が加速されました。

ドラギ総裁記者会見内容

今月の記者会見は、開始早々かなりハト派色の強い発言が続いたことが特徴と言えるでしょう。私自身が特に気になった発言内容としては、

  • Cut will support the recovery through various interest rates
    政策金利カットは、景気回復の手助けをするだろう。
  • Effectiveness of monetary policy is reduced as you reach the lower bound
    (まだ金利の下限には達していないという前提で話されています)下限に達してしまうと、金融政策の有効性に、限界が見えてくるようになる。
  • The value of the euro did not play any role in today's discussion
    (ユーロの為替レベルについては)理事会での協議で、重要な部分を占めなかった。
  • Unemployment seems to be stabilizing
    失業率は安定してきているように見える。
  • We don’t see deflation, as in an extended drop in prices
    物価が今後もどんどん低下するといったデフレの兆候は感じていない。
  • We discussed the deposit rate. Negative deposit rates are ‘in our artillery’
    デポジット金利について協議した。マイナス金利導入は、ECBが有する手段のひとつだ
  • There are a whole range of tools we can use
    活用可能なあらゆる手段を検討する用意がある。
  • Didn’t discuss LTRO in any significant way
    (長期の)LTROについては、特段議論しなかった。
  • Would characterize the discussion as wholly in agreement about the need to act
    行動する必要があるとの見解で、完全に一致した。
  • A significant majority of the governing council thought it was time to act
    出席した理事達のかなり多数の人達が、利下げに動くのは今だ!と判断した。
  • There was disagreement about timing, scope
    行動の時期をめぐっては意見が分かれた。

残された活用手段は?

ECBの利下げは、12月に実施されるという見方がコンセンサスとなっていました。そのため、タイミングは非常に大きなサプライズとなりましたが、方向性としてのサプライズは、ありません。

私自身、ECB利下げ!というニュースを目にした瞬間、最初に頭に浮かんだのは、「最後の切り札、もう出してしまうの?」という点でした。ドラギ総裁は記者会見で、「活用可能なあらゆる手段を検討する」と語られましたが、一体どのような‘活用可能な手段’がECBには残されているのでしょうか?

ざっと頭に思い浮かんだ限りでは、

・追加利下げ

0.25%となったレフィ金利を更にカットする。必要であれば、デポジット金利をマイナス金利とする

・物価安定の定義 (インフレ・ターゲット内容)の変更

これはたぶんあり得ない選択と思いますが、あえて挙げてみました。ECBが誕生した当時の物価安定の定義を見ると、「中期的なインフレ率が2%以下である」となっています。しかし、2003年5月にデフレ懸念の高まりを受けて、「中期的なインフレ率が2%以下であるが2%に限りなく近い」という表現に変更されました。

過去に内容変更が実際に行われていた事実を考えると、「目標値は2%のまま、内容の変更も絶対にない!」と言い切ってしまうのは、勇気のいることかもしれません。

・長期物LTROの再導入

今月の理事会では協議の中心にはならなかったようですが、流動性の供給を確保するには、これが一番有効かと思われます。ただし、AQR (Asset Quality Review 資産内容評価)は、今年12月31日の各銀行のバランスシートを参考にするため、バランスシート内容の変更に迫られるきっかけとなるLTROの早期再導入は、来年以降かな?と考えています。

・OMT(加盟国の国債買い入れプログラム)

昨年夏のドラギ・マジックのひとつであるOMTは、加盟国の国債利回りがコントロール不可能なレベルまで高騰し、他の加盟国へ飛び火してしまうリスクを軽減することが目的だと思っています。最近は加盟国の国債利回りが安定しているため、この出番はしばらくないと思っています。

・担保基準の緩和

問題点としては、過去に何度も緩和を繰り返しましたが、マーケットに与えるインパクトは限定的でした。そして、あまり緩和をしすぎてしまうと、ECBのバランスシートの劣化という心配事が生じます。

・コミュニケーション

ドラギ総裁は、前任のトリシェ元総裁よりも、マーケットとのコミュニケーションが上手いと言われています。その点を生かして、今後もマーケットとの対話を継続し、具体的な政策変更をせずに、言葉だけで(金融政策変更以上の)効果を与えることが可能かもしれません。

ユーロ圏にデフレ懸念は本当に存在するのか?

ユーロ圏10月分消費者物価指数(CPI)速報値が+0.7%(前年同月比)となり、2010年以来久しぶりに1%を下回る結果となりました。しかし、すぐに「デフレだ!」と決め付けてしまう前に、各加盟国のインフレ率がどのようなレベルにあるのかをもう一度確認してみましょう。読者の方にわかりやすいように、昨年末のレベルと、10月のCPIとを比較してみました。

調べてみてはじめてわかったのですが、金融支援を受けたギリシャ・アイルランド・ポルトガル、そして銀行部門だけに限った支援を受けたスペインのCPI低下が非常に目立ちますね。そして、支援は受けておりませんが、イタリアも1%を下回っています。

これら、財政面で問題を抱えている国々のCPIが極端に低いのは、数年前から継続している緊縮財政策の影響に加え、通貨切り下げが出来ないため、競争力回復を達成するために、賃金カットなどの圧力が高まっていたことなどが挙げられます。その意味からも、北欧州の優等国と比較して、南欧州各国のインフレ圧力が低下するのは、自然の流れと言えるでしょう。

ただし、これらの国々が本格的なデフレ・スパイラルにはまってしまうと、GDPに対する債務比率が高まりますので、将来の債務返済による負担が増え、ただでさえ厄介な財政問題がますます悪化してしまうという最悪の結果ともなり得ます。

利下げは効果があるのか?

日銀が発表した7兆円規模の異次元緩和や、米連邦準備制度(FRB)による月額850億ドルの量的緩和第三弾(QE3)と比較した場合、0.25%の追加利下げの直接的効果は限定的かな?と思っています。しかし、ディスインフレの元凶とも言われていたユーロ高が緩和されたことに加えて、‘活用可能なあらゆる手段を検討する用意’という【超緩和政策の長期化】によるアナウンスメント効果は、無視できないものがあるでしょう。

常識的に考えれば、ECBの利下げは銀行の借り入れコストを引き下げます。そして今月の理事会では、金利カットに加え、銀行の資金繰りを支える流動性供給措置を2015年半ばまで継続する方針を表明しています。今年5月にECBがレフィ金利のカットに動いた時も、この措置を2014年7月上旬まで延長すると発表し、銀行に対する資金供給策を強化した経緯がありました。しかし、私自身の中では、これらの措置がここからの景気浮揚やそれに伴うインフレ率の向上にどこまで役立つのか?がよくわからないままなのです。

これはBIS(国際決済銀行)が今年9月に発表した四半期報告に載っているチャートで、企業融資に対する上乗せ金利が、どのように推移してきたか?を示しています。わかりやすいように、世界規模の金融危機が起きた2008年に黄色い線を引いてみました。

米国・ドイツ・フランスは、2009〜2012年の間に貸し出し金利上乗せ幅のピークを迎え、それ以降は順調に低下しています。

英国は、段階を経て上乗せ金利が上昇して来ていますが、2.50%を上限に、下落しつつあるのがわかります。

それに対し、ユーロ圏加盟国のスペインとイタリアは、どうでしょうか?両国とも2012年頃に一旦ピークに達し、その後、大幅に縮小したかのように見えました。しかし、今年に入ってからは、ピーク時に並ぶレベルにまで、上乗せ金利幅が拡大しています。

ECBが今年5月に利下げをしたにもかかわらず、上乗せ金利幅はその後も勝手に拡大しているということであれば、木曜日の利下げがこれら南欧州諸国の融資金利の低下に貢献する可能性については、懐疑的にならざるを得ません。

まとめ

ユーロ圏全体のCPIが0.7%まで低下したからデフレ懸念が高まったと言われてきましたが、よくよく内容を見ると、金融支援を受けた国では、本当の意味でのデフレ傾向が強まっており、それと平行してドイツやオーストリアなどの健全な国では、新たなディスインフレの影が押し寄せてきていると理解してよさそうです。

長引いた債務危機、それに付随してすすめられてきた超緊縮財政策の影響を受け、ユーロ加盟国、特に南欧州各国は未だに深刻な構造改革問題に取り組んでいる最中です。それらの国が、本気で景気浮揚⇒需要拡大⇒インフレ率のアップを目指すのであれば、11月理事会での0.25%利下げだけでは、無理な話でしょう。

英中銀が取り組んだような資金調達支援スキーム(FLS Funding for Lending scheme)の導入には、ECBは積極的でありません。いずれにせよ、先ほど明記したような【残された活用手段】を駆使して、ECBはディスインフレ/デフレからの脱却をはからなければならないという新しい責務が生じたことだけは確かです。

最後になりましたが、ここからのユーロですが、買い材料としては、 1) ドルに並ぶ第二の外貨準備金として、特に新興国中銀や政府系ファンド(SWF)によるユーロ買いが予測できる  2) 欧州の出遅れ株や割安感のある株/債券への投資用のユーロ手当てが考えられます。売り材料としては、先ほども書きましたが、超緩和政策の長期化を受け、キャリー取引のファンディング通貨としての魅力が増す可能性が出てきました。

米FOMCによるTapering(QE3規模縮小)開始が遅れているのは事実ですが、アメリカを取り巻く環境が大きく崩れない限り、金利先高感から言っても、米>欧の順序には変化がないため、(その順番に変更が出るまでは)戻りを丁寧に売っていく方向で見ています。短期的には、1.36Highが上に抜けない限り、200週移動平均線がある1.33Lowを試しに行くと思っています。重要なのは、そこで跳ね返されるか?でしょう。

ユーロから円に目を移すと、木曜日に発表された市場予想をはるかに上回る米第3四半期GDP速報を受け、Tapering(QE3規模縮小)開始時期の前倒し観測が出てきたため、ドルは上昇し、ドル円は99円41銭まで一気に上昇しました。

しかし、Tapering(QE3規模縮小)早期開始期待は、米株式指数の急落のきっかけにもなりました。その影響を受けた日経平均株価指数の下げを嫌気して、ドル円は高値から2円近く下落しました。金曜日の日経平均株価動向次第ですが、ドル円は97円Lowを抜けてしまうと、一気に売りが加速し、それが更に日経平均株価を下げるという負の連鎖にはまってしまうだけに、要注意です。

金曜日のマーケットでは、米国の雇用統計だけでなく、米日欧の株価にも目を光らせ、レベル感からの取引だけは避けたいと思っています。

 

松崎美子

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