FXなら安心と信頼のFX|セントラル短資FX

  • 法人のお客さま
  • サイトマップ
  • よくあるご質問
  • お問い合わせ
  • 推奨環境
  1. セントラル短資FX
  2. マーケット情報
  3. マーケットビュー
  4. 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX

マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ドラギ・マジックとなるのか?

更新日:2013年11月1日

財政協議を巡る与野党の交渉決裂により、17年ぶりの政府窓口閉鎖となったアメリカ。かろうじてデフォルトは避けられたものの、上下両院の合意内容はあくまでも暫定的なものとなったため、年明け以降、アメリカの財政協議の混乱が繰り返される可能性が残りTapering(QE3規模縮小)観測が萎えてきました。その影響を受け、世界主要国の株価は上昇につぐ上昇を見せておりますが、基軸通貨であるドルは売られやすい傾向が続いていました。

それと平行して、統合の深化に向け着実に動き出した欧州のユーロに対する信頼性が高まり、今週前半にかけて、ドル安/ユーロ高が進行しました。

本日のコラムでは、最近のユーロ高とデフレ懸念を受け、11月のECB理事会ではどのような決定・発言があるのか?を予想してみたいと思います。

トリシェ元総裁の口先介入

今週はじめのユーロ上昇を受け、「ユーロは1.40台に乗るのか?」という相場見通しが出てきましたが、過去のユーロ高に対するECBの対応について調べてみました。それに関しては、このコラムの過去記事に詳しく書きましたので、そこから一部文章を抜粋させてください。

抜粋部分:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トリシェ氏は2003年11月から2011年10月末まで欧州中銀(ECB)の総裁として私たちに数々の思い出を残してくれました。同総裁在任期間中に、ユーロは対ドルで1.60台まで上昇し、ECBが毎日発表している通貨の強弱/価値を示す実効レートは、ユーロ誕生以来の最高値をつけたという経緯があります。

私が記憶している限りでは、トリシェ前総裁が公の席で、あえて口先介入したのは2回。

最初の口先介入

2004年11月、G10会合でのスピーチで、

“The recent moves which tend to be brutal on the exchange markets between the euro and U.S. dollar are not welcome from the standpoint of the ECB.
ユーロとドルの為替レートの最近の動きは、荒っぽすぎる傾向がある。こういう(荒っぽい)動きを、ECBは歓迎しない。”

実効レート

この発言があった時の実効レートは106台。これは、2000年10月に付けた81.1584という安値から31%上昇

為替レート

ユーロ/ドルは1.29から1.30に乗る直前。2000年10月の0.8225の安値から1.30まで58%、ポイントにすると約4,800pipsの上昇

2度目の口先介入

2007年11月、ECB理事会後の定例記者会見の席で、

‘’I have said already, brutal moves are never welcome. I have seen 'sharp and abrupt' moves in exchange rates.
私は以前にもお伝えしたように、荒っぽすぎる動きは、絶対に歓迎しない。私は為替マーケットで、このような急激な激しい動きを実際に目にした。‘’

実効レート

この発言があった時の実効レートは108〜109台。これは、2006年2月に付けた安値:99.7498から約10%上昇

為替レート

ユーロ/ドルは1.46〜1.47台。2005年11月の1.16台から約27%、ポイントにすると約3,100pipsの上昇。しかしトリシェ氏の口先介入にもかかわず、その後ユーロ/ドルはさらに上昇し、1.60台まで行く。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
抜粋部分ここまで

 

データ: 欧州中銀ウェブサイト

※クリックで拡大できます

※クリックで拡大できます

つまり、過去2度に渡る【ユーロ高をけん制するための口先介入】時の実効レートは、106〜109台となっていることがわかりました。そして偶然かもしれませんが、どちらの場合も、それが11月に起きている点です。

今年のユーロ

今年のマーケットは、前半はアベノミクス相場、後半はFRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長の証言がきっかけとなり、Tapering(QE3規模縮小)を巡る出口戦略マーケット相場となりました。その前後に一時的に、ECBのマイナス金利導入観測もありましたが、年間を通してユーロは脇役通貨に徹したことは事実です。

念のためにユーロ/ドルの1年間の値幅を調べてみますと、今年はユーロが誕生した1999年以来、最小となっているのがわかります。

今年2月のドラギ発言

値幅がこれだけ小さいのにもかかわらず、ユーロ実効レートに最近、ある事件(?)が起きました!それは、今年2月につけた高値:102.802を、先週上抜けしたのです。

データ: 欧州中銀ウェブサイト

※クリックで拡大できます

この高値上抜けを受け、来週開催されるECB金融政策理事会後のドラギ総裁記者会見では、ユーロ高に関する質問が飛び出すのは、確実だと私は思っています。 今年2月の記者会見では、ユーロ高について以下のやり取りがありました。

記者からの質問 
Q: 最近のユーロ高について、どう思われますか?それがどのように欧州景気に影響するのかも、併せて教えていただけたらと思います。

ドラギ総裁の答え A: まず最初に、ユーロの上昇は欧州市場に対する信頼が回復したという背景があると思う。通貨というものは、ファンダメンタルズを反映すべきである。長期的平均値からも、ユーロは大きく乖離していない。為替レベルはECBの政策ターゲットでないことは、先月も伝えた。我々は注意深く市場動向を見極めている...とだけ付け加えておく。我々はユーロ上昇が物価安定にどのような影響を与えるのか、見極める予定だ。

2月と現在のユーロを取り巻く環境を比較すると、

  • ユーロ圏債務危機問題が沈静化している
  • 2月当時には2%台であった消費者物価指数(CPI)が、現在は0.7%まで低下している
  • 2月当時のGDPは(前期比)-0.5%であったが、Q3には久しぶりにプラス転となった
  • 欧州統合に向け、確実に動き出している

まだまだありますが、重要なのは、2番目の【インフレ率の低下】ではないでしょうか?リセッションが終焉し、GDPがプラス転したとは言え、ユーロ圏の経済回復力は弱々しいものであるため、需要の減少を背景に物価トレンドは低下し続けています。それを受け、ECBが設定した2%のインフレ・ターゲットの半分以下までCPIが落ちてきてしまったのです。

もちろん、ドラギ総裁は何度も、「為替レートはECBの政策目標ではない」と仰っていますが、ユーロ高が原因でディスインフレ傾向が強まっていると判断されれば、追加緩和の理由になります。その場合、追加利下げ用の糊代がほとんど残っていない今、デポジット金利のマイナス化も全くあり得ない選択ではないのかもしれません。

今回のユーロ高/ドル安

単純にユーロ/ドルのレベルだけをみれば、1.40に近い現在のレベルは歴史的に見ても高めの水準と言えると思います。それを確認する意味で、実効レート・為替レートともに、高値/安値の31.8%・50%・68.2%のレベルを調べてみました。

データ: 欧州中銀ウェブサイト 

※クリックで拡大できます

最初は実効レートですが、10月29日につけた今年の高値: 103.5529は、68.2%の103.7747とほぼ同じレベルであることがわかりました。

※クリックで拡大できます

次は為替レベルですが、既に68.2%レベルの1.3555を超えています。

最近のユーロ/ドル上昇の背景には、米連邦準備理事会(FRB)のTapering(QE3規模縮小)開始が来年にずれ込むという見通しに基づいた【ドル安】が犯人!とされていましたが、果たしてそれは本当なのでしょうか?

それを調べるために、ECBとFRBそれぞれのウェブサイトから実効レートのデータを取り、私が自分でチャートを作ってみました。赤いラインがユーロ実効レート、青いのがドル・インデックスとなっています。


@ 今年1月末の1.37台
チャートを見ると、ユーロ高(緑の指の矢印)とドル安(白い指の矢印)が同時に起こっているのが確認出来ます。

A 3月末には1.27台へ下落
このときは、ドルは横ばいの中で、ユーロ実効レートだけが急落し、結果としてユーロ/ドルが急落しました。

B 5月は、1.32台へ上昇
Aとは全く逆に、今度はユーロ実効レートは横ばいの中、ドル・インデックスだけが急落し、結果としてユーロ高/ドル安という動きになりました。

C 7月に1.27台へ再度急落
このときは、ドルの高騰とユーロの下落が同時に起きて、ユーロ/ドルが下落しています。

D 9月の1.31台への下落
Cと全く同じ理由です。

E 1.38台への急上昇
今年に入って一番綺麗な両股開きとなっていますね。つまり、ユーロ実効レートが上昇する中、ドル・インデックスも急落しています。

結論として、今回のEの相場は、【ドル安 + ユーロ高】の共犯だったようです。

11月7日のECB理事会とドラギ総裁記者会見を占う

ディスインフレ/デフレ懸念

10月31日に発表された10月分ユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は、市場予想の+1.1%上昇を下回り、+0.7%(前年比)となり、4年ぶりの低レベルに落ち込みました。この数字はECBのインフレ・ターゲットである2%の半分以下であるため、一部の報道ではディスインフレではなく、デフレと表現されておりました。

域内がリセッションから脱却したにもかかわらず、CPIが更に低下したことを受けて、いち早く大手米銀が「ECBは12月に政策金利カットに踏み切る」という内容のレポートを出しました。その数時間後には、ある欧州系銀行が、「来週の理事会で金利カットに動く」というレポートを出したため、ユーロ/ドルは一気に1.36台を割り込む勢いで下げました。そして欧州終盤、「来週利下げ」を予想する銀行数が増え、ユーロはそこから更に急落しています。


これはユーロ圏インフレ率(CPI 左軸)と、失業率(右軸)のチャートです。債務危機の悪化を受け、ユーロ加盟国のほとんどが何年にも渡り超緊縮財政策の継続を強いられたため、景気が落ち込みインフレが沈静化する傍ら、失業率がグングン上がっていったことが確認できますね。

◎ ECBの責務

ECBの責務は、物価安定の維持であり、それを遂行するために、2%というインフレ・ターゲットを設定しています。今年3月に発表されたCPIの数字が久しぶりに2%を割り込み、それ以降ずっと1%台での推移となったため、「欧州も日本のように、今後はデフレに苦しまされ、失われた10年を繰り返すのか?」という議論が出てきました。しかし、この議論には私は賛成出来ません。その理由は、日本がデフレで苦しんでいた当時、日銀は【インフレ・ターゲット制】を導入していなかったからです。ターゲットを導入しているECBにとって、デフレ容認はあり得ないことだと私は信じています。

皮肉なことに、世界最強とまで言われたインフレ・ファイターであったドイツ連銀を範とするECBにとっては、インフレと戦うことの心の準備は出来ていたのかもしれませんが、今回のようなディスインフレ/デフレに陥る事態になることは、想定外だったかもしれません。

◎ 11月の理事会予想

まず10月2日のECB理事会を振り返ってみると、その後の定例記者会見の席で、ドラギ総裁は利下げに関する議論があったことを認めながら、「ECBは市場金利の動向を注視しており、追加の長期資金供給オペ(LTRO)も含め、必要に応じあらゆる手段を活用する用意がある」と発言しました。今回の1%以下のCPIを考えれば、11月の理事会でも利下げに関し議論するのは、確実でしょう。それに加え、ユーロ高がディスインフレの要因となっているのか?についても、説明が求められると私は考えています。

さすがにここまでCPIが下がってきてしまうと、インフレ・ファイターで知られるドイツ連銀のバイトマン総裁やアスムセン理事も、デフレ・スパイラルを事前に防ぐためにも、追加緩和策の導入には前向きにならざるを得ないと思います。

◎ 実際に利下げに動くのか?

これは難しい質問ですね...とりあえずECBが取る可能性がある3つの選択が頭に浮かびました。

1) 利下げに動く
どの金利をどれだけ下げるか?については、後ほどあらためて書きます。

2) 長期資金供給オペ(LTRO)の再導入
2011年〜12年にかけて、2度に渡る3年物LTROを通じて、合計1兆ユーロの資金を追加したECB。今回は、そのLTROの再導入し、追加緩和をする。期間については、3年より短い2年となるかもしれない。

3) フォワードガイダンスの強化
具体的な内容はわからないが、CPI上昇にリンクさせるガイダンス内容に強化する。

4)  利下げについて協議するが、最終的には何もやらない 
12月のECB理事会では、3ヶ月に一度の【スタッフ予想】が発表され、インフレ率をはじめとするマクロ経済予想が発表される。11月の理事会では、デフレ懸念を払拭するために、口先介入でユーロを押し下げる努力をしておき、実際の利下げは12月の内容を確認してから実施に動く。

もし4)が選択されれば、新たな『ドラギ・マジック』が披露されるかもしれません。


◎ 利下げ幅予想

万が一、来週利下げに踏み切った場合、何通りかの利下げの組み合わせが考えられます。

念のために書き加えますが、ECBは1週間物リファイナンシングレート (公開市場操作における1週間物資金供給オペの最低入札金利) を主要政策金利として使用しており、これを『レフィ金利』と呼んでいます。これを真ん中にして、上には『限界貸出金利』、下には『デポジット金利』がそれぞれ設定されており、限界貸出金利とデポジット金利との差(幅)をコリドーと呼んでいます。

現在の金利水準は、

・限界貸出金利 (赤線) 1.0%
・レフィ金利 (緑線) 0.50%
・デポジット金利 (青線)  0%

となっており、金利のコリドー幅は1%です。


1) 主要政策金利: レフィ金利を0.5%から0.25%へカット。限界貸出金利とデポジット金利は据え置き
結果として、コリドー幅は変わりませんが、レフィ金利とデポジット金利の差が、過去に経験したことがない0.25%まで縮まります。

2) 主要政策金利: レフィ金利と限界貸出金利を、それぞれ0.25%づつカット。デポジット金利は据え置き
コリドー幅は過去に経験したことがない0.75%まで縮まります。

3) 3つの金利全てを0.25%づつカット。デポジット金利は、マイナスとなる
コリドー幅は現在と同じ1%のまま維持されますが、デポジット金利はECBが始まって以来、はじめてのマイナス金利となる。

どれを選択したとしても、景気が回復しつつあるのに追加利下げに踏み切るという整合性に欠ける選択となります。しかし、ECBの責務である物価安定の維持を達成するためには、これはやむを得ないことでしょう。逆に放っておけば、マーケットだけでなくユーロ圏全体の経済に対しても、不確実性が高まってしまいます。

まとめ

既に半年以上に渡り、ユーロ圏CPIは、ECBのインフレ・ターゲットを下回った水準で推移しています。しかし、ここにきて、1%をも下回るという、ある意味、許容しがたいレベルまで落ちてきました。ECBは出来れば即刻金利をカットし、少しでもCPIの水準を2%に近づけたいと思うに違いありません。

ユーロ実効レートを見ると、ユーロという通貨は今年に入って5%、12ヶ月前から7.2%上昇しています。この上昇分の何%かは、金融引き締めと同じ意味を持ちますので、追加利下げをしても、全く不思議でないと私は思っています。

問題は、既に限りなく0%に近い金利を、あと0.25%カットして、果たしてどれくらいの効果が出るのか?です。

来週の理事会で利下げをするか?しないのか?いずれにしても、11月7日までは、ユーロに対して【ハト派】的内容の相場観やコメント、予想が増えてくると思います。

もし7日の理事会で政策金利の変更や追加緩和の発表がなければ、「ビリーブ ミー」に匹敵するドラギ・マジックが披露されることは、疑う余地がありません。

総合すると、次のECB理事会までは、ユーロを取り巻く環境は一気にネガティブになることが考えられますので、事態がはっきりするまで短期売買以外では、ユーロの買い持ちを減らす方向で考えています。

 

松崎美子

メルマガ無料配信中!

メルマガの配信をご希望の方は右のボタンより登録ページへお進みください。

マーケットビュー メルマガ登録

セントラル短資FXで取引をはじめる 当社でお取引をご検討の方

無料セミナ―を受講する

セントラル短資FXが提供する無料セミナー

「マーケットビュー」執筆陣も出演中。外貨投資の基本からFXのトレードテクニックまで各種セミナーを開催しています。

取引をはじめる

オンラインでスピード口座開設 最短翌営業日で開設

口座開設

!
  • ※当社による情報サービスは、お客さまの投資判断に当たって参考となる情報の提供を唯一の目的としており、断定的な判断の提供や特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
    当社および情報提供者は、情報の正確性、完全性、適時性等を保証するものでは一切なく、情報の内容を予告なく変更する場合があります。また、当該情報の利用によって生じたいかなる損害についても、一切責任を負うものではありません。投資の最終判断は、お客さま自身で行ってくださいますようお願いします。
    当社が提供する情報の著作権は、セントラル短資FX株式会社または情報提供者に帰属します。当社の事前の承諾なく情報の全部または一部を引用、複製、転送などにより利用することを禁じます。
マイページログイン
口座開設
わからないことは
0120-30-8806 携帯電話・PHSからもご利用いただけます。
ご利用いただけない場合 03-6833-0250

受付時間:午前08:00〜午後07:00(平日)