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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

欧州での出来事

更新日:2013年10月25日

先週に引き続き、今週も欧州統合の話題を書きたいと思います。かなり専門的な内容であるため、読者の方の中には、「またですか?」と嫌われてしまうかもしれません。しかし、毎週記事が書けるほど、今、欧州は統合深化に向け歩き出したと理解していただけると嬉しいです。

それに加えて、今週火曜日に発表された9月分・米雇用統計の数字が非常に弱かったことを受け、アメリカの金融政策はTapering(緩和規模の縮小)から追加緩和へと、180度の方向転換か?という議論が徐々に出てきているようです。この【緩和基調へ逆戻り】という議論が、果たして私が住む英国でも当てはまるのか?それについても書いてみたいと思います。

銀行監督の一元化 (単一銀行監督制度 SSM) に向けて

欧州統合の4本の柱のひとつである『財政同盟』に向け、今年からユーロ加盟各国は翌年度の予算案を欧州連合(EU)に提出し、年末までに承認を取り付けることが義務付けられました。そして、先週10月15日には、はじめての試みとして加盟各国の予算案が欧州委員会に提出されたのです。

これと同じ日に開催されたEU財務相会合では、SSM(単一銀行監督制度)を2013年11月4日に発足させることで合意、今週木・金曜日(10月24・25日)にかけて開催されているEUサミットでの最終合意を経て、1年後の2014年11月からECBは銀行監督権限を正式に受けることになりそうです。

ここから銀行同盟成立までの道のりを簡単に書きますと、


こんな感じになります。各単語の説明ですが、

・ ESM
欧州安定メカニズム

・ SSM (Single Supervisory Mechanism)
単一銀行監督制度

・ CRDW(Capital Requirements Directive 資本要求指令第4次改定)
欧州での域内金融機関の健全性規制共通ルール。バーゼルVに対応し、資本の量・質の向上、資本バッファー要件の導入、カウンターパーティリスク捕捉の強化などを欧州委員会が設定。

・ SRM (SRM: Single Resolution Mechanism)
単一破綻処理制度

・ DGS (Deposit Gurantee System)
共通預金保険制度

AQR (資産内容評価)とは?

2014年11月からの銀行監督権限の一元化(単一銀行監督制度)に先駆け、ECBは欧州大手行に対し、統一基準に基づいたバランスシート査定やストレステストを実施します。銀行の資産内容を徹底的に調査することは、ECBが欧州共通の銀行規制当局として信頼を確立する上でも大いに役立つ事は疑う余地がありません。このバランスシート査定は、AQR (Asset Quality Review 資産内容評価)と呼ばれ、EUサミットの前日である水曜日(10月23日)にその詳細が発表されました。


AQR対象銀行数:

ユーロ圏18ヶ国の主要銀行128行が対象。これらの銀行資産の合計額は、ユーロ圏の金融機関資産の85%に当たる。

国別では、

オーストリア 6行 フィンランド 3行 ラトビア 3行
ベルギー 6行 フランス 13行 マルタ 2行
キプロス 4行 ギリシャ 4行 オランダ 7行
ドイツ 24行 アイルランド 5行 ポルトガル 4行
エストニア 3行 イタリア 15行 スロベニア 4行
スペイン 16行 ルクセンブルグ 6行 スロバキア 3行


AQR実施時期:

査定は2013年11月からスタートされ、2014年10月に終了予定。


審査基準:

新銀行自己資本規制(バーゼルIII)**に基づき2019年までに達成が求められるコアTier1(狭義の中核的自己資本)比率7%に加え、金融システム上重要な銀行に対し1%の積み増しを求め、合計で8%の自己資本の確保を義務付ける。

**バーゼルIII
リーマン・ショックに代表される過去の金融危機の再発を防ぎ、国際金融システムのリスク耐性を高める観点から、国際的な金融規制の見直しに向け検討が行われました。その結果、2010年9月にバーゼルIII(新銀行自己資本規制)が合意・成立。これに基づき、国際的な業務展開をしている銀行は「狭義の中核的自己資本(Tier1)」の比率を2019年までに7%以上に達成することが求められます。

目的:

1) ユーロ圏の銀行セクターの透明性を目指す
2) 域内の金融機関の資産内容の修正と強化
3) 域内の金融機関の健全性と信頼性の向上

AQR内容発表を受け

10月23日に発表されたAQRの条件では、予想より厳しい【8%の自己資本の確保】を義務付けていた事を受け、欧州の銀行株が軒並み続落、これが欧州各国の株価指数の下落を引き起こしました。南欧州のユーロ加盟国の中でも、特にイタリアやスペインの銀行株は5%を越す下げを記録しただけでなく、イタリアの代表的株価指数:MIBは461.25ポイントのマイナスで取引を終了しています。

どうしてここまで銀行株が売られたのか?ですが、自己資本比率8%に対し資本不足が生じた銀行は資本の積み増しを迫られるため、それに該当すると思われる銀行が狙い撃ちされたという印象を受けました。驚いたのは、健全性において問題ない!と思われた独ドイツ銀行株でさえ、2.5%の下落を余儀なくされたことです。

ECBはAQR実施に向け、銀行の不良資産の定義を『90日以上の延滞債権』、つまり支払いの延滞が90日を越える融資や、返済義務の履行が困難と見られる借り手への融資は、全て不良債権とみなすと発表。これは各国当局に不良債権の定義を委ねていたこれまでの健全性審査より厳しい措置となっており、スペインやイタリアの銀行の中には、銀行資産の2〜3割が不良債権に分類されてしまう銀行も出てくるようです。

ECBがここまでドラスティックな厳しい条件を提示した理由は、欧州系銀行の財務状況に対して、投資家の信頼感が極端に悪化していることが根底にあるようです。ある米系投資銀行が実施した調査によれば、「ユーロ圏の銀行が開示している不良債権についての情報を信用する」と回答した投資家はわずか8%にとどまったとされており、ドラギECB総裁はAQR内容発表時に行ったインタビューで、「ユーロ圏の銀行の健全性と資産内容に対する民間セクターの信頼性が強化されると見通している。」と述べています。

気になる資本不足の総額ですが、ある米系銀行の試算によると、ECBの監督下に置かれる128行のうち、5〜10行が資本不足と判定、最大で500億ユーロの資本増強を迫られると予想されているようです。

銀行同盟についてのまとめ

銀行同盟が完全に成立するには、あと数年かかります。SSM (単一銀行監督制度)・SRM (単一破綻処理制度)・DGS (共通預金保険制度)という銀行同盟の3本の柱のうち、まずSSMが歩き出しました。欧州委員会がSSMに最初に手をつけた理由は、‘’お金が絡まない‘’という事情があると、私は思っています。

今回発表されたAQR内容を受け、欧州系銀行の株価が大きく下落してしまいましたが、前向きに物事を考えた場合、この壁を乗り越えればECBの監督下に入った128行の財務内容は信頼するものに値することになりますから、欧州への投資に安心感が出てくることは、間違いありません。

ただし、ECBは域内の金融政策の舵取りについては実績がありますが、【監督業務】については、はじめての試みとなります。既に来年の一元化に向け、1,000名にも及ぶ監督業務のスペシャリストの雇用を開始しました。果たして、ECBは金融政策に加え、監督業務もきちんとこなせるのか?その点も今後のマーケットを占う上で、重要な判断材料になることでしょう。

英中銀、早期利上げ観測が浮上

今週水曜日に、10月9/10日に実施された英中銀金融政策理事会(MPC)の議事録が公開されました。

内容を簡単に説明しますと、

【ポジティブな内容】

  • 8月に発表された英中銀四半期インフレ・レポート時よりも、英国の雇用市場の改善がみられる。
  • 過去2年に渡り、下落を続けていた民間部門の生産性が、ここにきて上昇に転じた。

【若干ネガティブな内容】

  • 今年下半期(7〜12月期)のGDP予想は+0.7%程度と、変わりなし
  • 米国の経済/財政見通しがソフトになってきている
  • ユーロ圏の景気回復も、スローペース
  • 新興市場の景気回復リスクは、未だにある

総合すると、英国経済だけを取れば、見通しは明るいのですが、外部要因(世界経済全体)からのネガティブな影響を受けるリスクが依然高いため、英国のGDPが大きく改善するには、至らないということのようです。

早期利上げ論の台頭

21 The headline LFS unemployment rate had fallen to 7.7% in the three months to July, and a fall in the claimant count measure in August, together with surveys of companies’ employment intentions, had suggested that it would fall further over the rest of the year, probably at a faster pace than anticipated at the time of the August Inflation Report. The fall in unemployment in the three months to July appeared to reflect growth in full-time permanent jobs, and there was no reason to believe it to be erratic. Moreover, average hours had continued to rise such that total hours worked had increased by more than employment in heads in the three months to July. It now therefore seemed probable that unemployment would be lower, and output growth faster, in the second half of 2013 than expected at the time of the August Inflation Report.
7月の失業率は7.7%となり、8月の失業保険申請件数も減少している。各企業の雇用予定も加えて総合的に判断すると、失業率は今年後半、更に低下するとみられる。この低下のスピードは、8月の英中銀四半期インフレーション・レポートを発表した時よりも、更に早まってきているようである。 (中略)結果として、今年後半に於ける失業率低下と生産性向上のスピードは、8月のインフレ・レポート時よりも早いものとなるようだ。

これは、議事録の21番目に書かれている文章ですが、こちらのエコノミスト達は特に【失業率の低下スピード】の部分に注目しており、今年8月にBOEが発表した‘’フォワードガイダンス‘’の条件となっている失業率7%を達成するのは予想より早くなると判断したようです。これを受けて、にわかに早期利上げ論が浮上してきました。

次回の四半期インフレーション・レポートは、11月13日に発表されます。そこで最初の利上げ時期が前倒しされている場合、一気に早期利上げ説が再浮上することは、間違いなく、それがポンド上昇の後押しにもなると思っています。

最初の利上げ時期予想に関して、念のために過去のインフレ・レポートをチェックしてみたのですが、今年5月の四半期インフレ・レポートでは、2016年後半 ⇒ 8月のインフレ・レポートでは、2015年後半に早まっていました。

金曜日のメイン・イベント

今週金曜日には、英第3四半期GDP・速報値が発表されます。予想は、(前期比)+0.7%となっており、第2四半期の+0.7%と並ぶ数字となりそうです。

ちなみに、10月9日にNIESR(英国王立経済社会研究所)が発表した7・8・9月期(第3四半期)のGDPは+0.8%。このシンクタンクのGDP値と統計局の正式な数字との誤差は、+0.2%ですので、金曜日の数字は最悪でも+0.6%、最高で+1.0%になると予想されます。

これは統計局のウェブサイトから数字を拾って私が作成した2003年〜2013年第2四半期までのGDP(前期比)グラフ。これを見ていただくと判りますが、過去の英国のGDP値は、どんなによくても前期比で+1.5%に達することは、ありませんでした。なので、もし金曜日に+1.0%という数字が出たりしたものなら、完全にお祭り騒ぎになり、週末の各紙は「英経済、リーマン・ショック前のレベルまで回復」などというヘッドラインで埋め尽くされることが容易に想像できます。

現在英国で報道されている内容を総合しますと、このままのペースで行けば、第4四半期のGDPも+0.7%は十分に達成可能とみられており、予想通りにQ3・Q4ともに+0.7%となれば、2013年は年率で+2.5%の成長を見込める計算になります。

次は、同じく統計局から数字を拾って作成した2000年からの英GDP(年率)のグラフです。もし予想通り、今年のGDPが+2.5%程度まで回復するのであれば、2006年当時のレベルに近いところまで戻ることになりますね。その頃(2006年)のインフレ率は2〜2.30%くらいの間を行き来しており、政策金利は5%を挟んだ動きとなっていました。

現在の0.5%という歴史的な低金利が、果たしてどのくらい継続可能であるのか?が、現在は金融政策の決定に、フォワードガイダンス制が取り入れられていますので、簡単に利上げという訳には行かないでしょう。しかし、このままのペースで景気回復基調が継続するのであれば、アメリカで俄然注目を浴びてきた【緩和基調へ逆戻り】という議論は、私が住む英国では当てはまりそうにもありません。それとは全く逆に、英中銀が8月のインフレ・レポートで予想した‘’2015年後半‘’よりも早い時期での利上げという動きになっても、不思議ではないような印象を受けました。

超緩和策からの出口戦略を語る最初の中央銀行は、アメリカのままなのか?それとも、英国となるのか?2014年は波乱含みの相場となりそうです。

 

松崎美子

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