FXなら安心と信頼のFX|セントラル短資FX

  • 法人のお客さま
  • サイトマップ
  • よくあるご質問
  • お問い合わせ
  • 推奨環境
  1. セントラル短資FX
  2. マーケット情報
  3. マーケットビュー
  4. 2013年バックナンバー
  5. 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX

マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

世界中を唖然とさせたFOMCでの決定

更新日:2013年9月20日

今週は、世界中のマーケット関係者が固唾を飲んで見守った米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、18日にその結果が発表となりました。

Taperingに関する疑問

どうして、今月のFOMCが今までにないほどの注目を集めたのか?ですが、それに移る前に、これをお読みの初心者向けに、簡単にQE3とは何か?を説明します。

QE3

量的金融緩和政策の第3弾のこと。QE (Quantitative Easing program)を通して、市場に供給する資金量を増加させ、金融緩和を図るのが目的。政策金利がほぼゼロ金利であるため、更なる政策金利の引き下げにより市場に資金を流すことができないため、中央銀行が資産の買い入れを行って市場に出回る資金量を拡大するという量的緩和策がとられる。QE3は、2012年9月から導入され、規模としては毎月850億ドル【内訳: 国債450億ドル+住宅ローン担保証券(MBS) 400億ドル】の購入となっています。

今月のFOMCが、ここまで注目を集めた理由

  • 1)Tapering (QE 3規模縮小)が、本当に今月のFOMCから開始されるのか?
    報道各社が行ったアンケート結果を見る限り、7割近くの市場参加者は、今月からTaperingが開始されると予想していました。
  • 2)開始されたとしたら、その規模は、どのくらいになるのか?
    特に目立ったコンセンサスはなかったのですが、今週に入ってからは、100〜150億ドルの縮小となるのではないか?という意見が優勢となってきました。
  • 3)規模が判明した場合、QE3を通して米連邦準備制度理事会が購入している国債とMBS両方を縮小対象としてみるのか?それとも国債のみか?
    これに関しては、コンセンサスが全く見られません。というのも、FOMCに参加する理事達の間でも、意見が2つに分かれているからです。
  • ・国債規模のみに限った縮小を支持する派
    5月にバーナンキ議長がはじめてTaperingの可能性について言及して以来、アメリカの住宅ローン金利は、1%も上昇している。これ以上、住宅ローン金利が上昇してしまうと、それが景気腰折れリスクを誘発するかもしれない。そのリスクを避けるためにも、MBSの購入を継続し、住宅ローン金利を低く押さえておけば、それが結果として景気刺激策となり得る、そのため、MBS購入額に関しては、現状の金額を長期に渡り維持すべきである。
    ただし、問題としては、国債だけに限って規模縮小を繰り返した場合、国債利回りが上昇し、政府借り入れコストが上昇するという弊害もある。
  • ・縮小方法を複雑にしたくない派
    Taperingを開始するということ自体、マーケットにインパクトを与える問題なので、その手段は、出来る限りシンプルにすべきであろう。5月のTapering示唆以来、マーケットとFRBとの対話がスムーズに運んでおらず、その点が気がかりである。
    そのため、実際の規模縮小の方法は、市場参加者が簡単に理解でき、不必要な市場混乱を避けるべきである。そのため、国債とMBS両方を削減するのが、理解を得やすい。

9月のFOMCでTapering開始となった場合のシナリオ

報道各社の意見をまとめてみると、以下のようなイメージになりました。

 

シナリオ 1

シナリオ 2

シナリオ 3

シナリオ 4

縮小規模

100億ドル

100億ドル

100億ドル

150億ドル

縮小対象

MBS据え置き
(400億ドル)

国債 100億ドル
(450億ドル⇒350億ドル)

MBS・国債共に50億ドルずつ縮小

MBS
(400億ドル⇒350億ドル)

国債
(450億ドル⇒400億ドル)

MBS 25億ドル
(400億ドル⇒375億ドル)

国債 75億ドル
(450億ドル⇒375億ドル)

MBS 50億ドル
(400億ドル⇒350億ドル)

国債 100億ドル
(450億ドル⇒350億ドル)

コメント

どうしてMBSの縮小に動かなかったか?についてバーナンキ議長は記者会見で説明しなければならない

50億ドルずつと、やや小額規模の縮小となるが、両方とも縮小されるということで、市場の理解は 得やすい

MBS・国債残高をともに375億ドルに揃え、合計で750億ドルとする。
MBS・国債の残高が同額のため、ここからは両方同じ規模で縮小しますよ!というシグナルを送る

シナリオ3同様、両方の残高を同額にし、ここからは両方同じ規模で縮小しますよ!というシグナルを送る

Tapering以外の注目点

・ 経済見通しの発表

FOMCでは、将来のGDP・失業率・インフレ率などの予想を添えた経済見通しを3ヶ月ごとに発表します。今回の経済見通しでは、2016年末時点のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の予想が初めて盛り込まれることになっており、どのような金利水準を予想しているのか?が注目されていました。FOMC直前の金利先物市場では、2.50%程度の金利水準になることが既に織り込まれていたため、もし経済見通しでの金利誘導目標予想値が、この水準より低くなれば、金利低下⇒ドル売りが予想されていました。

・ 失業率数値基準の引き下げ

一部の市場参加者の間では、【失業率 6.5%】という数値基準を6.0%に下げ、超低金利を長期に渡り維持する方針を打ち出すのではないか、との見方も出ていました。

9月18日・FOMCからの発表

結果から申しますと、FOMCは月額850億ドルの資産買い入れプログラム:QE3を当面継続する方針を表明し、Taperingの開始を見送りました。これは、為替関係者だけでなく、債券・株など全ての市場参加者にとって、大きなサプライズとなりました。

私も最初に【見送り】という英語を見た瞬間、数秒ですが脳みそも体も固まってしまい、次の情報をチェックすべき右手の人差し指が、しばらくマウスの上で放置状態。その後、ハッと我にかえり、「もしかしたら、この報道は間違っているのではないか?」と思い、慌ててTwitterを見ると、やはりズラ〜ッと【見送り】という文字が並んでおり、「これは夢ではないんだ!」と悟った次第です。

Tapering 見送り発表直後、米株式指数は最高値更新。国債市場では、10年物国債利回りが初動だけでも0.1%急落。それにつれて、ドルも大きく下落。

※クリックで拡大できます

1)どうしてTaperingは、見送られたのか?

米英欧ほとんどの銀行やファンド勢は、9月にTaperingが開始されると予想しており、報道各社もその予想を支持していただけに、今回の『見送り決定』はショックでした。

見送り発表後に行われたバーナンキ議長の記者会見での発言要点は、

  • 雇用市場は、FOMC理事達が期待したほど、改善していない
  • 経済指標は資産買い入れの縮小を正当化しない
  • 米経済は‘緩やかに’拡大
  • 経済成長は、安定しているとは言えない
  • 成長に関して、われわれはこれまで余りに楽観的だった
  • 財政の逆風(債務上限引き上げ問題のことだと思います...)が成長を押し下げる可能性あり
  • Tapering 第一弾は年内にも可能
  • Taperingにあらかじめ決まった予定やスケジュールはない
  • インフレ率が目標を下回り続けた場合、利上げに消極的になる必要がある
  • フォワードガイダンスにおいては、インフレ率に下限を設けることは新たな指針となり得る
  • 最近数カ月間の金融情勢の急速な引き締まりによって、成長鈍化の影響が出る恐れがあるとの懸念をFOMCでは抱いている

など、予想以上にハト派的な発言内容となっていたのが特徴です。私もバーナンキ議長の記者会見をずっと聞いていましたが、聞けば聞くほど、特にインフレ率に関する言及などが加わっていたため、「見送り決定となって当然だな...」と思うものの、それだったら、「どうして今まで、バーナンキ議長だけでなく、FOMCの各理事達が、Tapering開始について、あそこまで思わせぶりな発言をしていたのか?」と、不思議に感じたのも事実です。

2)年内にTapering開始は、あるのか?

バーナンキ議長は、記者会見の中で、「記者会見が予定されていないFOMCで、Taperingを開始することは、可能である。」と語っています。皆さんもご存知でしょうが、FOMC後にFRB議長が記者会見をするのは、3ヶ月に一度(年に4回)と決まっています。

今月は記者会見がありましたが、次回10月29〜30日のFOMCでは、ありません。その次の12月17〜18日では、記者会見が予定されています。

今回のTapering見送りを受け、一部の銀行では、「10月のFOMCでTapering開始 (Octaper)」という予想を出してきましたが、私自身はそれに同意出来ません。

うまく言えないのですが、Taperingをするタイミングを逃がしてしまった印象がとても強いんです。バーナンキ議長の記者会見での発言内容は全て理解出来ますし、だからTaperingを見送ったという事も納得しているつもりなのですが、経済指標については、‘見る人によって、Taperingを開始する理由にも、逆に見送る要因にもなり得る’のではないか?とも思っています。そして、今年5月からずっと、「Taperingの用意が出来たぞ!」というシグナルを市場に出しながら、いざその瞬間になったら「やっぱり今回は見送ることにした!」と決定したことに、違和感を感じています。

3)Tapering見送りの本当の理由

【本当の理由】はFOMCに出席された理事達にしか、判らないことでしょう。これはあくまでも私個人の考えである点を強調させてください。

  • 5月にTapering示唆して以来、米国だけでなく、英欧など主要国の長期金利が過度に急速に上昇している。それを受け、各国政府の借り入れ金利が上昇し、財政を逼迫する危険性が出てきた
  • この対策として、英中銀・欧州中銀(ECB)ともに、フォワードガイダンス制を導入
  • 特に、ECBは「政策金利の決定には、事前にコミットしない」という伝統的スタンスを撤回してまで、フォワードガイダンス導入に踏み切らざるを得なかった
  • 米国内では、債務上限引き上げ問題が、重くのしかかっている
  • 住宅ローン金利上昇により、景気先行き見通しの修正に迫られる可能性も浮上
  • シリア問題も含め、オバマ政権の政策運営が後手に廻っている
  • Taperingシグナルを送って以来、新興国危機が起きている

バーナンキ議長は記者会見で、FOMCは米国内の問題のみを注視しながら、見送り決定に動いたと仰っていましたが、少なからずとも金利急騰が他の主要国へ及ぼした影響や、新興国危機にも配慮されたと、信じています。

事実、見送り発表が出て以来、英欧の長期金利は順調に低下していますし、新興国の株価や通貨は上昇(対ドル)しています。

4)Tapering以外の注意点

9月のFOMCでは、3ヶ月に一度の経済見通しも発表されました。市場関係者が特に注目していたのは、2016年のFF金利予想でした。

この2つのチャートは、FOMCに参加している17名の理事達の【将来のFF金利予想】を示しており、最初が6月のFOMC経済見通しでの予想、2番目が9月18日での内容となっています。

【6月のFOMC経済見通しでの予想】

資料:FOMC経済見通し(6月分))

※クリックで拡大できます

【9月18日の内容】

資料:FOMC経済見通し(9月分))

※クリックで拡大できます

2つのチャートを比較した場合、FOMC理事達は、今月に入り2015年の金利予想を若干下げていることが判ります。そして気になる2016年のFF金利に関しては、一番予想が多かった金利水準が1.75%となり、2%を割っているのが確認できました。文頭でも申し上げた通り、FOMC直前の金利先物市場では、2016年の金利水準として2.50%程度となることが既に織り込まれていたため、これもドル売りに直結しました。

チャート上にある『長期水準』ですが、これは「FRBの責務であるデュアル・マンデート (最大限の雇用・物価安定の維持) が達成され、経済成長がその後も持続されるにふさわしい政策金利水準」を示しています。それによると、ほとんどのFOMC理事達は、【FF金利4%】を整合性のある水準として意識していることが判りました。これは、6月の経済見通しでも同じです。

そのため、9月のFOMCでの『2016年FF金利予想』は、長期水準の4%に限りなく近い数字になるのではないか?という事前予想が出てきていたのです。もし、その通りになるのであれば、現在のほぼゼロ%に近いFF金利が、わずか3年間の間に一気に4%に跳ね上がることになりますので、最初の利上げ時期にもよりますが、一度利上げが開始されたら、相当早いスピードで利上げが実施されると見られていました。

しかし、いざ蓋を開けてみたら、2016年のFF金利予想は0.5〜4.25%までばらつきが見られ、一番多かった予想金利水準は、1.75%となっていたため、一気に金利先高感が後退し、短・長期金利の急落、そしてドルの急落を引き起こす結果となりました。

気になる『最初の利上げ時期』予想ですが、

資料:FOMC経済見通し(6月分))

※クリックで拡大できます

資料:FOMC経済見通し(9月分))

※クリックで拡大できます

6月・9月ともに、2015年から開始されるという予想が多くなっています。

まとめ

9月のFOMCは、ハト派的内容が濃いものとなったのが特徴でしょう。縮小を急いでしまうと、それが景気や雇用市場の改善を鈍らせることに繋がる可能性が認識されただけでなく、低インフレのリスクにもあらためて言及しており、これが非常に気になっています。

ここからのTaperingに関する私の見方をまとめますと、

・ 10月にTaperingを開始する可能性は低い 
10月29〜30日の次回FOMCまで、雇用統計は1回しか発表されないため、もっと多くの経済指標を確認してから動くのではないか?と思うからです。

・ 債務上限引き上げ問題 
10月以降の財政運営の行方が極めて不透明となっている点を考慮し、その決着がはっきりするまで、動きたくても動けない状態になるかもしれませんね。

・ FRB議長後任人事
今後1〜2ヶ月以内に新FRB議長の指名が行われると予想。これも不透明感を増す要因。

・ 12月にTapering?
9月に見送り決定となったことを受け、今後は経済指標がかなり強いものとならない限り、Tapering開始がどんどん見送られることにもなりかねません。最悪の場合、バーナンキ議長の任期が切れる来年1月以降に先送り...などと言うことも、あり得ます。つまり、規模縮小は、次期議長に委ねるという結論になるかもしれません。

逆に、債務上限引き上げ問題がすんなりと解決し、景況感に改善が見えてくれば、ぎりぎり12月のFOMCでTapering開始もあり得ます。

基本的には、米国の金融政策の方向としては、資産買い入れ規模を縮小するということ自体には、なんら変化ありません。Taperingそのものが白紙撤回された訳でない以上、どこかでまた新たなドル買い相場になると信じています。

ただし、問題となってくるのは、「いつやるのか?」つまりタイミングですね。個人的には、債務上限引き上げ問題の決着がつくまでは、ドル安(ドル円を除く)の方向で見ていますが、それ以降は、またドルが買われる局面が必ず来ると思っています。

最後になりますが、もしオバマ大統領が近いうちにFRB新議長候補者指名を行った場合、伝統的な議長選出過程に基づき、指名の数週間後に米上院金融委員会でヒアリングを行います。このヒアリングでは、指名された候補者を招き、数々の質問を浴びせ、候補者はそれに対して口頭で返答する義務があります。時としては、宿題のようなものが出され、候補者は書面での回答を後日提出することもあるようです。当然、このヒアリングでの質問の中に、「Tapering」に関するものが含まれることは疑いの余地がありません。

もし10月のFOMCでTapering見送りとなり、その直後に米上院金融委員会でのヒアリングが行われるのであれば、ここでの新議長候補の回答内容によっては、Taperingの時期が大きく変更されることもありますので、注意したいものです。

 

松崎美子

メルマガ無料配信中!

メルマガの配信をご希望の方は右のボタンより登録ページへお進みください。

マーケットビュー メルマガ登録

セントラル短資FXで取引をはじめる 当社でお取引をご検討の方

無料セミナ―を受講する

セントラル短資FXが提供する無料セミナー

「マーケットビュー」執筆陣も出演中。外貨投資の基本からFXのトレードテクニックまで各種セミナーを開催しています。

取引をはじめる

オンラインでスピード口座開設 最短翌営業日で開設

口座開設

!
  • ※当社による情報サービスは、お客さまの投資判断に当たって参考となる情報の提供を唯一の目的としており、断定的な判断の提供や特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
    当社および情報提供者は、情報の正確性、完全性、適時性等を保証するものでは一切なく、情報の内容を予告なく変更する場合があります。また、当該情報の利用によって生じたいかなる損害についても、一切責任を負うものではありません。投資の最終判断は、お客さま自身で行ってくださいますようお願いします。
    当社が提供する情報の著作権は、セントラル短資FX株式会社または情報提供者に帰属します。当社の事前の承諾なく情報の全部または一部を引用、複製、転送などにより利用することを禁じます。
マイページログイン
口座開設
わからないことは
0120-30-8806 携帯電話・PHSからもご利用いただけます。
ご利用いただけない場合 03-6833-0250

受付時間:午前08:00〜午後07:00(平日)