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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

2つの中央銀行からの決定

更新日:2013年7月5日

月初めの最初の週は、いくつかの主要国の中央銀行が金融政策理事会を開催します。今月も、オーストラリア、英国そして欧州と3つの中銀から発表がありました。

本日のコラムでは、木曜日に開催された英国中央銀行(BOE)、そして欧州中央銀行(ECB)での決定事と私なりの感想を書いてみたいと思います。

英中央銀行金融政策理事会(MPC)からの発表

市場の注目を一手に集めたMPC。その理由は、7月1日からカーニー前カナダ中央銀行総裁が英中銀総裁に就任されたため、今月のMPCからは今までにない驚きの発表があるのではないか?という期待感が高かったためです。

事前予想

1) 主要政策金利

政策金利(0.5%)、資産買い入れプログラム(QE2)枠組み、ともに据え置き予想だったため、普段であれば「ノンイベント」になって当然の理事会でした。

2) フォワードガイダンス制

世界の主要国中銀の中で最初に「フォワードガイダンス制」を導入したのはカナダ中銀で、それを決定したのは当時のカーニー総裁でした。過去記事でも説明しましたが、

これは、中央銀行が現在の金融政策を‘’いつまで継続するのか?‘’を教えてくれることです。ここではカナダ中銀に続き、この制度を導入した米FOMC (連邦公開市場委員会) を例に取りますが、2008年末に米FRB(連邦準備制度理事会)が政策金利であるFFレートを0〜0.25%に設定 ⇒ 金利はゼロなので、もう利下げが出来なくなった ⇒ 利下げの代わりに、FOMCの声明文でゼロ金利の継続期間を「For some time しばらくの間」 ⇒ 「For an extended period 長期に渡り」と変更し、ゼロ金利の長期化を市場に伝えました。そしてその後、「at least through mid-2013 少なくとも2013年中盤までは」と具体的な継続時期を明記しはじめたのです。つまり声明文を通じて市場とのコミュニケーションを図りながら、「ゼロ金利はあと数年続きますよ…」という明確なシグナルを送ったことになります。

今回のMPCは、カーニー総裁就任後わずか3日後の開催となったため、フォワードガイダンスの発表はもう少し遅れるのではないか?という予想が優勢を占めていました。

3) 私が一番気にしていた点

それは、MPCが政策金利について発表する際、同時に『声明文を出すか?出さないか?』についてでした。

過去のBOEの慣習では、なにか非常に大事な伝達事項(どうして政策金利の変更に踏み切ったか など)がある場合に限り、3−4行の短い声明を出しました。ただし、これは非常に稀な場合です。というのは、MPCでの話し合い内容は、2週間後に議事録として発表されるので、わざわざ声明文を出す必要がないからです。

しかし今月のMPCでは、

1) カーニー新総裁はなにか新しいスタイルを取り入れるに違いない
2) 「中央銀行の透明性」を重視する総裁である
3) 市場との対話を通して、中央銀行の考えを伝えていくのではないか?

という点が、私にとっては「声明文導入もあり!」と考える根拠となっていました。 

実際の発表

事前の予想通り、政策金利も資産買い入れプログラム枠も据え置きとなりました。それに加え、声明文の発表があったのです。

私達が知っている伝統的な短い声明文ではなく、FOMCやECBが発表するような長い説明付きのものとなっており、そこではフォワードガイダンスの略式のようなものも含まれていたため、市場は過剰反応とも言える動きをしました。声明文の中での相場かく乱要因となった部分を取り上げますと

・ 利上げ時期の後退を示唆

声明文には
‘the implied rise in the expected future path of Bank Rate was not warranted by the recent developments in the domestic economy.
現在の英国の経済状態を踏まえると、長期金利(国債利回り)の上昇に示される将来の金利上昇予測を見込むことは、正当化されない’

これは先月19日にFOMC理事会後の記者会見で、バーナンキ議長が具体的な時間軸を示して出口戦略を語ったため、金利先高感が台頭。その影響で、米国以外の主要国の長期金利も道連れとなって上昇しました。それを受けて、木曜日の声明文の中で、英中銀は苦言を申し立てたとも受け取れる記述をしたのです。

これを受け、利上げのタイミングが更に遅れるという発想から、ポンド売りが炸裂

※クリックで拡大できます

・ インフレ率予想

声明分では
‘Twelve-month CPI inflation rose to 2.7% in May and is set to rise further in the near term. Further out, inflation should fall back towards the 2% target as external price pressures fade and a revival in productivity growth curbs domestic cost pressures.
英インフレ率は現在2.7%(年率)であり、今後もう少し上昇するかもしれない。しかしその後は(英中銀インフレターゲットである)2%くらいまで下がってくると予想’

つまり将来のインフレは沈静化すると予想 ⇒ 金融引き締めの必要がなくなる ⇒ 利上げ時期の後退 ⇒ ポンド軟調という動きです。

MPC発表後の感想

他の人がどう感じたかは判りませんが、私自身は「よくやった!」とカーニー総裁を褒めたい気分で一杯でした。319年の歴史を持つ英中銀で、はじめての英国人以外の総裁です。もしかしたら、MPCの残り8名の理事達に四面楚歌されるのではないか?と取り越し苦労までしました。

しかし異例とも言える声明文の発表、それもECBやFOMCが発表するものと同じ長さの声明文の発表でしたので、他の理事達もそのことを理解を示してくれた意義は大きいと思いました。

そのお陰で、ポンドは150ポイントほど急落しましたが、株は200ポイント近い上昇、長期金利も下落し、カーニー総裁にとっては願ったり叶ったりでしょう。

フォワードガイダンスについては、声明文では具体的な時期を明記していません。これについては、8月7日に予定されている英中銀四半期インフレーション・レポートに記載されるようです。この日は、総裁・副総裁などが公式記者会見を行い、質疑応答も行われますから、またまた大きな動きが期待出来そうですね。

本日のMPCの議事録は、7月17日(水)に公開されます。

欧州中銀(ECB)金融政策会合からの発表

今週に入り、ポルトガルでの政治危機が発覚し、かなりナーバスな雰囲気の中での理事会となりました。

事前予想

1) 政策金利

市場予想としては、主要政策金利であるレフィ金利、そして限界貸出金利、デポジット金利全て据え置き予想でした。それ以外の追加緩和策導入に関しては、特にこれと言ったコンセンサスは出来上がっていませんでした。

2) 私が気にしていた点

・声明文

記者会見開始と同時に、ドラギ総裁が読み上げるのが声明文で「緩和」に関する文言が

「Our monetary policy stance will remain accommodative for as long as needed (necessary)
ECBの金融政策は、必要な限りずっと緩和スタンスを継続する」

となっているか?に注意していました。

この文章の最後の部分「as long as needed (または necessary)」は、今年4月の理事会から追加されたもので、3月までの声明文にはありません。そして、偶然かどうかは判りませんが、この文言を追加した4月の理事会から、ドラギ総裁は『マイナス金利導入の可能性』について、言及したのです。

もしECB理事達が域内の景況感改善に自信が出てくれば、「as long as needed (または  necessary)」の部分は、外されると私は予想しています。

言い方を変えれば、この部分が付いている限り、マイナス金利導入の可能性を残していると理解しています。

ドラギ総裁の前任:トリシェ前総裁の頃には、金融政策の時間軸を明確にする『トリシェ・コード』というものがあり、それを通してトリシェさんは市場との対話をしていたと思います。しかしドラギさんになってからは、『ドラギ・コード』がありません。

ですので、私は勝手に、このOur monetary policy stance will remain accommodative for as long as needed (necessary) を、ドラギ・コードと位置づけています。

・OMT

ポルトガルでの政治危機を受け、ドラギ総裁に対し「ポルトガルはOMTによる救済対象となっているのか?」という質問が記者団から出てくると思います。

私の理解が間違っていなければ、欧州から金融支援を受けたギリシャ・ポルトガル・アイルランドはOMTの救済対象国から外れているはずです。しかし幸か不幸か、OMTは未だに発動されたことがなく、「法的な枠組みが未決定」状態ですので、もしポルトガルがどうしてもOMTによる救済が必要になれば、それを実行することは不可能ではないでしょう。

ただし、問題は、救済条件なんですね...
OMTによる救済には、厳しい条件が付きます。ポルトガルにとって最大の関門は「OMTによる救済を受けるには、その交換条件として、追加緊縮財政策の提出が義務付けられると予想されます。しかし現在のポルトガルは、緊縮財政策内容について憲法裁が違憲判決を出したほど、緊縮自体に反発があります。」そうなると、一体何を条件にECBとESMがOMTを通じてポルトガルを救済出来るのか?この辺をドラギさんがどのように語るのか?

実際の発表とドラギ総裁記者会見

事前の予想通り、政策金利は全て据え置き、追加緩和としての非標準的措置の発表もなし。

ドラギ総裁の記者会見では、非常に長い時間を割いて、フォワードガイダンス制導入について、記者団から質問が集中していたのが印象的でした。

・声明文

記者会見開始直後、ドラギ総裁が声明文を読み上げた瞬間から、ユーロは急落。

※クリックで拡大できます

この急落の犯人は、私が事前予想のところに書いた『ドラギ・コード』に関連した文言でした。その部分を書き出しますと、

‘our monetary policy stance will remain accommodative for as long as necessary. The Governing Council expects the key ECB interest rates to remain at present or lower levels for an extended period of time.
ECBの金融政策は、必要な限りずっと緩和スタンスを継続する。ECB理事会では、長期間にわたり、主要金利は現行水準もしくはそれを下回る水準で推移することになるであろうと予想する

最初の部分は、私が勝手に『ドラギ・コード』と名づけた部分と同じですが、今月からは、その後に更に追加が続きました。(オレンジ色の部分)  今年4月に‘必要な限りずっと’という文言が追加され、今月からは更にオレンジ色の部分が加わり、ますます超緩和政策の長期化が約束された形となりました。

・フォワードガイダンス

英中銀に続き、ECBに対しても、フォワードガイダンス制導入の期待が高まってきました。木曜日のドラギ総裁の記者会見での質疑応答でも、全体の7割くらいの時間をこの問題に使っていたのが非常に印象的です。

すぐ上でご紹介した声明文の中での新しい追加部分
The Governing Council expects the key ECB interest rates to remain at present or lower levels for an extended period of time.
の「an extended period of time」が、ある意味のフォワードガイダンスの役割を示しているのか?もしそうであれば、もう少し詳しく具体的な時期を書くのが妥当ではないか?という点が市場関係者の知りたいところです。

記者がその点について質問した時、ドラギ総裁は、「具体的な時期を示す必要はない、必要な限り緩和政策を継続すると伝えたのに、一体なにが不満なのだ?」という不愉快な顔をみせました。その後続いたQ&Aで、同総裁は「ECB理事会はフォードガイダンスに関し、複数の形式をめぐり議論した。(フォワードガイダンス)の時期に関しては、6ヶ月でも12ヶ月でもなく、長期的ということであり、この内容は全会一致で決定している。」としています。つまり理事達全員が‘’かなり長期的に超緩和政策の継続‘’を必要としていることになります。

この点に関しては、私は少し驚きました。ユーロ圏でも景況感がよいドイツでは、利下げよりも利上げという議論が出ていると理解しています。しかし木曜日の理事会では、全会一致で長期的な緩和政策の継続を決めたとなれば、ドイツ連銀のバイトマン総裁も、この意見に同意したということになります。

・マイナス金利

声明文の中の ‘to remain at present or lower levels’ からも判るように、マイナス金利導入について、否定していないだけでなく、総裁自ら「マイナス金利導入について技術的に可能。これは将来についてのわれわれの選択肢に基本的に含まれている。」と発言。

今回は据え置き決定となった政策金利に関しては、今回の理事会で利下げについて、かなり長い時間をかけて話し合ったとも認めました。

・OMT

今週に入り政治危機で揺れているポルトガル。それに対し、ドラギ総裁は「ポルトガルは厳しい状態のなかで、頑張って大きな成果を上げてきている」と褒めています。同国にOMTを適用するかどうかについては、言及していません。

ただしOMTを巡る法的枠組みの整備は、未だに完成しておらず、その部分を指摘された同総裁は苦笑いをしていました。

これは私の思い過ごしかもしれませんが、OMTは昨年9月に発表されて以来、それを使ったことがありません。ですので、たぶん最初の犠牲国(?)が視野に入ってから、慌てて決定されるのかもしれません。そして、これは大事な点ですが、9月のドイツ総選挙が終了し、落ち着くまで、重要な決定事は後送りになるような気がしてなりません。

まとめ

BOEとECBの理事会結果・声明文・記者会見などを通して、私が理解したことは、

・出口戦略は米国のみ

米FEDがQE3規模縮小を含めた出口戦略を語り、金融緩和の終焉を宣言した形になっていますが、他の主要国の中央銀行が追随する可能性は、近い将来ないようです。

結論:
為替マーケットでは、金利差狙いのドル高/他通貨安の傾向が続きやすくなるでしょう。

・カーニー総裁

政策金利発表と同時に声明文を公開する新しいやり方を、今後も導入するようです。たぶんカーニー総裁がこの声明文導入を提案し、残り8名の理事達からも、同意を得られたと理解しています。ここからは、私達が経験したこともない『新しいBOE』 から市場を驚かせる発表が続くかもしれません。

結論:
8月7日発表の英中銀四半期インフレーション・レポートで、フォワードガイダンスが導入され、そこで市場予想より長めの低金利政策の継続が確認されれば、ポンドが更に下落するかもしれません。

・ECBの姿勢

ドラギ総裁の記者会見、声明文などを総括すると、米FEDとは違い、超緩和政策はかなり長期的に継続することを明言。ただし、ECBは金融政策に「事前にコミットしない」というスタンスを貫いています。ですので、米国のように具体的な時期を示すことは、将来もないでしょうが、今月の声明文で「長期間」という期間を限定したことで、一歩前進と受け止められます。

結論:
失業率やGDPの数字を見極めながら、必要とあればマイナス金利導入に動くと思われます。とりあえず今のところは、数少ない切り札を温存している状態かもしれません。

 

松崎美子

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