FXなら安心と信頼のFX|セントラル短資FX

  • 法人のお客さま
  • サイトマップ
  • よくあるご質問
  • お問い合わせ
  • 推奨環境
  1. セントラル短資FX
  2. マーケット情報
  3. マーケットビュー
  4. 2013年バックナンバー
  5. 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX

マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

欧州中央銀行(ECB)金融政策理事会とその後の相場展開

更新日:2013年6月7日

今週水曜日、安倍総理は、世界中が待ちわびていた成長戦略第2弾を発表しました。しかし結果としては、半年にわたって過去最大の急騰を演じた日本の株式市場の下げは止められず、日経平均株価はピーク時から20%以上も下げるという荒々しい相場展開となっています。

海を隔てたアメリカでは、量的緩和第3弾(QE3)からの出口戦略に対する期待感が未だ根強く残っており、株式市場だけでなく、債券・為替ともに相当神経質な展開を強いられているのも事実です。

そんな中、今週木曜日には英国と欧州の各中央銀行が金融政策理事会を開催しました。英中銀は7月からカーニー新総裁就任となるため、今月の理事会に対する注目度は低かったのですが、ECBはマイナス金利導入となるのか?それともコリドー幅の縮小となるのか?など、あの手この手の追加緩和策の導入を巡り、市場の関心を一手に集めました。

金融政策理事会での結果は?

英国・欧州どちらの中央銀行も、今月は政策金利を据え置きました。特にECBに関しては、マイナス金利にならなくとも、コリドー幅を縮小してより一層の緩和政策に踏み切るのではないか?という前評判もあっただけに、少々期待はずれの結果となりました。

スタッフ予想

ECBは3ヶ月に一度、『スタッフ予想』と呼ばれる経済予想を発表します。今月の理事会がその発表月に当たっておりましたので、わかりやすいように前回3月発表分と今回のものを表にまとめてみました。

データ:ECBスタッフ予想

GDP予想

3月時よりも今回のほうが若干改善されていますが、ほとんど誤差の範囲と言ってもいいでしょう。ドラギ総裁は記者会見のたびに「2013年後半からは徐々に景気回復が本格化するであろう」と語っているわりには、2013年のGDP予想が、3月時より今月発表の数字のほうが、悪くなっているのが気になりました。

インフレ予想

今月のスタッフ予想内容で私が一番注意を払ったものは、2014年のインフレ予想の数字でした。 その理由は、ユーロ圏のインフレ率は年率で+1.3〜1.4%くらいで推移しており、ECBのインフレ・ターゲットである+2.0%よりもかなり低いままとなっています。そこにきて、今月のECB理事会で追加緩和がないとなれば、デフレ懸念が台頭しないとも限りません。

デフレがどれほど恐いものかは、日本の例を見てますので、英国を含む欧州各国は何がなんでもデフレだけは食い止めたいと必死で戦ってきました。それゆえに、今回のスタッフ予想で2014年のインフレ予想が更に下方修正されるようであれば、物価安定の維持が責務であるECBのクレジビリティー(信用性)を傷つけてしまうと思い、心配していたのです。とりあえず、改善はされていないものの、3月と同率であるということで、少し安心です。

この点に関して、ドラギ総裁は「ここのところ、ユーロ圏のインフレ率は低下傾向にあるが、これはエネルギー価格の下落が主な要因である」と語っており、ここから一気にデフレに向かうという考え方を持っていないことを披露しています。

驚くようなマーケットの動き

いつものコラムですと、ドラギ総裁記者会見の発言内容を掘り下げて私なりに分析するのが普通ですが、今回は相場動向について書きたいと思います。そうしなければ気が済まないほど、マーケットはこの記者会見を境に摩訶不思議な動きをしました。

・政策金利発表の瞬間

『主要政策金利は全て据え置き』と発表があった瞬間、マーケットはほとんど動意をみせず、ドラギ総裁の記者会見を待つという決意を見せました。

・ドラギ総裁記者会見開始

記者会見が始まりドラギ総裁が声明文を読み始めた頃から、欧州の株価指数が急落しはじめたのです。日経平均株価先物が13000円台を割ったことがそもそものきっかけと言われていますが、ユーロ圏での長引くリセッションを食い止めるためにも、ECBがなんらかの追加緩和策を講じるであろうという期待が一気に崩れたため、余計に下落速度が速まったようです。

少し専門的な説明になってしまいますが、ECBは他の中央銀行とは違い、政策金利の発表を最初に行い、その45分後に総裁の記者会見を行います。「非標準的緩和策」とECBが呼んでいる‘’政策金利以外の緩和手段‘’を発表する場合は、記者会見の冒頭で読み上げる声明文の中に明記されるのが普通です。つまり、いくら政策金利が据え置きだったとしても、他の手段を使った追加緩和への期待は声明文を読み終わるまで続くと理解してよいでしょう。

この声明文はせいぜい15分くらいの長さですが、追加緩和の発表がある場合、最初の3〜5分で内容が明らかになるのが普通ですので、最初の部分でこれ!と言った発表がなければ、市場は「追加緩和なし」と理解し、見切り発車をすることになります。

今回の欧州株の急落も、ちょうどそのタイミングにあわせて起きたという点が興味深かったです。

これがドラギ総裁記者会見開始からの為替市場の動きですが、一気にドル安に動いているのが確認出来ます。

・日経平均株価急落

ユーロ圏での失望売りのマーケットであれば、悲壮感からユーロが売られて当然ですが、このチャートをご覧になって頂ければわかりますように、ドル安一色となっているのがECB理事会後の相場の特徴かもしれません。

どうしてユーロ売りでなくドル売りなのか?について、日経平均株価が、黒田日銀総裁が異次元緩和策を発表した4月4日の終値である12634円を割り込んだことを受け、ドル円の98円ミドルの損きり(円買い/ドル売り)オーダーが立て続けにつき、円の買い戻しが噴出。そこから一気に円高/ドル安となってしまったため、そのドル安の影響でユーロやポンドなどの主要通貨が急騰するという非常に理解しがたい相場展開となりました。

最初は98円Lowにはそれなりに買いが並んでると言われていましたが、日経株価先物が完全に壊れてしまったためドル円の買いが引いてしまい、瞬く間に97円台へ突入。その頃からアルゴ系が日経株価先物とドル円両方を売っているという噂が伝わってきて、とうとう96円台まであまり時間がかからなかったという皮肉な展開。

売られたのは株だけではない

ECBが景気浮揚の手がかりとなる緩和策の発表を見送ったことを受けて始まったかく乱相場。株が売られ、円が買われ、ドルが売られる中、もうひとつ特筆すべき動きがありました。

それはユーロ圏、特に南欧州各国の国債が急落し、国債利回り(長期金利)が急騰したことです。追加緩和が出なかったことを悲観して、株が売られるのは理解出来ますし、欧州売りという理屈で、域内の債券が売られることまではどうにか理解できますが、株も債券も両方売られるということは通常ではあり得ないため、ここで頭を抱えることになりました。

今週のはじめに、イタリアがシンジケート方式ではあるものの、30年物という長期国債入札に成功し、債務危機問題で苦しんだ南欧州各国の国債価格が上昇/利回りが低下してた矢先の出来事であるだけに金曜日の欧州の朝は混乱した相場展開になることが予想されます。 いかなる理由にせよ、日経株価が落ち着きを取り戻せば、南欧州各国の長期金利上昇はユーロ売りに結びつく危険性を抱えている問題だけに、問題はますます複雑になってきますね。

コリドーとは?

本当はここで終わろうと思ったのですが、どうしてもひとつだけECBの政策金利カットの選択肢として皆さんにお伝えしたいことがあります。それはECBのコリドー幅の縮小です。

今月は変更がなかったものの、将来この縮小が絶対にない!とは言い切れません。ですので、この耳慣れない『コリドー』という言葉について、簡単に説明しておきたいと思います。

世界主要国の政策金利は、それぞれの国により対象期間や内容が違っています。

たとえば、アメリカの主要政策金利は、『FF金利(Federal Funds Rateフェデラル・ファンズ・レート)』と呼ばれており、これはアメリカの金融機関が連銀(中央銀行)に預託している準備預金を相互に交換する場(FF市場)におけるオーバーナイト(翌日物)金利の誘導目標のことを指します。

ヨーロッパのスイスでは、主要政策金利とは3ヶ月物Liborの誘導目標を指します。

同じヨーロッパでも、ユーロ圏全体をまとめる中央銀行:ECBは、1週間物リファイナンシングレート (公開市場操作における1週間物資金供給オペの最低入札金利) を主要政策金利として使用しており、これを『レフィ金利』と呼んでいます。

このレフィ金利を真ん中にして、上には『限界貸出金利』*1、下には『デポジット金利』*2がそれぞれ設定されており、限界貸出金利とデポジット金利との差(幅)がコリドーと呼ばれています。

  • *1 限界貸出金利(Marginal lending rate)とは?
    ユーロ圏の金融機関が、急な資金需要が生じた場合、ECBから翌日物の資金を借り入れる際の金利のこと。この金利はレフィ金利より高めに設定されているため、どうしても資金繰りに支障が出た時の最後の手段として利用されることが多い。
  • *2 デポジット金利(Deposit rate)とは? 
    ユーロ圏の金融機関が、手元資金に余剰が生じ、翌日までECBに預け入れる際の金利のこと。この金利は低く設定されており、他にどこも預け入れる選択肢がない場合にのみ利用される。

次に、限界貸出金利(赤線)、レフィ金利(緑線)、デポジット金利(青線)の3つをチャートにまとめてみました。この赤線と青線の幅が『コリドー』です。

コリドーの幅は常に一定ではなく、時によって変化します。最初の水色の期間では1%でしたが、2008年秋のリーマン・ショック後の世界金融危機に陥ったオレンジ色の時期には2%まで拡大しています。そして最近までずっと(黄色の期間)1.5%に設定されていたところ、先月のECBの利下げにより、コリドーは1%幅に縮小されました。

市場では今月の理事会で「このコリドー幅が更に縮小されるのではないか?」という噂が出ていました。その理由としては、もし1%という同じコリドー幅を継続しながら限界貸出金利(赤線)を下げてしまうと、それまで0%であったデポジット金利(青線)は、自動的にマイナス金利となってしまいます。それを避けるために、デポジット金利は0%で据え置いたまま、他の金利をカットし、コリドーの幅を狭くするのが一番無難ではないか?という議論です。

ECBが置かれた特殊な立場

日本でも米国でも英国でも、中央銀行がマイナス金利を導入するという話は一切聞こえてきません。それでは、どうしてECBだけがこういう方向に進まざるをえないのか?ということですが、ECBは域内の銀行に対しては『最後の貸し手』となりますが、加盟各国に対して『最後の貸し手』(財政運営を目的とし発行された国債を中央銀行が購入すること)になることをEU条約の中で禁止されているからです。

つまり、日米英すべての中央銀行は、自国の発行した国債を購入しており、それを英語ではQE(量的緩和)と呼んでいます。しかし17ヶ国が寄り集まったユーロ圏の中銀であるECBには、それが出来ません。例えば、スペインが国債入札する日に、ECBがその国債の7割を買い上げるといった日銀の異次元緩和と同じ手段が取れないのです。それゆえ、ECBは今までに『3年物LTRO』や、まだ実際に実弾発射しておりませんが、『OMT』などの技を次々に発表し、ドラギ総裁も「ユーロを守るためには何でもやる!」とまで宣言している訳です。

最後に

全ての政策金利を据え置き、つつがなく終了する予定であったECB理事会、そしてドラギ総裁の記者会見でしたが、何もしなかったECBに対する失望を隠しきれず、市場参加者は株や債券を売るという行動に出ました。そしてただでさえ不安定だった日経平均株価がとうとう値崩れを起こしてしまい、それがドル円の急落を招いてしまったのです。

金曜日は米雇用統計の発表もあります。その数字いかんでは、今度は円買いでなく、米国発のドル売り相場になるかもしれません。

たぶん日本の当局もこの動きを注視していることでしょうから、もしかしたらなにか私達を驚かせるような発表があるかもしれません。

私の当初の予定では、中長期のドル買い/円売りのポジションを98円から買い下がるつもりでしたが、日経平均株価の落ち着きどころが確認できない限り、買い急ぐのは危険な賭けに見えてきました。金曜日の株価やJGBの動きを見てから、納得のいくポジション・サイズで買いをいれるどうか決めようと思います。

 

松崎美子

メルマガ無料配信中!

メルマガの配信をご希望の方は右のボタンより登録ページへお進みください。

マーケットビュー メルマガ登録

セントラル短資FXで取引をはじめる 当社でお取引をご検討の方

無料セミナ―を受講する

セントラル短資FXが提供する無料セミナー

「マーケットビュー」執筆陣も出演中。外貨投資の基本からFXのトレードテクニックまで各種セミナーを開催しています。

取引をはじめる

オンラインでスピード口座開設 最短翌営業日で開設

口座開設

!
  • ※当社による情報サービスは、お客さまの投資判断に当たって参考となる情報の提供を唯一の目的としており、断定的な判断の提供や特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
    当社および情報提供者は、情報の正確性、完全性、適時性等を保証するものでは一切なく、情報の内容を予告なく変更する場合があります。また、当該情報の利用によって生じたいかなる損害についても、一切責任を負うものではありません。投資の最終判断は、お客さま自身で行ってくださいますようお願いします。
    当社が提供する情報の著作権は、セントラル短資FX株式会社または情報提供者に帰属します。当社の事前の承諾なく情報の全部または一部を引用、複製、転送などにより利用することを禁じます。
マイページログイン
口座開設
わからないことは
0120-30-8806 携帯電話・PHSからもご利用いただけます。
ご利用いただけない場合 03-6833-0250

受付時間:午前08:00〜午後07:00(平日)