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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

FOMCの出口戦略報道に惑わされた5月相場

更新日:2013年5月24日

欧州中銀(ECB)によるマイナス金利導入の可能性、日銀の異次元緩和、英中銀(BOE)のカーニー新総裁就任後の緩和期待などが入り混じり、外国為替市場では売る通貨には事欠きませんが、買う通貨がなかなか見つからない状態です。

そこにきて、5月に入りにわかに脚光を浴びてきたのが、米連邦公開市場委員会(FOMC)での出口戦略に関する報道でした。当然といってしまえばそれまでですが、為替市場ではこの出口調査に関する憶測を鵜呑みにし、ドルが一気に上昇しました。

FOMC理事達のハト派・タカ派表

出口戦略について語る前に、FOMCメンバーのハト派・タカ派の配分について考えてみましょう。

FOMCは、FRB理事7人と連邦準備銀行総裁5人(ニューヨーク連邦準備銀行総裁と、持ち回りで選ばれる他地区連銀の総裁4人)、合計12名で構成されています。今年投票権を持つ12名について調べてみると、数名の理事に対する見方が分かれていました。

その中でも特にバーナンキ議長の位置づけがかなり違っているのが判ります。いずれにしても、今年のFOMC理事達は『かなりハト派色の強い人達の集まり』と言えるでしょう。

雇用市場の改善

今月3日に4月分非農業部門雇用者数(NFP)が発表されました。数字は予想を上回る16万5000人となりましたが、その発表と同時に過去2ヶ月分の雇用者数が上乗せ修正されたため、 NFPの6ヶ月平均が20万人を超えました。

この『NFPの6ヶ月平均が20万人を越えた』という事実には、非常に深い意味があります。それは一部のFOMC理事達にとって、QE3額の縮小や出口戦略を考える条件として 『6ヶ月連続、NFPで20万人以上の雇用創出を確認』というものを挙げているからです。

当然、5月3日の数字の上乗せ修正の結果、出口戦略に関する報道が増えてきました。

米WSJ紙の観測記事

皆さんは‘FEDウォッチャー’という言葉を聞いたことがありますか?これはFRB(連邦準備制度理事会:アメリカの中央銀行制度である連邦準備制度の最高意思機関)の金融政策や人事までも含めた動きを専門に観察したり分析をする専門家のことを指します。やはりアメリカの中銀動向は、ドルの方向性だけでなく、世界経済に大きな影響を与えるだけに、市場関係者は常に目を光らせていると言っても過言ではないでしょう。

そのFEDウォッチャーの中で最近注目を集めているのが、米WSJ紙のJon Hilsenrath記者。まだ若い青年ですが、CNBCなどのマーケット報道番組でよく顔を見かけるので、私もよく知っている名前です。

そのHilsenrath記者が今月3日の雇用統計発表後、「FOMCの出口戦略」と「バーナンキ議長の後任人事」に関する3つの記事を同じ日(5月11日)に一斉に載せました。私も全て読みましたが、特に出口戦略に関する観測記事内容は驚かせるものとなっていました。

  • FOMC理事達は、QE3(月額850億ドルの国債とMBS購入)の規模縮小の計画を立てている
  • 鮮明なプランを立てることにより、市場参加者が過激に反応しない制御となる

などと書かれており、私はこの記事を読んで“QE3規模縮小は「もし?」から「いつ?」へと変わった...”と感じました。

そして、その翌週にはこの記者と他の記者2名がWSJテレビに出演し、出口戦略に関する議論を放映したのです。私も見ましたが、更に一歩踏み込んだ内容となっており、

  • QE3からの出口戦略の方法については、既にプランが用意されている
  • 減額や出口戦略を「いつ開始するか?」について協議されている
  • 雇用面の改善が、QE3規模縮小の一番の理由

などとなっており、QE3規模縮小は秒読み段階に入ったという印象を私は受けました。

市場関係者の間で一番注目されているFEDウォッチャーによる‘出口戦略間近’という報道ですから、当然ドルは素直に上昇しました。先週末のドル・インデックスは、2012年につけた84.10という高値を越え、84.35で終了し、一気に2010年の高値である86〜88台へ向かうという予想が増えたのです。ここではドル・インデックスと相関性が一番高いドルスイスのチャートを貼りましたが、ドル円もこのドル高を好感し、103円台突入。

FOMC理事達からの発言

このドル高をあおったのは、FEDウォッチャーの力だけではありません。FOMCのメンバーや他の連銀総裁など、特にハト派に属すると思われる総裁がタカ派的発言をしてマーケット参加者を驚かせたのです。

1) ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁

2013年には投票メンバーから外れましたが、2012年の投票メンバーであり、ややハト派に属すると言われている同総裁は先週、「FRBは今夏に資産買い入れ額を縮小し、今年終盤には停止する可能性がある。」との認識を示し、市場で話題を呼びました。この発言を受け、“とうとうハト派に属するメンバーからも、QE3縮小/停止議論が出てきたことが確認される形”となったのです。

2) エバンス・シカゴ連銀総裁

そして今週に入ってからは、FOMC理事のうちで一番ハト派と言われるエバンス・シカゴ連銀総裁(投票権あり)が講演し、そこでウィリアムズ総裁ほどではないにせよ、もしかしたら年内にもQE3減額が可能か?と、うけとれるような内容の発言をしています。

・Fed could continue to buy bonds at this rate through fall
・Could abruptly end program if confident labor will continue to improve
FEDは今年の秋は、現在のQE3の規模を維持することができる。
ただし、雇用市場の改善に自信がもてれば、資産買い入れプログラムをいきなり停止することも可能だ。

・Market interest rates should rise as economy improves
景気回復が改善されれば、市場金利は上昇すべきである。

3) ブラード・セントルイス連銀総裁

エバンス総裁の発言が出た翌日、タカ派で知られるブラード・セントルイス連銀総裁が今度はハト派的な内容の発言をし、市場を混乱させました。

・Fed should continue QE, adjust to incoming data
FEDは新しい経済指標の水準に合わせながらも、QEを継続すべきである

・If Europe slows further should consider GDP-weighted asset purchase program
もし欧州景気が更に後退するのであれば、GDPをベースとした数量をもとにした資産買い入れプログラム実施を考慮すべきだ

バーナンキ議長の証言

今週水曜日、バーナンキ議長は上下両院合同経済委員会で証言を行いました。市場参加者は、“ハト派に属するバーナンキさんでさえも、最近の雇用市場の改善は無視出来ないであろうから、出口戦略についてなんらかの言及があるのではないか?”という「若干タカ派的予想」が優勢を占めていたと思います。

証言が開始されるや否や、バーナンキ議長は

・ Premature Tightening Would Carry Substantial Risk
時期尚早な引き締め(出口戦略)は、大きなリスクを伴う

・ Premature tightening slowing or ending recovery; job market weak overall despite recent gains.
時期尚早な引き締めは、景気成長を遅らせるか、腰を折る危険性がある。
雇用市場は最近の改善にもかかわらず、全体的にはまだ弱い。

タカ派的発言予想が多かったためか、この発言が出た瞬間に出口戦略期待がガクンと後退し、ドルが反落する中、米国の代表的な株価指数であるS&P500は120ポイントの急上昇を遂げました。

その後、質疑応答へと進んでいったのですが、そこで新たな番狂わせが生じたのです。「出口戦略」に関する質問をした記者に対し、同議長は

・ Pace of Asset Purchases Will Depend on Data; Wind Down Of Bond Program Will Not Be Mechanistic Process
資産購入プログラム(QE3)は発表される経済指標などのデータによって決定される。QE3の規模の決定は、機械的な作業で増減されるものではない。

・ Fed Could Reduce Bond Purchases In Next Few Meetings If Data Supports It FEDは今後の経済指標の改善を確認し、持続可能と確信できれば、今後数回のFOMC理事会でQE3額を縮小することは可能である。

と語り、オープニングのハト派的発言内容とは打って変わり、「今後数回のFOMC理事会後」という時間軸を添えたQE3縮小の可能性について言及。この発言により、一番影響を受けたのは米株価指数であり、代表的指数であるS&P500はこの発言だけで高値から150ポイント近い下落となりました。

FEDウォッチャーの訂正記事とFOMC議事録公開

バーナンキ議長の証言が終了すると同時に、先ほど紹介したWSJ紙のHilsenrath記者が短い記事を載せました。それはまたまた私達が予想も出来ない内容となっていたのです。

「バーナンキ議長の証言を聞く限り、QE1やQE2の時のように、QE3による資産購入が突如として中止されることはない。たぶんQE3の終了時期は予想がつかないものとなるだろう。ここからの出口調査に関する計画はうまく立てられるはずがなく、FED理事達もそれに対して発言を控えることになるかもしれない。関係者は‘今後の経済指標の改善次第’という言葉を繰り返すだけで、ますます出口のタイミングについては不透明感が高まると予想される。」という内容の記事となっており、つい数日前にWSJテレビで自信満々と「QE3からの出口戦略の方法については、既にプランが用意されている」と語った同じ記者によるものか?と驚きました。

これが出た途端、米株が更に下落をはじめ、その影響でクロス円の下落が始まったのです。

そして、その1時間後くらいに、4月30日・5月1日に行われたFOMC理事会の議事録が公開されました。内容は一言で言えば「QE3の規模縮小に動くまでには、もう一段の経済指標の改善が必要となるだろう」となっており、更に米株の下落が加速され、クロス円もバーナンキ議長の質疑応答の時から既に1円近くの下落となりました。

ここからのマーケット

バーナンキ議長の証言を、タカ派的な内容とみるか、ハト派と見るかは、人それぞれでしょうが、証言後の株価動向を見る限り、『今後数回のFOMC理事会でQE3額を縮小することは可能である』という部分が一人歩きし、翌日の新聞報道などでは「QE3の規模縮小に言及したバーナンキ議長!」というヘッドラインが目に付きました。

もしこのヘッドラインが正しいのであれば、今後の経済指標の改善、特に雇用統計で毎月20万人ベースの増加の継続が確認されれば、QE3の規模縮小は早ければ今秋くらいには可能になると理解してもよさそうです。今後のFOMC理事会の予定表をチェックしてみましたが、9月中旬・12月中旬それぞれの理事会では、バーナンキ議長の記者会見が予定されています。もし縮小に動くとしたら、記者会見できちんと説明すると思いますので、この辺りが最有力候補となりそうです。その次になると、2014年3月中旬の理事会後に記者会見が予定されていますが、同議長の任期が来年1月で切れるため、年内に規模縮小に動かなければ、QE3出口戦略は新議長のもとで行われる可能性が高まります。

今回の一連の「出口戦略」関連報道で一番の被害を受けたのは、他でもない日経平均株価でした。木曜日の日経平均株価は7.3%の下落となり、2000年4月のITバブル崩壊時以来13年ぶりの大きさとなり、東証1部の時価総額は約30兆円吹き飛んだ計算となります。少し冷めた見方かもしれませんが、個人的には、昨年冬のアベノミクス発表以来、65%近い上昇をみせたので、多少の調整は当たり前。逆に一旦ガス抜きして、次の上昇に備えるのが健全な相場の動きだと思っています。

ただし、今回の調整で株式市場より問題が深刻なのは、JGB(日本国債)なのではないでしょうか? 黒田日銀総裁が発表した異次元緩和策は、市場で発行する国債の約7割を日銀が買い取る大規模なプログラムであるにもかかわらず、最近になり日本の大手銀行が大企業向けの融資金利の指標となる長期プライムレート(最優遇貸出金利)を、上げています。常識的に考えれば、異次元緩和は国債の大量購入を通じて長期金利を押し下げるべきものであったはずなのに、結果としては、実施後に貸出金利上昇という皮肉な結果となったわけです。

そして日経平均が7.3%下落する中、10年物JGB利回りが1年2ヶ月ぶりに1%台へ乗り、日銀は急遽総額2兆8100億円にのぼる国債買い入れオペ(公開市場操作)を実施しましたが、それでもマーケットは安定していません。私は日経平均株価の下落よりも、このJGBマーケットでの出来事の方に驚いています。

この長期金利上昇という現象は、日本だけでなく私が住む英国やアメリカなどでも、起きています。その理由は、世界同時金融緩和策の導入により、市場に流出したマネーが、より高いリターンを求めて株へ移動しているため(リスク・オン)、これが株高/国債価格安(利回り高)を引き起こしているからです。しかしついこの前まで0.50%を割れ0.30%台へ下げていた日本の国債利回りが、いきなり1%台まで上昇(国債価格下落)するのであれば、せっかくの異次元緩和が逆効果を招いただけでなく、日本の国債発行コストが押し上げられ、ますます赤字が増えることにもなりかねません。

米国でのQE3出口戦略を巡り、揺れに揺れた5月のマーケットですが、その最大の被害者が日本になるかもしれないとは、皮肉なものですね。とりあえず、ここからは特に米国の株価動向を注視しながら、ドル高の調整を待ち、下がったところでドル円とユーロ/スイス、ドル/スイスを買いたいと考えています。

 

松崎美子

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