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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

気になる新年度の運用計画

更新日:2013年4月12日

4月4日、黒田日銀新総裁は、マネタリーベースを目標額とした異次元緩和を発表。総裁就任わずか2週間後という時期に実施された日銀金融政策会合であったため、市場関係者は期待以上のサプライズはない!と高をくくっていたこともあってか、発表後は日経平均株価指数は高騰、10年債利回りは史上最低水準を更新、そして円相場は2円以上の円安を記録しました。

この黒田総裁による‘’バズーカ砲‘’は「インフレ率を2年で2倍にするためにマネタリーベースを2倍にする」という目標を掲げているため、『2・2・2政策』とも呼ばれているようです。

昨年冬の安倍内閣発足当時より、アベノミクスを好感した形で、特に海外勢主導の株高・円安相場が続いておりますが、そんな海外勢がここに来て気にしているのが、新年度入りした日本の機関投資家による運用配分の変化です。

年金基金の運用配分

私がまだロンドンの銀行で働いていたころは、日本政府が年金基金の運用配分を決めており、それは『5:3:3:2規制』と呼ばれていました。どういう規制かと申しますと、「安全性の高い元本保証の資産(主にJGB) を5割以上、株式3割以下、外貨建て資産3割以下、不動産等2割以下」という厳しい内容となっていました。しかし1997年にこれが撤廃されて以来、各年金基金は自己責任に基づく自由な資産配分が選べるようになったのです。

当時を振り返ってみますと、年金運用者(その当時は信託銀行や生保など)達は、4月に入ると新年度運用配分の内訳を決める話し合いに入り、大体4月末までに決定。そして私は5月連休が終わった頃、年金のポートフォリオ組替に伴う取引の為替部分を頂戴するため、ロンドンから東京へ出張するというのが定番となっていました。

今でも当時と同じように機関投資家達が一斉に動き出すのか?を知りたくなり、今週に入ってから年金運用に携わっている友人に聞いてみたところ、「最近の傾向としては、昔のようにあらゆる投資家が‘’せーの!‘’と同じ時期に運用配分の変更に基づく為替取引を出してくる訳ではないよ!」と言われてしまい、少しがっかりしてしまいました。

しかしいくら日本の機関投資家の間では、これが常識となっているにせよ、海外勢は必ずしもそれを知っているとは限りません。過去数ヶ月の円安相場は外人主導であったため、彼らの間では日本の新年度入りの新規外債投資に絡んだ外貨買い/円売りに対する期待が異常とも言えるほど高まっています。

ヘッジとは?

4年ぶりに100円台に迫った円安を後押しするとの観測の背景には、外国債券投資のシフトだけでなく、『ヘッジ比率』の変更があります。

またまた私の現役時代の話になってしまい恐縮ですが、当時は日本の生保が「ザ・セイホ」と呼ばれて、大変恐れられていました。彼らが新規投資やそのヘッジに伴う売買をするたびに、数百億〜千億円という額が動いていたからことを考えれば、恐れられて当然とも言えるでしょう。

さて、ここで新しい『ヘッジ』という言葉が出てきましたので、これについて少し説明してみましょう。

日本国内の機関投資家が、円を元手に外貨建ての資産(株、債券など)を購入

    ↓

1ドル100円で米国債を購入 (わかりやすいように、1ドル100円で話をすすめます)

    ↓

その後ドル安/円高が加速し、1ドル90円まで下落

    ↓

10円の為替差損が出てしまった

このような‘’想定外の為替の動き‘’に対処するため、投資家達は投資額の一部/全額に対し、為替差損の回避措置(ヘッジ)を実施します。つまり、ヘッジがついていれば、将来予め決められた為替レートで売却できるため、為替変動リスクを低減させ安心して運用できます。

ここからは少し話が難しくなってしまいますが、ヘッジにはコストがかかります。ミセス・ワナナベ、キモノ・トレイダーなどという言葉で紹介された『円キャリー』取引の時には、日本と海外の金利差にスポットライトが当たり、円の独歩安となりました。それと同じで、ヘッジにかかるコストは原則として、内外の金利差で決まります。

日本の金利が低く、海外が高い場合は、円安/外貨高になりやすいため、日本からの外貨建て資産での投資では、資産価値の上昇要因となります。その反対に海外の金利の先安感が出てきますと、それがきっかけとなり円高/外貨安というトレンドが出来やすくなり、それは資産価値の下落要因となり得ます。

ヘッジ比率変更か?

ここからは、更に難しくなってしまい申し訳ないのですが、4月4日に黒田日銀総裁は「異次元緩和策」を発表し、これから本格的な緩和がスタートします。それに対し、米国では雇用市場の安定と景気回復期待を受け、米連邦準備理事会(FRB)が予想より早めに政策金利の引き上げやQE3の解除に踏み切るのではとの見方が強まってきたため、日米金利差が拡大し、それがヘッジコスト上昇に繋がる可能性が出てきました。

いくつかの報道を読み比べてみると、日本の機関投資家が保有する外貨建て資産に対するヘッジ比率は65〜70%と言われているようです。ここにきて、将来の日米金利差の拡大予想・ヘッジコストの上昇・円安期待などを受け、この比率が50%近くまで低下する可能性が指摘され始めました。

今年1月末時点の国内生保の総資産は332兆円、そのうち約44%にあたる146兆円を日本国債へ、15.4%にあたる51兆円を外国証券(株式を含む)の運用にあてているそうです。この51兆円分の外貨建て資産に対するヘッジ比率を、現在の65〜70%から50%へ減らすことが現実に起きた場合、どのくらいのドル買い/円売り要因となるのでしょうか?

51兆円の65〜70%は、真ん中の数字を取って約34兆円、50%は25兆円+。34引く25は9兆円。1ドル100円で換算すると、900億ドル相当のドル買い/円売りという計算になります。当然「外貨」の中には、ユーロやポンドなどドル以外の通貨が含まれておりますので、このままいきなり900億ドルのドル買い需要が出る訳ではありませんし、そもそも「ヘッジ比率を50%まで下げる」というのは、あくまでも報道各社の憶測の域を出ない話しですので、生保各社の今年度の投資方針の発表を待つしかありません。

例年ですと、大体ゴールデン・ウィークに入る直前に、各社が発表しますので、今年は特に注意しないといけませんね。

QEとドル、異次元緩和と円

為替取引をする人間としては、アベノミクス⇒黒田バズーカ砲による円安は、ある程度来るところまで来た感があります。たまたまとは言え、ドル円はずっと見慣れた2桁から3桁に変るという心理的要因も関わってくることでしょう。

緩和策導入の先輩である米連邦準備理事会(FRB)が実施した量的緩和(QE1・2・3)導入後、果たしてドル安が本当に起こったのか?そこから調べてみましょう。

これはFRBが発表しているドル実効レート(ドル・インデックス)**のチャートです。リーマン・ショックがおきた2008年から現在までの間に実施されたQE1・2・3それぞれの期間に、黄色いハイライトを入れてみました。

2008年11月にFRBは最初の金融緩和であるQE1実施に踏み切りました。実施後しばらくドルの独歩高となり、その後半年以上を経て、やっとドル安相場となっているのがわかります。

QE2の場合は、実際に導入された2010年10月の2ヶ月前に、バーナンキ議長がカンザスシティー連邦準備銀行の主催するジャクソンホール経済政策シンポジウムで行った講演で、追加緩和をほのめかした瞬間から、一直線のドル安になっているのがわかります。

QE1とQE2でのドル実効レートの下落率は、ともに12.5〜13%となっています。

**実効レート(インデックス)とは、主要国の中央銀行が独自の計算方法で自国通貨の価値を総合的に把握するための指標となっており、毎日公表されます。

今度は、円に眼を向けて見ましょう。

これは日銀のウェブサイトに載っている円実効レートのチャートです。日本の中央銀行は他の主要国とは違い、独自の『実効レート』を公表しておらず、国際決済銀行(BIS Bank for International Settlements)のデータをそのまま使用しています。更に付け加えますと、BISは月に一度しかデータを公表しませんので、このチャートの円実効レートは2013年2月のものとなっている点には注意して下さい。

データ:日銀ウェブサイト

※クリックで拡大できます

まず先ほどのドル・インデックスと同じく2008年からのチャートを表示しました。これを見ると、2008年に大きく円高になって以来、つい最近までは円の価値はあまり変動していません。そして昨年の解散・総選挙辺りから、一気に円安が加速しているのが判ります。この期間の円の下落率は17%。

データ:日銀ウェブサイト

※クリックで拡大できます

次は、日本が変動相場制に移行した数年後の1980年から最新データの2013年2月までの円実効レートのグラフです。

これを見て私は背筋がゾッとしたのですが、今年に入ってからの円安は、実効レートをベースにして考えた場合、『歴史的な円安レベル』となっているのが確認出来ます。最新データである今年2月の実効レートは83台ですが、80を下廻ったことは、1980年・1982年・2007年の3回だけとなっています。

2月のドル円レートは大体93円台、その時の実効レートが83台とした場合、実効レートが80まで下落したと想定した‘’計算上のドル円レベル‘’は96円35銭あたりになります。しかし現在のドル円は100円まであと数銭のところまで円安がすすんでおりますので、4月の実効レートは既に80を下廻っている可能性が出てきました。

果たしてこれ以上の円安相場が来るのか?

実効レートが歴史的な危険水域まで下がってきても、私の中での『円安期待』はあまり変っていません。過去の円安局面と現在のものとの最大の違いは、日本経済が構造的に大きく変化したことが挙げられると思っています。

私が日本に住んでいた当時は、日本=輸出大国=ジャブジャブの貿易黒字国でしたが、とうとう2年前から日本は貿易赤字国へと転落してしまいました。現在でも輸出企業の先物予約としてのドル売り/円買いは出ているでしょうが、以前と比較するとだいぶおとなしくなったと予想されます。

更に日本の体質が変わってしまう事件となったのが、一昨年の東日本大震災だったでしょう。福島原発事故の影響で、液化天然ガス(LNG)を燃料とした火力発電に頼ることになってしまいました。将来はシェールガス革命などが期待されますが、それまではLNG輸入代金手当てのドル買いが断続的に出てくると考えられます。

輸出手当てのドル売りが減少する中、輸入手当てのドル買い需要が継続するという構造転換は、今後ドル高/円安のサポート要因となるでしょう。

私自身、2013年のドル円のターゲットを94円と予想していた手前、ここから新たな目標レベルを探すのは非常に難しくなりました。今後5年くらいの期間では、130〜150円というターゲットを漠然と描いておりますが、果たしてここから年末までに105円、110円と円安が加速するイメージがどうしても描けずにおります。たぶん年末から今までの円安速度があまりに速すぎて、自分の中できちんと整理が出来ていないこと、一方的な相場はなく、必ず調整が入ることなどを考慮すると、当面は102円程度をターゲットとし、最大105円がいいところかしら?と最近は考えるようになってきました。

今年は巳年ですが、巳年というのは『他に類をみないような悪い大事件』が起きる年のようです。例を挙げると、1929年 世界恐慌・1941年 日米開戦・1953年 スターリン暴落・1965年 山一證券特融・1977年 第一次石油ショック・1989年 昭和天皇死去 そして12年前の2001年にはアメリカ同時多発テロと続きます。

黒田バズーカ砲が、悪い意味での破壊力を日本に与えないよう、祈るばかりです。

 

松崎美子

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