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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英金融政策決定の枠組み変更の可能性

更新日:2013年3月15日

今年は私が住む英国のポンドにとって、苦しい1年となりそうです。今年1月にコラム記事でも書きましたが、

ユーロ圏債務危機問題が落ち着きを取り戻しているため、数年に渡り避難通貨として買われていたポンドは、今年に入ってから大きく売られています。追い討ちをかけるかのように、2月下旬には格付け大手:ムーディーズが英国の格下げを発表し、ポンドは追撃売りを浴びせられました。

格下げ、それでも緊縮財政策は継続

昨年、格付け大手3社すべてが、英格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に下げたことを受け、実際に格下げに動くのは時間の問題と見られていただけに、市場参加者の間では“格下げは完全に織り込み済み”という見方が一般的でした。しかし、この格下げ報道を深刻に受け止めたのは、他でもないキャメロン政権だったようです。格下げ直後の新聞報道を見る限り、これ以上の格下げを引き起こさないためにも、オズボーン財務相は3月20日に「2013年度予算案」を発表する際、緊縮財政策の緩和と引き換えに成長重視の政策に転換するに違いないというのが一般的な見方となっていました。 

しかし驚いたことに、今月に入ってからオズボーン財務相は「財政赤字削減姿勢を緩めるつもりは、ない。」と改めて財政規律優先をほのめかしたのです。元はといえば、2010年に現在の保守・自民連立政権が誕生した時に、キャメロン首相は緊縮財政策の遂行を最優先事項として取り上げました。その最大の理由は 『英国のトリプルA格付けを守ること』 だったのです。しかし結果としては、予想以上に悪化した経済成長の低迷により、どんなに国を挙げて赤字削減に取り組んでも、GDPそのものが伸びないので、赤字対GDP比の改善に結びつかないという最悪の結果を生んでしまった訳です。

オズボーン財務相の発言を聞く限り、英政府はどこまでも財政規律の優先姿勢を貫き、他の格付け会社が英格下げに追随するのを許すとも受け取れますが、本気でそうするつもりなのでしょうか?

財政・金融政策の協調

今週火曜日、「カーニー次期英中銀総裁、財務省事務次官と協議」という記事を見ました。

内容は、6月30日に任期が切れるキング英中銀総裁の後任として、7月1日より新総裁となる現カナダ中銀総裁・カーニー氏は、オタワを訪問していた英財務省事務次官・マクファーソン氏と英金融政策決定の枠組み変更の可能性も含め協議したというもの。

そこでは具体的な枠組み変更については言及されていませんが、その報道が出て以来、ロンドンでは数々の憶測が一人歩きしています。そしてこの報道が私達の目に触れる数日前には、キャメロン首相が今月発表される予算案についてのインタビューで、このように語っています。

「this month's budget will be about sticking to the course ... It's the Bank of England that has to support the recovery, without putting financial stability at risk.
今月発表される2013年度予算案では、従来通り財政規律優先の政策を遂行するつもりだ。金融市場の安定を損なわないという前提で、景気後退の深刻化を避け、景気浮揚を支援するのは、英中銀となるであろう。」

つまり、オズボーン財務相は格下げにもかかわらず財政規律優先を継続すると同時に、成長重視の政策は英中央銀行が責任を持って実施するという「連携プレー」となることは間違いなさそうです。

英中銀金融政策決定の枠組み変更とは?

1997年、当時の労働党政権は、英中銀(BOE)を独立した中央銀行と定め、1998年に英国中央銀行法で諸機能を制定しました。この決定に基づき、政策金利の決定責任はBOEへ移譲され、金融政策の目的を『物価安定の維持』と『金融システムの安定』と設定しました。後者の『金融システムの安定』に関しては英中銀法11条に明記されており、英金融政策の目的として 1)政府が定めたインフレ・ターゲットに基づき物価の安定を図ること 2)経済成長や雇用に関わる政府の経済政策を支援する となっています。

もしオズボーン財務相が3月20日の予算案発表時に、英中銀金融政策の枠組み変更も同時に発表するのであれば、どのような変更に踏み切るのでしょうか?

BOE金融政策目的の拡大

『物価安定の維持』に加え、今後は米FRB(連邦準備制度理事会)が掲げている『物価の安定の維持と最大雇用の達成』というデュアル・マンデート(2つの政策目標)をBOEも導入する可能性が出てくるかもしれません。ただし、2月に行われた英財務省公聴会での証言で、カーニー次期総裁は「就任時から、いきなりデュアル・マンデートを導入することを求めてはいない。」と発言しているため、万が一デュアル・マンデートを導入するとしても、時間を経てからになると思われます。

BOE金融政策目的の変更

現在の『物価安定の維持』を廃止して、その代わりに「名目GDP値」を新たなターゲットとして導入するかもしれません。

ターゲット設定主体の変更

ターゲットの設定主体は財務相と定められていますが、それをBOEへ委譲する案です。しかし英中銀は金融政策だけでなく、金融安定化についてもこれまでより大きな役割を担うようになるため、あまりにも一気に責任が増えてしまい、負担になることを避けるため、従来通り財務相が決定する方法が支持されるという見方が多いです。

フォワードガイダンスの導入

2月の英財務省公聴会での証言でカーニー次期総裁が前向きに語ったのが、このフォワードガイダンスの導入でした。フォワードガイダンスとは、この記事でも説明しましたが中央銀行が現在の金融政策を‘’いつまで継続するのか?‘’を教えてくれることです。ここでは米FOMC (連邦公開市場委員会) を例に取りますが、2008年暮れに米FRB(連邦準備制度理事会)が政策金利であるFFレートを0〜0.25%に設定した頃から、このフォワードガイダンスを導入しています。金利をこれ以上は下げられないため、FOMCの声明文ではゼロ金利の継続期間を「For some time しばらくの間」 ⇒ 「For an extended period 長期に渡り」と変更し、ゼロ金利の長期化を市場に伝えました。そしてその後、「at least through mid-2013 少なくとも2013年中盤までは」と具体的な継続時期を明記しはじめたのです。つまり声明文を通じて市場とのコミュニケーションを図りながら、ゼロ金利はあと数年続きますよ…という明確なシグナルを送ったことになります。これを最初に導入したのが、カーニー氏が現在総裁をしておられるカナダ中銀だったそうです。

ただし、フォワードガイダンスの導入に関しては、英中銀法で禁止されていないため、特に現状の金融政策の枠組みの変更は必要ではありません。

インフレ・ターゲット

2つ案が出ています。ひとつは、現在のインフレ・ターゲット『2%』という数字を変更する案。もうひとつは、インフレ・ターゲットという「ひとつの数字」を設定せず、+/-1%のバンドも含めて「インフレ・バンド +1.0〜3.0%」というバンド制を導入するという案です。ただし、金融業界ではバンド制導入には消極的な声が多く、ひとつの数字をはっきりターゲットと設定する従来の方法を取るほうが金融政策決定に迷いが生じないとしています。

ここからのポンド

ここからの大きな動きは、3月20日の予算案を待ってからになるかもしれませんが、ポンドの下落は過去最悪のレベルにかなり近づいてきています。それは為替レベルではなく、BOEが毎日発表している実効レートのことです。

これは私が自分で作成したチャートです。これを見ると、1990年から2008年秋にリーマン・ショックが起きるまで、ポンド実効レートはだいたい80〜105のレンジに収まっていました。21世紀に入ってからというものは、リーマン・ショックが起きるまでは、95〜105という非常に狭いレンジの中での推移となっていたのが判ります。

もっと見やすいように、米サブプライム問題が発覚し、世界的な金融危機が始まった2007年からの部分(チャート上の赤枠部分)を拡大してみました。

2007年夏の米サブプライム問題、そして2008年秋のリーマン・ショックとダブルパンチを受けたポンドは、最高値である105近辺から一気に史上最安値 73.754(2008年12月30日)を付けに行きました。その後、ギリシャ債務危機が発覚したことを受け、実効レートは85.2586まで戻ります。そこからは非常に狭いレンジでの推移となり、2012年に入るとじわじわ上昇し、あと少しでリーマン・ショック後の高値である85.2586を抜けそうになりました。しかし最終的には高値は抜け図、84.6955で止まったのです。

今年に入り、トリプル・リセッション懸念や格下げなどを理由に、ポンドは下落基調を強めましたが、一気に急落に転じるきっかけとなったのは、キャメロン首相による「EU離脱に関する国民投票実施の可能性」に関するスピーチでした。

現在の実効レートは77.9925となっており、ここから下のサポートは2010年3月10日につけた76.767、そしてリーマン・ショック後の史上最安値である73.754となります。

計算上のポンド/ドルのターゲットですが、
実効レートが76.767になった時の‘’計算上‘’のポンド/ドルのレベルは、1.4685 実効レートが73.754になった時の‘’計算上‘’のポンド/ドルのレベルは、1.4110

念のためにお断りしますが、ポンド実効レートの国別比重は ユーロ圏 48.1%、米国 16.5%、中国 8.4%、日本 3.8%、インド 2.0%となっています。つまりポンドの対ドルレベルを計算した場合、ドルを使用する米国の比重は16.5%ですので、計算上のレベルは、あくまでも「ターゲット」であり決して正確なものではありません。しかし私は中長期のポジションを取る時の目安として、この計算上のレベルは必ず頭に留めています。

英国の時期総選挙は2015年5月に実施されますので、アメリカ大統領選を例にすると、既に中間選挙も終わり、2年後に迫った本選挙を視野に入れた有権者寄りの予算案発表が期待されて当然といったところでしょう。しかしオズボーン財務相は敢えて「財政規律優先」という嫌われ役を背負いながらも、有権者に対しては「なんだかんだ言っても、やはりオズボーン氏は優れた財務相だから、是非2015年総選挙には保守党に票を入れよう。」と思わせるために英中銀を引っ張りだしてきました。果たして、3月20日にはどんな発表があるのか?英中銀はどのように変わっていくのか?私は非常に楽しみにしています。

最後になりますが、市場予想としては、英中銀の枠組みがどういう形に変わるにせよ、緩和余地の拡大を念頭に置いた変更となると予想されるため、ポンドは更に下落すると見る人が多いです。

 

松崎美子

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