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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

2つの中央銀行からの決定

更新日:2013年3月8日

今週は中央銀行ウィークとなっており、6つの国の中央銀行(オーストラリア・カナダ・ブラジル・日本・英国・ユーロ圏)が金融政策決定理事会を開催しました。日本は、黒田新総裁就任後初の理事会(4月3・4日)までは、ノンイベントと割り切っていたため、私の中での「今週の最大イベント」は、私が住む英国(英中銀 BOE)とお隣ヨーロッパの中銀(欧州中銀 ECB)と決めておりました。

事前予想

BOE・ECBともに、それぞれ違った注目点があったと思います。

BOEの場合 ⇒ 追加緩和策(QE2枠増額)の決定の有無)

BOE金融政策理事会(MPC)の議事録公開で判明したことによると、2月のMPCではQE2増額に対する投票は「6対3」となり、据え置き決定されたそうです。増額に票を入れた3名は、キング総裁・フィッシャー公開市場操作最高責任者、マイルズ理事(外部委員)。

この結果はこちらの新聞でも「キング総裁、4度目のOutvote」という見出しで、大きく報道されました。ここで言う‘’Outvote‘’とは、「キング総裁は少数意見に票を入れたため、最終決定には同総裁の意見が反映されなかった」 という意味です。

2003年にキング氏が英中銀総裁に就任して以来、同氏がOutvoteされたのは今回を入れて4度だけ。一番最近のOutvoteは2012年6月、やはりQE2増額に対する投票で「5対4」で据え置きとなり、キング総裁は増額に投票した4人のうちの1人となっています。しかし驚いたことに、その翌月(2012年7月)のMPCでは、いきなり500億ポンドのQE2増額が発表されました。

こちらに住んでいるトレーダー達は、先月のMPCでは6対3でキング総裁がOutvoteされた⇒ 2012年6月の時と同じ ⇒ 2007年7月にQE2増額決定 ⇒ 今月も同様の結果となるのか? と考えている可能性があります。

ECBの場合 ⇒ イタリアに対するOMTの扱い方

市場が注目していたのは、政策金利の変更(利下げ)よりも、ドラギ総裁による定例記者会見の発言内容となっていました。

先週のコラム記事でも書きましたが、総選挙の結果を受け、イタリアの政局不安は増しています。新政権樹立に失敗し、数ヶ月以内に2度目の総選挙などという事態になった場合、投資家による国債投売りが出てイタリア国債利回りが急上昇した際、果たして欧州中銀(ECB)は国債買取プログラム:OMTを使って救済してくれるのでしょうか?

ユーロ加盟国がOMTを要請した場合、『欧州中銀(ECB)が流通市場で、欧州安定メカニズム(ESM)が発行市場で当該国の国債を買い入れるという前提』に基づき、構造改革・緊縮財政策・マクロ経済調整などの完全な履行を念頭において、プログラムを設定 ⇒ そのプログラムが完全に順守されることを条件として、OMTを検討することになっています。

しかし今回の選挙ではその路線を推奨したモンティ連合が完全に脱落し、反緊縮・反構造改革派の大勝利となりました。つまり万が一イタリアがOMTの要請に動いても、ECBは同国がプログラムを完全に順守するという条件が守られないことを懸念し、OMT継続を拒否する可能性が出てくるかもしれません。そうなると、昨年9月からユーロ圏安定の万能薬として機能してきたOMTの効果がなくなり、イタリア発のユーロ危機再燃 ⇒ スペインまで飛び火という可能性すら囁かれ始めたのです。

市場ではドラギ総裁が「イタリアに対するOMT発動を保証してくれるような発言」を待っており、もしその期待通りとなれば、ユーロは戻す(上昇)と私は信じていました。

実際の決定内容

BOE

政策金利・QE2枠ともに『据え置き』決定となりました。エコノミスト達の予想でも半数以上の人達が「据え置き」予想をしていたため、結果としては''予想通り‘’とも言えますが、マーケットでは先ほども書いたように「2012年の再現となり、意外にもQE2増額発表があるのではないか?」という見方があったのも事実です。特に英国に住む人間には、そのこだわりが強かったのかもしれません。そのためか、据え置き発表後、ポンドは対ドル・対円ともに80〜90ポイントの上昇となりました。

BOEは据え置き発表と同時に短い声明文を発表しましたがそこでは特に将来の金融政策の方向性を示唆する内容には一切触れておりません。今回のQE2枠据え置き決定に対し、9名のMPC理事達がどのような投票をしたのか?については、3月20日に予定されている議事録公開を待たざるを得ないようです。

ECB

政策金利 0.75%、中銀預金金利 0%、限界貸出金利 1.50%すべて『据え置き』決定となりました。

1)中銀預金金利マイナス化について

欧州各国の銀行がECBに資金を預け入れる際に使用する預金口座に対し、マイナス金利を導入することに関して、昨年12月の理事会でドラギ総裁は「技術的に可能」と発言し、ユーロが急落した経緯があります。

先月の理事会でもマイナス金利導入の可能性について、記者から質問がありましたが、そこでも「必要であれば、技術的にマイナス金利は可能だ」と繰り返していました。

しかし木曜日の記者会見で同様の質問が出た際、総裁は「ECBはデポジット金利をマイナスにすることには、あまり乗り気でない。それを実施した場合、課税対象となる可能性があるからだ。そうなった場合、ECBは未知の領域に足を踏み入れることになる。」と非常に歯切れの悪い返答をしたのが印象的でした。税法的なことに関して私は知識を持ち合わせておりませんが、この返答を聞いた瞬間「今後、マイナス金利の導入はないな。」と直感で感じました。

この質問への答えをした頃から、ユーロはジリジリと上昇して行ったのですが、私はポンド売りに人生をかけていたため、ユーロ買いには乗り遅れてしまいました。

2)イタリアに対するOMT発動・継続について

ドラギ総裁が声明文を読み終え、質疑応答へ移った最初の質問が、イタリアとOMTの関係に関するものでした。その質問に対し、総裁は下記のように回答しました。

  • イタリア総選挙直後、マーケットは荒れたが、現在は選挙前の落ち着いたレベルに戻ってきている。
  • 1〜2年前であれば、イタリア不安は他の加盟国へ飛び火していただろう。しかし、それとは対照的に今回は他国への波及は抑制された。これもまた1つの前向きな兆候である。
  • イタリアは、デモクラシー(民主主義)が徹底した国である
  • OMTの条件は何も変更されていない
  • イタリアがOMT要請するのであれば、それは政府が決定することである
  • 成長回復への唯一の道である構造改革路線を継続すべき

しかしこの説明だけでは、反構造改革・反緊縮策に票を入れたイタリア総選挙結果が、OMT発動・継続の条件基準に見合うものなのか?それとも発動条件を満たさない政権となる可能性が高いため、適用対象外となるのか?という私たちが一番知りたかった点に対して、答えてくれていません。

そこで英FT紙の記者が、そんな私たち全員の声を代弁してくれたのです。

「OMTという言葉が独り歩きしているが、OMTとは実際には何なのですか?(具体的な適用対象などを含め)もう一度説明してください。」という素朴な疑問をドラギ総裁に投げかけてくれたのです。それに対して、同総裁は即答を避け、「OMTの内容はしっかり明記***されている。ただし法的見地からは、まだ未決定の部分がある。」と答えただけでした。

未だにOMTによる救済を受けた国がないため、明確な適用条件が確立されていないと市場では理解しているため、今後この部分では議論の余地が残っていると思います

記者会見とユーロ上昇

木曜日のECB理事会では、四半期ごとのユーロ圏経済に関するスタッフ予想を発表しました。これは前回(2012年12月)発表されたものと今回の予想との比較です。

まず経済成長率(GDP)については、3ヶ月前の予想よりも下方修正。それに対してインフレ予想はおおむね据え置きと言ってよいでしょう。このスタッフ予想はECBのウェブサイトにも載っておりますので、ご興味のある方は是非ご覧下さい。

私はドラギ総裁記者会見中、グングン上昇するユーロを横目に見て、「マイナス金利の可能性が少なくなったのは判ったけれど、こんなにユーロが買われる理由が全く見当たらない。一体、私は何を見落としているのかしら?」と不思議で仕方ありませんでした。もっと腹が立ったのは、せっかくいい値で売れたと喜んでいたポンド/ドルが、ユーロ/ドル上昇の影響を受け、下がるどころか上がりかけてきたからです。

頭を冷やすためにコーヒーを入れに台所まで降り、少し冷静になってからECBスタッフ予想を読み始めました。その時もまだユーロは上昇しており、ユーロ円はドラギ総裁記者会見開始時点から既に1円50銭もユーロ高/円安になっていました。

予想の最初のページを読んですぐ、私は思わずPC画面に向かって叫んでしまいました。そこには、ECBが今回の予想を作成するにあたり使用した‘’ユーロ/ドルの参考為替レートは1.35‘’と設定されていたからです。

その部分の抜粋
>Bilateral exchange rates are assumed to remain unchanged over the projection horizon at the average levels prevailing in the two-week period ending on the cut-off date of 14 February 2013. This implies an average exchange rate of USD per EUR of 1.35 for 2013 and 2014, which is up from USD 1.29 in 2012. The effective exchange rate of the euro is assumed to increase by 4.2% in 2013 and by 0.1% in 2014.<

慌てて過去にECBが発表した四半期ごとのスタッフ予想では、果たしてどんな参考為替レートを使用していたのかを調べてみて、2度驚きました。

※クリックで拡大できます

昨年ECBがスタッフ予想を発表した日をユーロ/ドルの日足チャートに載せてみました。

それぞれの「参考為替レート」を見て、非常に違和感を覚えたのは、今月と昨年6月です。皆様のご記憶にも残っていらっしゃると思いますが、昨年6月というのは、1)フランス大統領選 2)ギリシャが2度目の総選挙を実施 3)ギリシャのユーロ離脱懸念 4)スペインが金融支援要請に動くなど、ユーロ圏全体が崩壊の危機にさらされている最中だったはずです。それなのに、どうして2012〜2013年の為替予想をこんな高いレベルに設定したのでしょうか?もしかしたら、当時のECBは「ギリシャ崩壊は是が非でも食い止める。欧州を取り巻く状況はこれ以上悪くなりようがない。だから参考為替レートを高めに設定した」のでしょうか?

もうひとつの疑問は、今月の1.35という数字は、何を根拠にはじき出したのでしょうか?

ドラギ総裁が最近の記者会見でよく口にするのは、「欧州には安定が戻った」という言葉です。もしこの安泰がドイツ総選挙後も継続するという自信を持っているのであれば、たぶん私達が知らない間に、欧州統合(銀行・経済・財政・政治)が水面下で着々と進んでいる証拠なのかもしれません。

まとめ

最近の為替市場の力関係は、ドル>ユーロ>円とポンド という順になっています。

2008年秋のリーマン・ショック以降、わき目も振らず追加緩和を断行したアメリカ。低金利維持の長期化を背景としたドルは、ファンディング通貨(キャリー取引などの借入通貨)に転じてしまい、ドル離れが心配されていました。しかしここに来て、アメリカを取り巻く景況感の改善を材料に米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和策からの出口戦略を再検討するという筋書きが定着し、ドルは一気にファンディング通貨から投資通貨へと姿を変えたため、財政環境の悪化にもかかわらずドルはどんどん買われています。

それに対して、英国や日本のように『今後もより強力な追加緩和策の可能性がある国』の通貨は、依然として売り方向で見ざるを得ません。

この力関係を崩す唯一の材料は、ユーロ圏債務危機の再燃です。今後のイタリア政局動向からは目が離せませんが、そこで一大事が起きない限り、市場の目は4月3・4日の黒田総裁による初の日銀会合、そして少し先ですが、7月1日から就任するカーニー英中銀総裁の動きに集中するはずです。

最後になりますが、今週木曜日の英経済紙:FTの一面報道によると、英財務省はカーニー新BOE総裁への権限を拡大する可能性が出てきているようです。記事内容は

1)BOE金融政策の目的の拡大?
現在の『物価安定の維持』に加え、今後は米FED(連邦準備理事会)が掲げている『物価の安定の維持と最大雇用の達成』というデュアルマンデート(2つの政策目標)をBOEも導入する可能性が出てくるのかもしれない

2)BOE金融政策目的の変更?
現在の『物価安定の維持』を廃止し、名目GDP値を政策目標とする可能性もあるようだ

3)2013年度予算案
3月20日にオズボーン財務相が今年度予算案を発表する際に、カーニー新総裁の就任を待たず、英中銀の金融政策目的の変更について、具体的な内容を発表する可能性があるかもしれない

となっています。私達が考えていた時間軸では、7月1日より現カナダ中銀総裁のカーニー氏が英中銀総裁として就任し、そこで何らかの政策目標変更などがあり、その過程を経てやっと新しいBOEが動き出すと考えておりました。しかしこの記事を読む限り、出来る限りのお膳立てを事前に整えておき、新総裁は就任初日から活動開始をする意向を示しているようです。

そうなると、今年は「生まれ変わった英中銀」が誕生するのかもしれません。

 

松崎美子

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