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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ユーロ危機の再燃か?

更新日:2013年3月1日

2013年は年明け早々から非常にボラティリティーの高いマーケットとなっています。1月の相場の主役とも言える「通貨戦争」という言葉が影を潜めたと思った途端、今度は死語になりかけた『ユーロ危機』が再登場してきました。

2月24・25日に実施されたイタリア総選挙結果は、マーケット関係者のみならず、世界の政治・金融関係者を驚かせたと同時に震え上がらせました。優勢が伝えられたベルサニ候補率いる中道左派連合の票が伸びず、下院での得票率は29.54%。それに対して、脱税疑惑などのスキャンダルに揺れるベルルスコーニ前首相率いる中道右派連合は29.18%となり、その差は0.4%未満という激戦。そして更に事態を深刻にしたのは、有権者の4人に1人が反緊縮・ユーロ圏離脱の是非を問う国民投票を主張するグリッロ氏率いる5つ星運動に票を入れたという事実でした。

別名『緊縮財政策に対する国民投票』と言われた今回の選挙でしたが、リセッション疲れの国民は、過去3年にわたりドイツ主導で進められてきた財政緊縮路線を拒否する結果となりました。

2013年イタリア総選挙結果

代議院(下院)

先ほども書きましたが、中道左派と右派それぞれの得票率の差は0.4%未満でしたが、イタリア選挙法により、最高の得票率を得た連合には、自動的に340議席が与えられるため、一気に中道左派連合の議席が増えました。

元老院(上院)

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、5つ星運動を除く全ての議席数は『連合』としての数字となっています。それに対し、5つ星運動は『党単独』の議席数です。

驚いたことに、今回の選挙における『党別・得票率』を見ると、5つ星運動は下院で最大の25.55% (2番目にはベルサニ氏率いる民主党 25.42%) ・ 上院では2番目の23.79% (最大はベルサニ氏率いる民主党 27.43%) となっており、閣僚経験者が一人もいない政治未経験政党がこれだけ有権者の支持を集めたことは無視できない事実となるでしょう。

イタリア選挙翌日のマーケット

総選挙の結果を受けた政局混乱をきっかけに、ユーロ圏債務危機が再燃するのではとの懸念から、株・債券・為替全てのマーケットは大荒れとなりました。

先週のコラムでも触れましたが、今回の選挙結果は為替よりも国債市場により多くの影響を与えると私は考えていました。

実際に選挙の最終結果が報道された火曜日の市場では、イタリア10年物国債利回りは5%寸前まで悪化し、前日終値と比較すると9%近い上昇(=国債価格下落)となりました。ドイツとの利回り格差は350bps近くまで拡大し、2010年12月以来の悪さ。それに加え、スペインもその飛び火をかぶってしまい、同国の国債利回りは5.35%となり、前日比3.3%の上昇となりました。

しかしそれ以上に悪影響で苦しんだのは株式市場でした。火曜日の欧州主要国の株価指数終値は(前日比)イタリア−4.9%、スペイン−3.2%、ドイツ−2.3%、英国−1.3%と広範囲に渡り下落。金融機関が保有するイタリア国債の損失が膨らむという懸念から、主要大手銀行の株価は軒並み4〜5%の下落を記録。イタリア国内の主要銀行は火曜日のマーケット・オープン直後から10%以上の下落を記録し、即刻取引停止処分となりました。

その後、イタリア証券取引委員会が一部の銀行株の空売り禁止令を2日間にわたり緊急発動しました。

為替市場も大混乱となり、月曜日はどの通貨も大きな陰線となっています。月曜日の値幅は、ユーロ/ドルが1.33台から1.30台半ばまで、ユーロ円は125円台から118円台まで急落し、その影響を真っ向から受けたドル円は94円ミドルから90円台まで一気に落ちました。

避けられない政治空白

まずここからの政治的なスケジュールを見てみましょう。

3月15日
イタリア新議会招集

3月20日
この日までに、上下両院の議長が任命される予定

3月20日以降
ナポリターノ大統領・上下両院それぞれの議長・当選者が属する党/連合の代表者による組閣協議が開始される。ただし、この時までには、各党/連合間での組閣作業は水面下でかなり進んでいると予想される

4月15日
大統領選挙の準備がスタート

5月15日
ナポリターノ大統領任期終了

どうしてこんな大事な時期に大統領交代が控えているのかわかりませんが、悪いときには悪い事が重なるものですね。

いつになるのかその時期ははっきりしませんが、新政権発足までは現在のモンティ暫定政権が継続されますが、議会での採決を必要とする政策決定能力はありません。そうなると、短くてもここから1ヶ月ほどの政治空白は避けられないのではないか?と見ています。

とりあえず現在までの組閣に関する動きですが、

  • 中道左派連合のベルサニ氏が5つ星運動との連立を呼びかけましたが、グリッロ氏は拒否。
  • 5つ星運動はどの連合が連立政権を作ったとしても、内閣信任投票でNOに投票すると宣言。
  • 中道右派連合のベルルスコーニ氏は、政治の空白を避けるため、3月15日の新議会召集前にいかなる形にせよ、連立政権樹立を呼びかけています。
  • ショイブレ独財務相は、イタリアの政局不安が他の加盟国に飛び火することを防ぐため、一日も早い組閣を望むと発言。
  • ドイツ訪問中のイタリア・ナポリターノ大統領はドイツ社会民主党(SPD)の首相候補であるシュタインブリュック前財務相との夕食を急遽キャンセル。理由は、ベルルスコーニ前イタリア首相や、総選挙で大躍進した5つ星運動のグリッロ氏を「道化師」2人組と発言したことに対する抗議姿勢。

新政権の形は?

考えられる新政権の形としては、3通りの可能性があると思っています。

1) 挙国一致内閣

イタリア国内での政治的不安定要素が増してしまい、国際社会や金融市場からの圧力に押される形で、ナポリターノ大統領はベルサニ・ベルルスコーニ・モンティ連合に挙国一致内閣を組閣するよう要請。

心配な点:
この3つの連合が一緒になった場合、重要な政策決定がスムーズに運ぶとは思えません。挙国一致内閣が進むべき道(構造改革の推進など)がはっきり示されるまで、金融市場は神経質な動きに終始すると思われます。この神経質な期間が終わり、目標がはっきりした新内閣が動き出すことに成功した場合は、たぶん2年くらい政権は継続可能となるかもしれません。それに失敗した場合、1年以内に再選挙となる確率が高まると私は考えています。

2) 5つ星運動の妥協

政治的空白の長期化を避けるために、5つ星運動のグリッロ氏が考えを変え、ベルサニ連合と連立を組む。事実、ここにきてグリッロ氏は「反ユーロ・国民投票実施」という選挙公約を少々トーンダウンしており、その代わり政権に参加したら真っ先に取り組みたい問題として、選挙法改正などを挙げています。

心配な点:
選挙キャンペーン中、お互いの連合を罵り合っていた仲ですので、万が一連立が成立したとしても長続きしないでしょう。もし連立を組んだとしても、中道左派連合の共産系の政党は構造改革、特に労働市場改革に大反対ですので、ここからの政策運営は困難を極めることは明白です。それに加え、5つ星運動には閣僚経験者が一人もいないことを危惧する声も聞こえてきます。いずれにしても、この連立はあまり長続きしないと思いますので、再選挙の可能性が高まるでしょう。

3) 再選挙

総選挙で絶対多数勢力が出てこなかったことを受け、中道左派・右派両連合ともに、再選挙の回避を目指すとみられています。理由は、現在の選挙法のもとで新たな選挙を実施した場合、5つ星運動の得票率が更に伸びる可能性が高いためです。しかし皮肉なことに、もし現在の選挙法を改正し再選挙を実施するのであれば、選挙法改正について議会での採決が必要となります。その場合、今の議席数配分では上院における選挙法改正が可決される可能性は低くなるため、永遠に改正されることはありえないというキャッチ22*の状態となってしまいます。

心配な点:
イタリアの大統領は議会の解散権限を持っておりますが、任期終了前6ヶ月は「議会解散権がなくなる」期間 (イタリア共和国憲法第88条) と定められています。そうなると、新大統領が決定する5月中旬までは、イタリア議会の解散権を保有する人物が不在となります。もし現大統領が1日も早く、この政治混乱を収束させたいと本気で思っているのであれば、5月15日の任期切れを待たずに、早期辞任という行動に出るかもしれません。

いずれの場合も、再選挙となった場合、その時期は3〜4ヵ月後となる見通し。

*キャッチ22:ジョーゼフ・ヘラーが1961年に発表した小説。堂々巡りの状況での戦争を、混乱した時間軸のなか幻想ともユーモアともつかない独特の筆致で描いた戦記風の物語。

イタリアを取り巻く不安材料

昨年秋くらいからユーロ圏債務危機が小康状態を保っているのは、昨年9月欧州中銀金融政策理事会が国債買取プログラム(OMT)というバズーカ砲をお膳立てしてくれたおかげです。私も以前このコラムでOMTについて記事を書きましたが、 今回のイタリア選挙結果がユーロ圏危機の再燃となるのではないか?という議論は、OMT支援条件に含まれる構造改革路線を推奨したモンティ連合が脱落し、反緊縮・反構造改革派の大勝利となったことから端を発しています。


・ OMT要請に付随する条件

上記のリンク記事でも書きましたが、ユーロ加盟国がOMTを要請した場合、‘’欧州中銀(ECB)が流通市場で、欧州安定メカニズム(ESM)が発行市場で当該国の国債を買い入れるという前提‘’に基づき、構造改革・緊縮財政策・マクロ経済調整などの完全な履行を念頭において、プログラムを設定 ⇒ そのプログラムが完全に順守されることを条件として、OMTを検討することになっています。その場合、OMTの開始・継続・一時的停止の決定権はECB理事会が握っています。

つまり選挙結果が既に「構造改革には反対です!」という結論を出してしまったため、もしOMTの要請に動いても、ECBはイタリアがプログラムを完全に順守するという条件が守られないことを懸念し、OMTの開始を拒否する可能性が出てきたということになります。そうなると、昨年9月からユーロ圏安定の万能薬として機能してきたOMTが、イタリアにとっては万能薬でなくなることになり、これがスペインまで飛び火してしまう可能性も排除できません。

・ 欧州安定メカニズム(ESM)

やはり昨年9月、ドイツ憲法裁判所は条件付きでESMの批准を認めたいきさつがあります。その条件とは 1)ESM条約に基づきドイツの負担金上限を1900億ユーロとし、将来的にこれを超える場合には、下院による事前承認が必要 2)ドイツ上下両院はESMの活動について意見を述べる権利がある の2つとなっています。

特に長い目でみたESMとOMTの関係について、同最高裁は

「In the long-term, under current arrangements of linking ESM and OMT, the latter is also effectively capped and subject to a Bundestag veto (現在のESMとOMTとの関係に基づいて長期的視点で語った場合、OMTの財源には上限が設定***されており、ドイツ議会の拒否権も条件次第では発動されることとなるかもしれない。)」と語っています。

***この上限というのは、ESMに対するドイツからの負担上限が1900億ユーロとなっているため、OMTがESMとECB両方で実行された場合、ESMの国債買取額には当然上限が出来てしまうという意味だと私は理解しています。

条件2)ドイツ上下両院はESMの活動について意見を述べる権利がある というものですが、こちらのエコノミストの中には「OMT要請が来たら、すぐにECBの判断に任せられると考えるのは間違っている。ECBがOMTの開始の決定権を握っているのは事実であるが、正確にはドイツ上下院がESMのOMT参加に異議を申し立てないという暗黙の了解がある。」という意見を述べる人もおります。私自身も、果たしてドイツの負担金1900億ユーロを全部使い切るまでECBがある意味、独断でOMTを開始出来るのか?それとも、先のエコノミストが語るように、OMT要請ごとにドイツ両院でそれについて協議・採決されるのか?については、判断がつきかねる状態です。

9月にはドイツの総選挙がありますが、メルケル首相だけでなく、ドイツ政府関係者が一番恐れていた選挙結果が今、イタリアで起こっています。特に57%のイタリアの有権者がメルケル首相に異を唱える投票行動を示したことを受け、選挙後に実施されたドイツ政党支持率の世論調査では、メルケル首相率いるCDU/CSUの支持率低下が確認されています。

今年のイタリア国債入札状況

少しだけ明るいニュースですが、イタリアは年初から今週までに2013年入札総額の28%にあたる359億ユーロの国債入札を完了しており、国債の平均残存期間は7.3年となっています。

昨年の同時期では、入札総額の18%が終了していましたが、国債平均残存期間は5.4年と短め。その意味からも、今年は出だしが好調であるだけでなく、残存期間が長くなっているので、その点からも安心感があります。

そうは言っても、今年のノルマを達成するには、今後毎月平均130億ユーロの国債入札を消化しなければなりません。

現在のイタリア10年物国債利回りは4.75%ですが、市場にかかわる私達が頭に留めておかなければならない10年物国債利回りは6%。これは昨年夏にドラギECB総裁が「Believe me. I will do whatever it takes」という有名な発言をした時のイタリア長期金利レベルです。いかなる理由にせよ、ここまでイタリアの長期金利が戻ってしまうと、ユーロ圏債務危機が再燃する可能性が一気に高まります。

ここからのマーケット見通し

年初からあれよあれよという間に加速したリスク・オン相場が、イタリアの驚くべき選挙結果を受け、一転してリスク・オフとなりました。その結果、世界の株式指数は大幅下落、商品価格も下落し、いわゆる資源国通貨と呼ばれている豪ドルやカナダドルは続落しました。

主要通貨では、ドル・円・スイス高が加速し、ギリシャ危機の時のようにこれらの通貨が『安全資産』『Safe haven』として見直される可能性が高まってきたように感じます。今回のイタリア総選挙結果を見てからというもの、私は一気にユーロに対して弱気になってしまい、ユーロ・クロス全体に対しても売り目線でしか見られなくなってしまいました。

しかし冷静になってみると、開票結果が出た火曜日は大きく落ち込んだマーケットですが、翌日水曜日からはイタリア国債も株式市場も平静を取り戻しています。

週初は、イタリア選挙結果を受けて、ユーロ/ドル下落 ⇒ ユーロ円も下落 ⇒ その影響を受け、ドル円も方向としては下 ⇒ 目先の目標 90円台くらい というシナリオを描いていたのですが、ドル円が一瞬90円台に突っ込んだ時には寝ていましたし、それ以降再度90円台に突っ込むことを期待して待っていましたが、逆に92円台で安定しています。

思い返せば、昨年のマーケットでは、ギリシャ離脱懸念が最初の狼、スペインへの飛び火が2回目の狼となり、何度も何度も「狼が来るぞ〜」と脅えていました。新しい悲観的なニュースが出るたびに「今度こそは本当の狼(=ユーロ崩壊)が来るに違いない」という恐怖に脅えながらも、ユーロ/ドルは1.20台を死守。その後ドラギECB総裁の「Believe me」発言、そしてOMTというバズーカ砲に救われて、狼は完全に姿を消してしまいユーロは1.37台まで急騰。

今年になり、今度は「イタリア選挙でとんでもない結果が出た。下手するとイタリアはOMTによる救済を受ける条件を満たしていない」という新しい狼が出てくるのかもしれません。昨年ずっと本当に狼が出てくるか?戦々恐々としていた私たち市場参加者は「今回も大丈夫だよ、狼なんて本当は出て来ないんだから…」と安心しきっていますが、今度こそ市場が恐れていた狼の出現なのかもしれません。

私はこのOMT要請とイタリアの関係がはっきりするまでは、ユーロを売り回転するつもりでおります。ドル円は長い目でみれば最終的に円安に傾くことは間違いないと思いますが、ユーロ下落⇒ユーロ円下落というシナリオが正しければ、目先はドル円も連れ安になると思うので、慌てて買い急ぐことはせず、88〜90円台の押し目を待つことにしています。

とりあえず今回のイタリア選挙結果を受け、来週月曜日(3月4日)にユーロ圏財務相会合が急遽開催されることが決定されました。ここでどのような取り決めが決定されるのか?それが次のユーロの動向を決定するのではないでしょうか?

 

松崎美子

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