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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

通貨戦争とユーロ

更新日:2013年2月1日

年の瀬も迫る昨年12月末に発足した安部内閣は、デフレ脱却と経済再生を最優先とした『財政出動・金融緩和・成長戦略の三本の矢』を織り込んだアベノミクスを発表しました。とくに為替市場では、『インフレターゲット達成に向けた大胆な金融緩和政策』実施を先取りした形で、その頃から急速な円安相場が展開されています。

この円安の動きとほぼ並行した形で進んできたのが、スイス・フランや英ポンド、金の売り。この背景には、3年続いたユーロ圏債務危機が小康状態を保っていることを好感した投資家達が、安全を求めてスイス・フランや英国ポンド、金などに投資していた資金を積極的に欧州などへの投資にまわしはじめたことが考えられます。

主要通貨の円、スイス・フラン、そして英国のポンドが下げる中、グングン値を上げてきたのは、他でもないユーロ。そんなある日、ユーロ圏財務相達が集まるユーロ・グループのユンケル議長が「ユーロは危険なほど高すぎる」と発言したことを受け、ユーロも通貨安戦争に参加か?と思わせましたが、後日誤報と伝えられました。今週に入ってからは、フランスの閣僚数名がユーロ高に対し心配の声を挙げていますが、まだこの動きは「欧州全体の声」にはなっていません。

これだけ円安やポンド安が注目を浴びる今、果たして欧州中銀やユーロ圏関係者も通貨戦争に参加するのでしょうか?それについて、私自身の考えをまとめてみたいと思います。

先週のユーロ上昇の背景

今週に入り1.35をあっけなく上抜けしたユーロですが、先週は特に目立ったユーロ買いの材料がありました。

ドイツZEW・独景況感指数 (1月分)

先月の数字が+7.6、1月の予想は9.5〜12となっていましたが、実際の数字は予想を大きく上回る改善となり、+31.5。この数字は2010年5月以来の高水準

LTRO(3年物無制限資金供給オペ)の前倒し返済額発表

欧州中央銀行(ECB)は過去2度に渡り、欧州系金融機関を対象に、無制限資金供給オペを実施しました。いずれも「3年物」ですので、資金の返済期限は2014年末〜2015年初。まず過去のLTROの明細ですが、

1)2011年12月 
総額:4,891億9,100万ユーロ、参加銀行数:523行

2)2012年2月
総額: 5,295億3,100万ユーロ、参加銀行数:800行

前倒し返済の手順は、
希望銀行はまず自国の中央銀行へ返済希望額を申し出る ⇒ 各中央銀行は返済総額をECBへ伝える ⇒ ECBによる返済総額の発表 ⇒ 実際の資金返済は1週間後の今週水曜日に実施 という過程を経ました。

先週発表された数字は、1)2011年12月に実施された一回目のオペを対象にしていますが、参加銀行:523行のうち、半分以上に当たる278行が参加。返済額は、1372億ユーロとなっており、市場予想の840億ユーロを大きく上回りました。

この好調な結果を受け、2015年の返済期限を待たず前倒し返済に動けるほど欧州系銀行の体質が改善され、欧州の金融システムの健全化が確認されたことになります。そして一部の報道では更に一歩踏み込んだ話として、前倒し返済する銀行数や額が大きくなればなるほど、ECBの出口戦略の時期を模索する動きになりやすいともしており、長年続いた主要国の中央銀行による超緩和策の終焉を意識する声すら聞こえてきました。

ECBは今回の発表では銀行数と額だけの発表に留まり、国別の返済額の公表は避けています。しかし各中央銀行は定期的に自行のバランスシートを公表しますので、その時期が来れば、国別のLTRO前倒し返済額も当然はっきりします。その際に‘’前倒し返済に動いたのは、ユーロ圏の優良国であるドイツなどの北欧州系の銀行だけに限られてしまったのか?‘’が新たな注意点となりそうですね。市場の憶測通り、返済した銀行は主に北欧州系ということになってしまうと、北・南欧州の景況感が浮き彫りにされてしまい、ユーロに対してネガティブな動きに繋がるということも考えられるからです。そしてスペインやイタリアの銀行不安が再燃する危険性も併せて念頭に起きたいものです。

ドラギECB総裁のダボス会議でのスピーチ

ダボス会議で、ドラギ総裁はスピーチを行いましたが、どういう訳か一番肝心な部分が日本では報道されていなかったようで、私は驚きました。

ドラギさんはそのスピーチで、「2012年、ユーロ再生の年」と言い切っており、海外ではこれだけユーロ継続に確固たる自信を持ったドラギ総裁の言葉を通して、一気にユーロに対して強気になりました。具体的な発言は、

"If one has to find a common denominator... for defining why 2012 is going to be remembered, I think one would say it's the year of the relaunching of the euro,"

"2012年は記念すべき(印象に残るべき)年になるであろう... と定義するための共通点を探すことになれば、‘2012年はユーロ再生の年’となったからだ!という人が出てくると思う。"

つい数ヶ月前まで「ギリシャのユーロ離脱」「ユーロ崩壊」が市場のテーマだった頃とは、完全にトーンが変わっていたのが感じられるスピーチでした。

ユーロ圏関係者は通貨戦争に加担するのか?

今週に入り、フランスの閣僚たちがユーロ高懸念を口にするようになってからというもの、市場参加者の間で「円、ポンド、スイス・フランに続き、ユーロも通貨安誘導か?」という声が聞こえはじめています。果たして欧州は通貨戦争に参加するのかに関しては、私のような一個人投資家が予想出来るものでないことは十分に承知しておりますが、私なりの考えを書いてみたいと思います。

まず結論から先に申し上げますと、口先介入も含めた通貨安誘導はまだ時期尚早だと思います。この考えの根拠は、トリシェECB前総裁が実際に行った口先介入からヒントを得ています。トリシェ氏は2003年11月から2011年10月末まで欧州中銀(ECB)の総裁として私たちに数々の思い出を残してくれました。同総裁在任期間中に、ユーロは対ドルで1.60台まで上昇し、ECBが毎日発表している通貨の強弱・価値を示す実効レートでも、ユーロ誕生以来の最高値をつけたという経緯があります。

私が記憶している限りで、トリシェ前総裁が公の席で、あえて口先介入したのは2回。

データ:欧州中銀(ECB)ホームーページ 

※クリックで拡大できます

最初の口先介入

2004年11月、G10会合でのスピーチで、

“The recent moves which tend to be brutal on the exchange markets between the euro and U.S. dollar are not welcome from the standpoint of the ECB.
ユーロとドルの為替レートの最近の動きは、荒っぽすぎる傾向がある。こういう(荒っぽい)動きを、ECBは歓迎しない。”

↓ ↓ ↓

実効レート

この発言があった時の実効レートは106台。これは、2000年10月に付けた81.1584という安値から31%上昇

為替レート

ユーロ/ドルは1.29から1.30に乗る直前。2000年10月の0.8225の安値から1.30まで58%、ポイントにすると約4,800pipsの上昇

2度目の口先介入

2007年11月、ECB理事会後の定例記者会見の席で、

‘’I have said already, brutal moves are never welcome. I have seen 'sharp and abrupt' moves in exchange rates.
私は以前にもお伝えしたように、荒っぽすぎる動きは、絶対に歓迎しない。私は為替マーケットで、このような急激な激しい動きを実際に目にした。‘’

↓ ↓ ↓

実効レート

この発言があった時の実効レートは108〜109台。これは、2006年2月に付けた99.7498から約10%上昇

為替レート

ユーロ/ドルは1.46〜1.47台。2005年11月の1.16台から約27%、ポイントにすると約3,100pipsの上昇。しかしトリシェ氏の口先介入にもかかわず、その後ユーロ/ドルはさらに上昇し、1.60台まで行く。

今回のユーロ上昇度合い

もちろんECBからの口先介入は出ていませんが、現在私たちの目の前で起きているユーロ上昇は、過去2度の口先介入のときと比較して、どのような位置づけにいるのかを考えてみたいと思います。

↓ ↓ ↓

実効レート

2012年7月の94.4059から今週に入り102台へ突入、8.5%の上昇。

為替レート

ユーロ/ドルは2012年7月の1.20ミドルから今週に入り1.36手前まで約13%、ポイントにすると1,450ポイントの上昇

過去のECB総裁が行ってきたことを、現在の相場に当てはめることは間違っているのかもしれませんし、現在のECB理事会の顔ぶれも、トリシェ時代とは代わっています。しかし総裁やメンバーが代わっても、『欧州中銀のポリシー』は同じであると考えられることから、過去の例と比較してみました。その結果、実効レートを元に考えると、トリシェ氏の口先介入は、『110に近づくタイミングで行われている』ように私は感じました。現在102台で推移している実効レートが110に近づくまで、あと7%くらいのユーロ上昇が可能となります。もし私のこの考え方が間違っていなければ、少なくとも今日明日にでもドラギ総裁が口先介入を仕掛けてくる可能性はないようです。

一点だけ付け加えますが、最近ECBの動きが読みづらくなった理由としては、ドラギ総裁はコードワードを使わないことにも関係しているのではないでしょうか?トリシェ前総裁は金融政策の変更時期に関して、‘’明確な、判りやすい‘’コードワード(慣用句)を使っておられました。有名なものとしては、金融政策変更はないが、市場に対して最初の警告を行うものとして「monitor closely(注意深く監視する)」、もう少し警戒感を与えるための「monitor very closely(非常に注意深く監視する)」、そして来月にでも金融政策変更があるというシグナルだった「strong vigilance(強い警戒)」があります。

ユーロ圏の為替政策

とりあえず、私の勝手な解釈では早急にECB側から口先介入が入ってくることはないという結論に達しましたが、政府関係者はいかがでしょうか?

既に誤報と片付けられましたが、ユーロ・グループ議長のユンケル氏は「ユーロは危険なまでに強すぎる」という発言をしました。そして今週に入ってからは、矢継ぎ早にフランス政府の閣僚達が、強すぎるユーロに対し懸念を表明しています。

先ほど、ECBからの早急な口先介入の心配は、まだないと書きましたが、ユーロ圏の為替政策を決定するのは、果たして誰なのか?それを調べてみました。

驚いたことに、ECBだけでなく、ユーロ加盟国からなる財務相・経済相会合(ECOFIN)にも、その権限が認められていました。

それによると、物価安定と為替政策との間には重要な結びつきがあるため、市場介入はECBが担っていますが、EU財務・経済相理事会が、為替政策につき一般的な指針を策定することができるとも規定されています。つまりEU加盟各国政府も為替政策の決定に関与しているということです。

そうなると、今後はEU各国の政府関係者の発言には十分に注意を払わなければなりません。

結論

欧米では、為替レベルは「市場が決定すること」という考え方が浸透しており、ユーロ圏の政府関係者やECB総裁をはじめとする理事達が、現在のレベルで頻繁にユーロ高懸念発言を市場へ流すとは、あまり考えていません。しかし先ほども書きましたが、実効レートが110に近づくタイミングで、口先介入などのシグナルが送られてくる可能性に私は注意したいと思っています。実効レートベースでは、あと約7%の上昇となりますので、単純計算でユーロ/ドルのレベルをはじき出すと、1.4450近辺になります。ただし、計算上のレベルと実際のマーケットの動きは同一にはなりませんので、あくまでも‘’目安‘’と考えて頂けると幸いです。

唯一私の想像外の出来事としては、EU財務相・経済相会合(ECOFIN)にも、為替政策の決定に関与することが認められている点でしょう。今年は2月イタリア・3月マルタ・9月ドイツとオーストリア、それぞれの総選挙を控えているため、有権者寄りの発言をする政府関係者が出てくることも考えられ、輸出企業保護を目的とした想定外の強いユーロ高懸念発言が出てくることも考えられますので、そこにも注意したいと思っています。

 

松崎美子

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