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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英・秋季財政報告を見て

更新日:2012年12月7日

ロンドン・オリンピックも終わり、クリスマスを待つだけとなったロンドン。そんな今、英国中を幸せな気分にする朗報が飛び込んできました。それはキャサリン妃の懐妊のニュースです。

現在の王位継承順位は1位がチャールズ皇太子、それに続いてウィリアム王子。弟のヘンリー王子が3位となっていますが、キャサリン妃の第1子が誕生すれば継承順位はヘンリー王子を抜いて3位となります。現行の王位継承法では、女児の後に男児が生まれた場合は男児の王位継承順位が優先されますが、英議会ではロイヤル・ベービー誕生に先駆けて、昨年より「男女に関係なく、最初に生まれた子供が王位につく」法律の見直しに入っており、法改正は時間の問題となっています。これにより、生まれてくる赤ちゃんは性別に関係なく、王位継承順位はチャールズ皇太子、ウィリアム王子に次ぐ第3位となることは間違いありません。

さて、ロイヤル・ベービーで浮き足立っている私達にとって、苦い薬を飲まされそうな発表が水曜日にありました。それは英財務省が発表した「秋季財政報告」です。

厳しい英経済

オズボーン財務相が発表した秋季財政報告をライブで見ていた私。苦労知らずのお坊ちゃんで有名な同財務相の顔が、久しぶりに苦悩に満ちているのをみて、「かなり内容が厳しいものとなっているんだろうな。」と思いました。

実際に発表を聞いて、今年のGDP予想がマイナスに転落と知り、「財政再建達成年度が先送りされるのは確実。それによる格下げの心配もしなければならないわ。」と私もため息をついてしまいました。

これは昨年度の秋季財政報告、今年春の本予算、そして水曜日に発表された今年度の秋季財政報告でそれぞれ発表されたマクロ経済指標一覧表です。

昨年度から政府の歳出削減計画の目玉とされた公務員解雇が断行されましたが、数字を見る限り、民間部門がその解雇をすべて飲み込むほど雇用市場が改善しているのが判ります。その結果、雇用者数は(公務員解雇にもかかわらず)増加しており、失業率が著しく改善しました。

しかしGDPの数字を見ると、今年から数年にかけて、かなりの下方修正がなされています。GDPが小さくなれば債務残高対GDP比は否が応でも高い数字になってしまいます。それに加え、景気低迷に伴い、税収も低くなりますから、政府の借り入れ額は増加せざるを得ません。

格付け会社は英国の緊縮財政政策に対する前向きな態度を評価していますが、そろそろ本気で景気対策を打ち出さない限り、債務削減に血のにじむような努力をしても、肝心なGDP数値が下がってしまえば、数値の上では‘’いたちごっこ‘’になってしまう危険性を感じます。

昨年の英・秋季財政報告についてはこちら↓

公的債務残高予想

このチャートは英国の公的債務残高対GDP比の予想を示したものです。当然と言えば当然ですが、やはりGDP予想が下方修正されていることもあり、将来の債務残高対GDP比は今年3月の本予算(チャート上の薄緑色の線)の時よりも、今回の予想(チャート上の濃い緑色の線)の方が高くなっています。

景気対策

政府は55億に上る歳出カットを断行し、その資金を景気浮揚に使うと発表しました。主に道路・学校などのインフラ投資につぎ込まれ、それによる雇用者増大を同時に狙うようです。

これは財務省が作成したインフラ投資の規模と時期を明記した地図ですが、北はスコットランドから南はコーンウォール州までまんべんなくお金がばら撒かれるよう配慮されているのが判ります。

法人税、更なるカット

昨年以来、英国は法人税率の引き下げで多国籍企業を誘致するなど、競争力のある法人税制を目指しています。今回の財政報告でも追加の法人税カットが発表されました。

これは財務省が作成したG7(濃い緑色)とG20(薄い緑色)加盟国の法人税を表したグラフです。英国はG7中では最低税率、G20中でも4番目に低い税率となっています。

法人税に関しては、もう一点発表がありました。それはここ半年ほどずっと問題になっている米国に本社がある巨大多国籍企業の法人税逃れです。

具体的な名前を挙げると、スターバックス・アマゾン・アップルなど世界的に有名な企業による租税回避行為がすさまじく、スターバックスに関しては過去3年間全く法人税を納めていないことが発覚しました。

オズボーン財務相は「多国籍企業の法人税は、営業活動を行っている国に対し納税すべきである。」と前置きし、「景気対策のため、英国の各省庁は歳出削減を強いられるが、歳入税関庁はその対象から外す。それに加え、同庁に対し7,700万ポンドの予算の上積みを認め、それを使って租税回避している企業を摘発して欲しい。」と訴えました。

私が一番嬉しかった発表内容

財政報告の内容で一番嬉しかったものは、燃料税の凍結でした。本来であれば1リットルに付き「3ペンスの増税」となるべきものでしたが、オズボーン財務相は今回も凍結を約束してくれました。

これは英国のガソリン代の内訳ですが、6割が税金です。原油価格が少しでも安くなると、燃料税の引き上げが発表され、いつまで経っても原油安の恩恵を蒙れない我々英国に住む人間としては、非常にありがたい凍結発表となりました。

格付け会社の見方

秋季財政報告発表後、英政府関係者や市場参加者が一番気にしていたのが、格付け会社による評価でした。たいしてパッとしない経済・財政状態にもかかわらず、英国がトリプルA格付けを維持している理由として、政府の「赤字削減に対する真摯な姿勢」が挙げられています。Q3にはオリンピック効果が手伝って一気に1%というGDPを弾き出しましたが、Q4にはまたリセッションに逆戻りする可能性も出てきている今、GDP値が低迷する限り政府がどれだけ赤字削減に意欲を見せたところで、削減達成は遠のくばかりであることは明白な事実です。

財政報告発表後、最初に口火を切ったのは格付け大手:フィッチ。同社は今回の内容を受け「来年Q1に格付けを見直しする。」と発表しました。具体的にトリプルA格からの格下げについては言及していないものの、債務削減目標の達成年度先送りについてはマイナス要因としている点が気になります。

ムーディーズは先月発表した年次報告書の中で「12月に発表される秋季財政報告内容を見てから、格付け見直しを来年早々に発表する。」と語っています。

残るS&Pは、今年の夏に「今すぐ英国の格付け変更の必要性は感じていない。」と発表していますが、「英国の景気拡大が滞り政府が目標としている財政再建達成に遅れが出るようであれば、その時は格付け変更に動くかもしれない。」とも付け加えていました。S&Pは他の大手格付け会社に先駆けて、昨年米国の格下げに動いているだけに、全く予断を許しません。

格下げ後のリアクションは?

これに関しては意見が分かれており、先進国の中でも数少ないトリプルA格を維持出来なくなれば、英国への投資魅力が減少するのは当然だろうから、株・債券・通貨全てが売られるという見方がまずひとつ。

もう一つは、アメリカやフランスは格下げ後も債券は順調に買われており、為替面でも格下げが原因で通貨が大きく売られる局面はありませんでした。株価も下落するどころか逆に上昇している点を考慮すると、格下げだからポンド・英国債・英国株全面安という単純なシナリオにはならないとする人達もいます。

個人的には、私自身も後者の意見に賛成です。来年早々、もし英国がトリプルA格付けを失ったとしても、それだけが原因でポンドが大きく売り込まれることは予想していません。ただし過去3年続いた欧州の債務危機が一時的にせよ、落ち着いてきた点を考慮すると、今まで安全資産として買われていたポンドが対ユーロで売り込まれる局面は避けられないと思っています。

おまけ

これは為替に全く関係ないことですが、秋季財政報告を読んでいて驚いたことがあったので、ご紹介したいと思います。

※クリックで拡大できます

資料:英財務省・2012年秋季財政報告

これは英国の所得配分を示したグラフです。

トップ1%の高額所得者の平均年収は153,000ポンド(約2,035万円)、次のトップ5%は66,100ポンド(約880万円)、その次のトップ10%は48,600ポンド(約646万円)、74%の中間層は20,600ポンド(274万円)、そしてボトム10%は10,410ポンド(138万円、いずれもポンド円レート:133円を使用)

日本と比較して物価が断トツ高いと感じる英国で、この年収で生活しているのですから驚きます。

そしてもっと驚いたことは、トップ1%の高額所得者が納める税金は、英国の総所得税収入の25%にも達していることでしょう。それに加え、トップ1%と5%の所得を受け取っている人達の税収で、総所得税収入のほぼ半分を占めていることにも驚かされました。

これを見た時に、日本の所得配分表も是非見てみたいなと思ってしまいました!

松崎美子

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