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マーケットビュー

火曜 和田仁志が斬る、相場のセンチメント 相場の今の"空気"を読み解く

本当の心探しの旅

更新日:2013年7月16日

先週は、米国の量的緩和政策の縮小開始時期を巡り不透明感が強まりました。10日のNY市場クローズ直前に起きたバーナンキショックの余波は、東京市場でも深い傷跡を残すことに。一時98.20円まで売り込まれる局面がみられています。

「中銀の100年」と題した講演を終えた後、質疑応答が行われましたが、ベンの豹変振りを受けた市場は、一気にドル売りへと傾いていきました。「今何が必要か」との問いに答えて、「インフレ率は依然低水準であり、失業率は雇用情勢を誇張している可能性があるため、当面は金融緩和策を継続する」と述べ、「インフレと雇用は一段の刺激策の必要性を示唆している」と発言しました。

6月のFOMC後に行われた定例記者会見では、「雇用情勢が著しく改善している」ことを強調した上で、「今後の雇用状況などが見通しに沿っていくのであれば、テーパリングを開始する」ことを宣言したにもかかわらず、突然の異なる見解を受けて、市場参加者は驚きを隠せないでいます。普段なら帰り支度にいそしむNY勢も、この日ばかりは緊張感を持ったまま長い夜を迎えました。

それにしても、ベンの豹変振りはどこから来ているのか。余程市場が前のめりになっていることへの抵抗感があったのか、市場への対話を通り越してしまった、行き過ぎた市場心理の誘導は「少々危険な賭け」となる可能性が出てきました。今週は17−18日と半期に一度の議会証言が下院金融委員会と上院銀行委員会でそれぞれ予定されていますが、こういった公式な場での発言が「実は本来の姿」だったりするわけで、まだまだ波乱含みです。証言内容は17日の日本時間21時30分に予め公表される予定となっていますが、委員からの質疑応答が再び注目を集めることになりそうです。

市場では9月のテーパリングを見越して、「Septaper」なる造語まで生まれていたものの、「Decemper」に先送りされるとの見方が急速に高まっています。週末にかけてFRB当局者からの発言が相次ぎましたが、通常以上に神経質になっている模様。ベンの豹変振りが「本当の姿」なのかどうかを見極めようと市場は躍起になっていますが、14日にはプロッサーフィラデルフィア連銀総裁が「FRBは量的緩和の縮小を9月に開始するべきで、今年末までには停止するべき」とかなり強硬な意見を述べたかと思えば、ブラードセントルイス連銀総裁は「ディスインフレ下での量的緩和縮小に反対」と同じ講演会で真っ向から反対の意見を述べるなど、市場参加者の「ベンの心を探る旅」は難しさを増してきています。

米長期金利のベンチマークとなっている米10年債利回りも乱高下していますが、ダウ平均はお構いなしに史上最高値を今も更新中。為替市場と株式市場、そして債券市場とそれぞれがそれぞれのポジションの偏りや、思惑で大きく動き始めています。

前回の「注目通貨ペア!」の振り返り

先週の「注目通貨ペア!」

ドル円

先週は、ドル円は頭の重い展開となりました。週明けに一時101.54円の高値まで値を上げる場面もみられましたが、米長期金利の急低下を受けて次第に売りが強まる動きとなりました。ユーロ円などクロス円の下落も売りを後押し。10日にはバーナンキFRB議長が講演後の質疑応答で「インフレと雇用は一段の刺激策の必要性を示唆している」などと発言すると一気に売りが加速。翌日のオセアニア市場では一時98.20円まで売り込まれています。ただ、その後は急速に買い戻されました。一目均衡表雲の下限が位置する98.15円が下値の目処として意識されたほか、ダウ平均が史上最高値を更新したことなどを受けて下値を切り上げました。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」 ※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円

今週のドル円は、神経質な動きを予想しています。17−18日にバーナンキFRB議長の半期金融政策に関する上下両院での議会証言が予定されていることもあり、量的緩和政策の縮小開始時期を巡って市場の思惑が錯綜しています。目先では一目均衡表の雲を上抜けてきており、下値が次第に底堅くなっています。15日の安値99.055円や一目均衡表雲上限が位置する98.87円が目処として意識されているほか、12日の安値98.67円がサポートレベルとなっています。上値では、15日の高値100.49円が目先の目処として意識されていますが、8日の高値101.54円がレジスタンスレベルとなっています。5月24日の高値102.59円も上値のポイントです。

今週は17日にバーナンキFRB議長が米下院金融委員会で半期金融政策報告を行うほか、18日には米上院銀行委員会でも同様の議会証言が行われます。質疑応答での発言に注目しています。17日には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されるほか、18日には7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、6月米景気先行指標総合指数が予定されています。南ア準備銀行(SARB)の政策金利も発表されます。

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