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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

ユーロに依然上昇余地か?

更新日:2015年5月14日

サマリー

注目の英国総選挙は保守党が事前予想を覆して単独過半数を確保し、一方4月の米雇用統計はまずまず事前予想範囲内と、市場にある程度の安堵感を与えた。
ただ、昨日発表された米国4月の小売売上高は予想を下回り、Q2の景気リバウンドの確証が得られず、6月利上げ観測は益々後退している。
英国総選挙の結果を受けてポンドは1.57台へ大幅上昇し、またギリシャ問題は依然くすぶるものの、ユーロも1.13台に反発するなど、欧州通貨リードでドル安が進んでいる。
昨年からの下落幅を考えると潜在的にはユーロには依然として上昇余地があるように思える。

豪ドルは、発表された2015/16年度連邦予算案の赤字幅が予想を下回ったことなどを好感して年初の高値圏に迫る81セント台、97円台まで反発している。
ただ、反発しているとはいえ、依然として軟調な商品相場や改善を示さない交易条件を考えると予算案の財政改善計画が“絵に描いた餅”に終わる可能性もないとは言えず、豪ドルの戻りにも限界があるように思える。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(5/7-5/14)
AUDUSD:0.78633-0.81634  AUDYEN:94.325-97.295

先週は英国総選挙、米国4月雇用統計発表があり、また週末には中国が今年3回目の利下げを行った。英国総選挙では予想外に保守党が単独過半数を獲得し、米国の4月雇用統計は市場の事前予想とほぼ同じだったが、3月の非常に弱い数字から例月並みに戻ったことが市場に安堵感を与えた。
したがって、ギリシャ問題解決は依然として先送りされているとはいえ、世界的に株価は堅調を維持している。
為替市場では欧州通貨(ユーロ、ポンド)買いが継続し、ドルが軟調地合いとなっている。
米国4月の雇用統計はまずまずであったが、昨日発表された4月小売売上高は不冴えで、悪天候後の改善を印象付けていない。
ドル/円はクロスでの円売りをこなしつつ119円台前半に下落。一方、ユーロは一時1.13台後半、ポンドは1.57台後半まで続伸している。
またユーロ/円135円台、ポンド/円187円台、豪ドル/円97円台など円クロスは堅調で、「ドル安・円安」傾向となっている。

豪ドルは、火曜日夜に発表された来年度予算案(OZ NOW参照)の赤字額が事前予想を下回って格下げ懸念が後退したことや、商品相場の反発を受けて1月以来の81セント台半ば、97円台前半まで続伸している。
また、豪ドルはその他クロス取引でも堅調を維持。ユーロ/豪ドルは1.40割れに反落。また利下げ観測や、オークランドの不動産規制、更にはウイラーNZ準備銀行総裁のNZドル高けん制を受けてNZドルが下落したことから、豪ドル/NZドルは一時1.08台後半まで年初来高値を更新した。ただ本日は予想外に強いNZQ1小売売上高を受けて1.08台割れに反落している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.7950-0.8250  AUDYEN:95.00-98.00

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.7200-0.9000  AUDYEN:87.00-100.000

足元のセンチメント…依然ややブルセンチメント
足元の予想…利食いこなして上値テスト

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル(足元ややベア)
・円…ベア(足元ややベア)
・ユーロ/ドル…ニュートラル(足元ややブル)
・豪ドル/ドル…ニュートラル(足元ややブル)

相変わらず5月以降顕著となりつつある「ドル安・円安地合」が継続している。
先週の米雇用統計は可もなく不可もない内容で、3月が極端に悪かっただけに、むしろ市場の安堵感が増したが、今週になって発表された追加の労働関係指数、4月労働情勢指数や3月JOLT求人件数もはかばかしいとは言えない。また昨日発表された4月小売売上高は期待外れに終わった。
今後6月のFOMC(6/16-17)までに発表される主な経済指標数は4月鉱工業生産、4月住宅関連指数、4月CPI、そして6月初の5月雇用統計となるが、6月利上げに傾く可能性は非常に少ないだろう。
むしろ6/5の5月雇用統計前、6/3に発表される4月貿易収支が再び赤字の500億ドルを上回る場合には、FRB当局からのドル高けん制のトーンが高まる可能性がある。
つまり米国サイドからのドル高要因は足元後退していると考えられるだろう。

一方、最近の相場をリードするユーロやポンドはどうか?
ずいぶんと欧州通貨高のイメージを受けるが、昨年来のチャートを見渡せばポンドはそこそこ戻ったが、ユーロはまだ本格的に底離れしていない。
月足を見て気付くのは、ユーロはリーマンショック前の2008年の高値1.60台は別にしても、昨年の高値1.39台から今年年初1.04 まで下落し、現在1.12台に“小反発”しているに過ぎない。
一方、ポンドも同様でリーマンショック前の高値2.11台は別にしても、昨年の高値1.71台から今年年初1.46台に下落し、現在1.57台まで反発している。

つまりユーロは依然としてギリシャ不安を抱えるが、大きな売りポジションに本格的な調整が入れば、昨年の高値と今年の安値の半値戻し地点である1.20台程度までは戻す余地があるように思われる。
一方、ポンドは総選挙における保守党の勝利がポンド買い戻しを誘い、昨年の高値と今年の安値の半値戻し1.58台近くの1.57台まで既に戻っているが、EU離脱問題の不透明感や市場の売りポジションが然程大きくないことを考えれば、ここからはあまり上昇余地がないのかも知れない。

つまりユーロ/ポンドは2007年以来の安値0.70台まで下落したが、やや行き過ぎ感があり調整が入る可能性があるだろう。
現在のドル軟調地合いが継続するようであれば、ユーロ/ドルが1.20を目指すなど、ユーロが主役になる可能性があるだろう。

ドル円は昨日発表された3月の日本の国際収支で経常収支が前回の+1兆4,401億円から+2兆613億円に増え、また貿易収支も前回の-1,431億円から+6,714億円に黒字転換し、円売り圧力の低下を印象付けた。
またTPP合意は基本的に日本の輸入増加から円売り材料視されるが、合意を左右すると言われる大統領貿易促進権限(TPA)の議決が遅れるようであれば、ドル/円失望売りにつながる可能性があるだろう。
ただ、円クロスの円売り戻しやGPIFなどの機関投資家の外物投資関連円売り需要がドル円の下落速度を抑制するだろう。
因みに主要国の国債利回り上昇のご多分に漏れず日本の10年債利回りも0.4%を上回っているが、国債利回り上昇=政府の赤字調達コストの上昇であり、将来的な“国債暴落シナリオ”の可能性をかすかに想起させる。
足元「ドル安・円安シナリオ」継続か。

豪ドルは今週発表された2015/16連邦予算案の内容が思ったほど赤字の拡大を示さず、対GDP比の債務比率も17.3%と格付け会社の格付け見直し基準より低いレベルで、格下げ観測が後退して、一時81セント台後半、97円台前半まで続伸した。
ただ依然として資源ブーム終えんによる税収の減少が課題となる中、予算案では新規の大型インフラ投資も不在であり、加えて財政改善が絵に描いた餅で終わると市場が判断すれば一転して豪ドル売り圧力が再度強まる可能性があるだろう。因みに昨日発表されたQ1の賃金コスト指数(前年比)は17年ぶりの低さであり、また発表された中国の4月小売売上高、鉱工業生産はいずれも予想をやや下回るなど、豪ドルにとっての逆風は依然として吹いている。

【主なイベント】

5/14
(木)

(米)4月PPI、新規失業保険申請件数

5/15
(金)

(日)4月国内企業物価指数、消費者態度指数
(米)5月NYK連銀製造業景気指数、5月ミシガン大学消費者信頼感、4月鉱工業生産、4月設備稼働率

5/18
(月)

(豪)4月新車販売台数
(日)3月鉱工業生産
(米)5月NAHB住宅市場指数

5/19
(火)

(豪)RBA議事録、3月景気先行指数
(ユーロ圏)5月ZEW景況感調査
(独)5月ZEW景況感調査
(米)4月住宅着工、建設許可

5/20
(水)

(豪)5月WESTPAC消費者信頼感
(日)Q1GDP
(米)FOMC議事録

5/21
(木)

(豪)5月消費者インフレ期待
(中)5月HSBC製造業PMI(速報値)
(ユーロ圏)5月 製造業/非製造業PMI
(独)5月 製造業/非製造業PMI
(仏) 5月 製造業/非製造業PMI
(米)5月フィラデルフィア連銀景況指数、4月中古住宅販売、4月景気先行指数、新規失業保険申請件数

5/22
(金)

(独)Q1GDP、5月IFO景況指数
(米)4月CPI

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(5/7)

豪州
ファンダメンタルズ
(経済・政治)

*Good

・3月住宅建設許可件数、前月比+2.8%(予想-1.5%、前回-3.2%)、前年比+23.6%(予想+16.7%、前回+14.3)(5/4)
・4月ANZ求人広告+2.3%(前回-1.4%)(5/4)
・Q1PPI 前期比+0.5%(前回+0.1%)(5/1)

・Q1CPI前年比+1.3%(予想+1.3%、前回+1.7%)、前期比+0.2%(予想+0.1%、前回+0.2%)、RBAアンダーライイングインフレーション前期比+0.6%(予想+0.55%、前回+0.65%)前年比+2.35%(予想+2.25%、前回+2.25%)(4/21)
・Q4経常収支-96億ドル(予想-110億ドル、前回-121億ドル)(3/3)

*Bad

・Q1賃金コスト指数 前月比+0.5%(6ms low、予想+0.6%、前回+0.6%)、前年比+2.3%(17years low、予想+2.4%、前回+2.6%)(2/25)
・4月NAB 企業信頼感+3(前回+3)、企業景況感+4(前回+6)(5/11)
・4月就業者数-2.9千人(予想+4.0千人、前回+48.1千人←+37.7千人から上方修正)、失業率6.2%(予想6.2%、前回6.1%)(5/7)
・3月小売売上高+0.3%(3ms low、予想+0.4%、前回+0.7%)(5/6)
・3月貿易収支-1.322bio(予想-1.0bio、前回-1.256bio)(5/5)
・Q1PPI前年比+0.7%(前回+1.1%)(5/1)

・4月WESTPAC消費者信頼感-3.2%(前回-1.2% )、96.2(前回99.5)(4/15)
・2月住宅ローン約定件数+1.2%(予想+3.0%、前回-1.7%)(4/10)
・2月投資貸付-3.4%(前回-0.3%)(4/10)
・Q4GDP前期比+0.5%(予想+0.6%、前回+0.3%)、前年比+2.5%(予想+2.6%、前回+2.7%)(3/4)
・Q4企業営業利益(前期比)-0.2%(+0.5%、-0.4%)(3/2)
・Q4民間設備投資(CAPEX)前期比-2.2%(予想-1.6%、前回+0.6%)(2/26)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(5/8)
2015年GDP 見通し +2.5%(前回+2.25%―+3.25%)
2016年GDP見通し +2.75-+3.75%(+3.0%-+4.0%)
インフレ見通し
2015年 2.5%(前回2.0%-3.0%)
2016年 1.75%-2.75%(2.0%−3.0%)

・IMF世界成長見通し(2015/4/14)(2015年1月時)
2015年3.5%(3.5%)

・IMF豪州経済見通し
2015年2.8%(前回2.9)、2016年3.2%(前回3.1%)(5/11)

・2015/16年連邦予算案(2015/5/12)(2014年5月時点)
財政赤字2015/16年351億豪ドル(予想400億豪ドル、前回312億ドル)、17/18年赤字144億豪ドル、18/19年赤字69億ドル、19/20年黒字転換、2014/15年GDP 2.5%、2015/16年2.75%、16/17年3.25%、17/18年3.5%、18/19年3.5%
鉄鉱石価格 48ドル/トン 

+2(予算案)

-2

市場センチメント

(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

米国小売売上高弱く株価軟調、ギリシャ問題もありセンチメントやや悪化。昨日NYKダウは-7 ptsの18,060ドル。本日 off shoreでは-4pts。 昨日VIX恐怖指数は-0.1の13.76。

-2

-2

短期筋推定市場ポシションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から売りが28,038コントラクト減って買い626コントラクト(5/5)。短期筋の豪ドルロング増える。

-3

-2

商品相場

原油は60ドル台に小幅反落、金価格は1213ドル台に上昇。昨日CRBは+0.05の231.73。鉄石は62ドル台に上昇、石炭(燃料炭スポット)は59ドル台に下落。

+2

+2

金利・為替(当局)

RBA四半期金融報告―一層の豪ドルの下落が必要、2015,2016年成長・インフレ見通しを下方修正(5/8)、RBA利下げ2.25%→2.00%(2011年11月以来10回目の利下げ)easy biasの文言なしで、利下げ打ち止め感(5/5)、RBA議事録―更なる緩和が適切な可能性、豪ドル下落は景気をサポート、低金利が住宅過熱を煽る可能性、(4/20)スティーブンス総裁(in NY)豪ドルは更に下落する可能性、 RBA利下げ(2013年8月以来18カ月ぶり)2.25%(予想2.50%、前回2.50%)(2/3)、
豪ドルは75セント近辺が望ましい(2014/12/11)、(スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(2013/12/12)。米豪10年利回り格差は0.68%に縮小。

-2

+2

需給

新期迎えて豪ドル債投資が復活するか?本邦企業の豪州企業買収、豪州企業M&A活発化の兆し、豪ドル先安観から海外投資家の豪ドル買い後退。ソブリンウエルスファンド(SWF)は豪ドルの押し目買いスタンス。日々の資源輸出カバーの豪ドル買い需要、中国の鉄鉱石需要減退観測。

+2

+2

テクニカル
(チャート)

一目均衡表の雲のかなり上を上伸、ボリンジャーバンドの上限、短期移動平均線も上昇して強い。月曜日の陰線を「当て線」として本日陽線であれば「三兵」となり強い印。1月の高値82セント台、97円台が上昇ターゲット。サポートレベルは78セント近辺、94円近辺。RSIは豪ドル/ドルが70.17%、豪ドル/円が73.85 %でoverboughtがかなり増え出す。

+3

+2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは93.71に下落し、ユーロは1.13台半ばで堅調。

+3

+3

中国関連

4月鉱工業生産+5.9%(前年比、予想+6.0%、前回+5.6%)、4月小売売上高+10.0%(予想+10.4%、前回+10.2%(5/13)、4月CPI+1.5%(予想+1.6%、前回+1.4%)、PPI-4.6%(予想-4.5%、前回-4.6%)(5/9)、基準金利である1年満期貸出金利を0.25%引き下げて5.1%、1年満期預金を0.25%引き下げて2.25%、2015年三回目に利下げ)、(5/10)、4月貿易収支+$34.1bio(予想+$39.6bio 、前回+$30.8)、輸出前年比 -6.4%(予想+1.6%、前回-15.0%)、輸入-16.2%(予想-12.2%、前回-12.7%)(5/8)、4月HSBC非製造業PMI52.9(4ms high、前回52.3)(5/6)4月HSBC製造業PMI 48.9(確報値)過去1年で最大の収縮(予想49.4、前回49.1)(5/4)、中国4月製造業PMI 50.1(予想50.0、前回50.1)、中国人民銀行預金準備率1.0%引き下げ(19.5%→18.5%、2015年ニ回目(4/18)、中国人民銀行株の空売り規制緩和、Q1GDP 7.0%(予想7.0%、前回7.3%)(4/15)、(2014年GDP7.4%(2013年7.7%、2012年7.7%、2011年9.3%)、AIIBへの参加51カ国に(4/1)周中国人民銀行総裁「金融政策に調整の余地」(3/30)、習近平国家主席―シルクロード沿いに巨大経済圏「一帯一路構想」(3/30)、全人代後株価急騰(景気刺激策への期待)、中国全人代閉幕―新常態、7%の成長目標、全人代開幕(3/5)、中国人民銀行利下げ-0.25%預金・貸出金利(2/28、2015年一回目)、中国人民銀行預金準備率0.5%引き下げ(20.0%→19.5%)(2/3)、中国利下げ(2012年7月以来)―1年物預金金利3%→2.75%、1年物貸出金利6%→5.6%(11/21)、
上海・香港証券取引所相互取引開始(11/17)、
本日上海総合指数は+3ptsの4,379。

-3

+2

国内政局・産業界等

予算案を概ね歓迎(5/13)、Australian Industry Group(AIG)は利下げを歓迎(5/5)、Fairfax/Ipsos national poll)(4/9-11実施)( )は前回2月、二大政党支持率―保守連合46%(49%)、労働党54%(51%)、各政党支持率保守連合39%(42%)、労働党38%(36%)、緑の党13%(12%)、首相適任者アボット38%(39%)、ショートン46%(44%)、AIIB参加表明(3/29)、NSW州選挙保守連合勝利(3/29)、(2/9)アボット党首辞任動議―賛成39、反対61で否決、NSW州選挙保守連合勝利(3/29)、QLD州選挙で労働党勝利(2/1)、アボット政権GST引き上げ方針、シドニー人質事件、豪ドル高懸念やや和らぐ。アボット政権中国とEFT締結へ、政府は非居住者の不動産投資に申込手数料賦課を検討、国内テロ警戒レベル高位に引き上げ、(9/17)炭素税廃止を評価(2014/7/17)。

+2

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

依然やや買いバイアス

+4

+5

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

2015/16年連邦予算案

12日夜、豪政府は2015/16年連邦予算案を発表した。
市場にやや驚きを与えたのは15/16年度の財政赤字予想を351億ドル(対GDP比2.1%)とした点で、これは事前予想400億ドル(一部には500億ドル超の予想もあった)を下回った。因みに本年度の赤字予想額は411億ドルとした。

一方、予算案の中で年度別のGDP予想を14/15年2.5%、15/16年2.75%、16/17年3.25%、17/18及び18/19年3.5%と予想している。
アボット政権は昨年度の予算案で歳出削減、福祉・社会保障の見直し(削減)を試み、支持率の大幅低下につながった点を考慮し、今回の予算案では中小企業向け優遇税制、育児に対する補助拡大、多国籍企業による税回避の取り締まり強化などを掲げてきた。
ホッキー財務相は「中小企業や子育て支援し、インフラ投資など成長を加速して雇用を生み出す分野に予算を割り当てた」と述べている。
また財政収支は経済成長の強まりに伴い、17/18年度に赤字額は144億ドル、18/19年度に69億ドルに減少し、19/20年度に黒字転換を目している。

今回の予算案で市場がポジティブにとらえているのは、昨年のようななりふり構わぬ赤字削減色がなりを潜め、一方基礎財政収支(赤字額)が予想より改善傾向を示した点。一方ネガティブに捉えたのはインフラ投資の不十分さであった。
また政府債務比率(対GDP)は14/15年15.6%、15/16年度17.3%としたが、これは格付け会社の見直し基準を下回る数値であり、既にS&Pは「今回の予算案が豪州格付けに影響しない」旨確認している。

また財政に大きな影響を与える資源価格、特に鉄鉱石の基準価格をトン当たり48ドルとしている(昨年12月の年央経済財政見通し―MYEFO―では60ドルだった)点は、現在の価格62ドルと比較してかなりコンサーバティブな数値である。
今回赤字予想額が事前予想を下回った点などを好感して、発表後豪ドルは80セント台前半、95円台後半に上昇したが、今後の税収は商品相場動向や交易条件に大きく影響を受けるだけに、赤字削減の実現性が後退すれば、再度豪ドル失望売りを誘う可能性があるだろう。

 

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