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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

依然として不透明感強い

更新日:2015年2月19日

サマリー

この一週間はギリシャ・ウクライナ問題が依然くすぶり、一方日銀の追加緩和に対する否定的な見方が台頭し相場が振れた。
しかし結局ギリシャ・ウクライナ情勢は完全にクリアされておらず、持越状態。
一方、昨日の日銀会合後の黒田総裁会見からは一部日銀関係者のいう追加緩和に否定的な発言に賛同する言葉は聞かれなかった。
また今朝発表されたFOMC議事録の内容はFOMC声明文よりハト派的な印象が強くドルが反落した。
つまり、ギリシャやウクライナなどのリスク要因が依然存在し、一方で日米の金融政策もクリアな方向性は見いだせないわけで、2月以降続く“わかりにくい相場”が足元続くことを覚悟した方がよいだろう。
豪ドルは商品相場の軟調やRBA議事録での執拗な豪ドル高けん制にもかかわらず、むしろ底堅い展開となっている。
昨年後半から続く下方モーメンタムも徐々に底をついてきたのかもしれない。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(2/12-2/19):
AUDUSD:0.76432-0.78378 AUDYEN:91.183-93.350

この1週間はギリシャ情勢の不透明感やウクライナ停戦後の衝突継続など依然不安材料ぬぐえないものの、リスク回避の動きも限定的で、世界的に株価は堅調推移した。
先週リスク選好の動きや米利上げ期待から一時120円台を回復したドル円は、その後米国の弱い小売売上高などの冴えない指標、くすぶるギリシャ・ウクライナ不安で118円台に反落。
一旦119円台を回復するも、再び米国の鉱工業生産や住宅着工の弱い数字、さらには今朝発表されたFOMC議事録で多くのメンバーが利上げに慎重な見通しを維持し、ゼロ金利政策を当面継続する姿勢が示されたため、利回り低下に伴うドル売りが加速し118円台に反落。
ユーロはギリシャ情勢に神経質に反応しながら1.13-1.14台での揉み合いとなった。
豪ドルは商品相場の軟調やRBA議事録における低金利肯定と現レベルでも再び豪ドル高けん制がなされたにもかかわらず、むしろ先週の安値76セント台、91円台から78円台、 93円台に反発している。
この結果、ユーロ/豪ドルは先週の高値1.48台から1.45台に下落したが、一方豪ドル/NZドルは1.03台の年初来安値に値を落としている。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.7700-0.8000 AUDYEN:90.50-93.50

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.7300-0.9000  AUDYEN:88.00-100.00

足元のセンチメント…再びべアセンチメント
足元の予想…上値重く軟調推移

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル(足元ニュートラル)
・円…ベア(足元ミックス)
・ユーロ/ドル…ややベア(足元ややベア)
・豪ドル/ドル…ややベア(足元ややベア)

先週来ギリシャ債務問題、ウクライナ情勢、日米の金融政策などを巡って市場は右往左往してきたが、ギリシャ問題はギリシャが融資延長申請をするとの期待感が高まりつつも、結局は結論に至らず。ウクライナ情勢でも4国会談で停戦が合意された後も衝突が続くなど、こちらも問題解決の難しさを浮き彫りにしている。
一方先週一部日銀関係者から追加緩和に否定的な発言が出たとの報道や、1月の麻生財務相の“円安是認”ともいえる発言が財務省の公式記録から除去されていたとの報道で、日本の政府筋・金融当局が「これ以上の円安を望んでいないのでは」との憶測が強まりドル円が急落する場面もあった。
ただ昨日の日銀会合後の黒田総裁の会見では、上記日銀関係者の言動を支援するような内容は特に見られず。むしろ「為替は経済実態を反映し安定推移する限りマイナスとは思わず」と現状是認とも取れる発言に市場はドル買い反応した。
しかし、今朝発表されたFOMC議事録では多くのメンバーが利上げに慎重な見通しを維持し、ゼロ金利政策を当面継続する姿勢が示され、加えて“ドル高が米国の輸出を抑制”とドル高にも言及されたため、今度はドルが売り戻された。
つまり現在に市場の焦点であるギリシャ情勢、ウクライナ情勢、日米の金融・為替政策については何一つクリアな結論が出ていないわけだ。
したがってギリシャやウクライナというリスク要因を注視し、また日銀の追加緩和の可能性が後退するのか、あるいは米国の利上げは6月より先送りされるのかという点を引き続き確かめていく以外にない。

豪ドルは1月に大幅下落した後、下値不安はあるものの、2月以降むしろ保合相場となっている。
これを中段保合として再度続落するのか、あるいは底値圏を形成して反発に転じるのか、見方が分かれるところであるが、相場力学上はそろそろ下方モーメンタムを使い切ったように感じられる。
(OZ NOW)で取り上げた豪州企業買収の活発化も豪ドルサポート要因となっている。

【主なイベント】

2/19
(木)

(日)1月貿易収支、12月全産業活動指数、日銀金融経済月報
(中)休場(旧正月)
(ユーロ圏)12月経常収支、2月消費者信頼感
(米)新規失業保険申請件数

2/20
(金)

(中)休場(旧正月)
(ユーロ圏)2月製造業・非製造業PMI
(独)2月製造業・非製造業PMI
(仏)2月製造業・非製造業PMI

2/23
(月)

(日)日銀金融政策決定会合・議事要旨公表[1月20-21日分]
(中)休場(旧正月)
(独)2月 ifo景気動向
(米)1月 中古住宅販売件数

2/24
(火)

(中)休場(旧正月)
(独)Q4GDP
(ユーロ圏)1月 CPI
(米)2月消費者信頼感

2/25
(水)

(豪)Q4賃金コスト指数
(中)2月 HSBC製造業 PMI
(米)1月新築住宅販売

2/26
(木)

(豪)Q4民間設備投資
(独)3月 GFK消費者信頼感
(米)1月 CPI、1月耐久財受注、新規失業保険申請件数

2/27
(金)

(日)1月 失業率、1月 CPI、1月鉱工業生産、1月小売売上高
(独)2月 CPI
(米)Q4GDP(改定値)、2月シカゴ購買部協会景気指数、1月中古住宅販売、2月ミシガン大学消費者信頼感

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(2/12)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・2月WESTPAC消費者信頼感+8.0%(前回+2.4% )、100.7(前回93.2)(2/11)
・1月NAB企業信頼感+3(前回+2)(2/10)

・Q4RBAアンダーライイングCPI前期比+0.7%(予想+0.5、前回+0.4%)、前年比+2.25%(予想+2.2、前回+2.55)(1/28)
・11月住宅建設許可件数+7.5%(予想+-3.0%、前回+11.4%)(1/8)
・11貿易収支-925mio (予想-1,600mio、前回-877mio←-1,329mio)(1/6)
・Q3経常収支-125億ドル(予想-135億ドル、前回-137億ドル)(12/2)
・Q3民間設備投資(CAPEX)前期比+0.2%(予想-1.7%、前回+1.1%)(11/27)

*Bad
・1月就業者数-12.2千人(予想-5.0千人、前回+42.3)、1月失業率6.4.%(予想6.2%、前回6.1%)、(2/12)
・1月NAB企業景況感+2(前回+2、+4から下方修正)(2/10)
・12月小売売上高+0.2%(予想+0.3%、前回+0.1%)(2/5)

・Q4PPI 前期比+0.1%(前回+0.2%)、前年比+1.1%(前回+1.2%)(1/30)
・Q4CPI前年比+1.7%(予想+1.8%、前回+2.7%)、前期比+0.2%(予想+0.3%、前回+0.5%)(1/28)
・Q3GDP前期比+0.3%(予想+0.7%、前回+0.5%)、前年同期比+2.7%(予想+3.1%、前回+3.1%)(12/3)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(2/6)
2014 年GDP見通し +2.5%(前回11月+2.5%)
2015年GDP 見通し +2.25−+3.25%(前回+2.5%―+3.5%%)
2016年GDP見通し +3.0-+4.0%(+2.75-+4.25%)
インフレ見通し
2014年 1.70%(前回1.75%)
2015年 2.0%-3.0%(前回2.5%-3.5%)
2016年 2.25%-3.25%(2.5%−3.5%)

・IMF世界成長見通し(2015/1/20)(10月時)
2015年3.5%(3.8%)

・政府年央経済財政見通し
(MYEFO)(12/15)(5月時点)

財政赤字2014/15年404億豪ドル(298億豪ドル)、2015/16年312億ドル(171億ドル)、
2014/15年GDP 2.5%

-2

-2

市場センチメント
(リスク値に対
する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

ギリシャ問題依然不透明、ウクライナ停戦合意後の衝突などでリスク回避の動き。
昨日NYKダウは-17ptsの18,028ドル、本日off shoreでは-13ts、 昨日VIX恐怖指数は-0.33.ptsの15.47。

-2

+2

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から売りが2,977コントラクト減って売り53,182 コントラクト(2/10)。短期筋はショートポジション減る。

+2

+3

商品相場

原油は51ドル台に反落、金は1210ドル台に続落、昨日CRBは-1.53の227.84。鉄鉱石は62ル台に小反発、石炭(燃料炭スポット)は63ドル台で小康。

-3

-4

金利・為替(当局)

RBA議事録で依然として豪ドル高をけん制、RBA四半期金融政策報告書で景気・インフレ予想を下方修正、追加緩和に言及せずRBA利下げ(2013年8月以来18カ月ぶり)2.25%(予想2.50%、前回2.50%)(2/3)、
<RBA声明>―利下げが適切と判断、暫くは生産が低迷すると予想、利下げは需要を喚起させる、豪ドルは基礎的価値の予想の大半を上回る水準、日本と欧州経済が予想より弱い―スティーブンス総裁―豪ドルは75セント近辺が望ましい(12/11)、RBAロウ副総裁―豪ドルは一定の調整が見られるが、ファンダメンタルズに関する我々の評価が正しければ更に調整が見られるだろう(11/25)(スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(2013/12/12)。米豪10年利回り格差は0.56%に小幅縮小。

-4

-3

需給

豪ドル先安観から海外投資家の豪ドル買い後退。資源価格決定がスポットベースに移行する中、12月の豪ドル買い輸出予約も減少、ソブリンウエルスファンド(SWF)は豪ドルの押し目買いスタンス。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(デイリーベース)

+2

+2

テクニカル
(チャート)

豪ドル、豪ドル円ともに依然一目均衡表の雲の下だがボリンジャーバンドの中ほどに反発。 豪ドル/ドルはメジャーサポート0.7940-0.8000をブレーク。火曜日(2/3)の「長大下ヒゲ」以来やや底入れ感G出つつある。RSIは豪ドル/ドルが44.98%、豪ドル/円が47.28%で再びoversold増える。

+2

-3

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは94.16に下落、ユーロは1.13台後半に反発。

+2

-2

中国関連

1月CPI +0.8%(前年比予想+1.0%、前回+1.5%)、PPI-4.3%(予想-3.8%、前回-3.3%)、1月貿易収支は+60.03bioドル(予想+48.9bio前回+49.6bio)、輸出-3.3%(前回+9.7%)、輸入-19.9%(前回-2.4%)(2/8)1月サービス業PMI 51.8(前回53.4)(2/4)1月製造業PMI49.8(予想50.2、前回50.1)(2/1)、1月非製造業PMI53.7(前回54.1)(2/1)、不動産売買規制懸念で株価軟調(1/27)、1月HSBC製造業PMI(速報値)49.8(予想49.6前回49.6)(1/23)、Q4GDP 7.3%(予想7.2%、前回7.3%)(1/20)、12月鉱工業生産7.9%(予想7.4%、前回7.2%)・小売売上高11.9%(予想11.7%、前回11.7%)(1/20)、2014年GDP7.4%(2013年7.7%、2012年7.7%、2011年9.3%)(1/20)、信用口座新規開設停止命令で上海総合指数急落(1/19)、PPI-3.3%(予想-3.1%、前回-2.7%)(1/9)、住宅融資担保基準厳格化、中国利下げ(2012年7月以来)―1年物預金金利3%→2.75%、1年物貸出金利6%→5.6%(11/21)、
上海・香港証券取引所相互取引開始(11/17)、中国Q3GDP 前年比+7.3%(予想+7.2%、前回+7.5%)(10/21))、(10/13)、李克強首相―中国経済はガードランディングを避けて今年7.5%の成長を達成する(10/11)、IMF経済見通し2014年7.4%(据え置き)、2015年7.1%(据え置き)(10/7)、中国首相―今年の成長率は+7.5%(7/17)
本日上海総合指数は小動き。

-2

-2

国内政局・産業界等・国際機関

QLD州選挙で労働党勝利(2/1)、アボット政権GST引き上げ方針、豪ドル高懸念やや和らぐ。アボット政権中国とEFT締結へ、(Fairfax/Ipsos national poll)(1/ 29-31実施)( )は前回12月、二大政党支持率―保守連合46%(48%)、労働党54%(52%)、各政党支持率―保守連合38%(40%)、労働党40%(37%)、緑の党11%(12%)、首相承認率 29%(38%)、不承認率 67%(57%)、政府は非居住者の不動産投資に申込手数料賦課を検討、BHPビリトン・三菱商事はクイーンズランド州の石炭事業で全従業員の7%に当たる700人を解雇(9/23)、国内テロ警戒レベル高位に引き上げ(9/17)、社会保障見直しや増税を嫌気、住宅バブル懸念、資源税廃止上院で可決(9/3)、炭素税廃止を評価(2014/7/17)。

-3

-4

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

依然売りバイアス

-8

-13

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

豪州企業の買収の動き

日本郵政は18日豪州物流最大手トール・ホールディングスを6,200億円で買収すると発表した。買収規模は2011年の英SABミラーによる豪州ビール会社フォスター買収の約1兆2千億円に以来の大型買収になる。
今年になってから1月にリクルート・ホールディングスは360億円で豪州人材派遣会社2社を買収(業界シェア2位のチャンドラーマクラウド社と5位のピープルバンク社)。
また電通は豪州のデジタル・クリエーティブエージェンシー、ソープ・クリエーティブの株式51%取得と段階的にシェア拡大で完全子会社化を発表している。
企業買収と言えば2011-2012年頃の資源ブーム華やかなりし頃は、日系商社による豪資源会社の買収や経営参加が定番であったが、資源ブーム衰退とともに買収業界も様変わりといったところである。
今年になってから相次ぐ本邦企業による豪州会社買収であるが、その背景には本邦企業が活力を取り戻しつつあることやそれに対照的な豪州企業の連合の経営難があるが、一方最近の豪ドル安が投資マインドの火付け役となっていることも事実であろう。また買収は本邦のみならず欧米や中国企業の活動も活発化しており、かかる直接投資関連のマネーフローが豪ドル相場を下支えしているとも言えるだろう。


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