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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

FOMCは平和裡に終わる

更新日:2014年10月30日

サマリー

先週は前週のリスク回避の動きを伴った金融市場の混乱もある程度収まり、世界的に株価も回復地合となった。
為替市場ではリスク選好の“円安・ドル安・通貨高”となり、前週105円台前半に下落していたドル円は108円台を回復し、今朝のFOMCの結果を受けて109円台に続伸している。
FOMCでのQE終了と“相当期間文言”温存は市場予想通りであったが、労働市場に対する評価は先月より前向きであり、また“予想より早い利上げの可能性”を指摘した部分に市場は反応した。足元次のリスク回避材料が浮上するまでリスク選好的な動きが予想されるが、110円接近局面では高値警戒感が高まるだろう。

豪ドルはリスク選好の動きにサポートされて堅調推移し、一時89セント台、96円台まで上昇したが、FOMCを受けて88セント割れ、95円台半ばに反落している。
基本的には米利上げ観測が遠のいた分、対ドルでは底堅い展開となろうが、商品相場の軟調やRBAの緩和継続姿勢から上値ターゲット90セントをブレークするのは困難だろう。
一方ドル円が続伸する場合には95円台を底固めする展開が予想される。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(10/23-10/30):
AUDUSD:0.87230-0.89104  AUDYEN:93.791-96.267

先週は前週のリスク回避の動きを伴った金融市場の混乱もある程度収まり、世界的に株価も回復地合となった。
中国のQ3GDPが予想をやや上回り、ECBのストレステストの結果が想定内に収まり、また地政学的懸念やエボラ熱関連でも急激な悪化は見られず、むしろリスク選好的な動きとなった。
為替市場ではリスク選好の“円安・ドル安・通貨高”となり、前週105円台前半に下落していたドル円は108円台を回復し、今朝のFOMCの結果を受けて109円台に続伸している。
またユーロもストレステスト通過で一旦1.27台後半に反発したが、今朝のFOMCの内容で米ドルが買われた分、1.26台前半に反落している。

先週中国のQ3GDPが予想を上回ったことを好感して底入れしつつあった豪ドルは、リスク回避ムード後退の中続伸し、昨日は一時89セント台、96円台月中高値を更新したが、今朝のFOMCの結果ドルが上昇したことから88セント割れ、95円台半ばに反落した。
ユーロ/豪ドルは1.43台と10月の安値圏で推移し、一方で豪ドル/NZドルはNZ準備銀行による8月9月連続NZドル売り介入の方や、NZドル高けん制を受けて1.12台の高値圏に上昇している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.8700-0.8900  AUDYEN:94.00-97.00

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.85-1.00  AUDYEN:85.00-105.00

足元のセンチメント…ややブルセンチメント復活
足元の予想…対ドル88セント台は上値重く、一方対円95円割れは押し目買い

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル(足元ややブル)
・円…ベア(足元ややベア)
・ユーロ/ドル…ニュートラル(足元ややベア)
・豪ドル/ドル…ニュートラル(足元ややブル)

今朝のFOMCの結果を市場は概ね好感しているだろう。
先月のFOMCで今月QE終了を明言していたが、一部の延長観測をよそに粛々と有言実行したあたりFRBの信頼性を高めるだろう。
また先月より前向きに米経済の回復を評価しつつも予後措置としての金融緩和継続を言明して株式市場に優しい采配となった。
「相当期間文言」は既にお飾り文言となりつつあるが、お飾りを取り除かないところにFRBの配慮を感じる。
明日の日銀会合、来週4日の米中間選挙、7日の米10月雇用統計とイベントが続くが、中間選挙では強いドルを支持する共和党が優勢との声も聞こえ、また10月雇用統計もポジティブな内容を見る向きが多く、足元ドル堅調地合を予想する。
明日の日銀会合は金融政策据え置きと見るが、一方追加緩和策を打ち出すようであれば、今度こそは“110円超えの免罪符”発行と市場は見るだろう。
ただ10月初からのドル全面高からその調整、そして今回のリスク選好の動きと市場はめまぐるしく変化するが市場環境がそこまで激変しているわけではない。
やはり110円超えでは円安から不利益を被るサイドからのけん制が再び働くことが予想される。

為替の世界に既に30年以上身を置いているが、つくづく為替相場というものは理不尽な動きをするものだと思う。
金利の世界であれば景気が拡大すればほぼ例外なく金利は上昇し、逆に不況になれば金利は下がるだろう。
しかし為替の世界ではより短期間の景況感に強く影響を受けるし、その時の市場の通貨ポジション(売り持ち/買い持ち)の溜まり具合により予想外の動きとなることもあるだろう。
“ハードカレンシー”ドルを中心とする現在の為替相場では、ドルを中心にいくつかの特色ある地合に分類できると筆者は考えている。
それは「ドル全面高」、「ドル全面安」、「円安/ドル安/通貨高―リスク選好相場」、「円高/ドル高/通貨安―リスク回避相場」の4つである。
前者の2つは特に米国に起因する材料によりもたらされる相場で米国の金融政策、経済要因、政治、治安などが要因だろう。
一方、後者の2つは各国景気格差、金利格差に加えて市場のリスク許容度の変動によりもたらされる相場だ。
10月に入ってからの相場は「ドル全面高」相場が一旦崩れて、そこから立ち直り、現在「円安/ドル安/通貨高」のリスク選好地合になりつつあるように思う。
FOMCの結果を市場は概ね好感しており、足元リスク選好の動きとなっているが、これも次のリスク回避材料が浮上するまでの“つなぎ期間”と認識すべきで“潮の変わり目”には十分注意したい。

今週、豪ドルは対米ドル、対円ともに堅調推移した。
円安/ドル安/通貨高のリスク選好の動きが大きく作用した形だが、やはり米利上げ観測が遠のき金利格差縮小懸念が後退したことが大きい。
また中国Q3GDPが+7.3%と予想をやや上回ったことが市場に豪ドル買い安心感を与えた格好だ。香港と上海両証券取引所の接続開始観測から上海株が上昇していることも豪ドル支援材料となっている。
昨日は一時89セント台、96円台と上伸した後、FOMCの結果を受けて現在88セント割れ、95円台半ばに反落しているが、下げ局面では押し目買い需要が予想される。
9月の高値94セント台から86セント台まで大幅下落し、現在“半値戻し”である90セントに近付いているが、商品相場の軟調や、RBAの金融引き締め観測が遠のいた現状90セント達成はかなり困難だろう。

一方、豪ドル円は既に半値戻しの94円台を上抜けしているが、再び100円を目指すにはドル円の110円超えが条件となってくるだろう。

【主なイベント】

10/30
(木)

(NZ)RBNZ理事会
(独) 10月失業率
(ユーロ圏)10月消費者信頼感
(米)Q3GDP (速報値)、新規失業保険申請件数

10/31
(金)

(日)日銀会合、9月失業率、9月CPI
(ユーロ圏)9月失業率
(米)9月個人消費支出、10月シカゴ購買部協会景気指数、10月ミシガン大学消費者信頼感

11/3
(月)

(豪)9月住宅建設許可
(中)10月HSBC製造業PMI(改定値)
(独)10月製造業
(ユーロ圏)10月製造業

11/4
(火)

(豪)RBA準備銀行、9月貿易収支・9月小売売上高
(米)中間選挙、9月貿易収支、ISM製造業PMI

11/5
(水)

(日)黒田日銀総裁講演
(独)サービス業PMI
(ユーロ圏)サービス業PMI
(米)10月ADP雇用統計

11/6
(木)

(豪)10月雇用統計
(ユーロ圏)ECB理事会
(英)BOE理事会

11/7
(金)

(独)9月鉱工業生産、経常収支、貿易収支
(米)10月雇用統計

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(10/23)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・10月WESTPAC消費者信頼感+0.9%(前回-4.6% )、94.8(前回94.0)(10/15)
・9月失業率6.1.%(予想6.2%、前回6.0%)(10/9)
・9月ANZ求人広告+0.9%(4ヶ月連続増加、前回+1.6%(10/6)

・8月貿易収支-787mio (予想-850mio、前回-1,075mio)(10/2)
・8月住宅建設許可件数+3.0%(予想+1.0%、前回+2.5%)(10/2)
・Q2GDP前期比+0.5%(予想+0.3%、前回+1.1%)、前年同期比+3.1%(予想+3.0%、前回+3.5%)(9/3)
・Q1民間設備投資(CAPEX)+1.1%(予想-0.9%、前回-2.5 ← -4.2%)(8/28)

*Bad
・豪州Q3CPI前年比+2.3%(予想+2.3%、前回+3.0%)、前期比+0.5%(予想+0.4%、前回+0.5%)、RBAアンダーライイングCPI前期比+0.4%(予想+0.5、前回+0.8%)、前年比+2.5%(予想+2.7、前回+2.9)(10/22)
・9月NAB企業信頼感+5(前回+7)、NAB企業景況感+1(前回+3)(10/14)
・8月住宅融資残高m/m-0.9%(biggest decline in 8 ms、予想+0.2%)、投資関連融資-0.1%(前回+6.8%)(10/10)
・9月就業者数-29.7千人(予想-30千人、前回+32.1千人←121千人から下方修正)(10/9)
、労働参加率 64.5%(2006年3月以来の低水準、前回65.0%)(10/9)
・8月小売売上高+0.1%(予想+0.4%、前回+0.4%)(10/1)
・Q2経常収支-137億ドル(予想-140億ドル、前回-57億ドル)(9/2)
・Q2建設活動(前期比-1.2%、予想-0.5%)(8/27)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(8/8)
2014 年GDP見通し +2.5%(前回5月+2.75%)
2015年GDP 見通し +2.5― +3.5%(前回+2.75%―+3.75%%)
インフレ見通し
2014年 2.0%(前回2.75%)
2015年 2.5%-3.5%(前回2.25%-3.25%)

・IMF世界成長見通し(7/24)(4月時)
2014年3.4%(3.6%)
2015年4.0%(4.0%)

-4

-4

市場センチメント
(リスク値に対
する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

FOMC受け株価軟調でセンチメントやや悪化も本日日経平均+100ポイント、NYKダウ(オフショア)も17pts上昇でセンチメント悪くない。 昨日NYKダウは-31ptsの16.974ドル。 昨日VIX恐怖指数は+0.76ptsの15.15。

+2

-2

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から売りが1,238コントラクト増えて売り31,509 コントラクト(10/21)。短期筋のポジションは再びやや売りポジション。

+2

+2

商品相場

原油は81ドル台で小康、金は1212ドル台に大幅下落、昨日CRBは+2.81の275.56。鉄鉱石は78ドル台に下落、石炭(燃料炭スポット)は66ドル台で小康。

-2

-3

金利・為替(当局)

(10/20)ケント総裁補「現行の金融政策は需要の伸びを後押しするように設定、」(10/14)デベレ総裁補「豪ドルの下落は均衡取れた成長達成にプラス、基礎的諸条件から依然過大評価」、(10/7)RBA理事会声明―暫くは金利の安定期が必要、為替レートは最近低下したが歴史的にはまだ高い、商品相場の下落を考えるとまだ高い。RBA Edwards理事―豪ドルの下落トレンド継続しそう(9/25)、スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(2013/12/12)。米豪10年利回り格差は0.976%に縮小。

-3

-3

需給

アボット政権海外からの投資促進政策、昨年Q4からの海外投資家の豪州債投資$38bio、ソブリンウエルスファンド(SWF)の豪ドル債投資、本邦機関投資家の豪ドル債投資、海外からの直接投資・M&Aに絡む豪ドル買い需要の話、潜在的な輸出の豪ドル買い需要(輸出増加―過去最高レベルに)。

+3

+3

テクニカル
(チャート)

豪ドル/ドルも豪ドル/円も下部でのラウンドボトムを形成中。短期移動平均線が上昇に転じているが、一目均衡表の雲の下限0.8941、96.30近辺が上値抵抗線。昨日「上ヒゲ陰線」、RSIは豪ドル/ドル46.35%、豪ドル円57.42%で豪ドル/ドルは再びoversoldに。

-2

+2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは86.20.89に上昇、ユーロは1.26台前半に下落。

-4

-3

中国関連

10月HSBC製造業PMI(速報)50.4(予想50.2、前回50.2)(10/23)、9月小売売上高+11.6%(前年比予想+11.7%、前回+11.7%)、9月鉱工業生産+8.0%(予想+7.5%、前回+6.9%)(10/21)、中国Q3GDP 前年比+7.3%(予想+7.2%、前回+7.5%)(10/21)、9月CPI +1.6%(予想+1.7%、前回+2.0%)、PPI-1.8%(予想-1.6%、前回-0.9%)(10/15)、9月貿易収支は+31.0bioドル(前回+41.1bioドル)、輸出+14.9%(前回+12.1%)、輸入+7.0%(前回-2.0%)(10/13)、李克強首相―中国経済はガードランディングを避けて今年7.5%の成長を達成する(10/11)、9月HSBCサービス業PMI53.5(前回54.1)、IMF経済見通し2014年7.4%(据え置き)、2015年7.1%(据え置き)(10/7)、中国首相―今年の成長率は+7.5%(7/17)、9月製造業PMI 51.1(予想51.0、前回51.1)(10/1)、中国株上昇―住宅ローンの審査条件緩和されるとの情報(9/24)、本日上海総合指数は-1ptsの2,371。

+4

+4

国内政局・産業界等・国際機関

豪ドル高懸念、やや和らぐ。政府は非居住者の不動産投資に申込手数料賦課を検討、BHPビリトン・三菱商事はクイーンズランド州の石炭事業で全従業員の7%に当たる700人を解雇(9/23)、国内テロ警戒レベル高位に引き上げ(9/17)、社会保障見直しや増税を嫌気、住宅バブル懸念、資源税廃止上院で可決(9/3)、炭素税廃止を評価(7/17)。

-3

-3

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

やや売りバイアス

-7

-7

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

財務相はこれ以上の利下げに難色

3週間のワシントン、中国歴訪から戻ったホッキー財務相は今週月曜日の国会答弁で更なる利下げに否定的な見解を示した。
来年後半のRBA利上げ観測が一般的であるが、それ以前にもう1回程度の利下げを読む向きは意外と多いが、その動きをけん制した形となっている。
同財務相は「金融緩和はある程度役割を果たしたが、残念なことに資産価値の上昇を通じて金持ちが更に金持ちになった」と指摘し、「世界的に金融緩和の効果は減少しつつあり、財政出動の効果もその財源を考えれば限界がある」とし「将来的な成長を促進することが可能なのは構造改革であり、それは労働市場の規制緩和とより競争的な市場を通してのみ可能である」と述べた。
彼は欧州の例を挙げて「構造改革に着手したスペイン、アイルランド、独、イタリアはその効果が出つつあるが、着手しなかった仏は恩恵に与かっていない」と述べた。
構造改革問題を抱えるのは何も日本だけの話ではない。


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