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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

ドル円は二歩前進、一歩後退

更新日:2014年9月25日

サマリー

先週は、FOMCにスコットランド独立問題住民投票とイベントが重なり相場も大きく振幅した。
また、やや沈静化しつつあるウクライナ問題に変わってイラク/シリア情勢が緊迫している。為替相場ではかかるイベントをこなしつつも、基本的にドル堅調地合が続いている。
今週は中東情勢や26日(金)の日本の9月消費者物価、米国Q2GDP(確報値)が焦点だが、多くの米地区連銀総裁発言も予定されており、米国の出口戦略の行方を探る展開だろう。
ドル/円は6年ぶりの高値109円台半ばまで続伸したが、110円には手が届かずやや足踏み状態となっている。日本国内の政界・財界からもドル/円上昇の賛否両論が聞かれ、また米国FRBの当局者の中にもドル高を問題視する発言が出だした。また、中東情勢や中国景気減速懸念などのリスク要因も多々あるため、ドル/円の110円到達は案外厳しいのかもしれない。

豪ドルは88セント台前半96円近辺まで続落した。
米豪金利格差の縮小、鉄鉱石価格の続落、中国景気減速懸念、国内テロレベルの引き上げなど、悪材料には枚挙にいとまなく、自律反転までは暫くかかりそうである。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(9/18-9/25):
AUDUSD: 0.88170-0.90003  AUDYEN: 96.082-97.911

先週はFOMCやスコットランド独立問題に関わる住民投票などのイベントがあったが、結果としてドル堅調地合が継続した。ドルインデックスは85.17と2010年7月以来の水準に上昇している。FOMCを経て米出口戦略への期待が高まりドル/円は6年ぶりの高値109円台半ばに上昇。日本の政・財界からの円安けん制や、中東情勢の緊迫、更には中国経済減速懸念などから一時108円台前半に反落したが、再び109円台を回復している。ドル高の流れを受けてユーロは1.27台後半まで下落。スコットランド独立否決で一旦1.65台まで急伸したポンドは“SELL ON FACT”の動きに押されて同日1.63割れまで下落するなど乱高下を演じた。
円安/欧州通貨安地合にあってユーロ/円は高値141円台から140割れに反落、ポンド/円は180円台から178円台に反落したものの、依然として高値圏を維持している。前週軟調推移した豪ドルは9月に入ってからの下落トレンドを継続し一時88セント台前半、96円近辺まで下落した後、やや下げ止まり状態である。
米豪金利格差縮小観測が“高金利通貨”豪ドルに売り圧力をかけているが、他にも中国経済減速懸念、鉄鉱石が5年ぶりの安値を更新して80ドルを割ったことなどに加えて、エコノミスト・ルービニ氏が“豪ドル20%減価”の可能性を指摘したことなども豪ドルベアセンチメントを後押しした(OZ NOWご参照)。
ユーロ/豪ドルは一時1.45台まで上昇したが、昨日はユーロ下落を受けて1.43台後半に反落後、1.44台で推移し、一方、豪ドル/NZドルは一時1.09台前半に下落した後1.10台後半に反発している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.8800-0.9000  AUDYEN:95.50-98.50

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.85-1.00  AUDYEN:85.00-105.00

足元のセンチメント…依然ベアセンチメント
足元の予想…下値模索から下げ止まり

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル(足元ややブル)
・円…ベア(足元ややベア)
・ユーロ/ドル…ニュートラル(足元ややベア)
・豪ドル/ドル…ニュートラル(足元ややベア)

先週は米FOMCとスコットランド独立の住民投票という二大イベントで相場は乱高下したが、ドルの堅調地合に著変なく、ドルインデックスは4年ぶりの高水準だ(85.17)。 主要4通貨の足元と中期的ビューを個人的には以下のように見ている。

ドル

足元、中期的ともに堅調。米国出口戦略、インバージョン規制(後述)、2016年大統領選(大統領選の年はドル堅調のアノマリ―)。

足元、中期的ともに軟調。足元は円安けん制などで急激な下落の調整の可能性あるが、中期的には他国との金利格差、景気格差、円売り需要(貿易、資金移動両面)で円安。

ユーロ

足元軟調だが、中期的には強保合。足元欧州景況の弱さ際立ち追加緩和策の可能性。中期的には景気回復から金利正常化へ。

ポンド

足元やや堅調も中期的に問題抱える。足元はスコットランド問題クリアし、景気格差、金利格差から堅調を取り戻す。ただ2017年にEU離脱の可能性残し、EU寄りのスコットランドの独立問題再燃か。


今週米財務省はM&Aなどを通して米企業が税率の低い国へ本社を移転する「インバージョン」と呼ばれる行為について新規制を発表し、これもドル買いの一因となった。
今回は税収対策として国内企業の海外流出に歯止めをかける目的であろうが、関連して思い出されるのが海外資金の本国還流を促した2005年実施の“本国投資法(Homeland Investment Act)”である。
これは米多国籍企業が海外に保有する利益・配当金・余剰資金を米国内に送金する場合、税負担を優遇して米国内での投資を促進する時限立法であり、税率をこの年に限り35%から5.25%に引き下げ、ある程度ドル高をもたらした。ドル堅調地合にあって今回の新規制が新たなドル高要因となる可能性があるだろう。
先週末のケアンズG20において為替関連の声明(過度な相場変動のけん制)を予想したが、いくつかの国の事前当局発言に反して為替は全く議題に上らなかった。通常G20では“為替”が包括議題となるが、今回全く“為替”に言及されなかったのは何らかの意図があるのでは、と勘繰るのは筆者のみであろうか。
ただG20肩すかしにもかかわらず月曜日から火曜日にかけてドル円が108円台前半まで下落した背景として多くの材料があった。

  • 中国の追加緩和期待が後退
  • 弱い米8月の中古住宅販売
  • ダドリーNY連銀総裁が「急激なドル高は経済成長とインフレ浮揚を損ねる」と発言
  • 世界的に株価下落と米債利回り低下
  • 中東懸念(イスラム国が欧米市民殺害せよと指示、イスラエル軍がシリア軍機撃墜、米同盟軍シリア空爆開始など)
  • ドル円RSIが85%まで上昇(買われ過ぎ)
  • 日本休場で投資家マネー不在   など。

これだけのドル円売り材料にもかかわらず、下げ余地が非常に限定的だという事実に驚かされる。
ただ昨日は安倍首相もドル高/円安の功罪に言及しているし、今週はダドリーNY連銀総裁や、メスター・クリーブランド連銀総裁なども“ドル高の弊害”を口にし始めている。
実際に日本は現在巨額の貿易赤字でありその点からは円高が有利であるし、また多くの製造業が既に海外移転を進めた結果、円安が輸出を大幅に促進するとも思えない。
また日本の未曾有の大震災に対する主要国の同情(金融・経済政策に対する理解)もいつまでも続くわけではなく、日本の公約したデフレ脱却が実現しなければ円安に対する非難も強まることが考えられる。
したがって今後も市場のドルロングポジションが溜まれば、ドル売り材料を口実にした調整が随時起こり、投機的ポジションが調整された分ドル/円は反落するだろう。しかし“根っこの部分”の円売り需要(貿易赤字と資本玉の円売り)により再びドル/円が上昇するという“二歩前進一歩後退”の相場が続くだろう。

今週は豪ドル全面安となった。
先週のFOMCで米国出口戦略がより鮮明になったことが“高金利通貨”豪ドルとの金利格差縮小の思惑につながったことが主因だが、他にも鉄鉱石価格が心理的レベルである80ドル(トン当たり)を割ってきたことや、中国景気財減速懸念、豪州が国内テロ警戒レベルを引き上げたこと、ルービニ元NY大学教授が「豪ドル20%下落の可能性」と発言したことの影響もあるだろう。
また昨日のAFR(Australian Financial
Review)では「政府が非居住者の不動産投資に対して“申込手数料”の賦課を考慮中」との記事が出ており、これも実施されれば豪ドル需要の減退を意味するだろう。
豪ドル/ドルは2月以来の安値88セント台前半に続落し、年初来安値86セント台も視野に入ってきた。
ここまでダウントレンドが鮮明になると予てから指摘している投資家需要(各国中銀やソブリン・ウエルス・ファンド、個人投資家)の豪ドル買いも一旦様子見に回る可能性がある。豪ドル反発には自律反転を待つ必要があり、それは暫く先の話だろう。
対円ではさすがにドル/円が高値圏を維持しているために下げ渋っているが、ドル/円に調整が入る場合には8月の安値93.90と9月の高値98.65の半値戻しである96.00-96.20近辺を一旦下抜く可能性があるだろう。
ただ“豪ドルベア”に針が振れ過ぎている感が強く、中期的には底入れ→反発というサイクルを辿ると考える。

【主なイベント】

9/25
(木)

(米)8月 耐久財受注、新規失業保険申請件数

9/26
(金)

(日)8月 CPI
(独)10月 GFK消費者信頼感指数
(米)Q2GDP(確定値)、9月ミシガン大学消費者態度指数

9/29
(月)

(ユーロ圏)消費者信頼感
(独)9月CPI
(米)8月個人消費支出(PCE)

9/30
(火)

(日)8月失業率、小売売上高、鉱工業生産
(中)9月HSBC製造業PMI(改定値)
(独)9月失業率
(ユーロ圏)8月失業率
(米)9月シカゴ購買部協会景気指数、9月消費者信頼感指数

10/1
(水)

(日)9月日銀短観
(豪)9月小売売上高
(米)9月 ADP雇用統計、9月ISM製造業景況指数、8月建設支出

10/2
(木)

(豪)8月住宅建設許可件数、8月貿易収支
(ユーロ圏)ECB理事会(ドラギ総裁定例記者会見)
(米)新規失業保険申請件数

10/3
(金)

(ユーロ圏)9月サービス部門PMI、8月小売売上高
(米)9月雇用統計、 9月ISM非製造業景況指数

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(9/18)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・8月熟練工求人数+1.1%(前回+0.9%)(9/24)
・8月失業率6.1.%(予想6.3%、前回6.4%)、
8月就業者数+121千人(36 years record high、予想+15千人、前回-4.1千人)−来月下方修正の話、労働参加率 65.2%(前回64.9%)(9/11)・7月小売売上高+0.4%(+0.4%、+0.6%)(9/4)
・7月貿易収支-1,359mio (予想-1.7500mio、前回-1,564mio)(9/4)
・7月住宅建設許可件数+2.5%(予想+1.9%、前回-5.0%)(9/2)
・Q2GDP前期比+0.5%(予想+0.3%、前回+1.1%)、前年同期比+3.1%(予想+3.0%、前回+3.5%)(9/3)
・Q1民間設備投資(CAPEX)+1.1%(予想-0.9%、前回-2.5 ← -4.2%)(8/28)

・豪州Q2CPI前年比+3.0%(予想+3.0%、前回+2.9%)、前期比+0.5%(予想+0.5%、前回+0.6%)、)RBAアンダーライイングCPI前期比+0.7%(予想+0.65、前回+0.55%)、前年比+2.8%(予想+2.7、前回+2.65)(7/23)
・Q1経常収支-57億ドル(予想-70億ドル、前回-117億ドル)(6/3)
・民間設備投資(CAPEX)2014/15予想上方修正$137.1bio、前年比-12.0%(前回予想$124.9bio)
2013/14は$167.1bioから$162.88に下方修正(5/29)
・Q1賃金コストインデックス前期比+0.7%(予想+0.7%、前回+0.7%)、前年比+2.6%(予想+2.6%、前回+2.6%)(5/21)

*Bad
・9月WESTPAC消費者信頼感-4.6%(1st decline in 4 ms、前回+3.8% )、94.0(前回98.5)(9/10)
・8月NAB企業信頼感+8(前回+10)、5月NAB企業景況感+4(前回+8)(9/9)
・Q2経常収支-137億ドル(予想-140億ドル、前回-57億ドル)(9/2)

・Q2建設活動(前期比-1.2%、予想-0.5%)(8/27)
・7月自動車販売、前月比-1.3%(前回+2.2%)前年比-0.2%(前回-2.0%)(8/18)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(8/8)
2014 年GDP見通し +2.5%(前回5月+2.75%)
2015年GDP 見通し +2.5― +3.5%(前回+2.75%―+3.75%%)
インフレ見通し
2014年 2.0%(前回2.75%)
2015年 2.5%-3.5%(前回2.25%-3.25%)

・IMF世界成長見通し(7/24)(4月時)
2014年3.4%(3.6%)
2015年4.0%(4.0%)

-3

-3

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

中国圏、NYKダウ上昇でセンチメント改善。 昨日NYKダウは+154ptsの17,210ドル、本日off shoreでは-10pts。 昨日VIX恐怖指数は-1.66ptsの13.27。

+3

+2

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から買いが19,089コントラクト減少して22,140 コントラクト買い(9/16)。短期筋は豪ドル依然大きくショート、豪ドル円もややショート。

+3

+3

商品相場

原油は92ドル台に上昇、金は1213ドル台に下落、昨日CRBは+2.59の281.06。鉄鉱石は79.40ドルに続落、石炭(燃料炭スポット)は67ドル台に小幅下落。

-4

-3

金利・為替(当局)

RBA Edwards理事―豪ドルの下落トレンド継続しそう(9/25)、(9/16RBA議事録)−為替レートは多くの基礎的価値評価を上回っている、資産価値上昇のリスクを認識した政策運営が必要。(9/2RBA理事会)−「豪ドルは依然として歴史的水準を上回っている」→「豪ドルは依然として基礎的な評価を上回っている」に変更、金融政策は依然として緩和的、インフレ期待は目標の2-3%に一致。スティーブンスRBA総裁(議会証言)−労働市場の指標は改善したようだ、豪ドルは成長均衡に貢献していない、豪ドル急落リスクは過小評価、適切なら介入も排除しない(8/20) スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(2013/12/12)。米豪10年利回り格差は1.046%に拡大。

-2

-2

需給

アボット政権海外からの投資促進政策、昨年Q4からの海外投資家の豪州債投資$38bio、本邦機関投資家の豪ドル債投資、向こう2-3年で豪ドル債発行額$200bio、海外からの直接投資・M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。M&A(対内:対外3:1、$79bioは2011年以来の増加)。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(輸出増加―過去最高レベルに)。

+3

+3

テクニカル
(チャート)

豪ドル/ドルは9月初デッドクロス(短期移動平均線が長期を下にクロス)でダウントレンド鮮明に。ターゲットは1月安値0.8665。豪ドル円は一目均衡表の雲の上限と、ボリンジャーバンドの下限がある96.00近辺がサポート。これは8月安値93.90と9月高値98.60の50%リトレースメントレベル。これを抜くと8月安値が下方ターゲット。RSIは豪ドル/ドル26.06%、豪ドル円43.65.%で豪ドル/ドルは依然大幅にoversold。

-3

+2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは85.17に上昇、ユーロは1.27台後半に続落。

-3

-3

中国関連

中国株上昇―住宅ローンの審査条件緩和されるとの情報(9/24)、9月HSBC製造業PMI(速報値)50.5(予想51.0、前回50.2)(9/23)、中国追加緩和期待後退(G20後の財務相発言)、中国人民銀行トップ5銀行に追加融資ファシリティー供与で株上昇8月小売売上高+11.9%(前年比予想+12.1%、前回+12.2%)、8月鉱工業生産+6.9%(6yrs low予想+8.8%、前回+9.0%)(9/11)8月CPI +2.0%(予想+2.3%、前回+2.3%)、PPI-0.9%(予想-0.9%、前回-0.9%)(9/11)、8月貿易収支は+49.8bioドル(予想+40bio、前回+47.3bioドル)、輸出+9.4%(予想+9.0%、前回+7.2%)、輸入-2.4%(予想+3.0%、前回+5.5%)(9/8)、8月非製造業PMI 54.4(前回54.2)(9/3)、8月製造業PMI 51.1(予想51.4、前回51.7)(9/1)、IMF経済見通し2014年7.4%、2015年7.1%(7/24)、中国首相―今年の成長率は+7.5%(7/17)、中国Q2GDP 前年比+7.5%(予想+7.4%、前回+7.4%)、中国国家統計局「上半期の中国経済は安定も今後試練に直面」(7/16)、人民銀行総裁―人民元の変動幅を拡大する(7/10)李克強中国首相―7.5%という今年の中国の成長目標は理に適っている(6/19)、世銀は今年のGDPを7.7%から7.6%に引き下げ(6/10)、中国、ロシアと$100bio天然ガス取引成立との情報(5/20)、IMFは今年の中国GDP見通しを7.5%で据え置き。
本日上海総合指数は+12ptsの2,355。

+2

-2

国内政局・産業界等・国際機関

政府は非居住者の不動産投資に申込手数料賦課を考慮、BHPビリトン・三菱商事はクイーンズランド州の石炭事業で全従業員の7%に当たる700人を解雇(9/23)、国内テロ警戒レベル高位に引き上げ、(9/17)社会保障見直しや増税を嫌気、住宅バブル懸念、資源税廃止上院で可決(9/3)、炭素税廃止を評価(7/17)、(9/9)世論調査(Newspoll)保守党支持率低迷、二大政党支持率(2013年9月選挙時、前回)自由連合48.00%(53.5、46.0)、労働党52%(46.5、54.0)、S&P財政赤字削減なければAAA格下げの可能性(5/20)、(2014/15連邦予算案は好感―赤字予想298億ドル(今期赤字499億ドル)5年間で均衡財政目標(5/13)ムーディーズは予算案でAAA、「安定的」変わらず。フォード2016年10月の生産撤退を前倒しも、トヨタ2017年末までに豪州での生産から撤退を表明、リオ・ティント・BHPは今年も投資増計画、ホッキー財務相―豪州政府債務は$500bio達する(12/11)。カンタス1000人人員削減、GMホールデン撤退表明、住宅価格上昇、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強いQLD州、WA州)、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

-3

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

やや売りバイアス

-7

-5

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

豪ドル20%下落説

かつてリーマンショックを予言したとされる元ニューヨーク大学教授でRoubini Global Economicsを主催するNouriel Roubini氏はこの度豪Australian Financial Review紙のインタビューにおいて「豪ドルは20%減価する可能性がある」とショッキングな発言を行った。
中国経済の減速と豪政府の緊縮財政により2015年のGDPは2%まで落ちる可能性があるという。
中国経済の減速は商品価格と豪州の交易条件に悪影響を与え、一方弱い国内消費と投資が成長を鈍化させると述べている。
昨日鉄鉱石はトン当たり81ドル台と5年ぶりの安値を更新した。
緊縮財政はタイミングの悪いものであり、豪州経済は今年の予想+2.9%から来年は+2.0%にスローダウンするという。
現在の豪州経済に対する一般的な認識は、力強さには欠けるがその他主要国に比べてかなり良い状態で、来年にかけて更に改善するというものだ。
Roubini氏は多くのエコノミストが豪州経済の上向きを力説するのに対して、中国経済の信用市場/不動産市場の問題点が豪州経済に影響を与えると警鐘を鳴らす。
Roubini研究所のエコノミストDavid Nowakowski氏は「中国のクレジットクランチ(信用収縮)の改善から豪州の中国向け輸出は足元増加しようが、2015年の中国経済の鈍化が豪州の成長とインフレ期待を損なわせ、豪州の株価と豪ドルは下落するであろう」と述べている。
また「成長鈍化とインフレ率低下によりRBAは1〜2度の利下げを行いキャッシュレートは2%程度となる。米金融政策との格差から豪ドルは20%、75セント程度まで下落する可能性がある」としている。
また同レポートは豪州の住宅ブームは徐々にファンダメンタルズからかい離しつつあると指摘している。
従来から米住宅市場の壊滅を予言し、弱気な経済見通しを続けてきたRoubini氏は今年年初に新興国含めて世界経済の強気な見方に転換していた。つまり民間セクターのデレバレッジ、財政赤字削減、金融緩和の継続の効果が出てくると述べていたが、今回再び弱気な見方に戻っている。
豪ドル大幅下落論も“一つの意見として”冷静に受け止める必要があるものと思われる。


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