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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

リスク回避のドル買い/円買い

更新日:2014年7月24日

サマリー

先週はマレーシア航空機撃墜事件が発生して市場のリスク回避の動きが急激に高まったが、かかる地政学的懸念は早くも一服した感がある。やはり世界的な金融緩和・株価堅調下にあってはリスク回避も長続きしないのか。
今回見られた“リスク回避の円買い・ドル買い”について一考してみた。
先週指摘したように、日米金利差面からも需給面からも足元ドル/円が従来のレンジを越えて急上昇する要因が見当たらないが、かといってドル/円が100円を割り込むわけでもなく、このままこう着相場で夏休み入りとなることが懸念される。

豪ドルは上昇した。昨日発表された予想より強いQ2CPIに加えて本日発表された中国7月HSBC製造業PMIが18カ月ぶりの強い数字となったためだ。
ただ予想をやや上回る程度のインフレ率でRBAが引き締めバイアスに転換する可能性は少ないし、中国PMIにしてもこのまま改善が継続するとは考えられないことから、豪ドルが新たな上げトレンド入りしたとは考えられない。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(7/17-7/24):
AUDUSD: 0.93354-0.94725  AUDYEN: 94.382-96.196

この一週間は先週木曜日のマレーシア航空機撃墜事件で市場のリスク回避の動きが強まり世界的に株価下落、債券価格上昇、金価格上昇などが顕著となったが、徐々にかかる地政学的懸念も一服しつつある。
為替市場ではリスク回避相場にあってドル/円が一時101円台前半、ユーロ/円が136円台半ば、ポンド/円が172円台半ばと円高傾向となった。
またユーロ/ドルはECBの金融緩和スタンス、ポルトガル銀行不安に加えてマレーシア航空機撃墜事件を受けて1.34台半ばまで下落するなど“円高・ドル高”傾向が強まったが、その流れもやや収まっている。

豪ドルは先週リスク回避の動きに93セント台前半、94円台前半に下落したが、金曜日のスティーブンスRBA総裁講演で一部予想された“豪ドル高けん制”がなかったことで下げ止まった。昨日の予想より強いQ2CPI(OZ NOW参照)を受けたことで急上昇し、本日の予想を上回る中国の7月HSBC製造業PMIも好感して一時94セント台後半、96円台前半に続伸した。
ユーロ/豪ドルはユーロ軟調・豪ドル堅調地合にあって1.42台前半に下落した。一方豪ドル/NZドルは今朝のNZ準備銀行理事会で予想通り利上げが実施されたものの、利上げの一旦停止が示唆されたこと及び、NZドル高に強い懸念が表明されたことから先週の1.06台から再び1.1000近辺まで大幅上伸している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.9300-0.9500  AUDYEN:94.00-97.00

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.85-1.00  AUDYEN:85.00-105.00

足元のセンチメント…ややブルセンチメント
足元の予想…利食いこなして上値テスト

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル(足元ややブル)
・円…ベア(足元ややベア)
・ユーロ/ドル…ニュートラル(足元ややベア)
・豪ドル/ドル…ニュートラル(足元ややブル)

前週のポルトガルの銀行不安に続いて先週はマレーシア航空機撃墜事件が起こり、市場では“リスク回避相場”となって主要国の債券や金が安全資産として買われ、また為替市場では“円買い、ドル買い”が活発化した。
ただ世界的に金融緩和・株価堅調下における“リスク回避”も一過性であると考えている。
それはそうとしてリスク回避オペレーションについてちょっと考えてみたい。
今回ドルが欧州通貨やオセアニア通貨に対して強含み、そのドルが円に対して弱含みということはやはり安全通貨のトップが円であり、それに続いてドルという序列であろう。
このリスク回避の円買い、ドル買いというのは“古くて新しいオペレーション”であるが、特にリスク回避の円買いは“円キャリートレード”の対極にあるオペレーションと言えるだろう。つまり円キャリートレードがリスク許容度の増加を表し平和の象徴であるとすれば、リスク回避の円買いはリスク許容度の減少を示し、市場に不穏な動きがあることを意味する。
買われる“安全通貨”の特性として、まず金利面では、デザスターが起これば主要国が流動性供給などを行って短期金利を低め、誘導する局面で、既にゼロ金利に近い円金利、米ドル金利は更なる下落余地が限られ、相対的な金利差が縮小するために“アンカー通貨”として円やドルが買われることになる。
一方リスク回避のドル買いの背後には“質への逃避”が関係するわけで、世界最大の流通量を誇る米国債への需要が高まることや、安全資産である金が多くの場合米ドル建てで取引されることなどにも影響されるだろう。
いずれにしても、“リスク回避材料”が出た時点での各通貨の強弱センチメントが影響するわけで、ユーロ、米ドル、円の3通貨を比較してみると、リスク通貨ユーロは既にECBの緩和スタンスやポルトガル銀行不安で軟調であったこと、また安全通貨米ドルはイエレンFRB議長の議会証言におけるややタカ派的発言で堅調であったこと、安全通貨円は7月に入ってから対ドルやクロスで堅調であったことが分かる。
その結果としてリスク回避の円買いや、ドル買いの勢いが増幅されたのだろう。
ただドル/円はリスク回避の円買いにもかかわらず依然として100円を割る気配がないのはそれなりに円売り需要があるのだろうが、売り買い需要に挟まれてこのままこう着状態になる可能性もあるだろう。
震災・原発停止後のエネルギー輸入増加の影響に加えて、「失われた20年間」における産業の空洞化で生産拠点が海外転出した影響で輸出が減少している事実があるのだろう。
一方機関投資家の外貨資産投資増額に関して、だれもが注目しているGPIFなどは、独立行政法人というお堅い政府系組織であり、ファンドマネージャーの方々も一サラリーマンであることから、今年になってから円安・株高がストップしている現状で外物投資を増やすことに躊躇しているのではないか?
巨額の資金を動かすための社内稟議を通すためにも、たとえば「ドル円は100円を割ったら」などという“説得材料”が必要なのではないかと想像する。
ユーロに関しては基本的にニュートラルに見ているが、ネガティブ金利にポルトガル銀行不安と重なってだめ押し的にマレーシア航空機撃墜の悪材料が重なったが、潜在的な実需のユーロ買いなどを勘案すれば、そろそろ反転する相場なのかもしれない。
親ロシア派が誤爆した可能性が強く、むしろアク抜けする可能性もある。

豪ドルはリスク回避の動きで93セント台前半、94円台前半まで下落したが、今週のスティーブンスRBA総裁の講演で事前予想に反して豪ドル相場に言及がなかったことで下げ止まった。
そして昨日発表のQ2CPIで特にRBAが注視するアンダーライイング・インフレーション(刈り込み平均値)が前期比+0.8%(予想+0.6%、前回+0.5%)、前年比+2.9%(予想+2.7%前回+2.6%)と予想を上回ったことから94セント台前半、95円台後半に反発した。
さらに本日発表された7月のHSBC製造業PMIの強い内容に続伸した。
ただ予想を0.2ポイント程度上回るインフレ上昇ではRBAのニュートラルスタンスを引き締めに転換させるには不十分であろう。また中国の強いPMIも改善傾向がこのまま続くか疑問である。
米ドルが相対的に堅調であることや、ドル/円の上値が依然として重いことから、豪ドル/ドル、豪ドル円ともに上値余地はあまりないと考える。

【主なイベント】

7/24
(木)

(NZ)NZ準備銀行理事会
(日)6月貿易収支
(中)7月HSBC製造業PMI
(ユーロ圏)製造業PMI
(独)製造業PMI
(米)6月新築住宅販売

7/25
(金)

(日)6月CPI
(独)8月GFK消費者信頼感、7月ifo企業景況感
(米)6月 耐久財受注、新規失業保険申請件数

7/28
(月)

(米)6月住宅販売保留指数

7/29
(火)

(日)6月失業率
(米)7月消費者信頼感指数

7/30
(水)

(日)6月鉱工業生産
(ユーロ圏)7月 消費者信頼感
(米)7月ADP雇用統計、FOMC

7/31
(木)

(豪)6月住宅建設許可
(独)7月失業率
(ユーロ圏)6月失業率  

8/1
(金)

(米)7月 雇用統計

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(7/17)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・豪州Q2CPI前年比+3.0%(予想+3.0%、前回+2.9%)、前期比+0.5%(予想+0.5%、前回+0.6%)、)RBAアンダーライイングCPI前期比+0.7%(予想+0.65、前回+0.55%)、前年比+2.8%(予想+2.7、前回+2.65)(7/23)
・5月コンフェレンスボード・リーディングインデックス+0.2%(前回-0.2%)(7/17)

・6月就業者数+15.9千人(予想+12千人、前回-5.1千人)、労働参加率64.7%(前回64.6%)(7/10)
・7月WESTPAC消費者信頼感+1.9%(前回+0.2% )、94.9(前回93.2)(7/9)
・5月NAB企業信頼感+8(前回+7)、5月NAB企業景況感+2(前回-1)(7/8)
・月ANZ求人広告+4.3%(前回-5.7%)(7/7)
・5月住宅建設許可件数+9.9%(予想+3.2%、前回-5.8%)(7/3)
・Q1GDP前期比+1.1%(予想+0.9%、前回+0.8%)、前年同期比+3.5%(予想+3.2%、前回+2.8%)(6/4)
・Q1経常収支-57億ドル(予想-70億ドル、前回-117億ドル)(6/3)
・民間設備投資(CAPEX)2014/15予想上方修正$137.1bio、前年比-12.0%(前回予想$124.9bio)
2013/14は$167.1bioから$162.88に下方修正(5/29)
・Q1賃金コストインデックス前期比+0.7%(予想+0.7%、前回+0.7%)、前年比+2.6%(予想+2.6%、前回+2.6%)(5/21)
・Q1 PPI 前期比+0.9%(予想+0.6%、前回+0.2%)、前年比+2.5%(予想+2.2%、前回+1.9%)(5/2)

*Bad
・失業率6.0%(予想5.9%、前回5.8%)、full-time-job -3.8千人(前回+22.2千人)(7/10)
・5月小売売上高-0.5%(+0.0%、-0.1%)(7/3)
・5月貿易収支-1,911mio (2012年11月以来最大の赤字、予想-200mio、前回-780mio)(7/2)

・Q1民間設備投資(CAPEX)-4.2%(予想-1.9%、前回-5.2%)(5/29)
・豪州Q1CPI前年比+2.9%(予想+3.2%、前回+2.7%)、前期比+0.6%(予想+0.8%、前回+0.8%)、RBAアンダーライイングCPI前期比+0.55%(予想+0.7%、前回+0.9%)、前年比+2.6%(予想+2.65、前回+2.6)(4/23)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(5/9)
2014 年GDP見通し +2.75%(前回2月+2.25―+3.25%)
2015年GDP 見通し +2.75―3.75%(前回+3.0―+4.0%)
インフレ見通し
2014年 2.5%(前回2.25-3.25%)

・IMF成長見通し(4/8)
2014年+2.6%(前回+2.8%)
2015年+2.7%(前回+3.0%)

・世銀世界成長見通し(6/10)(1月時)
2014年2.8%(3.2%)
2015年3.4%(3.4%)
2016年 3.5%(3.5%)

+4

-2

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

リスク回避ムード一服、株価堅調でセンチメントやや回復。
昨日NYダウは-28ptsの17,086ドル、本日off shoreでは-4pts。 昨日VIX恐怖指数は-0.72の11.52。

+2

+2

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から買いが3,140コントラクト増えて39,743 コントラクト買い(7/15)。短期筋のポジションはロング増え出す。

-2

+2

商品相場

原油は103ドル台に小反落、金は1299ドル台に下落、CRBは昨日+1.48ptsの299.48。鉄鉱石は95ドル台に小反落、石炭(燃料炭スポット)は70ドル台で小康。

+2

+2

金利・為替(当局)

Q2インフレ率上昇で利下げ観測消滅(7/23)スティーブンスRBA総裁講演で為替に言及せず豪ドル上昇(7/22)スティーブンスRBA総裁―豪ドルは高過ぎる、向こう10年以内に経済活動の低迷する可能性、FRBが利上げを実施した場合混乱が発生する可能性、政策金利変更の時期については言及しない(7/11)
(7/3 RBAスティーブンス総裁講演)−金融政策は非常に緩和的で更に緩和余地、豪ドルの過大評価は数セントではない、投資家は豪ドル急落の危険性を過小評価。(RBA理事会7/1、あまりハト派的ではない)−金融政策は引き続き緩和的、豪ドルは歴史的に見て高水準、バランスの取れた成長に豪ドル相場の影響は少ない(7/1)、Debelle総裁補―資金流入減で豪ドル下落の可能性(5/20)、金融政策ニュートラルバイアスに移行(2/4)スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(12/12)。米豪10年利回り格差は0.945%に拡大。

+4

-4

需給

アボット政権海外からの投資促進政策、昨年Q4からの海外投資家の豪州債投資$38bio、6月以降本邦機関投資家の豪ドル投資に期待、向こう2-3年で豪ドル債発行額$200bio、海外からの直接投資・M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(輸出増加―過去最高レベルに)。

+3

+3

テクニカル
(チャート)

一目均衡表の雲で跳ね返り豪ドル/ドル、豪ドル/円ともには雲から上放れしてボリンジャーバンドの上限に達する。21日の陰線は「当て線、差し込み線」で買い場であった。RSIは豪ドル/ドル60.74%、豪ドル/円59.08%で再びoverbought増え出す。

+2

+2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは80.91に上昇、ユーロは1.34台半ばで揉み合い。

-2

-3

中国関連

7月HSBC製造業PMI(速報)52.0(18 ms high、予想51.0、前回50.8)(7/24)、中国首相―今年の成長率は+7.5%(7/17)、中国Q2GDP 前年比+7.5%(予想+7.4%、前回+7.4%)、中国国家統計局「上半期の中国経済は安定も今後試練に直面」(7/16)、6月小売売上高+17.3%(前年比予想+12.5%、前回+12.5%)、6月鉱工業生産+9.2%(予想+9.0%、前回+8.8%)(7/16)、人民銀行総裁―人民元の変動幅を拡大する(7/10)、6月貿易収支は+31.6bio億ドル(予想+37.0bio億、前回+35.9bioドル)、輸出+7.2%(予想+10.4%、前回+7.0%)、輸入+5.5%(予想+6.0%、前回-1.6%)(7/10)、6月CPI +2.3%(予想+2.4%、前回+2.5%)、PPI-1.1%(前回-1.4%)(7/9)、6月HSBC非製造業PMI53.1(15ms high、前回50.76)(7/3)、6月製造業PMI 51.0(予想51.0、前回50.8)(7/1)、李克強中国首相―7.5%という今年の中国の成長目標は理に適っている(6/19)、
中国人民銀行一部農業部門/中小企業への融資銀行への預金準備を50bp引き下げ(6/10)、世銀は今年のGDPを7.7%から7.6%に引き下げ(6/10)、中国、ロシアと$100bio天然ガス取引成立との情報(5/20)、中国商務省高官―中国貿易の高成長期は終わった(5/20)、中国Q1GDP +7.4%(予想+7.3%、前回+7.7%)(4/16)、IMFは今年の中国GDP見通しを7.5%で据え置き。
本日上海総合指数は+10ptsの2,088。

+2

-2

国内政局・産業界等・国際機関

7/17-19世論調査(Nielsen poll)保守党支持率やや挽回、二大政党支持率(2013年9月選挙時、前回)自由連合46.00%(53.5、47.0)、労働党54%(46.5、53.0)、S&P財政赤字削減なければAAA格下げの可能性(5/20)、(2014/15連邦予算案は好感―赤字予想298億ドル(今期赤字499億ドル)5年間で均衡財政目標(5/13)ムーディーズは予算案でAAA、「安定的」変わらず。
IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

-2

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

依然やや売りバイアス

+13

-2

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

予想を上回るインフレ率

昨日発表されたQ2CPIは全項目(ヘッドライン)が前期比+0.5%(予想+0.5%、前回+0.6%)、前年比+3.0%(予想+3.0%、前回+2.9%)とほぼ予想通りである一方、RBAが注目するアンダーライイング・インフレーション(ボラタイル項目を削除した刈り込み平均値)は前期比+0.8%(予想+0.6%、前回+0.5%)、前年比+2.9%(予想+2.7%、前回+2.6%)となり加重中央値は前期比+0.6%(予想+0.6%、前回+0.7%)、前年比+2.7%(予想+2.7%、前回+2.7%)であった。ヘッドライン・インフレーションはRBAターゲット2-3%の上限に到達して過去2年半で最高水準であり、RBAの金融政策のガイドとなるアンダーライイング・インフレーションは過去4年間で最大の上昇となった。
この結果を受けて10年債利回りは前日の3.372%から3.411%に上昇し、豪ドルは93セント台後半から94セント台半ばを回復している。 また金利先物市場における利下げ織り込み率は向こう12カ月で0.04%まで低下している。

今回のインフレ率上昇では健康保険料、賃貸料、教育費、運賃などのいわゆるサービス部門の上昇が寄与し、一方財の部門ではタバコと食料・雑貨の上昇が目立った。
健康保険料の上昇は4月からのヘルス・ファンド・プレミアム引き上げの影響が大きい。
数週間前にスティーブンスRBA総裁はタスマニア・ホバートでの講演で「豪ドルの過大評価は数セントの話ではない、RBAは依然として武器(利下げ)を有する」と述べて豪ドル高をけん制したが、その前提として“物価上昇圧力は今年下半期に弱まる”というRBAの予測があった。
RBAが今年2月に金融政策をニュートラルバイアスに戻して以降も、豪ドル高が国内経済に悪影響を与え、失業率がさらに悪化することを防ぐためにも金融緩和余地を常に強調してきた。
しかし今回の結果では依然として緩慢な賃金の伸びが今後上昇する場合、低インフレを支援材料とする豪ドル高けん制効果がもはや期待できなくなる恐れがあるだろう。

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