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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

足元のドル/円相場

更新日:2014年7月17日

サマリー

先週は株価調整・リスク回避色が強かったが、今週は米企業決算も総じて好調であり、イエレンFRB議長の議会証言も無事通過して昨日NYKダウは17,100ドル台に上昇、史上最高値を更新した。
為替市場では先週の円全面高から今週はドル高の動きが目立つ。
ドル/円は相変わらず4月以降の101-103円台レンジを抜けないが、需給面及び金利差から見て足元大きく上伸する要因が乏しいように感じる。
豪ドルは先週の6月雇用統計における失業率の悪化やスティーブンスRBA総裁が再び豪ドル高けん制を行ったことなどから上値が重い展開だ。
特に昨日の予想を上回る中国Q2GDPに対する買いの反応も一時的であり一時93セント台前半、95円割れまで値を下げた。
FRBによる出口戦略の時間軸が来年であるとの市場コンセンサスが強まる状況で米豪金利格差面でのサポートが弱い一方、足元の円クロス軟調も豪ドルの足を引っ張っている。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(7/10-7/17):
AUDUSD: 0.93289-0.94476 AUDYEN: 94.908-95.892

この一週間は先週のポルトガル銀行不安や地政学的懸念に端を発したリスク回避の動きも一服した。総じて好調な米企業決算も追い風となり、イエレンFRB議長の議会証言も波乱なく過ぎてNYK ダウは昨日17,100台に上昇、史上最高値を更新した。
為替市場では先週の円全面高から今週はドル高が顕著になりドルインデックスは月初の79台から80台後半に上昇している。
ドル/円は101円台後半まで上昇したが買い続かず、一方ドラギECB総裁講演における緩和堅持の姿勢やくすぶるポルトガル銀行不安、更には緊張の度を増すウクライナ情勢などを背景にユーロは約1か月ぶりの安値1.35台前半まで下落している。
かかるドル堅調地合にもかかわらず金利先高観の強いポンドは1.71台、174円台と高値圏を維持している。
豪ドルは先週の6月雇用統計における失業率の上昇やスティーブンスRBA総裁の豪ドル高けん制(OZ NOW参照)を嫌気して反落し、昨日の中国Q2GDPや6月小売売上高/鉱工業生産の強い数字に対しても上値重く、一時93セント台前半、95円割れに下落した。
7月に入り豪ドル、ユーロともにやや軟調な展開となっていることからユーロ/豪ドルは1.44-1.45台の揉み合いとなり、一方ニュージーランドのQ2CPIが予想をやや下回ったことから、豪ドル/NZドルは今週になってから1.06台半ばから1.07台半ばに反発している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.9250-0.9450  AUDYEN:93.50-96.50

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.85-1.00  AUDYEN:85.00-105.00

足元のセンチメント…ややベアセンチメント
足元の予想…下押し→押し目買いでサポート

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル(足元ややブル)
・円…ベア(足元ややブル)
・ユーロ/ドル…ニュートラル(足元ややベア)
・豪ドル/ドル…ニュートラル(足元ややベア)

先週はリスク回避の円買いが活発化し、今週もその動きが継続?と読んだが、今週はむしろ円に代わってドルが買い戻されるパターンとなっており、相変わらず翻弄されている。
したがって円からドルへと主役は交替したが、依然堅調なポンド/円以外は、ユーロ/円や豪ドル/円など円クロスは総じて先週と同じく軟調である。
先週に続いてドル/円の上値が重い原因をもう少し考察してみたい。
特にリーマンショック以降リスク回避とその巻き戻しによりドル/円相場が振幅していることは周知の事実であるが、かかるリスク許容度の増減は株価の上下動や地政学的リスクが原因であり、短期的な動きと言えるだろう。
一方、より長期的に相場トレンドを形成する要因は、やはり円需給と日米の金利格差と言えるのではないか。
ドル/円は歴史的に見て、1985年秋のプラザ合意におけるG5国間の“ドル下げ合意”で年初の250円から200円割れまで下落し、その後2011年東日本大震災の年に史上安値75円台を付け、アベノミクス相場で100円を回復したわけだ。
プラザ合意を経てドル/円が大幅下落した背景は日米貿易不均衡があったことは誰もが知るところ。

それでは当時と今で日米の貿易収支不均衡は改善したか?
プラザ合意の翌年1986年の日本の年間貿易黒字が$90bioに対して米国の貿易赤字は$145bioと両国の格差は$235bioである。
一方昨年の数字を比較すると、日本は貿易赤字の$110bioに対して米国の貿易赤字は$647bioであり両国の格差は$537bioと1986年の倍以上に広がっているのだ。
経常収支を比較しても、1986年米国経常収支-$147bioに対して日本が+$86bio、昨年度の米国経常収支が-$379bioに対して日本が+$34bioということでこちらも差が広がっている。
また、短期金利を比較してみると、プラザ合意の時の日銀の円金利高め誘導で日米ともに短期金利は7%前後となったが、今現在は日米ともにほぼゼロ金利状態と、短期金利は当時も今も同レベルである。
一方10年債利回りは、1986年当時米国が約9%であったのに対して日本は6%程度と金利差は3%程度。今現在は米国が2.55%に対して日本は0.55%と金利差は2%程度だが、インフレ格差を勘案した実質金利では歴史的に日米10年債利回り格差は名目より更に縮小するだろう。

もちろん米国の貿易赤字は対日だけではないし、最近の日本の消費者物価は上昇しているのも事実であるが、一言で言えば日米貿易収支格差はむしろ拡大し、また金利差もドル円を意図的に押し下げたプラザ合意時と今では大きな違いがないことが分かる。
結局2012年からドル円が3割も上昇したのは、震災後日本の貿易収支がエネルギー輸入増加を主因に一気に黒字から赤字に転落したインパクトが大きかったためだが、赤字幅が拡大の一途を辿っているわけではなく、相対的には米国との赤字格差は縮小していない。
今後日本の貿易収支のみならず経常収支の赤字化が進めば円は理論的には弱くなるだろう。しかしGPIFなど日本の機関投資家の外物投資が増えれば円安要因にはなるものの、一方で利息収入など移転収支の黒字も同時に増えるためにやはり日本の経常赤字化の可能性は少ないだろう。
また今週の日銀会合後の黒田総裁の会見を見ても追加緩和の出る可能性は極めて少ないだろう。
したがって足元ドル/円が強い上昇トレンドを築く可能性は少ないだろう。

一方で中長期的にドル/円上昇の見方を変えないのは:
1.米国のシェールガス/オイル輸出が解禁され(2016年以降か)貿易赤字が縮小する
2.米国の利上げ
3.日本の原発再開ならず日本の景気回復に伴うエネルギー輸入の増加で貿易収支更に悪化
などが来年以降予想されるため。
もちろん、筆者が以前からリスクシナリオとして述べている日本のデフレ脱却失敗・財政破綻などによる“日本売り・円売り”シナリオは別シナリオである。

豪ドルは、先週金曜日のスティーブンスRBA総裁が地元紙のインタビューで再度“豪ドル高牽制”を行ったが、週初豪ドルは94セント台、95円台と堅調を維持した。しかしイエレンFRB議長のややタカ派的な議会証言や商品相場の軟調を受けて上値が重い。
昨日は予想を上回る中国のQ2GDP(+7.5%)や6月小売売上高・鉱工業生産にもかかわらず93セント台前半、95円割れに下落している。
特に中国国家統計局が「中国経済は今後試練に直面する」と述べたことを嫌気しているようだ。
したがってFRBによる出口戦略の時間軸が来年であることが市場のコンセンサスになっている現状、95セント超えは難しいであろうし、またドル/円の上値が重いことも足元豪ドルの重石となる可能性があるだろう。

【主なイベント】

7/17
(木)

(ユーロ圏)6月CPI
(米)新規失業保険申請件数、6月住宅着工件数/建設許可件数

7/18
(金)

(ユーロ圏)5月 経常収支
(米)6月ミシガン大学消費者態度指数、6月景気先行指数

7/21
(月)

(独)6月PPI

7/22
(火)

(日)5月景気先行指数、5月景気一致指数
(米)6月CPI、6月中古住宅販売

7/23
(水)

(豪)Q2 CPI
(ユーロ圏)7月 消費者信頼感

7/24
(木)

(NZ)準備銀行理事会
(日)6月貿易収支
(中)7月HSBC製造業PMI
(ユーロ圏)(独) 製造業PMI
(米)6月新築住宅販売

7/25
(金)

(日)6月CPI
(独)8月GFK消費者信頼感、7月ifo企業景況感
(米)6月 耐久財受注、新規失業保険申請件数

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(7/10)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・5月コンフェレンスボード・リーディングインデックス+0.2%(前回-0.2%)(7/17)
・6月就業者数+15.9千人(予想+12千人、前回-5.1千人)、労働参加率64.7%(前回64.6%)(7/10)
・7月WESTPAC消費者信頼感+1.9%(前回+0.2% )、94.9(前回93.2)(7/9)
・5月NAB企業信頼感+8(前回+7)、5月NAB企業景況感+2(前回-1)(7/8)
・月ANZ求人広告+4.3%(前回-5.7%)(7/7)
・5月住宅建設許可件数+9.9%(予想+3.2%、前回-5.8%)(7/3)

・5月WESTPAC リーディングインデックス+0.1%(予想+0.1%、前回-0.5%)(6/18)
・Q1GDP前期比+1.1%(予想+0.9%、前回+0.8%)、前年同期比+3.5%(予想+3.2%、前回+2.8%)(6/4)
・Q1経常収支-57億ドル(予想-70億ドル、前回-117億ドル)(6/3)
・民間設備投資(CAPEX)2014/15予想上方修正$137.1bio、前年比-12.0%(前回予想$124.9bio)
2013/14は$167.1bioから$162.88に下方修正(5/29)
・Q1賃金コストインデックス前期比+0.7%(予想+0.7%、前回+0.7%)、前年比+2.6%(予想+2.6%、前回+2.6%)(5/21)
・Q1 PPI 前期比+0.9%(予想+0.6%、前回+0.2%)、前年比+2.5%(予想+2.2%、前回+1.9%)(5/2)

*Bad
・失業率6.0%(予想5.9%、前回5.8%)、full-time-job -3.8千人(前回+22.2千人)(7/10)
・5月小売売上高-0.5%(+0.0%、-0.1%)(7/3)
・5月貿易収支-1,911mio (2012年11月以来最大の赤字、予想-200mio、前回-780mio)(7/2)

・Q1民間設備投資(CAPEX)-4.2%(予想-1.9%、前回-5.2%)(5/29)
・豪州Q1CPI前年比+2.9%(予想+3.2%、前回+2.7%)、前期比+0.6%(予想+0.8%、前回+0.8%)、)RBAアンダーライイングCPI前期比+0.55%(予想+0.7%、前回+0.9%)、前年比+2.6%(予想+2.65、前回+2.6)(4/23)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(5/9)
2014 年GDP見通し +2.75%(前回2月+2.25―+3.25%)
2015年GDP 見通し +2.75―3.75%(前回+3.0―+4.0%)
インフレ見通し
2014年 2.5%(前回2.25-3.25%)

・IMF成長見通し(4/8)
2014年+2.6%(前回+2.8%)
2015年+2.7%(前回+3.0%)

・世銀世界成長見通し(6/10)(1月時)
2014年2.8%(3.2%)
2015年3.4%(3.4%)
2016年 3.5%(3.5%)

-2

-2

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

米企業決算総じて良好、株価堅調(NYKダウ史上高値更新)でセンチメントやや改善。
NYダウは昨日+77ptsの17,138ドル、本日off shoreでは-18pts。昨日VIX恐怖指数は-0.96ptsの11.00。

+2

+2

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から買いが2,276コントラクト減って36,603 コントラクト買い(7/8)。短期筋のポジションは依然ややショート。

+2

-2

商品相場

原油は101ドル台に小反発、金は1301ドル台に小反発、CRBは昨日+0.77ptsの297.49。鉄鉱石は98ドル台に反発、石炭(燃料炭スポット)は70ドル台に下落。

+2

-3

金利・為替(当局)

スティーブンスRBA総裁―豪ドルは高過ぎる、向こう10年以内に経済活動の低迷する可能性、FRBが利上げを実施した場合混乱が発生する可能性、政策金利変更の時期については言及しない(7/11)
(7/3 RBAスティーブンス総裁講演)−金融政策は非常に緩和的で更に緩和余地、豪ドルの過大評価は数セントではない、投資家は豪ドル急落の危険性を過小評価。(RBA理事会7/1、あまりハト派的ではない)−金融政策は引き続き緩和的、豪ドルは歴史的に見て高水準、バランスの取れた成長に豪ドル相場の影響は少ない(7/1)、Debelle総裁補―資金流入減で豪ドル下落の可能性(5/20)、スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(12/12)。米豪10年利回り格差は 0.886%に縮小。

-4

-4

需給

アボット政権海外からの投資促進政策、昨年Q4からの海外投資家の豪州債投資$38bio、6月以降本邦機関投資家の豪ドル投資に期待、向こう2-3年で豪ドル債発行額$200bio、海外からの直接投資・M&Aに絡む豪ドル買い需要の話(中国の鉱業買収―Aquila、PanAust、豪食品Goodman、Glencorp、SPI)。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(輸出増加―過去最高レベルに)。

+3

+3

テクニカル
(チャート)

豪ドル/ドル、豪ドル/円ともに一目均衡表の“雲”の中、ボリンジャーバンド下限に落ちてきたが、雲やバンド下限でサポートされるか。下値サポートライン0.9300、94.50-95.00。昨日やや「下ヒゲ」RSIは豪ドル/ドル46.22%、豪ドル/円42.06%で依然ややoversold。

+2

-2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは80.55に上昇、ユーロは1.35台前半に下落。

-3

+2

中国関連

中国Q2GDP 前年比+7.5%(予想+7.4%、前回+7.4%)、中国国家統計局「上半期の中国経済は安定も今後試練に直面」(7/16)、6月小売売上高+17.3%(前年比予想+12.5%、前回+12.5%)、6月鉱工業生産+9.2%(予想+9.0%、前回+8.8%)(7/16)人民銀行総裁―人民元の変動幅を拡大する(7/10)6月貿易収支は+31.6bio億ドル(予想+37.0bio億、前回+35.9bioドル)、輸出+7.2%(予想+10.4%、前回+7.0%)、輸入+5.5%(予想+6.0%、前回-1.6%)(7/10)、6月CPI +2.3%(予想+2.4%、前回+2.5%)、PPI-1.1%(前回-1.4%)(7/9)、6月HSBC非製造業PMI53.1(15ms high、前回50.76)(7/3)、6月製造業PMI 51.0(予想51.0、前回50.8)(7/1)、6月HSBC製造業PMI(速報)50.8(highest since Nov 2013,1st expansion in 6ms,予想49.7、前回49.4)(6/23)、李克強中国首相―7.5%という今年の中国の成長目標は理に適っている(6/19) 、中国人民銀行一部農業部門/中小企業への融資銀行への預金準備を50bp引き下げ(6/10)、世銀は今年のGDPを7.7%から7.6%に引き下げ(6/10)、中国、ロシアと$100bio天然ガス取引成立との情報(5/20)、中国商務省高官―中国貿易の高成長期は終わった(5/20)、中国Q1GDP +7.4%(予想+7.3%、前回+7.7%)(4/16)、IMFは今年の中国GDP見通しを7.5%で据え置き (4/8)、中国景気刺激策・預金準備率引き下げ観測(3/25)、李首相―シャドーバンクを巡る金融商品で一部債務不履行は不可避(3/15)、中国証券監督管理委―設備過剰の業界に対する融資の削減を目指す(3/11)、中国全人代で今年のGDP目標値+7.5%(昨年と同じ)(3/5)、雲南省で無差別テロ(3/1)、中国信用リスク問題、中国政府30年ぶり大胆な経済・社会改革案を公表(3/18)、一人っ子政策緩和→労働人口増加策。
本日上海総合指数は-13ptsの2,053。

-2

+2

国内政局・産業界等・国際機関

6/19-21世論調査(Nielsen poll)保守党支持率やや挽回、二大政党支持率(2013年9月選挙時、前回)自由連合47.00%(53.5、44.0)、労働党53%(46.5、56.0)S&P財政赤字削減なければAAA格下げの可能性(5/20)、(2014/15連邦予算案は好感―赤字予想298億ドル(今期赤字499億ドル)5年間で均衡財政目標(5/13)ムーディーズは予算案でAAA、「安定的」変わらず。
フォード2016年10月の生産撤退を前倒しも、トヨタ2017年末までに豪州での生産から撤退を表明、リオ・ティント・BHPは今年も投資増計画、ホッキ―財務相―豪州政府債務は$500bio達する(12/11)。カンタス1000人人員削減、GMホールデン撤退表明、住宅価格上昇、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強いQLD州、WA州)、資源産業/非資源産業格差問題、IMF−資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

-2

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

依然やや売りバイアス

-2

-6

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

再びスティーブンス総裁の豪ドル高けん制

今月の理事会で豪州準備銀行(RBA)は過去11カ月、史上最低レベルのオフィシャルキャッシュレート2.5%を維持したが、今週発表されたRBA議事録でも見られるように、5月以来の常套句「最も賢明な政策方針は“一定期間の金利の安定期WP維持すること”」と言う言葉に象徴されるように、しばらく政策の現状維持が予想される。
一方議事録では、為替について「豪ドルは歴史的水準から見て、特に主要商品相場の下落を勘案すれば依然として高く、均衡ある成長をサポートしない」とけん制している。
スティーブンスRBA総裁は7/3の講演において「豪ドルの過大評価は数セントの話ではなく、投資家は豪ドル急落のリスクを過小評価している」と述べたが、先週金曜日に豪紙The Australianのインタビューにおいて再び豪ドル高けん制をしている。
同総裁の発言趣旨は「豪ドルは高過ぎる。向こう10年以内に経済活動の低迷する可能性。FRBが利上げを実施した場合混乱が生じる可能性。政策金利変更の時期については言及しない」というもの。
10年というタイムスパンで論じれば好不況があるのは当然であるが、敢えて下方リスクを指摘している点や、米国の出口戦略が実施されれば豪ドル下落の可能性を指摘しているわけである。
RBAは約1年にわたって政策金利を史上最低レベルに維持しているが、その理由は政府が財政赤字削減に取り組む中、低金利を維持して資源産業から非資源産業へシフトをスムースに行いたいためである。
財政赤字ファイナンスをある程度海外からの資金流入に頼る半面、やっと回復の兆しが見え始めた、豪ドル高の影響を最も受けやすい非資源輸出業や、輸出関連製造業のへの豪ドル高の悪い影響という難しいかじ取りが同総裁を苛立たせているようだ。

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