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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

金利差狙い

更新日:2014年6月12日

サマリー

先週はECB理事会、米国5月雇用統計と重要イベントがあったが、特にECB理事会における積極的追加緩和策発表もあり、今週主要国の株価は軒並み史上高値を更新した。
為替相場ではECB理事会後も依然として追加緩和観測が消えず、ユーロは1.35台前半、138円台前半まで続落している。
一方リスク選好ムードにもかかわらず、明日の日銀会合における政策据え置き観測が強いことから日経平均は15,000円を再び割り込んでおり、加えてユーロ/円クロスの下落も重しとなってドル/円は102円を挟む展開で元気がない。
現在主要国の金融政策には、緩和縮小の時期や金融引き締め観測において各国で大きなばらつきが見られる。
特に市場のボラティリティーが低下してくれば、かかる通貨ごとの金利差を狙ったオペレーションが活発化してくるだろう。
豪ドルは、本日発表された5月雇用統計が予想を下回ったものの大きな崩れが見られない。
第一四半期のGDPが強かったことや、5月の緊縮型予算案発表にもかかわらず企業ならびに消費者信頼感が悪化していないことがサポートしている。
ただ米ドルが堅調地合であるため、上値抵抗線95セントをブレークすることは容易ではないだろう。一方対円では投資家需要もあり引き続き堅調が予想される。
明日の日銀会合で黒田異次元緩和第二弾が発表されれば、大きなサプライズとなるだろう。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(6/5-6/12):
AUDUSD:0.92529-0.94053  AUDYEN:94.897-96.103

先週のビッグイベントECB理事会と米5月雇用統計を通過したが、ECBではある程度予想された各種緩和策の組み合わせと新しい追加緩和が決定され、また米雇用統計は予想通りであり市場に大きな影響はなかった。
今週は米国景気回復期待やECBに代表される主要国の金融緩和継続を好感してNYKダウや独DAX、英FT、カナダTSXなど主要国の株価は軒並み史上高値を付けたが、昨日はさすがに利食いが出て反落した。
市場のリスク選好色は強いものの、ドル/円は日本のQ1GDPが予想を上回ったことから明日の日銀会合における金融政策据え置き観測が強く、加えてユーロ/円などの一部円クロスの下落も重しとなって102円台を割り込む水準に下落。
一方、ユーロは先週のECB理事会における積極的な緩和策決定後も追加緩和観測消えず1.35台前半、138円台前半に続落している。
豪ドルは株高のリスク選好活発化する中、Q1GDPの強い数字や豪ドル債投資観測(OZ NOWご参照)にサポートされ、堅調を維持。本日発表された5月雇用統計が4カ月ぶりに就業者数マイナス(-4.8千人、予想+10.0千人、失業率は前月と変わらず5.8%)と予想を下回ったが、豪ドルはさほどネガティブな反応を見せていない。Full-time-jobが前回の+14.2千人から+22.2千人に増加していることも好感されているようだ。
この結果ユーロ/豪ドルは年初来安値1.43-1.44台まで下落したが、一方豪ドル/NZドルは本日のNZ準備銀行理事会で意外にも利上げ期待を残す形となったことから週初の高値1.10台から1.08台に急落している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.9250-0.9450  AUDYEN:94.00-97.00

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.85-1.00  AUDYEN:85.00-105.00

足元のセンチメント…ややブルセンチメント
足元の予想…利食いこなしながら堅調維持

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル
・円…ベア(足元ミックス)
・ユーロ/ドル…ニュートラル(足元ややベア)
・豪ドル/ドル…ニュートラル(足元ややブル)

今週発表された世銀の世界経済見通しは、前回1月時に比べて2014年が3.2%から2.8%に下方修正されたが、2015年は3.4%、2016年は3.5%で据え置きとなった。
今年の下方修正の主な原因は明白であり、年初の米国の寒波とウクライナ情勢から米国とロシアの成長見通しが米国(2.8%→2.1%)、ロシア(2.2%→0.5%)と大幅下方修正されたこと、及びそこから派生する世界経済への負の影響であろう。
ただウクライナ情勢こそいまだ混沌としているが、米経済の回復期待は根強いものがあり、市場は今年の下方修正よりもむしろ来年、再来年の見通し据え置きに安堵しているようである。
このところ日本や中国を除く欧米中心に主要国の株価は史上高値を更新している。
年初は株価割高感からの世界的な株価の大幅反落予想が見られ、また5月は“sell in May”の格言が囁かれたが、いまだに株価は上昇し続けている。
先週はECB理事会において一連のドラスティックな金融緩和策が発表されたが基本的に世界経済が回復基調にある中、主要国は超緩和政策を継続している環境が株価を押し上げているということだろう。
今後株価に本格的な調整が入るとすれば、この“成長期待と緩和維持”という両輪に変調をきたす時であろう。
そして世界経済の回復基調が続くのであれば、やはり主要国が超緩和政策から脱却して、金融引き締めに転じる時である可能性が高いが、それは来年以降であろう。
それまでの過程において当然主要国間には金融緩和終了/引き締めの時期について大きなバラつきが生じるわけで、その動きを先取りした“金利差狙い”の為替オペレーションが活発化する可能性があるだろう。
売る側の通貨としてはやはり金利先安観が根強いユーロや円ということになるだろう。明日の日銀会合では政策据え置き観測が強いが、来年10月に予定される消費増税実現に向けて追加緩和策がとられればサプライズであろう。
また、ECB理事会や米5月雇用統計などの重要イベントを通過して市場のボラティリティーが低下してくると、係る金利差狙いのオペレーションが活発化する傾向にある。最近の豪ドルの対円、対ユーロの堅調などはその代表格と言えるだろう。
これら短期的なオペレーションとは別に、統計的にも日本の投資家は今年になってユーロ30bioのユーロ建てアセット(主に債券)を売却し、一方過去3四半期で海外投資家は豪州連邦債(新発債)の2/3に当たる$38bioの豪州債を購入し、その1/4は本邦投資家との調査結果もある(Financial Timesより、OZ NOWご参照)。
もちろんこれらの投資すべてに為替が関わるわけではないが、そのインパクトは無視できないだろう。
足元の相場動向の基調は各国の景気格差・金利格差が形成するのではないだろうか。
5月中旬から再び豪ドルは上昇トレンドを築きつつある。
直接にはQ1のGDPが強かったこと(前期比+1.1%、前年同期比+3.5%)や5月の本年度緊縮予算案にもかかわらず、企業ならびに消費者信頼感が大きく損なわれていないことが豪ドルをサポートしている。今週発表された5月のNAB企業信頼感は前月と同じ+7であり、また6月のWESTPAC消費者信頼感は93.2(前回92.9)、+0.2%(前回-6.8%)とまずまずであった。
また本日発表の5月雇用統計は、4カ月ぶりに就業者数が-4.8千人と減少したが、full-time-jobはむしろ前月の+14.2千人から+22.2千人に増えている点が好感されたか、さほど豪ドルは下がっていない。また前述のようなユーロや円見合いの豪ドル買いが活発化している点も豪ドルをサポートしているのだろう。
対米ドルでは5月の年初来高値94セント台半ば―95セントの心理的壁が見えてきたが、米ドル堅調地合や鉄鉱石価格の軟調、更には中国の輸入減少(5月は-1.6%)などの懸念材料もあり、95セント超えは容易ではないだろう。
豪ドル/円はここまでドル/円の軟調を豪ドル/ドルの堅調で打ち消しながらじり高推移してきたが、100円を目指すにはやはりドル/円が上放れる必要があるだろう。
はたして明日の日銀会合で予想外に黒田総裁の異次元緩和第二弾が発表されて、ドル円がこの半年のレンジ100-103円を上抜くか注視したい。

【主なイベント】

6/12
(木)

(NZ)準備銀行キャッシュレート
(豪) 5月雇用統計
(米) 新規失業保険申請件数

6/13
(金)

(日)日銀金融政策決定会合、4月鉱工業生産
(中) 5月鉱工業生産、小売売上高
(ユーロ圏) 4月鉱工業生産

6/16
(月)

(ユーロ圏)5月CPI
(米) 6月NY連銀製造業景気指数、4月対外投資、5月鉱工業生産、5月設備投資

6/17
(火)

(ユーロ圏)6月ZEW調査
(米) 5月CPI、5月住宅着工、5月建設許可件数

6/18
(水)

(日) 5月貿易収支
(米)Q1 経常収支、FOMC

6/19
(木)

(米) FOMC結果発表、6月フィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数

6/20
(金)

(ユーロ圏)4月経常収支、6月消費者信頼感

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(6/5)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・6月WESTPAC消費者信頼感+0.2%(前回-6.8% )、93.2(前回92.9)(6/11)
・5月NAB企業信頼感+7(前回+7、緊縮予算案の割には強い)(6/10)
・Q1GDP前期比+1.1%(予想+0.9%、前回+0.8%)、前年同期比+3.5%(予想+3.2%、前回+2.8%)(6/4)
・Q1経常収支-57億ドル(予想-70億ドル、前回-117億ドル)(6/3)

・民間設備投資(CAPEX)2014/15予想上方修正$137.1bio、前年比-12.0%(前回予想$124.9bio)
2013/14は$167.1bioから$162.88に下方修正(5/29)
・Q1賃金コストインデックス前期比+0.7%(予想+0.7%、前回+0.7%)、前年比+2.6%(予想+2.6%、前回+2.6%)(5/21)
・Q1 PPI 前期比+0.9%(予想+0.6%、前回+0.2%)、前年比+2.5%(予想+2.2%、前回+1.9%)(5/2)
・Q4GDP前期比+0.8%(予想+0.7%、前回+0.6%)、前年比+2.8%(予想+2.5%、前回+2.3%)(3/5)

*Bad
・5月就業者数-4.8千人(予想+10.0千人、前回+10.3千人←+14.2千人から下方修正)、失業率5.8%(予想5.8%、前回5.8%)、労働参加率64.6%(前回64.7%)(6/12)
・5月NAB企業景況感-1(前回0)(6/10)
・4月貿易収支-122mio (6カ月で初めての赤字、予想+510mio、前回+902mio)(6/5)
・4月小売売上高+0.2%(+0.3%、+0.1%)(6/3)
・4月住宅建設許可件数-5.6%(予想+2.0%、前回-3.5%)(6/2)

・Q1民間設備投資(CAPEX)-4.2%(予想-1.9%、前回-5.2%)(5/29)
・4月WESTPAC リーディングインデックス-0.5%(過去5年で最大の下落)0.0%(前回)(5/28)
・豪州Q1CPI前年比+2.9%(予想+3.2%、前回+2.7%)、前期比+0.6%(予想+0.8%、前回+0.8%)、)RBAアンダーライイングCPI前期比+0.55%(予想+0.7%、前回+0.9%)、前年比+2.6%(予想+2.65、前回+2.6)(4/23)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(5/9)
2014 年GDP見通し +2.75%(前回2月+2.25―+3.25%)
2015年GDP 見通し +2.75―3.75%(前回+3.0―+4.0%)
インフレ見通し
2014年 2.5%(前回2.25-3.25%)

・IMF成長見通し(4/8)
2014年+2.6%(前回+2.8%)
2015年+2.7%(前回+3.0%)

・世銀世界成長見通し(6/10)(1月時)
2014年2.8%(3.2%)
2015年3.4%(3.4%)
2016年3.5%(3.5%)

-2

+3

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

株価利食い反落、センチメントやや悪化。
NYダウは昨日-102ptsの16,843ドル、本日off shoreでは-7pts。昨日VIX恐怖指数は+0.61ptsの11.60。

-2

+2

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から買いが5,669コントラクト増えて21,527 コントラクト買い(6/2)。短期筋のロングポジションはやや減少。

-2

+2

商品相場

原油は104ドル台に上昇、金は1260ドル台で保合、CRBは昨日-0.26ptsの305.94。鉄鉱石は93ドル台に小幅下落、石炭(燃料炭スポット)は74ドル台で小康。

-2

-2

金利・為替(当局)

(6/3RBA理事会)―金利安定期が必要、商品相場の下落を勘案すれば豪ドルは歴史的標準から高い、商品相場は依然歴史的水準からは高いが、豪州にとり重要ないくつかの商品は続落している、住宅価格の上昇はやや緩和。Debelle総裁補―資金流入減で豪ドル下落の可能性(5/20)、Q1CPIは予想を下回り利上げ観測後退。スティーブンス総裁―豪ドルの方向性はファンダメンタルズの見通し次第、成長は今年後半強まる(3/26香港講演)。スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(12/12)。米豪10年利回り格差は1.212%に小幅拡大。

-2

-2

需給

昨年Q4からの海外投資家の豪州債投資$38bio、6月以降本邦機関投資家の豪ドル投資に期待、向こう2-3年で豪ドル債発行額$200bio、海外からの直接投資・M&Aに絡む豪ドル買い需要の話(中国の鉱業買収―Aquila、PanAust、豪食品Goodman、Glencorp、SPI)。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(輸出増加―過去最高レベルに)。

+3

+3

テクニカル
(チャート)

一目均衡表の雲の上に乗ってきた。豪ドル、豪ドル円ともにトレンドラインでサポートされている。ボリンジャーバンドの上限をテストしてやや反落。短期移動平均線が下降して長期移動平均線に接近したがクロスせずに反転している。昨日の「上ヒゲ」でやや頭打ち。RSIは豪ドル/ドル61.00%、豪ドル/円60.17%でoverboughtやや解消。

-2

+2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは80.76にやや下落、ユーロは1.35台半前半〜半ばで揉み合い。

-2

-2

中国関連

中国人民銀行一部農業部門/中小企業への融資銀行への預金準備を50bp引き下げ(6/10)、5月CPI +2.5%(予想+2.4%、前回+1.8%)、5月PPI-1.4(予想-1.5、前回-2.0)(6/10)、世銀は今年のGDPを7.7%から7.6%に引き下げ(6/10)、5月貿易収支は+35.9bio億ドル(予想+22.6bio億、前回+18.4bioドル)、輸出+7.0%(予想+6.7%、前回+0.9%)、輸入-1.6%(予想+6.0%、前回+0.8%)(6/8)、5月HSBC非製造業PMI 50.7(前回51.4)(6/5)、5月HSBC製造業PMI(確報)49.4(49.7速報値)(6/3)、5月製造業PMI 50.8(予想50.7、5ms high、前回50.4)(6/1)、5th month below 50 contraction、予想48.3、前回48.1)(5/22)、中国、ロシアと$100bio天然ガス取引成立との情報(5/20)、中国商務省高官―中国貿易の高成長期は終わった(5/20)、4月小売売上高+11.9%(予想+12.2%、前回+12.2%)、3月鉱工業生産+8.7%(予想+8.9%、前回+8.8%)(4/16)、中国Q1GDP +7.4%(予想+7.3%、前回+7.7%)(4/16)、IMFは今年の中国GDP見通しを7.5%で据え置き(4/8)、中国景気刺激策・預金準備率引き下げ観測(3/25)、李首相―シャドーバンクを巡る金融商品で一部債務不履行は不可避(3/15)、中国証券監督管理委―設備過剰の業界に対する融資の削減を目指す(3/11)、中国全人代で今年のGDP目標値+7.5%(昨年と同じ)(3/5)、雲南省で無差別テロ(3/1)、中国信用リスク問題、中国政府30年ぶり大胆な経済・社会改革案を公表(3/18)、一人っ子政策緩和→労働人口増加策。 本日上海総合指数は-4ptsの2,050。

+2

-2

国内政局・産業界等・国際機関

S&P財政赤字削減なければAAA格下げの可能性(5/20)、(2014/15連邦予算案は好感―赤字予想298億ドル(今期赤字499億ドル)5年間で均衡財政目標(5/13)ムーディーズは予算案でAAA、「安定的」変わらず。
5/15-17世論調査(Nielsen poll)保守合同支持率大幅低下、二大政党支持率(2013年9月選挙時、前回)自由連合44.00%(53.5、48.0)、労働党56%(46.5、48.0)、フォード2016年10月の生産撤退を前倒しも、トヨタ2017年末までに豪州での生産から撤退を表明、リオ・ティント・BHPは今年も投資増計画、ホッキ―財務相―豪州政府債務は$500bio達する(12/11)。カンタス1000人人員削減、GMホールデン撤退表明、住宅価格上昇、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強いQLD州、WA州)、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

-2

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

やや売りバイアス

-11

+2

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

本邦投資家の豪ドル債投資増加

最近のFinancial Times(FT)に“Has the ECB rekindled Mrs Watanabe’s love affair with Australia”という興味深い記事が出ていた。直訳すれば「ECB(の金融緩和)がミセスワタナベ(日本の個人投資家の総称)の豪州との情事に再び火をつける」となるが、つまり ”ECBの金融緩和で日本の投資家が欧州投資を豪州投資にシフトしつつある“という内容である。
このFTのデータによると、モルガンスタンレー調査では今年本邦投資家(個人、機関含む)は30bioユーロのユーロアセット(主に欧州債)を売却し、積極的に豪ドル債投資にシフトしているとしている。
一方日本の財務省発表の数字では4月に本邦から豪州への資金流出は$2.9bioに達し、昨年9月以来の豪州への流入総額は$10.9bioになった。
日本以外の諸国からの豪州への資金流入も増えつつあり、過去3四半期で海外投資家の豪州債投資額は$38bioに上り、これは新発豪州連邦債残高の2/3に当たるが、その内本邦投資家の投資額は約1/4と推定されている。
これらの資金流入も豪ドルが1月の86セントから93セントまで上昇した一因としている。現在10年物豪州国債の利回りは3.78%でありこれは独国債(ブンズ)10年物の1.38%を大きく上回っている。
更には日銀の今後の緩和策と更なる国債買い入れにより本邦投資家の目が国内から豪州に向かざるを得ない状況となりつつある。
昨年後半本邦株価が大幅上昇していた折に“ミセスワタナベ”と称される日本の個人投資家のみならず機関投資家も豪州債投資を手控えていた。
しかしながら先月RBAのデベレ総裁補は「4月の数字は本邦投資家の豪ドル債投資の急増を示している」と指摘している。ECBも日銀も今後緩和政策を継続するであろうし、加えてGPIFなどの本邦機関投資家の外物投資の増加が予想されるなど、豪州債への投資増加は一時的なものでは終わらない可能性があるだろう。

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