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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

円キャーリートレード考

更新日:2014年5月29日

サマリー

ウクライナ大統領選後も市場に大きな混乱はなく、むしろ無難に大統領選を乗り切ったことや、ECBの追加緩和観測が主要国の長期金利低下をもたらしているようで、世界的に株価は底堅い動きとなっている。
為替市場ではここに来て再び円高、ドル高、欧州通貨安、資源通貨安の様相となっているが、円については当地でも再び円キャリートレードの可能性が指摘されており、今回はこれについて過去の動きに照らし合わせて考えてみたい。
豪ドルが資源国通貨安の中にあってむしろ底堅い動きとなっているのは、先週見られた多くの悪材料をかなり消化したためだろう。中国による豪州資源投資が最近活発化しており、また鉄鉱石価格下落についても底入れが近いと読む専門家も多いことも支えとなっている。
来週にかけては、追加緩和観測の高まる木曜日のECB理事会と、金曜日に発表される5月の米雇用統計が市場の焦点となる。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(5/22-5/29):
AUDUSD: 0.92128-0.92858 AUDYEN: 93.467-94.531

先週末のウクライナ大統領選挙は親欧米派の勝利で、大きな混乱なく無難に通過したこと、更にはECBの追加緩和観測の高まりが他の主要国の国債利回りも引き下げた形となり、この一週間は世界的に株価は堅調地合を維持した。
為替市場では欧米の休場を挟んで値動きは乏しかったが、ドル/円は102円台を割り込み円クロスも総じて軟調。また、ECBの追加利下げ観測や欧州景況不冴えからユーロは1.36割れに続落し、ポンドも1.67台前半に連れ安となり、資源国通貨も総じて軟調であった。
豪ドルはやや底入れした後92セント台、94円を挟んで揉み合いとなった。
ユーロ/豪ドルは1.48台から1.46台にじり安推移し、一方、豪ドル/NZドルは弱い景況感指数を受けてNZドルが軟調推移していることもあり、先週の安値1.07台から1.09台に上昇している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.9150-0.9350  AUDYEN:93.00-96.00

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.85-1.00  AUDYEN:85.00-105.00

足元のセンチメント…ややブルセンチメント
足元の予想…徐々に底入れから上値テスト

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル
・円…ベア(足元ややブル)
・ユーロ/ドル…ニュートラル(足元ややベア)
・豪ドル/ドル…ニュートラル(足元ややブル)

ウクライナ大統領選挙は無事通過したが、今後天然ガスの供給を含めてロシアの出方が依然としてはっきりしない。仏の失業者数が過去最悪を更新したり、冴えない欧州景況感などに加えて、今週もECB当局者からの来週のECB理事会における追加緩和の可能性を示唆する発言が相次ぎ、ユーロが軟調だが、来週にかけては米国5月雇用統計も市場の焦点となる。

さて、最近NZ準備銀行のウイラー総裁が「NZ堅調の一因は円キャリートレードにある」と発言したが、豪州でも経済紙Australian Financial Reviewに豪ドルの円キャリートレードが活発化しつあるとの記事が載っていた(5/22付)。
円キャリートレードの歴史は結構古く、1998年の米ヘッジファンド“ロングターム・キャピタル・マネージメント(LTCM)”破たん時には、当時同ファンドが有していた大規模な円キャリートレードポジションの解消が大きな原因となって、ドル円は3カ月間に147円台から106円台に暴落した。
また2003年頃から2008年頃にかけて世界経済が4%台の安定成長を見せていた時期には、世界的な余剰資金状況を背景とした円キャリートレードが蔓延し、この間ドル/円は101円台から124円台に上昇し、豪ドル/円も74円台から107円台に、またユーロ/円も126円台から168円台まで大幅上昇した。
そして、2008年秋に起きた“リーマンショック”による急激な円キャリートレードポジション巻き戻しが原因となり、ドル/円は87円まで、豪ドル/円は55円まで、ユーロ/円は112円台まで暴落したのであった。
一般に円キャリートレードとは低金利通貨の円を借り入れてそれを売却し、高金利通貨投資(高金利通貨国の株式市場や債券市場で運用)したり、また資金が新興国市場に流入したりと多種多様の投資形態をなす。
昨年米国の金融緩和縮小が明らかになって以来新興国からの資金流出が話題となったが、これも“低金利通貨ドル”を借り入れてそれを売却して新興国市場に投資すると言う“米ドルキャリートレード”の存在が指摘されていた。
今回円キャリートレードが話題に上って来た背景は、やはり「今後の円とその他通貨の金利格差拡大」ということになる。
つまり円キャリートレードは“金利の次の動き”を読む取引であるからだ。
現在日本や欧州の投資家からの対豪ドルでの円キャリートレード、ユーロキャリートレードが当地でも話題になっているが、それは日銀、ECBとRBAの金融政策を比較し、日銀が当面ゼロ金利政策を継続し、ECBが現在0.25%の政策金利を下げる可能性があることに対してRBAの次のアクションは“利上げ”との思惑が強く働いているためだろう。
2000年代中盤、例えば2006年11月時点の豪州、米国、日本の政策金利水準はそれぞれ6.25%、5.25%、0.40%となっており、円金利と豪ドルや米ドル金利との金利差は円キャリートレードを活発化させる市場環境にあった。
したがって、現在政策金利2.5%のRBAやほぼゼロ金利のFRBが金融引き締めに動くとの思惑が高まれば、円キャリートレードが急激に活発化する可能性は否定できない。
一方シカゴIMMの豪ドルポジションは、昨年4月に買いの7万7千コントラクトに膨らんだが、5月には売りに転換した。その後長らく売りポジションが続いて今年2月には売りの6万コントラクトまで膨らんだ後、4月以降は約1年ぶり買い再びポジションに転換している。逆に最近IMMの円売りポジションが増えていることも、対豪ドルでの円キャリートレードの活発化を裏付けているのではないだろうか。
なお、2000年代は日本が月間1兆円にも上る膨大な貿易黒字を抱えていた時期であり、日米貿易収支格差は円高を指していた訳で、その流れに抵抗していたのが円キャリートレードであったとも考えられる。
したがって、日本の貿易赤字化が恒常化する今日、円キャリートレードが活発化すれば、円安相乗効果から相場へのインパクトは従来にも増して大きくなる可能性があるだろう。

ただ上記のLTCM破たんやリーマンショックに見るように、かかる円キャリートレードが市場の趨勢となれば巨大なポジションが積み上がる傾向にあるため、何らかのデザスター(リスク要因の表面化)が起きた時のポジション崩壊の影響も、これまた甚大であるということは忘れてはならない。
また、2000年代の円キャリートレードと比較して異なる点があり、買う側の通貨つまり豪ドルや米ドルやユーロについても、当該国の景気不透明感が未だに抜けず、また世界的な地政学的懸念などのリスク要因が存在することも足元の円キャリートレードの過熱化を抑制する要因となる可能性があるだろう。

先週初大幅に下落した豪ドルは、その後92セント前半、93円前半で底入れし、現在92セント台後半、94円台半ばまで反発している。
緊縮予算案が嫌気され、5月のWESTPAC消費者信頼感が前月比-6.8%と過去1年で最大の下げ(指数は92.9、前回99.7)となったことから、一時売り圧力が高まったが、S&PのAAA格下げ観測などは差し迫ったリスクとの見方は少なく、現在は落ち着きを取り戻しつつある。
また今朝発表されたQ1CAPEX(民間設備投資)は予想を下回る前期比-4.2%となったが、豪ドルの下落は一時的で、むしろ来年度(2014/15年度)のCAPEX 予想値が$124.9bioから$137.1bioに上方修正されたことで豪ドルが反発しているなど、市場センチメントは徐々に改善されていると考える。 トン当たり96ドルまで下落していた鉄鉱石は98ドルまでやや反発している。
今回の鉄鉱石100ドル割れの原因は中国の需要減退観測があると言われるが、より直接的には中国における銀行融資返済時期(6月、12月)を控えて借り手(鉄鋼業者、住宅関連業者など)が返済資金調達のために大量の鉄鉱石在庫を処分しているとの指摘がある。今年に入って中国の銀行は貸し出し基準の厳格化を徹底している。また融資担保の預金積み増しに応じるために鉄鉱石在庫を売却しているとの指摘もある。
このように鉄鉱石需要減退のみが価格下落の原因ではないようであり、むしろ当地も鉄鉱石アナリストは中国のインフラ投資増加観測もあり、今後鉄鉱石価格は底打ちすると見る向きが多い。
5月に入って一旦大きく値を崩した豪ドルであるが、下値は年初の安値86セント台、88円台には至らず、むしろ底値を切り上げていると言えるだろう。
6月の本邦機関投資家の豪ドル債券投資増額の観測もあり、足元徐々に堅調さを取り戻す可能性があるだろう。

【主なイベント】

5/29
(木)

(中)4月先行指数
(日)4月小売売上高
(米) Q1GDP(改定値)、Q1コアPEC、新規失業保険申請件数

5/30
(金)

(日) 4月失業率、CPI、鉱工業生産、住宅着工件数
(米) 4月個人所得/支出、PCEコアデフレーター、5月シカゴ購買部協会景気指数、5月ミシガン大学消費者信頼感

6/2
(月)

(豪) 4月住宅建設許可件数
(ユーロ圏) 5月 製造業PMI(確報値)
(米) 5月ISM製造業景況指数

6/3
(火)

(豪) Q1経常収支、RBA理事会(金利据え置き予想)
(中) 5月非製造業PMI、HSBC製造業PMI(確報値)
(ユーロ圏) 5月失業率、CPI

6/4
(水)

(豪) Q1GDP
(独)(ユーロ圏) 5月サービス業PMI
(米) 5月ADP雇用統計、4月貿易収支、5月ISM非製造業景況指数

6/5
(木)

(豪)4月貿易収支
(中)5月HSBCサービス業PMI
BOE理事会
ECB理事会
(米) 新規失業保険申請件数

6/6
(金)

(日) 4月景気先行指数
(独) 4月鉱工業生産、4月貿易収支、4月経常収支
(米) 5月雇用統計

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(5/22)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・民間設備投資(CAPEX)2014/15予想上方修正$137.1bio、前年比-12.0%(前回予想$124.9bio)
2013/14は$167.1bioから$162.88に下方修正(5/30)
・Q1賃金コストインデックス前期比+0.7%(予想+0.7%、前回+0.7%)、前年比+2.6%(予想+2.6%、前回+2.6%)(5/21)
・4月NAB企業信頼感+6(前回+4)(5/12)

・4月就業者数+14.2千人(予想+8.8千人、前回+21.9千人←+18.1千人から上方修正)、失業率5.8%(予想5.9%、前回5.8%)、労働参加率67.4%(前回64.7%)(5/8)
・3月貿易収支+731mio (4カ月連続黒字、予想+1,000mio、前回+1,200mio)(5/6)
・4月ANZ 求人広告 +2.2%(前回+1.4%、3カ月連続プラス)(5/5)
・4月TD Securities Inflation +0.4%(前月比、前回+0.2%)、+2.8%(前年比、前回+2.7%)(5/5)
・Q1 PPI 前期比+0.9%(予想+0.6%、前回+0.2%)、前年比+2.5%(予想+2.2%、前回+1.9%)(5/2)
・Q4GDP前期比+0.8%(予想+0.7%、前回+0.6%)、前年比+2.8%(予想+2.5%、前回+2.3%)(3/5)

*Bad
・Q1民間設備投資(CAPEX)-4.2%(予想-1.9%、前回-5.2%)(5/29)
・5月WESTPAC消費者信頼感-6.8%(前回+0.3%、この1年で最大の悪化 )、92.9(前回99.7)(5/21)
・4月NAB企業景況感0(前回+1)(5/12)

・3月小売売上高+0.1%(予想+0.4%、前回+0.2%)(5/7)
・3月住宅建設許可件数-3.5%(予想+1.5%、前回-5.0%)(5/5)
・AIGサービス業指数48.6(前回48.9(5/5)
・豪州Q1CPI前年比+2.9%(予想+3.2%、前回+2.7%)、前期比+0.6%(予想+0.8%、前回+0.8%)、)RBAアンダーライイングCPI前期比+0.55%(予想+0.7%、前回+0.9%)、前年比+2.6%(予想+2.65、前回+2.6)(4/23)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(5/9)
2014 年GDP見通し +2.75%(前回2月+2.25―+3.25%)
2015年GDP 見通し +2.75―3.75%(前回+3.0―+4.0%)
インフレ見通し
2014年 2.5%(前回2.25-3.25%)

・IMF成長見通し(4/8)
2014年+2.6%(前回+2.8%)
2015年+2.7%(前回+3.0%)

+2

-2

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

ウクライナ大統領選挙無難に通過し株価やや軟調も依然高値圏でセンチメントやや改善。
NYダウは昨日-42ptsの16,633ドル、本日off shoreでは+15pts。昨日VIX恐怖指数は+0.17ptsの11.68。

+2

+2

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から買いが2,335コントラクト増え19,462 コントラクト買い(5/20)。短期筋の売りポジションはかなり減る。

+2

+2

商品相場

原油は102ドル台に反落、金は1257ドル台に続落、CRBは昨日-0.61ptsの306.72。鉄鉱石は98ドル台に小幅反発、石炭(燃料炭スポット)は76ドル台で小康。

-2

+2

金利・為替(当局)

Debelle総裁補―資金流入減で豪ドル下落の可能性(5/20)、4月雇用統計で利上げ前倒し観測も、(5/6RBA理事会)―金利は安定期、豪ドルは歴史的標準より高い。連邦予算案控えて豪ドル高けん制か?Q1CPIは予想を下回り利上げ観測後退、最近の豪ドル高は景気回復の支援を妨げ(4/1)、スティーブンス総裁―豪ドルの方向性はファンダメンタルズの見通し次第、成長は今年後半強まる(3/26香港講演)、スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(12/12)、米豪10年利回り格差は1.269%にやや拡大。

-2

-2

需給

新年度投資家の豪ドル投資に期待、向こう2-3年で豪ドル債発行額$200bio、海外からの直接投資・M&Aに絡む豪ドル買い需要の話(中国の鉱業買収―Aquila、PanAust、豪食品Goodman、Glencorp、SPI)。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(輸出増加―過去最高レベルに)。

+3

+3

テクニカル
(チャート)

一目均衡表の雲とボリンジャーバンドが重なり合って横に伸び、スポットはその中で暫く揉み合いか。両バンドの上限と下限が抵抗線とサポート線。90日移動平均線0.9195、94.00により下値がサポートされるかどうか?21日の「下ヒゲ」からじり高に転じているが、下値5月安値0.9200近辺、93.00近辺がブレークすれば次のサポートレベルは0.9000、91円台となる。RSIは豪ドル/ドル45.03%、豪ドル/円42.76%でoversoldがかなり減少。

+2

+2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは80.56に上昇し、ユーロ/ドルは1.36台を割り込む。

-2

-2

中国関連

5月HSBC製造業PMI(速報) 49.7(5ms high、5th month below 50 contraction、予想48.3、前回48.1)(5/22)、中国、ロシアと$100bio天然ガス取引成立との情報(5/20)、中国商務省高官―中国貿易の高成長期は終わった(5/20)、4月小売売上高+11.9%(予想+12.2%、前回+12.2%)、3月鉱工業生産+8.7%(予想+8.9%、前回+8.8%)(4/16)、4月CPI +1.8%(予想+2.1%、前回+2.4%)、4月貿易収支は+18.5bio億ドル(予想+16.7bio億、前回+7.7bioドル)、輸出+0.9%(予想+0.3%、前回-6.6%)、輸入+0.8%(予想-2.1%、前回-11.3%)(5/8)、4月HSBC非製造業PMI 51.4(前回51.9)(5/7)、4月製造業PMI 50.4(予想50.3、3ms high、前回50.3)(5/1)、地方銀行の預金準備率2%引き下げ観測、中国Q1GDP +7.4%(予想+7.3%、前回+7.7%)(4/16)、IMFは今年の中国GDP見通しを7.5%で据え置き(4/8)、世銀は今年のGDPを7.7%から7.6%に下方修正(4/7)、李首相―シャドーバンクを巡る金融商品で一部債務不履行は不可避(3/15)、中国人民銀行―成長率が7.5%下回れば預金準備率引き下げの可能性(3/12)中国証券監督管理委―設備過剰の業界に対する融資の削減を目指す(3/11)、中国全人代で今年のGDP目標値+7.5%(昨年と同じ)(3/5)、雲南省で無差別テロ(3/1)、中国信用リスク問題、中国政府30年ぶり大胆な経済・社会改革案を公表(3/18)、一人っ子政策緩和→労働人口増加策。 2013年GDP +7.7%(予想+7.6%、前年+7.7%)(1/20) 本日上海総合指数は+6ptsの2,056。

+2

+2

国内政局・産業界等・国際機関

S&P財政赤字削減なければAAA格下げの可能性(5/20)、(2014/15連邦予算案は好感―赤字予想298億ドル(今期赤字499億ドル)5年間で均衡財政目標(5/13)ムーディーズは予算案でAAA、「安定的」変わらず。
産業界は赤字補てん増税あるいはガソリン税に反対、政府はRBAのニュートラルバイアスに不満、オフェレル保守党NSW州知事収賄容疑で辞職、再び豪ドル高弊害論、5/15-17世論調査(Nielsen poll)保守合同支持率大幅低下、二大政党支持率(2013年9月選挙時、前回)自由連合44.00%(53.5、48.0)、労働党56%(46.5、48.0)、フォード2016年10月の生産撤退を前倒しも、トヨタ2017年末までに豪州での生産から撤退を表明、リオ・ティント・BHPは今年も投資増計画、ホッキ―財務相―豪州政府債務は$500bio達する(12/11)。カンタス1000人人員削減、GMホールデン撤退表明、住宅価格上昇、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強いQLD州、WA州)、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

-2

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

やや買いバイアス

+5

+5

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

急増する中国の豪州資源投資

豪州不動産ブームの火付け役はチャイナマネーであり、中国本土からの資金流入が活発だ。豪州のカジノ王ジェームス・パッカー(亡父ケリー・パッカーのカジノ帝国を相続した)は、2019年完成予定でハーバーブリッジの袂にホテルやオフィス・レジデンスエリアを備えた超豪華カジノタワーを建設中だが、豪華億ションを完成前に買いあさっては転売(既に莫大な値上がり益が出る)しているのが中国マネーであると言われている。
今年は鉄鉱石や石炭価格が軟調であり、資源株の下落が激しいが、これに目を付けたのが中国マネーであり、最近豪州資源産業買収や資本参加の動きが急激に活発化している。
その背景は豪州資源株が“お手頃価格”に下落してきたことに加えて、中国の習近平体制が安定化し、state-owned-enterprises(中国国営企業、SOE)が先を見越した資源投資を開始したことによる。
現在進みつつあるM&Aや資本参入案件は:
中国鉄鋼ジャイアントBAOSTEELのパースの鉄鉱石・石炭会社AQUITA RESOURCESへの$1.42bio(20%)の資本参入、GUANGDONG RISING ASSETS MANAGEMENTによる銅会社PAN AUSTへの$1.46bio(24%)資本参入、CHINA MERCHANTと豪州会社HASTINGSとのPort of Newcastleへの$1.75bioの共同出資など、現在公表されているだけでも12案件余りがテーブル上にある。
これらの資源産業への投資の中国側の条件は、中国への継続的な供給が可能であり、しかもシェアホールダーとして今後プロジェクト運営への参画が可能な企業となっているのが特徴である。
ただ、最近CHINA LANDBRIDGE ENERGYのコールシームガス会社WESTSIDE買収ビッドが敵対的買収と認定されたように、中国資本は過去においても豪州法制当局から敵対的買収の認定を受けるケースが他国より多い。
豪州は中国の直接投資で第三位を占める重要投資先であり、中国当局からは積極的にゴーサインが出ているが、全てが豪州サイドで受け入れられる訳ではない。

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