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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

ユーロは買われ過ぎ?売られ過ぎ?

更新日:2014年5月15日

サマリー

ウクライナ東南部州の住民投票後も、25日のウクライナ大統領選挙を控えて事態は流動的でリスク回避の動きも見られるが、主要国の株価は総じて堅調でNYダウは今週16,700ドル台に史上高値を更新した。
為替市場では先週とは逆にユーロやポンドなどの欧州通貨が大幅に反落して米ドルは回復地合となった。
6月のECB理事会における追加緩和観測やウクライナ情勢からユーロが大幅に反落したが、今回はユーロをフォーカスしたい。
動きの大きなユーロと比較して、ドル円の上値は102円台前半と極めて限定的であり、米長期債利回り低下やウクライナ情勢によるリスク回避の動き、更には今朝発表された予想を上回る強い日本のQ1GDPにもかかわらず日経平均は軟調でドル円の頭が重い状況だ。

一方、豪ドルは今週も堅調を維持している。
米長期債利回り低下に対して豪ドル金利先高観は根強く、加えて今週発表された2014/15年連邦予算案における財政改善姿勢が市場に評価された形だ。
市場には、豪ドルやNZドルなどオセアニア通貨の金利先高観から、再び“円キャリートレード”が活発化しつつあるとの見方もあるようだ。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(5/8-5/15):
AUDUSD:0.93184-0.94084  AUDYEN:94.907-96.088

この一週間はウクライナ東南部州の住民投票が行われ、親ロ派勝利との情報が流れたが、25日のウクライナ大統領選挙を控えて事態は依然として流動的だ。ただ、ECBやFRBの金融緩和継続観測もあって主要国の株価は堅調であり、NYダウは今週一時16,700台に史上高値を更新した。
為替市場では、ドラギ総裁の6月追加緩和を示唆する発言やウクライナ情勢から、ユーロが対ドルで先週の高値1.40近辺から一時1.37割れまで急落し、ポンドも1.70から1.67台に連れ安となり、欧州通貨安が米ドル反発を主導した。
ただドル/円は、高値も102円台前半と限定的で、米長期債利回り低下や今朝発表のあった強いQ1GDPと株安の影響もあって102円台を割り込んでいる。
豪ドルは、対ドルで93セント台〜94セント近辺、対円で95円台〜96円台と先週の強い4月雇用統計後の堅調地合を維持した。
下値では本邦個人投資家の買い意欲が強く、また火曜日に発表された2014/15年連邦予算案も総じて市場に好感された(OZ NOWご参照)。 ユーロの軟調と相まってユーロ/豪ドルは一時1.45台と年初来安値を更新し、また豪ドル/NZドルも年初来高値圏である1.08台に値を上げている。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.9250-0.9450  AUDYEN:94.00-97.00

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.85-1.00  AUDYEN:85.00-105.00

足元のセンチメント…依然ややブルセンチメント
足元の予想…利食い反落後再度上値テスト

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル
・円…ベア(足元ミックス)
・ユーロ/ドル…ニュートラル(足元ややベア)
・豪ドル/ドル…ニュートラル(足元ややブル)

今、ユーロが熱い。102円近辺にべったりと張り付くドル/円に比べて、6月のECB理事会やウクライナ情勢などの材料もあり通貨のボラティリティーが高い。
先週のECB理事会後からユーロが続落しているが、対ドルで1.4000近辺から1.3690あたりまで約300ポイントも下落し、3月中旬の1.39台後半から1.37台割れへの下落にほぼ匹敵する下落である。

前回はウクライナ情勢緊迫化を受けての下落であったが、今回はドラギ総裁がユーロ高を強くけん制し6月のECB理事会で追加緩和の可能性を示唆したことが大きい。
それにしてもユーロは種々の材料で“行って来い”を繰り返す通貨だ。
今回、2度の300ポイント下落の間、つまり4月上旬に1.36台から1.39台まで反発しているが、その主たる原因はイエレンFRB議長のハト派発言で米国の早期利上げムードが後退したことにあった。

しかしユーロ相場は好悪材料が混じっており厄介である。
経済規模は米国の17兆ドル(2013年名目GDPベース)に対してユーロ圏(18カ国)は13兆ドル、EU全体(28カ国)では米国と同規模の17兆ドルに上り、米国とは正反対にユーロ圏全体では巨額の貿易黒字を生み出す。つまり潜在的には米国に匹敵する世界最大の経済域と言えるだろう。
ただ同時に欧州ソブリンリスクの影響からやっと今年マイナス成長を脱したばかりであり、しかも依然として各国経済にはばらつきがある。ユーロ圏第2位の経済規模の仏の失業率は未だに史上最悪を更新する一方、独経済の優等生ぶりが一際目立つ。またECBを中心に金融統一を実現した半面、財政の一体化、ユーロ圏の銀行監督一元化問題などの根本問題は依然解決されていない。
おまけに今回のウクライナ問題に鑑みるまでもなく、今後東欧を中心としたユーロ圏参入予備軍が新たな混乱を引き起こす可能性も否定できない。
ウクライナ問題にしても欧州世論は必ずしも反ロシアとは言えず、ロシア政府とウクライナ政権のどちらに共感を覚えるかとの問いに独の53%、仏の60%の人が「どちらにも覚えない」と答えているとの調査結果もある。

このように総論として米国に匹敵する世界最大の経済圏に発展しつつあるユーロ圏の通貨でありセカンド・ハードカレンシーであるユーロに対する投資需要が旺盛である一方、各国事情や銀行監督や財政統合など各論にはなお多くの問題を抱えるために、ユーロという通貨のボラティリティーが時として大幅に上昇する特性を有する。
今年ここまでユーロは対ドルで1.34台後半―1.39台後半の500ポイントレンジを形成しているが、昨年は1.27-1.38の1100ポイントレンジであった。リーマンショック前から欧州ソブリンリスク時(2008年-2012年)にかけて見られたレンジ1.18台―1.60台レンジに比較すると随分と大人しい相場になった。
しかし総論OK、各論問題ありの通貨の特性として、ポジションの偏りが生じやすいのも事実であり、その時々に「高過ぎるものは下がる、安過ぎるものは上がる」の相場原則で材料を分析して機敏に対応することが肝要と思われる。
今現在1.37台前半のユーロは買われ過ぎか売られ過ぎか?緩和観測がある6月のECB理事会や5/25のウクライナ大統領選挙を控えて今年の安値1.34台目指して更に売り込まれるとの見方もでき、反面それらを織り込んでここまで反落したとも言える。
ただ5月の1.40近辺で非常に過大評価感が強かった筆者としては、そろそろニュートラルバイアスに近付いているように感じる。

豪ドルは堅調推移している。
理由はいくつかあるが:

  1. RBA理事会で“暫く金利安定期が必要”としてニュートラルバイアス継続が明らかにされ、一方豪ドル高けん制がトーンダウンしたこと。
  2. 米長期債利回り低下に対して豪州の金利先高感の強まり。 また発表されたRBAの“四半期金融報告書”で今年半ばまでのGDPを上昇修正。
  3. 4月雇用統計が強かったこと―失業率5.8%(予想5.9%、前回5.8%)、就業者数+14.2千人(予想+8.8千人、前回+21.9千人←+18.1千人から上方修正)
  4. 中国4月貿易収支が改善したこと。
  5. 来年度連邦予算案で果断な赤字削減や規制緩和策を盛り込んだことが評価されたこと。

など。

今週発表された中国の4月鉱工業生産や小売売上高がやや軟調であったが大きな崩れがなく、特に豪ドル円は今年の高値圏96円台をつけているが、これはNZ準備銀行のウイラー総裁が述べているように「円キャリートレード」がNZドルや豪ドルなどの高金利通貨を押し上げる現象が出始めているのかもしれない。
ただ最近の円キャリートレードはリーマンショック以前の「何年にもわたる大規模キャリートレード」とは大きく異なって短期サイクルであり、ポジションの積み上がりが調整を引き起こす可能性には注意したい。

【主なイベント】

5/15
(木)

(日)Q1GDP
(ユーロ圏)Q1GDP
(米)4月CPI、5月NY連銀製造業景気指数、5月フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数

5/16
(金)

(ユーロ圏)3月貿易収支
(米)4月住宅着工件数、建設許可件数、イエレンFRB議長講演

5/19
(月)

(NZ)Q1PPI

5/20
(火)

(日)3月全産業活動指数
(独)4月PPI
(英)4月CPI、PPI

5/21
(水)

(日)4月貿易収支
(ユーロ圏)3月経常収支、5月消費者信頼感

5/22
(木)

(米)FOMC議事録、イエレンFRB議長講演、4月中古住宅販売、新規失業保険申請件数

5/23
(金)

(独)Q1GDP、5月ifo
(米)4月新築住宅販売件数

5/25
(日)

(その他)ウクライナ大統領選挙

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(5/8)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・4月NAB企業信頼感+6(前回+4)(5/12)
・4月就業者数+14.2千人(予想+8.8千人、前回+21.9千人←+18.1千人から上方修正)、失業率5.8%(予想5.9%、前回5.8%)、労働参加率67.4%(前回64.7%)(5/8)
・3月貿易収支+731mio (4カ月連続黒字、予想+1,000mio、前回+1,200mio)(5/6)
・4月ANZ 求人広告 +2.2%(前回+1.4%、3カ月連続プラス)(5/5)
・4月TD Securities Inflation +0.4%(前月比、前回+0.2%)、+2.8%(前年比、前回+2.7%)(5/5)
・Q1 PPI 前期比+0.9%(予想+0.6%、前回+0.2%)、前年比+2.5%(予想+2.2%、前回+1.9%)(5/2)

・4月消費者インフレ期待指数+2.4%(前回+2.1%、9ms high)(4/10)
・4月WESTPAC消費者信頼感+0.3%(前回-0.7%、5カ月で初めてプラス )、99.7(前回99.5)(4/9)
・Q4GDP前期比+0.8%(予想+0.7%、前回+0.6%)、前年比+2.8%(予想+2.5%、前回+2.3%)(3/5)
・Q4賃金コストインデックス前期比+0.7%(予想+0.6%、前回+0.5%)、前年比+2.6%(予想+2.5%、前回+2.7%)(2/19)

*Bad
・4月NAB企業景況感0(前回+1)(5/12)
・3月小売売上高+0.1%(予想+0.4%、前回+0.2%)(5/7)
・3月住宅建設許可件数-3.5%(予想+1.5%、前回-5.0%)(5/5)
・AIGサービス業指数48.6(前回48.9(5/5)

・豪州Q1CPI前年比+2.9%(予想+3.2%、前回+2.7%)、前期比+0.6%(予想+0.8%、前回+0.8%)、RBAアンダーライイングCPI前期比+0.55%(予想+0.7%、前回+0.9%)、前年比+2.6%(予想+2.65、前回+2.6)(4/23)
・Q4民間設備投資(CAPEX)-5.2%(予想0.0%、前回+3.6%)(2/27)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(5/9)
2014 年GDP見通し +2.75%(前回2月+2.25―+3.25%)
2015年GDP 見通し +2.75―3.75%(前回+3.0―+4.0%)
インフレ見通し
2014年 2.5%(前回2.25-3.25%)

・IMF成長見通し(4/8)
2014年+2.6%(前回+2.8%)
2015年+2.7%(前回+3.0%) 

+3

+3

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

ウクライナ情勢くすぶり、株価軟調でセンチメント悪化。
NYダウは昨日-101ptsの16,613ドル、本日off shoreでは+1pts。昨日VIX恐怖指数は+0.04ptsの12.17。

-2

+3

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から買いが2,069コントラクト減り8,637 コントラクト買い(5/6)。短期筋は依然やや豪ドル買いポジション。

-2

-2

商品相場

原油は102ドル台に反発、金は1304ドル台に反発、CRBは昨日+1.19ptsの308.66。鉄鉱石は103.ドル台で小康、石炭(燃料炭スポット)は76ドル台に小幅上昇。

+2

-2

金利・為替(当局)

4月雇用統計で利上げ前倒し観測も、(5/6RBA理事会)―金利は安定期、豪ドルは歴史的標準より高い。Q1CPIは予想を下回り利上げ観測後退、最近の豪ドル高は景気回復の支援を妨げ(4/1)、スティーブンス総裁―豪ドルの方向性はファンダメンタルズの見通し次第、成長は今年後半強まる(3/26香港講演)、スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(12/12)、米豪10年利回り格差は1.266%に小幅拡大。

+2

+2

需給

新年度投資家の豪ドル投資に期待、向こう2-3年で豪ドル債発行額$200bio、海外からの直接投資・M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(輸出増加―過去最高レベルに)。

+3

+3

テクニカル
(チャート)

一目均衡表の雲が上昇してボリンジャーバンドの中に入ってきた。雲に押し上げられる形で上昇してきたが、今年の高値圏であるレジスタンスレベル0.9450、96.50を前にボリンジャーバンドの上限で跳ね返され頭重い。
RSIは豪ドル/ドル60.14%、豪ドル/円54.45%でoverboughtがやや減った。

-2

+3

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは80.13に上昇し、ユーロ/ドルは1.36台に急落後1.37台前半で小康。

-2

-2

中国関連

4月小売売上高+11.9%(予想+12.2%、前回+12.2%)、3月鉱工業生産+8.7%(予想+8.9%、前回+8.8%)(4/16)、4月CPI +1.8%(予想+2.1%、前回+2.4%)、4月貿易収支は+18.5bio億ドル(予想+16.7bio億、前回+7.7bioドル)、輸出+0.9%(予想+0.3%、前回-6.6%)、輸入+0.8%(予想-2.1%、前回-11.3%)(5/8)、4月HSBC非製造業PMI 51.4(前回51.9)(5/7)、4月HSBC製造業PMI(確報) 48.1(予想48.4、速報48.3)(5/5)、4月製造業PMI 50.4(予想50.3、3ms high、前回50.3)(5/1)、地方銀行の預金準備率2%引き下げ観測、中国Q4GDP +7.4%(予想+7.3%、前回+7.7%)(4/16)、IMFは今年の中国GDP見通しを7.5%で据え置き(4/8)、世銀は7.7%から7.6%に下方修正(4/7)、中国景気刺激策・預金準備率引き下げ観測(3/25)、李首相―シャドーバンクを巡る金融商品で一部債務不履行は不可避(3/15)、中国人民銀行―成長率が7.5%下回れば預金準備率引き下げの可能性(3/12)中国証券監督管理委―設備過剰の業界に対する融資の削減を目指す(3/11)、中国全人代で今年のGDP目標値+7.5%(昨年と同じ)(3/5)、雲南省で無差別テロ(3/1)、中国信用リスク問題、中国政府30年ぶり大胆な経済・社会改革案を公表(3/18)、一人っ子政策緩和→労働人口増加策。 本日上海総合指数は-5ptsの2,042。

-2

+4

国内政局・産業界等・国際機関

2014/15連邦予算案は好感―赤字予想298億ドル(今期赤字499億ドル)5年間で均衡財政目標(5/13)
産業界は赤字補てん増税あるいはガソリン税に反対、政府はRBAのニュートラルバイアスに不満、オフェレル保守党NSW州知事収賄容疑で辞職、再び豪ドル高弊害論、3/13-15世論調査、二大政党支持率(2013年9月選挙時)自由連合81.05(53.5%)、労働党49%(46.5%)、フォード2016年10月の生産撤退を前倒しも、トヨタ2017年末までに豪州での生産から撤退を表明、リオ・ティント・BHPは今年も投資増計画、ホッキ―財務相―豪州政府債務は$500bio達する(12/11)。カンタス1000人人員削減、GMホールデン撤退表明、住宅価格上昇、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強いQLD州、WA州)、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

+2

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

やや買いバイアス

+2

+11

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

2014/15年連邦予算案

5/13夜、ジョー・ホッキー財務省は政権与党として初めての来年度予算案を発表した。
内容はかなり大幅の歳出削減や増税、規制緩和を盛り込み厳しい赤字削減策となったが市場の反応は概して好意的であった。
内容は本年度の財政赤字額を499億ドルと予想し、来年度はこれを298億ドルに削減するとする。そして2018/19年には均衡財政に持って行き、2023/24年にはGDPの1%程度の財政黒字を見込んでいる。
歳出削減は多岐にわたり公務員削減、医療保険制度の縮小、現在10%のGST(日本の消費税に相当)の引き上げ構想、年金支給開始年齢の引き上げ、所得増税など福祉、医療、高等教育、年金など幅広い分野にナタを振るい、次の4年間で370億ドルの財政改善を目指している。 一方、自由党の選挙公約としての炭素税と資源利用税撤廃を明確に打ち出し、また非資源産業へのシフトを支えるために115億ドル規模の包括的なインフラ整備や200億ドル規模の医療研究機関の設立なども盛り込んでいる。

ただ一見、厳しい緊縮財政策に見えるが、実は2016年に予想される総選挙をにらんだ非常に政治色の強い予算案との見方もある。
つまり景気の腰を折らないように急激な足元の歳出削減を抑えており、向こう4年間のGDP対比の出削減は1%前後に過ぎない。一方で中期的には医療や教育関係の歳出削減はかなり大幅なものとなっている。
アボット政権はある程度の支持率を背景に2016年までの現政権は財政のコンソリデーション(安定化)に努め、2016年の総選挙に勝利後2018-19年の均衡財政を目指す方向性を示している訳で、足元のドラスティックな歳出削減を国民に印象付けないようにしているのは明らかである。

なお財政赤字削減は豪政府の主要課題となっているが、政府債務残高はGDPの22%と多い国から数えて135位(1位は日本の230%、米国は11位の102%)、財政収支(年間財政赤字)はGDP比4.4%(米国10.6%、日本9.8%)と主要国中では健全度が上位である。

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