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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

ゴールデンウィーク期間中の「マーケットビュー」掲載予定について
4月末から5月上旬のゴールデンウィーク中、誠に勝手ながら『マーケットビュー』は以下のスケジュールで掲載させていただきます。 何卒よろしくお願いいたします。

日付

掲載

ご執筆者

4月28日(月)

野村雅道氏

4月29日(火)

×

4月30日(水)

和田仁志氏、山中康司氏

5月1日(木)

津田穣氏

5月2日(金)

松崎美子氏、野村雅道氏

5月3日(土)

×

5月4日(日)

×

5月5日(月)

×

5月6日(火)

×

5月7日(水)

和田仁志氏、山中康司氏

※「○」は掲載日、「×」は掲載をしない日となります。

レンジ取引のブレークを夢みつつ

更新日:2014年5月1日

サマリー

日本のゴールデンウイークを控えて引き続き市場活性度は低い。
今週は、ウクライナ情勢に加えて昨日の日銀会合、米国Q1GDP、今朝のFOMC、更には金曜日の米4月雇用統計と材料は多い。
昨日の米国Q1GDPも市場環境次第では米ドルクラッシュにつながるほど弱い数字であったが、ドルの下値も限定的であったのはやはりQ1の数字は悪天候が原因であるのと認識で、市場の関心は景気回復期待がもたれるQ2の数字に向かっているようだ。
米国と欧州の景気格差/金利格差はやはり米国が勝っており、為替市場にもその影響が出てくるだろう。
レンジ取引が続くが、いずれ相場が動き出すことを念頭に準備したい。
豪ドルは先週の予想を下回るQ1CPI後に下値をテストしたが、下値も92セント台前半、94円台半ばと限定的であった。
5月中旬の連邦予算案発表を控えて、アボット政権からは財政赤字補てんのための臨時増税策を出ており、選挙公約で増税を否定したアボット政権と野党間で物議をかもし出している。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの相場レンジ(4/24-5/1):
AUDUSD: 0.92269-0.93158 AUDYEN: 94.504-95.315

イースター休暇後の一週間は、日本のゴールデンウイークを控えて引き続き市場活性度は低かった。
ウクライナ情勢では、欧米が対ロシア追加制裁に乗り出したが大きな混乱はなく、主要国の株価も一進一退というところ。
昨日発表された米国のQ1GDPは、前期比年率で予想の+1.2%を大きく下回る+0.1%(前回は+2.6%)となりドル売りを誘ったが、今朝発表されたFOMCの結果で経済成長の上向きや100億ドルの緩和縮小が確認されたこともあり、ドル/円の下値は102円近辺、ユーロ/ドルの上値は1.38後半と最近のレンジを抜けることはなかった。
先週は予想を下回るQ1CPIを受けて軟調推移した豪ドルであるが、こちらもドル軟調にサポートされて下値は92セント台前半止まりであり、豪ドル/円は95円を挟むレンジ取引に終始した。
昨日のユーロ反発を受けてユーロ/豪ドルは1.47台から1.49台に反発し、一方1.09台まで反発していた豪ドル/NZドルは1.07台に反落している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.9200-0.9400 AUDYEN:93.50-96.50

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD :0.85-1.00  AUDYEN: 85.00-105.00

足元のセンチメント…ブル・ベアミックス
足元の予想…92-93セント台、94-95円台中心の保合

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル(足元ややベア)
・円…ベア(足元ミックス)
・ユーロ/ドル…ニュートラル(足元ややブル)
・豪ドル/ドル…ニュートラル(足元ややベア)

相変わらずのレンジ取引である。
銀行のディーラー時代に「ディーラー殺すには刃物はいらない、相場が動かなければよい」と言う物騒な格言(?)があったが、4月になってからのレンジ取引にはやや閉口してしまう。
昨日の日銀会合の結果は、一部追加緩和予想はあったものの、結果は全員一致で政策現状維持、資金供給量を年間60-70兆円増やす方針を確認したのは3月会合と同じ内容であり、消費増税の影響をもうしばらく見ようとのスタンスだ。
またウクライナ情勢では28日に米・EUが対ロ追加制裁措置を発表したが、これに対してプーチン大統領は「報復制裁は必要ない模様、ロシアはウクライナで軍事的行動を一切取っていない」とやや弱気で言い訳がましい発言となっているのは、諸外国の対ロ経済制裁でロシア経済がかなり弱体化(今年はおそらくマイナス成長)しているのが事実で、早くも“弾がなければ戦はできぬ”状態なのか。
5月25日のウクライナ大統領選挙に向けて、親ロシア派のロシア編入要請や、ロシアの軍事介入、内戦勃発の恐れもあるが、選挙は親欧州派の現大統領優勢と言われ、どうもロシアの介入も尻すぼみになる可能性があるだろう。
今週は米国発の重要イベントが多い。昨日のQ1GDP(速報値、前期比年率+0.1%、予想+1.2%、前回+2.6%)、今朝のFOMC、そして金曜日の4月雇用統計(予想失業率6.6%、NFPR +210千人、前回失業率6.7%、NFPR +192千人)と重要指標が相次ぐ。
極端に悪い昨日のQ1GDPも状況次第では米ドルクラッシュにつながったはずだが、市場は“弱い数字は悪天候の影響で過去のこと”と受け止め、早くも回復基調になっているQ2の数字に関心が行っているようだ。

FOMCでは予想通りに100億ドルのテーパリングが決定されたが、同時に“緩和継続強調”とセットメニューであり、株価をサポートした。
金曜日の米雇用統計の予想は失業率6.6%、非農業部門就業者数+210千人とやや強めだが、厳冬終了と共に雇用環境も上げトレンドに戻っている可能性があり、むしろポジティブサプライズにも備えたい。
また、一向に減らない米国の貿易赤字だが、本格的なシェールガス/オイル輸出は2016年ころから(日本へは2017年以降)ということで、やはり長い目では米ドルフェイバーと言える。
一方、ユーロ圏の今年の経済成長率はせいぜい1.0-1.2%程度と米国の2.8%程度を大きく下回り、加えて+1.8%の成長が予想される独を除けば成長率が1.0%に満たない国がほとんどである。デフレ懸念がある欧州にとっては今後も追加緩和観測とユーロ高懸念が消えないだろう。
筆者は豪ドル以外のトレーディング通貨として現在ドル/円とユーロにフォーカスしている。
ドル/円については中長期的に上昇を読んでおり、年初から基本的に「buy on dips」のスタンスで100円台、101円台ではロングポジション造成を心掛けたがこれはある程度成功した。一方で悔やまれるのは4月初旬の104円台から101円台への大幅調整反落を十分に取れなかったこと。年初からのドル円を一言で言えば「100円、101円台で買って、104円台で売り」が正解であった。
足元このレンジ内取引が予想されるがいずれは“上放れ”と読んでいる。

ユーロ/ドルは年初から1.34台-1.39台レンジの取引だがこちらも4月上旬の1.36台から1.40近くまでの上げ相場を取れなかったのが悔やまれる。ただウクライナ情勢やECB利下げ観測の中でのユーロ買いには勇気がいったと考える。今現在の1.38台後半は依然レンジのかなり上であり、欧米金利/景気格差を考えれば“やや高過ぎる”と考えている。
“理想の取引”など絵に描いた餅に過ぎないが、理想と現実のギャップを少しでも埋めていくように精進したい。

豪ドルは92セント台前半、94円台半ばで下げ止まりやや反発している。
今回の下げ(94セント台半ばから92セント台前半、96円台から94円台半ば)の直接の原因は予想を下回るQ1CPIの結果であるが、やはり3月以降の上げ相場(88セント台から94セント台、90円台から96円台)の調整局面と捉えるべきで、半値戻し地点(91セント台後半、93円台前半)まで落ちない理由はやはり投資家需要であると考える。
ただ5月の新年度予算を控えてRBAや政府・財務省の豪ドル高けん制も予想されるため、対米ドルではあまり上昇は期待できないが、対円では堅調地合を予想する。

来週の豪指標では6(火)RBA理事会(金利据え置き予想)、7(水)3月小売売上高、8(木)4月雇用統計と重要指標が多く、再来週13(火)には注目の2014-15連邦予算案が発表になる。

【主なイベント】

5/1
(木)

(中)4月製造業PMI
(米)4月ISM製造業景況指数、イエレン議長会見、新規失業保険申請件数

5/2
(金)

(豪)Q1PPI
(日)3月失業率
(ユーロ圏)3月失業率
(米)4月雇用統計

5/5
(月)

(豪)3月住宅建設許可件数
(米)4月ISM非製造業景況指数

5/6
(火)

(豪)RBA理事会(金利据え置き予想)、3月貿易収支
(米)3月貿易収支

5/7
(水)

(豪)3月小売売上高
(中)4月HSBCサービス業PMI

5/8
(木)

(豪)4月雇用統計
(中)4月貿易収支
(ユーロ圏)ECB理事会
(英)BOE理事会
(米)新規失業保険申請件数

5/9
(金)

(豪)RBA議事録
(中)4月PPI、CPI

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ重要度を勘案しながら最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にして頂きたい。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(4/24)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・3月就業者数+18.1千人(予想+2.5千人、前回+48.2千人←+47.3千人から上方修正)、失業率5.8%(予想6.1%、前回6.1%)(4/10)
・4月消費者インフレ期待指数+2.4%(前回+2.1%、9ms high)(4/10)
・4月WESTPAC消費者信頼感+0.3%(前回-0.7%、5カ月で初めてプラス )、99.7(前回99.5)(4/9)
・3月NAB企業信頼感+4(前回+7)(4/8)
・3月ANZ 求人広告 +1.4%(前回+4.7%―2カ月連続のプラス)(4/7)

・2月貿易収支+1,200mio (予想+800mio、前回+1,396mio)(4/3)
・Q4GDP前期比+0.8%(予想+0.7%、前回+0.6%)、前年比+2.8%(予想+2.5%、前回+2.3%)(3/5)
・Q4賃金コストインデックス前期比+0.7%(予想+0.6%、前回+0.5%)、前年比+2.6%(予想+2.5%、前回+2.7%)(2/19)

*Bad
・豪州Q4CPI前年比+2.9%(予想+3.2%、前回+2.7%)、前期比+0.6%(予想+0.8%、前回+0.8%)、)RBAアンダーライイングCPI前期比+0.55%(予想+0.7%、前回+0.9%)、前年比+2.6%(予想+2.65、前回+2.6)(4/23)
・3月NAB企業景況感1(前回0)(4/8)

・2月小売売上高+0.2%(予想+0.3%、前回+1.2%)(4/3)
・2月住宅建設許可件数-5.0%(予想-2.0%、前回+6.9%)(4/2)
・AIG製造業指数47.9(前回48.6、5カ月連続50以下)(4/1)
・Q4民間設備投資(CAPEX)-5.2%(予想0.0%、前回+3.6%)(2/27)

----------------------------

・RBA四半期金融政策報告書(2/7)
2014 年GDP見通し +2.25―+3.25%(前回11月+2.0―+3.0%)
2015年GDP 見通し +3.0―4.0%(前回+2.75―+4.25%)
インフレ見通し
2014年 3.0%(前回2.5%)

・IMF成長見通し(4/8)
2014年+2.6%(前回+2.8%)
2015年+2.7%(前回+3.0%) 

-2

-2

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

米Q1GDP弱いがFOMCは予想範囲内で取り敢えず安ど感で株価堅調。 NYダウは昨日+45ptsの16,580ドル、本日off shoreでは-1pts。昨日VIX恐怖指数は-0.30ptsの13.41。

+2

+2

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から買いが8,273コントラクト増えて16,370 コントラクト買い(4/22)。短期筋はポジションの偏りあまりない。

+2

-2

商品相場

原油は99ドル台に、金は1289ドル台に下落、CRBは昨日-2.33ptsの310.24。鉄鉱石は108.ドル台に下落、石炭(燃料炭スポット)は75ドル台に上昇。

-2

+2

金利・為替(当局)

Q1CPIは予想を下回り利上げ観測後退、(4月RBA理事会)―見通しは金利安定期間を予想、豪ドルは歴史的水準より高い、最近の豪ドル高は景気回復の支援を妨げ(4/1)スティーブンス総裁―豪ドルの方向性はファンダメンタルズの見通し次第、成長は今年後半強まる(3/26香港講演)、<スティーブンス総裁>―85セント近辺に下落することが望ましい(12/12)、米豪10年利回り格差は1.45%に拡大。

-2

-2

需給

新年度投資家の豪ドル投資に期待、向こう2-3年で豪ドル債発行額$200bio、海外からの直接投資・M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(輸出増加―過去最高レベルに)。

+3

+3

テクニカル
(チャート)

豪ドル/ドル、豪ドル/円ともに一目均衡表の雲が上昇してスポットを押し上げ。ボリンジャーバンドの下限からやや反発。0.9200、94.50がクリティカルレベルでサポートされるか。RSIは豪ドル/ドル51.67%、豪ドル/円49.62%でほとんど偏りなし。

+2

-2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは79.57に下落、ユーロ/ドルは1.38台後半に上昇。

+2

-2

中国関連

4月製造業PMI 50.4(3ms high、予想50.5、前回50.3)(5/1)、地方銀行の預金準備率2%引き下げ観測、4月HSBC製造業PMI(速報) 48.3(予想48.3、前回48.1)(4/23)、中国Q4GDP +7.4%(予想+7.3%、前回+7.7%)(4/16)、3月小売売上高+12.0(予想+11.9%、前回+13.6%)、3月鉱工業生産+8.8%(予想+9.0%、前回+9.7%)(4/16)、3月CPI +2.4%(予想+2.4%、前回+2.1%)、3月貿易収支は+77億ドル(予想+18億、前回-230億)、輸出-6.6%(予想+4.8%、前回-18.1%)、輸入-11.3%(予想+3.9%、前回+10.1%)(4/10)、IMFは今年の中国GDP見通しを7.5%で据え置き(4/8)、世銀は7.7%から7.6%に下方修正(4/7)、中国景気刺激策・預金準備率引き下げ観測(3/25)、李首相―シャドーバンクを巡る金融商品で一部債務不履行は不可避(3/15)、中国人民銀行―成長率が7.5%下回れば預金準備率引き下げの可能性(3/12)、中国全人代で今年のGDP目標値+7.5%(昨年と同じ)(3/5)、雲南省で無差別テロ(3/1)、中国信用リスク問題、中国政府30年ぶり大胆な経済・社会改革案を公表(3/18)、一人っ子政策緩和→労働人口増加策。 本日上海総合指数+6ptsの2,026。

+2

-2

国内政局・産業界等・国際機関

増税に対する産業界の反発、政府はRBAのニュートラルバイアスに不満、オフェレル保守党NSW州知事収賄容疑で辞職、再び豪ドル高弊害論、3/13-15世論調査、二大政党支持率(2013年9月選挙時)自由連合81.05(53.5%)、労働党49%(46.5%)、フォード2016年10月の生産撤退を前倒しも、トヨタ2017年末までに豪州での生産から撤退を表明、リオ・ティント・BHPは今年も投資増計画、ホッキ―財務相―豪州政府債務は$500bio達する(12/11)。カンタス1000人人員削減、GMホールデン撤退表明、住宅価格上昇、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強いQLD州、WA州)、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

-2

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

やや買いバイアス

+5

-7

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

所得税引き上げの思惑

豪州の2014/2015連邦予算案は5月13日に発表予定であるが、予算案においてアボット政権は財政赤字補てん対策として年収10万ドル以上や富裕年金生活者に一時的な所得増税を課す旨を発言しており、物議を醸している。

アボット首相は、全所得者を対象としていないこと、またこれは一時的(4〜5年間と発言)な増税であることを強調している。
一方、ビル・ショートン労働党党首は「アボット政権は昨年の選挙公約で増税しない旨明言しており、明らかな公約違反」と非難している。 またAustralian Industry Group (日本の経団連のようなもの)のInnes Willox CEOは「経済成長がトレンドを下回り、労働市場の伸びがせいぜいゼロ状態における増税は個人消費を大きく損なう」と反論している。
この“deficit levy”(赤字埋め合わせ増税)と呼ばれる増税は歴史的にも伝統的な赤字補てん手法であり労働党政権下でも実施されたが、問題は最早歳入に見合った歳出削減が困難な状況で行われる点である。

つまり、とくに世界金融危機以降、個人および企業の収入が政府予想を下回る一方、労働党政権下で拡大した政府支出が既にここ数年政府予算に組み込まれてきた結果の赤字であることが問題。
しかし、資源産業から非資源産業への構造変化が急務である現状における増税は、個人消費のみならず投資や労働や貯蓄意欲を削ぐものであるとの有識者の意見は根強い。
財政赤字拡大の根源が労働党政権下での歳出拡大であることは明白であるが、アボット政権は再び支持率下落のリスクを負う賭けに出ている。

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