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木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

相変わらずリスクネタ(東西問題・南北問題)

更新日:2014年3月6日

サマリー

この一週間は、ウクライナ情勢の緊迫化を受けてリスク回避の動きが活発化したが、後半は軍事衝突が当面回避されるとの見方が強まり、その巻き戻しの動きとなった。
ドル/円はかかるリスク回避の巻き戻しに加えて、厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に国内債券中心の運用を求めない方針を示したこともあり102円台後半まで反発している。
ただウクライナや中国の民族紛争などは依然として流動的であり、まだ暫くは市場を揺すぶるだろう。
このような国際情勢の緊迫化もあってかイエレンFRB議長やカーニーBOE総裁は金融緩和姿勢を鮮明にしており、市場安定化に一役買っているが、この動きは本日のBOE/ECB理事会でも踏襲されるだろう。
豪ドルは、ウクライナ情勢や中国不安を背景に先週軟化したが、今週は中国全人代における今年のGDP目標7.5%やウクライナ情勢一服、更にはQ4GDPや1月小売売上高など国内指標が総じて堅調であったことから再び90セント台、92円台を回復しており、1月時点に比べて悪材料に対する耐性ができつつあるように思える。

豪ドルここまでのレビュー

先週からの(2/27-3/6)の相場レンジ:
AUDUSD:0.88862-0.90323  AUDYEN: 90.044-92.624

この一週間はウクライナ情勢の緊迫化から一時リスク回避の動きが活発化し、ドル/円は101円台前半に下落、また地政学的懸念からユーロも対ドル1.36台半ばに値を落とした。
ただ、今週になってからはウクライナ軍事衝突が当面回避されるとの見方も出て、リスク回避ポジションの巻き戻しがみられたこと、厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に国内債券中心の運用を求めない方針を示したこともあり、ドル/円は102円台後半まで反発している。

先週は中国の不動産融資厳格化観測で人民元及び中国株が下落したが、今秋始まった全人代において今年のGDP目標を昨年同様の7.5%に据え置いたことや、人民元変動幅拡大を打ち出したことより人民元相場はやや落ち着きを取り戻している。
ウクライナや中国情勢を嫌気して89セント割れ、90円近辺案で軟化していた豪ドルは、ウクライナ情勢一服や中国全人代の結果を好感し、また発表された第四四半期のGDPや1月の小売売上高が事前予想を上回る結果となったことから再度90セント台乗せとなり、対円では92円台半ばまで回復している。
この結果ユーロ/豪ドルは先週の高値1.55近辺から1.52近辺に反落し、豪ドル/NZドルは1.06台から1.07台にじり高推移している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ:
AUDUSD:0.8850-0.9150  AUDYEN:91.00-94.00

向う半年の予想レンジ:
AUDUSD:0.85-1.00  AUDYEN:85.00-105.00

足元のセンチメント…ややブルセンチメントに
足元の予想…押し目買いと利食いの売り交錯

主要通貨の中期的バイアス:
・米ドル…保合からややブル
・円…ベア
・ユーロ/ドル…ニュートラル
・豪ドル/ドル…ニュートラル

筆者が休暇を頂いている間に世の中が騒がしくなった。
先週来ウクライナ情勢が緊迫化し、ロシアと欧米間の関係が悪化しているし、また中国雲南省で分離独立を目指す勢力と目されるグループの無差別テロが起こった。今年になってからシリア問題で米ロの対立が表面化したが、ウクライナ問題も歴史的背景があるだけに問題の打開は簡単ではない。
かつて冷戦(東西問題)は解決しても南北問題(宗教、民族、貧富の差などがからむ)は永遠に存在すると語った国際政治学者がいたが、ここに来てまた東西問題がぶり返してきたことは非常に興味深い。
ただ1991年にソ連は崩壊し、一方米国も世界の警察の地位を放棄しつつあり、国際問題は米ソ2強時代とは異なり即G7、G8、G20など世界各国を巻き込んだ外交問題に発展する訳で、それが戦争の抑止力となっていると言える。
そんな中、ロ中が接近しているのはお互い国内で民族紛争を抱えると言う“同病相憐れむ”の図であるが、かかる民族・宗教紛争は今後とも市場を揺さぶるだろう。
もちろん大戦争に発展する可能性は極めて小さいが、高をくくって逆張りで挑むよりは、言い方は悪いが“リスク回避の動きにはなるべく早く参加して、ピークを迎える前に早めにお暇する”ことをお勧めしたい。
更にその後続く“リスク回避の巻き戻し”には積極的に参加したいところだ。
今回の国際紛争でやや霞んだがイエレン新FRB議長が緩和継続を再び強調し、またカーニーBOE総裁が利上げを急がない旨述べているが、かかる中銀の姿勢が市場に安ど感を与えている点も見逃せないところ。
今週は本日のBOE、ECB理事会や明日の米2月雇用統計が注目されるが、国際紛争を抱える現状各国中央銀行は金融緩和姿勢を鮮明にして市場の緊張を解くように努力するだろう。
また米雇用統計が三度続けて弱い数字となれば、さすがに緩和縮小の中断論議が出てくる可能性があるだろう。

豪ドルは、ウクライナ情勢や中国懸念等、本来であれば大幅に下落してもおかしくない状況にあったが、1月の安値(86セント台、88円台)をトライすることなく再度反発している。
国内指標が予想外に堅調で大幅な景気減速懸念が後退した点もあるが、やはり悪材料に対する耐性ができつつあるように思う。 下値不安が払拭されたとは言えないが、特に豪ドル/円については90円前半では本邦個人投資家の強い買い意欲が見られた。

【主なイベント】

3/6
(木)

(英)BOE理事会
(ユーロ圏)ECB理事会、ドラギ総裁会見
(米)新規失業保険申請件数

3/7
(金)

(独)1月鉱工業生産
(米)2月雇用統計

3/8
(土)

(中)2月貿易収支

3/9
(日)

(中)2月PPI、CPI

3/10
(月)

(日)1月国際収支、Q4GDP

3/11
(火)

(独)1月貿易収支

3/12
(水)

(日)2月消費者態度指数
(ユーロ圏)1月鉱工業生産

3/13
(木)

(豪)2月雇用統計
(中)2月小売売上高、鉱工業生産
(米)2月小売売上高、新規失業保険申請件数

3/14
(金)

(日)1月鉱工業生産
(米)2月PPI、3月ミシガン大学消費者信頼感

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にはなる。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(2/20)

豪州経済
ファンダメンタルズ

*Good
・1月小売売上高+1.2%(予想+0.4%、前回+0.7%)(3/6) ・1月貿易収支+1,433mio (予想+100mio、前回+591mio)(3/6)
・Q4GDP前期比+0.8%(予想+0.7%、前回+0.6%)、前年比+2.8%(予想+2.5%、前回+2.3%)(3/5)
・1月住宅建設許可件数+6.8%(前月比、予想+0.5%、前回-2.9%)(3/4)
・Q4賃金コストインデックス前期比+0.7%(予想+0.6%、前回+0.5%)、前年比+2.6%(予想+2.5%、前回+2.7%)(2/19)
・1月NAB企業信頼感+8(前回+6)、企業景況感+4(前回+3)(2/11)
・豪州Q4CPI前年比+2.7%(予想+2.4%、前回+2.2%)、前期比+0.8%(予想+0.4%、前回+1.2%)、)RBAアンダーライイングCPI前期比+0.9%(予想+0.6%、前回+0.65%)、前年比+2.6%(予想+2.3%、前回+2.35)(1/22)
・12月TD Securities インフレーション+0.7%(前月比4 years high、前回 +0.2%)、+2.7%(前年比 5yeras high、前回+2.4%)(1/20) ・12月新車販売+1.7%(前月比、前回+2.1%)、+0.1%(前年比、前回-0.2%)(1/15)
・Q3企業収益+3.9%(2yrs high、予想+1.0%)(12/2)

*Bad
・Q4民間設備投資(CAPEX)-5.2%(予想0.0%、前回+3.6%)(2/27)
・1月熟練工求人数+1.4%(前回+1.7%)(2/19)

・1月就業者数-3.7千人(予想+15.0千人、前回-22.6千人)、1月失業率6.0%(予想5.9%、前回5.8%)(2/13)
・2月WESTPAC消費者信頼感-3.0%(前回-1.7% )、100.2(前回103.3)(2/12)
・Q4PPI Q/Q +0.2%(前回+1.3%)、Y/Y+1.9%(前回+1.9%)(1/31)
RBA四半期金融政策報告書(2/7)
2014 年GDP見通し +2.25-+3.25%(前回11月+2.0-+3.0%)
2015年GDP 見通し +3.0-4.0%(前回+2.75-4.25%)
インフレ見通し
2014年 3.0%(前回2.5%)
2015年半ば 2.25-3.25%
その後2-3%

+4

-3

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

米指標やや軟調も株価底堅く、ウクライナ情勢一服でセンチメント改善。
昨日NYダウは-33 ptsの16,360ドル。本日オフショアでは+22pts。昨日VIX恐怖指数は-0.21の13.89。

+3

-3

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは前週から売りが5,407コントラクト減って38,991 コントラクト売り(2/24)。短期筋のポジションはやや豪ドル買いポジション。

-2

0

商品相場

原油は101ドル台に反落、金は1337ドル台で小康、CRBは昨日-0.18ptsの306.75。鉄石は116ドル台に下落、石炭(燃料炭スポット)は74ドル台に反落。

-2

+3

金利・為替(当局)

3月RBA理事会―豪ドルは歴史的基準より依然として高い(3/4)、雇用悪化で再び利下げ観測(2/13)、2月RBA理事会―Nov 2011に始まる金融緩和終了示唆、豪ドル高けん制なし(2/4)スティーブンス総裁(議会証言)豪ドルは依然不快なほど高い、90セントを越える豪ドル高は経済にふさわしくない、追加利下げにオープン、介入検討したが見送った(12/18)、リダウト理事(80-85セントが望ましい)<スティーブンス総裁―85セント近辺に下落することが望ましい(12/12)米豪10年利回り格差1.36%に縮小。

-3

-2

需給

3月期末に向け豪ドル資産円転の動きも、向こう2-3年で豪ドル債発行額$200bio、本邦機関投資家や外国中銀は豪ドル債(豪ドル)が復活の話。海外からの直接投資、M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(輸出増加)。

-2

-2

テクニカル
(チャート)

豪ドル/ドル、豪ドル/円共に一目均衡表の雲の上で、雲がサポート。ボリンジャーバンドの上部に向けて続伸。「三兵」で力強い。RSIは豪ドル57.63%、豪ドル円57.55%でややoverbought。

+3

-2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは80.18で小康、ユーロ/ドルは1.37台前半に小反落。

-2

+2

中国関連

中国全人代で今年のGDP目標値+7.5%(昨年と同じ)(3/5)、2月製造業PMI 50.2(予想50.1、前回50.5)、2月非製造業PMI55.0(53.4前回)、2月HSBC製造業PMI 48.5(予想48.5、前回48.3)(3/3)、雲南省で無差別テロ(3/1)、1月貿易収支は+318億ドル(予想234億、前回256億)、輸出+10.6%(予想+0.1%、前回+4.3%)、輸入+10.0%(予想+4.0%、前回+8.3%)で強い(2/12)、中国信用リスク問題、IMF2014年成長見通し上方修正(7.3%→7.5%)(1/21)、中国Q4GDP +7.7%(予想+7.6%、前回+7.8%)(1/20)中国政府30年ぶり大胆な経済・社会改革案を公表(3/18)、一人っ子政策緩和→労働人口増加策、 本日上海総合指数-2ptsの2,051。

+2

-2

国内政局・産業界等・国際機関

トヨタ2017年末までに豪州での生産から撤退を表明、豪ドル安弊害論も(インフレ上昇、輸入コスト上昇など)、リオ・ティント・BHPは今年も投資増計画、ホッキ―財務相―豪州政府債務は$500bio達する。カンタス1000人人員削減、GMホールデン撤退表明、世論調査―保守連合48%、労働党52%(11/21-23)、住宅価格上昇、産業界は豪ドル反発を再び懸念、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

-2

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

やや売りバイアスに転換

-1

-11

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

豪第四四半期のGDPは予想を上回る

昨日発表された豪州第四四半期のGDPは前期比+0.8%(予想+0.7%、前回+0.6%)、前年比+2.8%(予想+2.5%、前回+2.3%)と比較的堅調な数字を示し、一部予想される大幅な景気のスローダウン懸念は後退した。
設備投資は低迷したが、家計支出の増加と原材料輸出の拡大がけん引した。
また企業信頼感と企業収益が急上昇し、家計の貯蓄性向が低下した。
住宅価格や株価の上昇による資産効果が個人消費をサポートしている点は否めないが、労働市場の軟調にもかかわらず家計収入が増加傾向である点はやや意外でもあった。

また本日発表された1月の小売売上高は前月比+1.2%と事前予想+0.4%を大きく上回っており、今年になってからも個人消費の堅調が継続していることが確認できた。
このGDPの結果をもってRBAの若手ホープと言われるエドワード理事は「GDPの数字は非常に力強く豪州経済は底を打った可能性がある」と述べている。つまり「豪州経済の牽引が資源投資から住宅建設など他産業に成功裡にシフトしていることを意味しトレンド成長率(3.25%程度)の少し下まで回復しつつある」と述べている。

今回のGDPの結果を受けて、早くも市場は8月利上げを7%程度織り込みつつある。
一方、GDPの改善にも拘わらずジョー・ホッキー財務相は依然として豪州経済と財政の黒字化については悲観的である。
豪州財務省は商品相場、特に鉄鉱石価格の低迷から税収増加に対して弱気な見解を持っており、成長率にしても3%から3.25%台というトレンド成長率に近い数字をターゲットとしているようだ。

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