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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

政治相場から金利相場に

更新日:2013年10月24日

豪ドルここまでのレビュー

この1週間(10/17-10/24)の相場レンジ:
AUDUSD: 0.95263-0.97572  AUDYEN: 93.424-95.655

この1週間は米財政合意を見たが暫定合意である点や米経済への影響が懸念されリスク回避的なムードが高まって株価の上昇も足踏み状態となった。
また火曜日に発表された9月の米雇用統計で非農業部門就業者数が予想を大きく下回る+148千人に留まったことから、米国の量的緩和縮小の先延ばし観測が支配的となり米ドルが全面安となった。
一方、昨日は中国の金融引き締め懸念から円が対主要通貨で買い戻され、ドル/円が98円台前半から97円台前半に、ユーロ/円が135円台前半から133円台半ばに、ポンド/円が159円台前半から156円台後半に大幅下落するなど不安定な動きとなった。

豪ドルは米ドル全面安を受けて6月以来の高値97セント台半ば、95円台半ばまで大幅上昇したが、昨日は中国の金融引き締め観測は高値警戒感で0.9600近辺、93円台半ばまで急落するなど荒い値動きとなった。
またこの豪ドルの急落受けてユーロ/豪ドルは1.41台前半から1.43台半ばに急上昇し、一方、豪ドル/NZドルは1.14台と高値圏を維持している。

いる。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ :
 AUDUSD:0.9450-0.9750  AUDYEN:92.00-95.00

向う半年の予想レンジ :
 AUDUSD :0.87-1.00  AUDYEN: 85.00-105.00

足元のセンチメント――依然ややブルセンチメントだが不安定
足元の予想――押し目買い強いが調整反落も

主要通貨の中期的バイアス :
 ・米ドル―ブル(足元ベア)
 ・円―ベア(足元ややブル)
 ・ユーロ/ドル―ニュートラル(足元ややブル)
 ・豪ドル/ドル―ニュートラル

米国の「財政協議狂想曲」がやっと終わったと思ったら、今度は18日遅れの米国9月雇用統計発表に中国の金融引き締め懸念と市場は相変わらず休む暇もない。
考えてみればわけのわからない政治劇(茶番劇?)から金融・経済というより理論的な世界に市場のフォーカスが戻ってきたことは喜ばしいが、相変わらず市場の解釈は極端だ。

9月の米雇用統計の結果、年内緩和縮小の可能性は“完全に”消え去り、早くても来年の3月だと言う。
しかし9月の雇用統計にしても非農業部門就業者数は予想値+180千人に対して、+148千人と冴えないが、一方前月分は+169千人が+193千人に上方修正され、しかも失業率は前回/予想値の7.3%から7.2%に改善し、着実に7%割れに近付いているのだ。
前例に従えば9月の就業者の上方修正もありうるし、また11月初旬に発表される10月の雇用悪化を懸念する声が強いが、それは政府機関閉鎖と言う“理由がある”訳で、雇用状況の趨勢という点から見れば改善傾向が継続していることに変わりないと思うのだが。

米政府機関の閉鎖の影響もあって年内QE縮小観測が遠のき、加えて来年の2月にはハト派のイエレン新FRB議長が就任するとういう“ドルベア派”にとっては歓迎すべきシナリオではあるが、イエレン新議長が直面する難題は“いかに緩和を継続するか”ではなくて、“いかに緩和を終了させるか”であることには変わりはないと思う。

それにしても市場参加者も余程米国の政治相場に嫌気したか、昨日のドル急落局面にあっては米債フューチャーのプライスがアップするたびにドル円を売っていたのが印象的だ。
やはりトレーダーはビジュアルで捉えられる数字の変化が大好きであり、政治相場は基本的に苦手なのだ。

また昨日は中国の金融引き締め懸念が更に円買い戻しに拍車をかけた。
一方カナダ中銀の政策会合では従来の“利上げバイアスの文言”が削除されたことからカナダドルが急落した。
ECBがかなり語彙を強めて緩和継続を強調しているにもかかわらず上昇を継続するユーロのパーフォーマンスにはやや違和感を覚えるが、そこはやはり“米国の緩和継続”が与えたインパクトが強かったのだろう。
政治相場から解放されて暫くは金利差をにらんだ金利相場が継続するだろう。
金利格差から言えば、やはり足元は米ドル軟調が継続し、一方中国の金融引き締め観測が高まればリスク回避の円買いが活発化する可能性があるだろう。
ドル/円はどこまで実需の円売りが下落速度を遅くするかがポイント。

豪ドルの振幅が大きい。
昨日は一日で97セント台半ばの最近の高値から0.9600近辺に下落し、豪ドル円も95円台半ばから93円台半ばに急落した。
最近の豪ドル上昇の背景は明らかで、米国のQE縮小観測が遠のいたこと、RBAの緩和サイクル終了観測(昨日の予想より強いCPIも含めて)、中国のQ3GDPが7.8%を維持するなど中国の指標がこのところ堅調である点である。
一方昨日の急落の背景は中国当局が最近のインフレ率や住宅バブル懸念から短期市場で流動性を調整する可能性に言及している点で、加えて豪州産業界からも再び“豪ドル高懸念”が表明されている点もある(下の<OZ NOW>参照)。

年初の高値1.06近辺から8月に0.88台半ばまで下落し、その“半値戻し”が0.97台前半であったわけで、さすがに“半値戻し”達成で豪ドル/ドルの上げも一服であろう。
一方豪ドル/円も4月の高値105円台半ばと8月の安値86円台半ばの“半値戻し”が95円台後半とこちらもほぼ達成したが、こちらはドル/円が再度上昇モーメンタムを取り戻せば再び95円台の上を窺う動きとなるだろう。

主なイベントは:
24(木)中国HSBC製造業PMI、米新規失業保険申請件数、EU首脳会議(〜25日)、25(金)日本9月全国CPI、独10月ifo景況感指数、米9月耐久財受注、米10月ミシガン大学消費者信頼感、27(日)欧州冬時間に移行、28(月)米9月鉱工業生産・設備稼働率、29(火)米9月小売売上高、30(水)米10月ADP雇用者数、31(木)FOMC、NZ中銀政策会合、米新規失業保険申請件数

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にはなる。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(10/17)

豪州ファンダメンタルズ
(経済・政治)

*Good
・豪州Q3CPI前年比+2.2%(予想+1.8%、前回+2.4%)、前期比+1.2%(予想+0.8%、前回+0.4%)、)RBAアンダーライイングCPI前期比+0.65%(予想+0.6%、前回+0.55%)、前年比+2.3%(予想+2.2%、前回+2.4%)(10/23)
・Q3NAB企業信頼感+3(前回-1)(10/17)

・9月就業者数+9.1千人(予想+15.0千人、前回-10.8千人)、8月失業率5.6%(予想5.8%、前回5.8%)(10/10)
・9月NAB企業信頼感+12(前回+6)企業景況感-4(前回-6)(10/8)
・9月ANZ求人広告+0.2%(前回-2.0%7か月振りのプラス!)(10/8)
・9月AIG建設実績インデックス47.6(43.7、4ms high)(10/7)
・8月小売売上高+0.4%(予想+0.3%、前回+0.1%)(10/1)
・8月新車販売+0.8%(前回-3.5%)、前年比+0.2%(前回+3.0%)(9/17)
・第2四半期GDP前期比+0.6%(予想+0.5%、前回+0.5%)、前年比+2.6%(予想+2.4%、前回+2.5%)(9/4)
・Q2民間設備投資(CAPEX)+4.0%(予想+0.0%。前回-2.1%)(8/29)

*Bad
・8月WESTPAC リーディングインデックス-0.4%(2011年後半以来最初の下落、前回+0.4%)(10/16)
・8月住宅融資残高-3.9%(予想-2.5%、前回+2.4%)(10/14)
・10月WESTPAC消費者信頼感-2.1%(前回+4.7% largest decline in 5ms)、108.3(前回110.6)(10/9)
・8月住宅建設許可件数-4.7%(予想-0.5%、前回+10.8%)(10/2)
・8月貿易収支-815mio (予想-400mio、前回-1,375mio)(10/2.)
・Q2経常収支-9.4bio(予想-8.5bio、前回-8.7bio)(9/3)
・Q2建設活動前期比-0.3%(予想+1.0%、前回-1.9%、2期連続のマイナス)(8/28)
・RBA四半期金融政策報告書
2013年GDP2.25%(前回2.5%)。インフレ予想2013年2.0%(前回2.25%)(2013/8/09)

+5

+4

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

中国の金融引き締め懸念や株価軟調でセンチメントやや悪化。 昨日NYダウは-54 ptsの15,413ドル。本日オフショアでは+37pts。昨日VIX恐怖指数は+0.09の13.42。

-2

+3

短期筋推定市場ポジションと調整具合

(政府機関閉鎖によりIMM情報はアップデートされず)シカゴIMMの通貨先物ポジションは豪ドル売りコントラクト34,819(前週比売りが7,959コントラクト増える)(9/24付)。短期筋のロングはやや減る。

-2

-2

商品相場

原油は97ドル台に下落、金は1334ドル台と堅調、CRBは-2.98の281.78。鉄石は132ドル台に下落、石炭(燃料炭スポット)は85ドル台に続伸。

-3

+2

金利・為替(当局)

昨日の予想より強いQ3インフレで利下げ観測更に後退、指数RBAの金融緩和終了観測出始める。10月RBA議事録―@追加利下げにドアを開けるもすぐにではないAかなりの程度の刺激策を既に実施、経過を見極めるB低金利の効果は住宅投資に明らかに現れている(初めて「豪ドルの下落が経済をサポート」の文言なし)、米豪10年利回り格差1.499%に拡大。

+4

+4

需給

本邦機関投資家や外国中銀は豪ドル債(豪ドル)がやや復活か。海外からの直接投資、M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。潜在的な輸出の豪ドル買い需要。

+2

+3

テクニカル
(チャート)

豪ドル/ドル、豪ドル/円ともに安定的に一目均衡表の雲の上で両ペア共にはスパンAがスパンBの上(強い)。ボリンジャーバンドの上限に達して昨日大幅反落。昨日の長大陰線が「上部の化け線」で逆向かいを可とするか、あるいは本日も連続陰線となるか?上げ相場が長かっただけに、調整継続の可能性も。RSIは豪ドル67.13%、豪ドル円57.14%でoverboughtやや解消した。

-3

-2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは79.27に下落、ユーロは1.38近辺に上昇。

+2

+2

中国関連

10月HSBC製造業PMI(速報値)50.9(予想50.4、前回50.2)(10/24)、9月の新築住宅価格(前年比+9.1%、前回+8.3%、9カ月連続上昇)(10/33)、中国人民銀行金融政策委員宋氏―インフレ上昇により中銀は短期市場の流動性を緩やかに引きしめる可能性(10/22)、Q2GDP+7.8%(予想+7.8%、前回+7.5%)、9月鉱工業生産+10.2%(予想+10.2%、前回+10.4%)、9月小売売上高+13.3%(予想13.5%、前回+13.4%)(10/18)、9月CPI+3.1%(Y/Y予想+2.8%前回2.6%)、PPI-1.3%(前回-1.6%)(10/14)、9月貿易収支+152億ドル(予想263億ドル、前回286億ドル、輸出-0.3%、前回+7.2%、輸入+7.4%、前回+7.0%)(10/12)本日上海総合指数は-6pts。

-2

+2

国内政局・産業界等

住宅価格の上昇に対する懸念、産業界は豪ドル反発を再び懸念(トヨタ人員削減)、保守連合圧勝―産業界は政権交代・安定(過半数)政権を歓迎、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

-4

-2

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

依然やや売りバイアス

-3

+14

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

早くも産業界は豪ドル高に懸念表明

米国の量的緩和延長観測や堅調な中国指標、更にはRBA緩和サイクル終了観測などを受けて昨日豪ドルは一時97セント台半ばまで上昇したが、8月の戻り安値88セント台から2カ月余りで約10%上昇したわけで、産業界からは再び豪ドル高懸念発言が相次いでいる。
また昨日一日で97セント台半ばから96セント台前半に急落するなどボラティリティーの増加も産業界にとっては頭が痛い。

Qantas AirwayのCEOであるAlan Joyce氏は豪ドル高による燃料費の高騰を航空運賃に値上げに転嫁させないために、非燃料部門のコスト削減に苦慮している。

豪州で有名なワインであるPenfoldsやRosemountやLindemanなどを輸出する世界最大の独立系豪州ワイン製造会社Treasury Wine EstatesのPaul Rayner会長は過去6週間の豪ドル上昇により$15mioの収益が減少したと言う。

現在の97セント台は2011年の110セントに比べればはるかに低いが、やはりこの2カ月余りで10%の上昇は経営戦略に影響を及ぼさざるを得ないと言う。

また全豪でカジノ経営を展開するCrownのマネージングダイレクターRowen Craigie氏は豪ドル高による海外からの観光客の減少という悪夢の再来を口にする。

またOrigin EnergyやAGL Engergyなどの資源会社はこの2-3年の豪ドル高地合において設備投資などのコストを米ドル建てにシフトしつつあり、従来ほどには豪ドルの影響を受けにくいが、むしろ豪ドル高による製造業へのコスト上昇の影響から製造業のエネルギー需要が今後減退することを懸念する。

RBAの金融緩和サイクル終了観測が高まっているが、今後豪ドルが再びパリティーを目指す動きとなれば、RBAが再度利下げを行うという新たな見方も出ている。

 

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