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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

米財政協議難航・債務上限問題が重石

更新日:2013年10月3日

豪ドルここまでのレビュー

この1週間(9/26-10/3)の相場レンジ:
AUDUSD: 0.9281-0.9435  AUDYEN: 90.73-93.01

この1週間は米財政協議難航から市場のリスク許容度が低下し、NYKダウは15,100ドル割れに、また日経平均も一時14,000近辺まで下落し、商品相場も冴えなかった。
前週のFOMCの結果を受けたドル売りは一巡したものの、米金融政策を巡る不透明感や財政協議難航を嫌気してドル円は97円台前半まで下落。

またユーロは1.36台、ポンドは1.62台、豪ドルは0.94台と対ドルで堅調推移し、これらの円クロスはドル円軟調と相殺し合いつつもやや軟調推移した。
特にユーロはドラギ総裁の“金融緩和維持”発言にもかかわらず、イタリアのレッタ政権が下院で信任されたこともあり今年2月以来の高値まで上伸した。

豪ドル/ドルはドル軟調を受けて0.94台に上昇する一方、豪ドル/円は91円近辺まで値を下げた。
ユーロ堅調地合でユーロ/豪ドルは1.45近辺までじり高推移し、一方豪ドル/NZドルは1.12-1.14台で方向感なく揉み合いとなっている。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ :
 AUDUSD:0.9200-0.9500  AUDYEN:90.00-93.00

向う半年の予想レンジ :
 AUDUSD:0.85-1.00  AUDYEN: 83.00-105.00

足元のセンチメント――ミックスセンチメント(ドル安とリスク回避の豪ドル売り)
足元の予想――豪ドル/ドルは利食いに押されて反落、豪ドル/円はリスク回避継続すれば軟調推移

主要通貨の中期的バイアス :
 ・米ドル―ブル(足元ベア)
 ・円―ベア(足元ブル)
 ・ユーロ/ドル―ニュートラル
 ・豪ドル/ドル―ニュートラル

米ドルインデックスは今年1月以来の80割れまで下落している。
この直接の引き金は9月のFOMCにおける量的緩和維持であるが、その後予想されたように米暫定予算が可決されずに一部政府機関が閉鎖され、また10/17に債務上限期限が迫って米国デフォルトに対する危機感が高まっているためである。
日本や豪州の前政権然りでネジレ国会を抱える国は政策運営で行き詰まるという当たり前の結果であるが、その結果を招いたのも国民投票である訳で、なんとも皮肉な結果と言うよりない。

前回政府機関が閉鎖されたのは今から17年前のクリントン政権下で約4週間の閉鎖であった。この時はGDP押し下げ効果が1週間で0.3%、4週間で1.2%と試算されたが、1990年代よりはるかに経済が脆弱である現在の方が、閉鎖が長引く場合のインパクトは大きいだろう。

またこの暫定予算・債務上限問題はFRBの金融政策とも密接に関わっており、これらの諸問題が解決されない限り緩和縮小の実現が遠ざかるとも言える。
現在も大統領、共和・民主両党の議会指導部との交渉が継続しており、早晩解決されればドルが買い戻されると思うが、ルー財務長官も指摘しているように“過剰な楽観論は禁物”であるかもしれない。

豪ドルは米ドルの下落を受けて上昇したが、対円では軟調推移となっている。
当初米国の量的緩和縮小→出口戦略のシナリオから豪ドル/ドル軟調、豪ドル/円堅調のシナリオあったが、現在は緩和維持と財政問題を材料に全く逆の展開となっており、元のシナリオに軌道修正するにはまだ時間がかかりそうだ。
後述のようにRBAの金融緩和観測の後退や、中国景気に対する期待感から一時の下方圧力は減少しているが、一方米財政協議の不調が継続すればリスク回避の動きが活発化するため上値も限定的で、暫くは今年のボトム圏をやや上放れた現レベルでの揉み合いが予想される。

主なイベントは:
3(木)米新規失業保険申請件数、米9月ISM非製造業景況指数、4(金)中国9月HSBC非製造業PMI(確報)、米9月雇用統計(発表されるか定かではない)、8(火)独8月貿易収支、米8月貿易収支、10(木)豪州9月雇用統計、米FOMC議事録、米新規失業保険申請件数、11(金)米9月小売売上高、米10月ミシガン大学消費者信頼感、12(土)中国9月貿易収支 など

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にはなる。

構成要因

ポイント

今回
数値

前回
数値
(9/26)

豪州ファンダメンタルズ
(経済・政治)

*Good
・8月小売売上高+0.4%(予想+0.3%、前回+0.1%)(10/1)
・7月WESTPAC リーディングインデックス+0.6%(3ms high、前回0.0%)(9/18)
・8月新車販売+0.8%(前回-3.5%)、前年比+0.2%(前回+3.0%)(9/17)
・9月WESTPAC消費者信頼感4.7%(前回3.5% 3ms high)110.6(前回105.7)(9/11)
・8月NAB企業信頼感+6(前回-3)企業景況感-6(前回-7)(9/10)
・7月住宅融資残高+2.4%(予想+2.0%、前回+2.6%)(9/9)
・第2四半期GDP前期比+0.6%(予想+0.5%、前回+0.5%)、前年比+2.6%(予想+2.4%、前回+2.5%)(9/4)
・Q2民間設備投資(CAPEX)+4.0%(予想+0.0%。前回-2.1%)(8/29)

*Bad
・8月住宅建設許可件数-4.7%(予想-0.5%、前回+10.8%)(10/2)
・8月貿易収支-815mio (予想-400mio、前回-1,375mio)(10/2)
・8月就業者数-10.8千人(予想+10.0千人、前回-10.2千人)、8月失業率5.8%(予想5.8%、前回5.7%)(9/12)
・8月ANZ求人広告-2.0%(前回-1.1%6か月連続マイナス)(9/9)
・Q2経常収支-9.4bio(予想-8.5bio、前回-8.7bio)(9/3)
・Q2建設活動前期比-0.3%(予想+1.0%、前回-1.9%、2期連続のマイナス)(8/28)
・RBA四半期金融政策報告書
2013年GDP2.25%(前回2.5%)。インフレ予想2013年2.0%(前回2.25%)(2013/8/09)

+2

+2

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

米財政協議難航でセンチメント悪化。
昨日NYダウは-58 ptsの15,133ドル。本日オフショアでは-55pts。昨日VIX恐怖指数は+1.06 の16.60。

-3

-3

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは豪ドル売りコントラクト34,819(前週比売りが7,959コントラクト増える)(9/24付)。短期筋は豪ドル/ドルは再びややロング。

-2

-2

商品相場

原油は103ドル台に小反発、金は1311ドル台に反発、CRBは+2.42の286.44。鉄石は132ル台で小康、石炭(燃料炭スポット)は77ドル台に上昇。

+2

+2

金利・為替(当局)

10月は金利据え置き―景況判断やや改善、追加緩和の示唆なし。豪ドル反発から市場では11月再利下げ観測出る、米豪10年利回り格差1.325%に拡大。

+3

-3

需給

本邦機関投資家や外国中銀の豪ドル債投資は減少傾向、アジア中銀の買いはアジア不安で減少、海外からの直接投資、M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。潜在的な輸出の豪ドル買い需要(鉱業関連)は毎日コンスタント。

+2

+2

テクニカル
(チャート)

豪ドル/ドル、豪ドル/円ともに一目均衡表の雲に向かって下落から再び反発。豪ドル/ドルはスパンAがスパンBの上だが豪ドル/円は依然AがBの下。ボリンジャーバンドの下限付近からやや反発。豪ドル/ドルは9/19以降の下降トレンドから大陽線出して「やぐら」を建てて反発か。昨日陰線だが「下ヒゲ」長い。RSIは豪ドル/ドル59.17%、豪ドル/円は49.62%で豪ドル/ドルは再びややoverboughtに転換。

+2

-3

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは79.96に下落、ユーロは1.36台前半に上昇。

+3

+3

中国関連

9月非製造業PMIは55.4(前回53.9、6ms high)(10/3)、9月製造業PMIは51.1(予想51.6、前回51.0)(10/1)、9月HSBC製造業PMI 51.2(前回50.1)(9/23)、李克強首相「中国経済は良好で安定、今年の成長目標を実現できる、刺激策は中国の深い問題の助けとならない」(9/11)、8月鉱工業生産+10.4%(予想+9.9%、前回+9.7%)、8月小売売上高+13.4%(予想13.3%、前回+13.2%)(9/10)、8月CPI+2.6%(前回2.7%)、PPI-1.6%(前回-2.3%)(9/9)、7月貿易収支+286億ドル(前回178.2億ドル、輸出+7.2、前回+5.1%、輸入+7.0%、前回+10.9%)(9/8)、中国統計局今年のGDP見通しを7.8%から7.7%に下方修正(9/2)、温家宝首相2013年成長目標は2012年と同じ7.5%、インフレ目標3.5%(2013/3/5)2012年GDP+7.8%。今週上海市場は国慶節で休み。

+3

+3

国内政局・産業界等

産業界は豪ドル反発を再び懸念、保守連合圧勝―産業界は政権交代・安定(過半数)政権を歓迎、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。 RBA関連企業とイラク企業のプラスティック紙幣造幣に係る違法裏取引の疑惑。

+1

+1

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

やや買いバイアス

+13

-2

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

豪州住宅価格の上昇

今週RBAは大方の予想通りオフィシャル・キャッシュレートを2.50%に据え置き、今後の追加利下げの可能性についても言及しなかった。
理由は景気判断をやや改善させたことであるが、もう一点今年に入ってからの住宅価格の大幅上昇があると思われる。

シドニー近辺の住宅価格は場所によってこの1年で10%を越える上昇となっているが、特に8月利下げの翌月9月には主要都市の住宅価格(一戸建て)は平均1.6%上昇し、平均価格は50万ドルとなった。これは約46百万円に相当するが、日本の住宅価格と比較してもかなり高価であると言えるのではないだろうか?
特に二大都市シドニーの平均価格は58.8万ドル、メルボルンは52.5万ドルでブリスベンの42万ドル、パースの49.3万ドル、アデレードの37.5万ドルを大きく上回って平均値を押し上げた。
シドニーの価格は2009年4月以降、メルボルンは2010年5月以来の高値である。

8月のRBA議事録で不動産投資の加速に対する懸念が表明され、また9月の議事録では過去2年間にわたる225bpの利下げにより住宅融資金利が史上最低レベルに低下したことが不動産価格上昇の一因と述べられた。
もっともシドニーやメルボルンでも依然として価格上昇がモデレートな地域があり、また住宅供給が拡大しているために、現在の価格上昇が即住宅バブルに繋がるとの見方は少ない。
しかし今の上昇ペースが続けば2014年には住宅バブルとなって、ゆくゆくはバブルが崩壊するとの懸念を持つアナリストは少なくない。
そうなる前にRBAは市中銀行に指導して、現在ニュージーランドで取られているような住宅融資審査基準の厳格化などの措置をとる可能性が指摘されている。

 

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