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木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

ドル売り材料噴出

更新日:2013年9月19日

豪ドルここまでのレビュー

この1週間(9/12-9/19)の相場レンジ:
AUDUSD: 0.92192-0.95280  AUDYEN: 91.691-93.466

この1週間はシリア情勢では大きな進展がなかったが、米国サイドの材料が目立った。先週末にはサマーズ氏がFRB議長候補を辞退し、また今朝のFOMCの結果では予想外の量的緩和維持が発表され株価は大きく上昇し、商品相場も総じて値を上げた。

先週来の不冴えな米国経済指標やタカ派と目されるサマーズ氏のFRB議長辞退ということでドル安が進行したが、この流れは今朝のFOMCでの量的緩和継続で更に加速し、”ドル安・円安”の動きが鮮明となった。ユーロは1.35台、ポンドは1.61台、豪ドルは0.95台と主要通貨は軒並み対米ドルで大幅上昇している。ドル/円も一時98円割れに下落したが、クロス円の上昇を受けてやや下げ止まり。ユーロ/円は132円台後半、ポンド/円は158円台半ば、豪ドル/円は93円台前半に上昇している。

9月に入ってから中国の景気回復期待や政権交代をはやして買い戻しの動きが見られた豪ドルであるが、今朝のFOMCの結果を受けて対米ドルでは6月以来の高値0.95台に、また対円でもドル/円の下落を飲み込む形での上伸となった。

またユーロ/豪ドルは1.42台で軟調推移する一方、豪ドル/NZドルは1.13台に軟調推移しており、NZドルが目下主要通貨中で最強の通貨となっている。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ :
 AUDUSD:0.93-0.96  AUDYEN:92.00-95.00

向う半年の予想レンジ :
 AUDUSD :0.85-1.00  AUDYEN: 83.00-105.00

足元のセンチメント――ブルセンチメント
足元の予想――利食いをこなしつつ上値テスト

主要通貨の中期的バイアス :
 ・米ドル―ブル(足元ベア)
 ・円―ベア
 ・ユーロ/ドル―ニュートラル
 ・豪ドル/ドル―ニュートラル(足元ブル)

先週から今週にかけては、”これでもか、これでもか”とドル売り材料が噴出した。FRB議長レースの先頭を走っていたと思われたサマーズ氏が突然の辞退し、ハト派のイエレン副議長が議長職に収まりそうとの憶測。

また前週の弱い8月雇用統計を裏付けするかのように弱い米指標が相次いだ。更に10/18の米債務上限期限到来を控えて「上限引き上げがなければ10月末〜11月中旬に米国はデフォルトに陥る公算」という穏やかではない米議会予算局長の発言も聞かれた。極めつけは今朝のFOMC結果発表における”予想外のQE維持”である。

それにしても改めてバーナンキ議長は”筋金入りのハト派”であると思う。「出口とは正反対に入口からジャブジャブお金を注ぎ続けますよ」というのだから市場もビックリする訳である。

もちろん失業率がFRB基準値6.5%に対して現在7.3%、一方インフレ率が基準値2.5%に対して現在1.5%前後という事実を見れば、デュアルマンデート(二重政策目標)を付託されたFRBとしては、金融緩和を優先することは理に適っていることは事実である。

しかし”出口は入口より難しい”と言われる中央銀行の金融政策にあって自分の任期終了間際まで出口の道筋すら付けずに次期議長に申し送りとはやや驚いた。FOMC結果発表後ドルは対主要通貨で急落したが、これは意外感による一過性の動きと考える。つまり今回QE縮小は見送られたが、別にQE縮小が消滅した訳でもなく、道筋は既に出来上がっているからだ。

また、これもバーナンキ効果であるが、QE維持を受けて世界的に株価が上昇しており、また新興国市場からの急激な資金流失も回避されるかもしれず、市場のリスク許容度も増加するだろう。
むしろ10月に期限が来る債務上限引き上げ問題が気になる。今年5月のように緊急避難措置で再び先送りするのか。来年度(2013年10月から)の強制歳出削減額も1090億ドルと既に決まっており、債務上限の引き上げにも限界があるだろう。

また上限問題と絡めて歳出カットの目玉である国防費削減上もシリアへの無用な介入は米政府としても避けたいのが本音だろう。

ただ米国財政赤字は前年同期比で見てざっと半減されている訳で(年間で前年の赤字1兆ドルが6000億ドル程度に減っている)、今後のシェールガスの税収増など勘案すれば、債務上限引き上げ問題も早晩か解決向かうだろう。

豪ドルは結果的に大きくリバウンドした。小職予想に反してQE維持の結果のドル安の裏側としての豪ドル高(95セント台)であるが理由はともあれ、今年の高値105セント台から88セント台まで下落して、半値戻し近くまで戻ったことになる。

引き続きポジション調整のショートカバーが予想されるため足元堅調な動きとなろうが、 中国景気期待、政権交代という好材料に予想外の米国QE維持が加わっての95セント台であり、米QE縮小が消滅した訳ではないため、対米ドルの95セントは目先の天井圏にあると考える。

一方豪ドル/円は6月の高値93円台前半を上抜けしつつあり、本邦投資家の買い意欲が戻るようであれば、再び95円のテクニカルポイントを上抜いて、中期的には100円方向を再度テストする可能性も出てくるだろう。
主なイベントは:
19(木)米新規失業保険申請件数、米9月フィラデルフィア連銀景況指数、米9月中古住宅販売、23(月)中国9月HSBC製造業PMI、ユーロ圏9月PMI、24(火)独ifo景況感指数、25(水)米8月耐久財受注、米8月新築住宅販売、26(木)米Q2GDP(確報値)、米新規失業保険申請件数など

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にはなる。

 

ポイント

今回
index

前回
index

豪州ファンダメンタルズ
(経済・政治)

*Good
・7月WESTPAC リーディングインデックス+0.6%(3ms high、前回0.0%)(9/18)
・8月新車販売+0.8%(前回-3.5%)、前年比+0.2%(前回+3.0%)(9/17)
・9月WESTPAC消費者信頼感4.7%(前回3.5% 3ms high)110.6(前回105.7)(9/11)
・8月NAB企業信頼感+6(前回-3)企業景況感-6(前回-7)(9/10)
・7月住宅融資残高+2.4%(予想+2.0%、前回+2.6%)(9/9)

・第2四半期GDP前期比+0.6%(予想+0.5%、前回+0.5%)、前年比+2.6%(予想+2.4%、前回+2.5%)(9/4)
・7月住宅建設許可件数+10.8%(14ms high、予想+4.0%、前回-6.3%)(9/2)
・Q2民間設備投資(CAPEX)+4.0%(予想+0.0%。前回-2.1%)(8/29)
・7月DEWR熟練工求人+0.7%(前回+0.3%)(8/21)
・Q2 Wage cost Index q/q +0.7%(前回+0.7%、y/y+2.9%(前回+3.0%)(8/14)
・RBAアンダーライイングCPI前期比+0.6%(予想+0.5%、前回+0.4%)、前年比+2.4%(予想+2.25%、前回+2.4%)(7/24)

*Bad
・8月就業者数-10.8千人(予想+10.0千人、前回-10.2千人)、8月失業率5.8%(予想5.8%、前回5.7%)(9/12)
・8月ANZ求人広告-2.0%(前回-1.1%6か月連続マイナス)(9/9)
・7月貿易収支-765mio (予想+100mio、前回+243mio)(9/5)
・Q2経常収支-9.4bio(予想-8.5bio、前回-8.7bio)(9/3)
・7月小売売上高+0.1%(予想+0.4%、前回+0.0%)(9/3)
・Q2建設活動前期比-0.3%(予想+1.0%、前回-1.9%、2期連続のマイナス)(8/28)
・6月Conference Board Leading Index -0.2%(4.0%)(8/22)
・Q2PPI 前期比+0.1(前回+0.3)、前年比+1.2%(前回+1.6%)(8/2)
・豪州Q2CPI前年比+2.4%(予想+2.5%、前回+2.5%)、前期比+0.4%(予想+0.5%、前回+0.4%)(7/24)
・Q2NAB企業信頼感-1(前回+2)、企業景況感-4(前回-3)(7/18)

・RBA四半期金融政策報告書
2013年GDP2.25%(前回2.5%)。インフレ予想2013年2.0%(前回2.25%)(2013/8/09)

・豪政府経済見通し(2013/8/2)
GDP 2013/14 2.5%(5月2.75%)に下方修正、GDP2014/15 3.0%(5月3.00%)に据え置き。
2013/14財政赤字301億ドル(5月180億ドル)、2016/17 40億ドル黒字転換
(参考)2013/14 連邦予算案
2013/14連邦予算案― 2012/13年度 194億ドルの財政赤字(オリジナルは15億ドルの黒字予想)、2013/14年度―180億ドル財政赤字、15/16年度は黒字転換予想、GDP予想12/13年度3.0%(従来3.0%)、13/14年度2.75%(従来3.00%)、GDP比債務比率12/13年度-1.3%、13/14年度-1.1%(2013/5/14)

+2

+2

市場センチメント
(リスク値に対する円キャリーポジション造成・/解消などに関わる)

FOMC でQE継続で株価上昇、センチメントやや改善。
昨日NYダウは+147 ptsの15,676ドル。本日オフショアでは-6pts。昨日VIX恐怖指数は-0.94の13.59。

+2

+2

短期筋推定市場ポジションと調整具合

シカゴIMMの通貨先物ポジションは豪ドル売りコントラクト60,032売り(前週比売りが11,474コントラクト減る)(9/7)。短期筋はロング増える。

-3

-3

商品相場

原油は108ドル台に反発、金は1365ドル台に大幅反発、CRBは+2.82の289.54。鉄石は130ル台に下落、石炭(燃料炭スポット)は73ドル台に反発。

+2

-2

金利・為替(当局)

(9月RBA議事録)―追加利下げの可能性をオープンに、しかし差し迫った追加利下げも示唆せず。9月は金利据え置き―今後の追加利下げを示唆する文言は今回もなし、<声明>政策は適切、成長維持のためには政策調整、短期的にはトレンド下回る成長、豪ドル高水準で更なる下落の可能性、1.2年のインフレ率は目標圏内、経済は資源投資の減少に適応して調整していく(8/28)RBAエドワーズ理事―鉱業セクターの低迷に対する国内経済への影響を緩和するため豪ドルは一段と下落する必要がある。米豪10年利回り格差1.376%に拡大。

-2

-2

需給

豪ドル下落で新たな買いが出るか?本邦機関投資家や外国中銀は豪ドル債(豪ドル)買いにやや躊躇、あるいは円転の動きも、アジア中銀の買いはアジア不安で減少、海外からの直接投資、M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。潜在的な輸出の豪ドル買い需要。

+2

+2

テクニカル
(チャート)

豪ドル/ドル、豪ドル/円ともに一目均衡表の雲の上で雲がサポート。また豪ドル/ドルはスパンAが久しぶりにスパンBの上に来た!(豪ドル/円はまだAがBの下)。豪ドル/ドルはボリンジャーバンドの上部に大幅上伸。豪ドル/円は既に今週短期移動平均線が長期を下から上にクロスするゴールデンクロス達成、また豪ドル/ドルも本日ゴールデンクロス!RSIは豪ドル73.64%、豪ドル円は65.82%でoverbought増えてきた。

+5

-2

米ドル(ユーロ)強弱

ドルインデックスは80.25に下落、ユーロは1.35台前半に大幅上昇。

+4

+2

中国関連

李克強首相「中国経済は良好で安定、今年の成長目標を実現できる、刺激策は中国の深い問題の助けとならない」(9/11)、8月鉱工業生産+10.4%(予想+9.9%、前回+9.7%)、8月小売売上高+13.4%(予想13.3%、前回+13.2%)(9/10)、8月CPI+2.6%(前回2.7%)、PPI-1.6%(前回-2.3%)(9/9)、7月貿易収支+286億ドル(前回178.2億ドル、輸出+7.2、前回+5.1%、輸入+7.0%、前回+10.9%)(9/8)、8月HSBC非製造業PMI 52.8(前回51.3)(9/4)、中国統計局今年のGDP見通しを7.8%から7.7%に下方修正(9/2)、8月HSBC製造業PMI 50.1(4カ月で最初の拡大)(9/2)、8月製造業PMI 51.0(1年4か月ぶりの高水準、前回50.3)(9/1)、中国国家統計局―中国経済により明確な安定化の兆し、2013年の成長目標を達成する軌道に乗っている(8/26)、7月レアアース輸出1.8kt+75%(y/y),+10%(m/m)、7月コンフェレンスボード・経済先行インデックス+1.4%(前回+0.8%)、(景気対策)―不動産規制は継続だが都市化政策、IT振興策が打ち出されて株価に好影響、李克強首相「7%は成長最低ライン」(7/23)、中国人民銀行は貸出金利の下限撤廃(7/19)、GDPは一部予想されたほど(6.5-6.7%)悪くはなく予想範囲内、Q2GDP+7.5%(予想+7.5%、前回+7.7%、前々+7.9%)(7/15)、桜継偉財政相―今年後半成長率7%を大きく下回り、前半も7.7%を下回る可能性(7/12)、株価(上海総合指数)今年になって2番目の上げ幅(7/11)、中国国家情報センター・マクロ経済課題チーム―2013年下半期GDP7.6%前後、2013年年間GDP約7.6%(7/4)金融緩和期待後退―中国国務院が穏健で中立的な金融政策維持で緩和期待後退、景気減速・短期金融市場不安IMF中国GDP見通し下方修正(2013年 8.00−APR―→7.75%、2014年8.00%→7.50%)(5/29)人民元高6.17台(過去最高)、中国銀行業監督管理委員会が銀行に対して内需や環境関連への融資拡大を指示で株反発(4/19)、周中国人民銀行総裁は不動産バブル懸念を述べる(3/13)全人代では財政支出拡大提言、温家宝首相2013年成長目標は2012年と同じ7.5%、インフレ目標3.5%(2013/3/5)不動産規制強化で不動産株急落(3/4)、政府は不動産価格抑制を検討か、2012年GDP+7.8%。本日上海総合指数は+2pts。

+4

+3

国内政局・産業界等

保守連合圧勝―産業界は政権交代・安定(過半数)政権を歓迎、豪ドル下落を産業界は好感、予算案発表後S&P、ムーディーズは豪州トリプルA格据え置き、見通し安定的(5/14)、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強い、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

+3

+3

“現状”総合判断
(必ずしも今後の予測とはならず)

依然やや買いバイアス

+19

+5

*Good、Badは豪ドルにとってという意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

海外投資家の豪ドル債需要後退

長年自由党の”陰の財務相”であったJoe Hockey氏は晴れて”表の財務相”となったが頭の痛い問題がある。アボット政権は10年間で財政黒字転換を選挙公約とし、Hockey氏自身も赤字削減を最優先課題の一つとしている。たが、当分は財政赤字が継続する訳で、そのファンディングコスト(調達コスト)の上昇が見込まれるためだ。米国の量的緩和縮小観測が取り沙汰されそれでなくともボンドマーケットの地合は良くない。

加えて今年に入ってから豪州国債(Commonwealth Government Bond)に対する海外投資家、中でも日本及び世界各国中銀という従来の大口購入先の投資需要が減少しているのだ。
投資家需要が減退すれば政府は需要喚起のためにより高い利回りを提供せざるを得なくなり、これが更に財政赤字を悪化させる可能性が指摘される。

昨年初め豪州国債の約8割は海外投資家が保有していたが現在は7割弱に減少している。今年の年初には入札倍率は4倍であったが現在では3倍程度に落ちている。労働党前政権は赤字国債を$30bioほど発行したがそれらが償還を迎えつつあるのも頭の痛い問題である。 過去6年の労働党政権下において世界金融危機が発生し、政府の歳入は減少する一方、財政出動はかつてない規模に拡大したのだ。

前回も指摘したが海外投資家離れは豪ドル債の大幅な利回り低下から妙味を失いつつあることが最大の原因であり、保守自由連合政権は労働党政権の置き土産に今後対峙していかなければならない。

 

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