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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

9月楽観シナリオ/悲観シナリオ

更新日:2013年9月5日

豪ドルここまでのレビュー

この1週間(8/29-9/5)の相場レンジ:
AUDUSD: 0.88914-0.91872  AUDYEN: 86.450-91.560

この1週間はシリア情勢懸念を受けたリスク回避の動きも一服し、シリアへの攻撃があるとしても来週以降に繰り越された。先週不安定であった株価の動きも落ち着いた。
また今週の各国金融政策決定会合や米国雇用統計、週末の2020年オリンピック開催地決定や豪州総選挙などのイベントを控えて動きづらい展開でもあった。
為替市場では資源国通貨や高金利通貨が買い戻されてドルが調整反落する一方、株高やリスク選好を受けて円安傾向が継続した。

豪ドルは反発上昇した。
中国経済の減速が懸念されたほどではないとの見方や、週末の総選挙における政権交代期待が豪ドルをサポートし、発表されたQ2GDPが前年比+2.6%(予想+2.4%、前回+2.5%)と予想をやや上回ったことも豪ドル買い戻しを誘った。
豪ドル/ドルは0.91台後半に上昇し、豪ドル/円は豪ドル自体とドル/円両方の上昇による相乗効果で86円台半ばから91円台半ばまで約5円上昇した。
またユーロ/豪ドルは先週の高値1.50台から1.43台に下落し、豪ドル/NZドルが1.16台半ばに反発するなど、久しぶりに豪ドルが反発を見せた1週間であった。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ :
 AUDUSD:0.9000-0.9300  AUDYEN:90.00-93.00

向う半年の予想レンジ :
 AUDUSD :0.85-1.00   AUDYEN: 83.00-105.00

足元のセンチメント――ブルセンチメント戻りつつある
足元の予想――利食いこなして上伸か

主要通貨の中期的バイアス :
 ・米ドル―ブル(足元ミックス)
 ・円―ベア
 ・ユーロ/ドル―ニュートラル
 ・豪ドル/ドル―ニュートラル(足元ブル)

いよいよBig Septemberに入ってきた。材料満載の月である。
米国FOMC(9/17-18)に向けた量的緩和縮小観測と米経済動向(特に明日の8月雇用統計)、シリア情勢と原油価格動向、中国経済、豪州/独総選挙、オリンピック開催地決定、日本の消費増税問題などなど。
これらの材料がどのように絡んで為替相場、株価、リスク回避の動きを決定づけていくか?
考えても結論など出るはずがないが、やはり9月の相場の動きが年末にかけての、あるいはもう一歩先を見て来年に向けた相場動向を決定するように思う。
過去のリーマンショック、欧州危機、あるいは直近のアベノミクスという“絶対材料”の中にあっては、かえって自らの立ち位置がある程度分かったものだが、かかる多くの材料を適確に消化することは至難の業だと思われる。
従ってここではもっと単純に両極端、つまり楽観的シナリオと悲観的シナリオを考えてみたい。

<楽観的シナリオ>―ドル高、通貨高、円安

  • 明日の米国8月雇用統計をはじめとして米経済の好調が続き、9月のFOMCで量的緩和縮小開始を発表。市場は既に織り込み済みで混乱なく、株式市場もむしろポジティブにとらえて堅調を維持する。
  • シリア情勢では米国はイスラエルやイランなどとの関係上単独軍事介入に踏み切るが、一方で化学兵器使用に対する国際世論が米国を後押し、またロシア・中国を含めて国連もシリア批判を強め、アサド政権崩壊などで軍事介入は短期間で終了。
  • 日本のオリンピック開催が決定し、オリンピック効果からアベノミクス第二弾として再び日本の株価上昇、円安に。
  • 日本の消費増税問題も日銀の強力バックアップやその他の減税策との抱き合わせなどによりネガティブなインパクトは緩和される。

リスク選好の動きが強まり資源国通貨や高金利通貨買い円安の流れ。一方米ドルも米金利上昇を受けて堅調推移。

<悲観的シナリオ>―ドル安、通貨安、円高

  • 米国の8月雇用統計はじめ米経済が再び軟調推移し、9月のQE縮小開始は先送りされ、再び景気悲観論が出て米株価は下落局面に。
  • QE縮小先送りの消化不良から新興国からの資金流出止まらずアジア不安に発展。
  • シリア情勢ではイスラエルやイランなど周辺国を巻き込んで拡散し、一方ロシア・中国などの反対強くて国際世論もまとまらず、米国の短期・限定的介入の思惑が外れる。
  • 日本でのオリンピック開催とならず、失望感と共に日本の株価下落で景気回復期待後退。
  • 消費増税問題は先送りされ日本の財政赤字に対する不信感が増大する。

リスク回避の動きが再び高まり株安・円高シナリオへ。

取り敢えず両極端のシナリオを基準にして実戦に臨みたい。

さて豪ドル。
5月から始まった下落相場は早くも5カ月目に突入した。
従来の短期的な大幅下落/反発の動きとは明らかに異なった展開であり未だ先安観も強い状態である。ただ見方によれば7月以降は低位揉み合いとも見られる訳で先週から見られる底堅さは“いよいよ底入れか?”の期待を持たせる。
反発の原因は明らかであり中国のPMI(50の上に反発)を始めたとした最近の指標に力強さが見られ、鉄鉱石などは一時の120ドル割れから140ドル近くに戻りつつあること。

また下の<OZ NOW>でも書いたが今週末の総選挙で政権交代の可能性が強いこともある。
今週のRBA理事会は予想通りに金利据え置きであり、<声明>に追加利下げ文言がなかったことも豪ドルをサポートしたが、これは8月の議事録で実は“追加利下げの可能性が謳われていた”という事実があるため、あまり参考にならないだろう。
しかしラッド首相は2007年に11年半ぶりに保守党から政権を奪い返しで首相となり2010年にはギラード首相に首相の座を奪われ、今年再び首相に返り咲いたが今回の総選挙で労働党敗退となれば正に“自己完結型”で再び下野することとなる。
“久しぶりの政権奪取”→内紛→国民の離反→下野というパターンはどこの国でも起こりうることなのだろうか?
現在豪州国債の約69.7%は海外投資家が保有する。この数字は昨年Q1では約79%という高い数字であった。
最近はアジア新興国不安からアジアの中銀が豪ドルの外貨準備を取り崩しているとのレポートが聞かれるが、現在のRBAの低金利・豪ドル安政策に対しては海外の投資家を顧みない場当たり的な政策という批判が散見される。
特に財政赤字下においては海外資金の流入を確保するためにも、海外投資家保護という面が今後RBAの課題となってくるのではないだろうか。
政権交代が豪ドル相場に大きな影響を与えるとは思わないが、やはり豪ドルの最大の救世主は中国経済の回復ということになろう。

主なイベントは:
6(金)米国8月雇用統計、7(土)豪州総選挙、2020年オリンピック開催地決定、8(日)中国8月貿易収支、9(月)中国8月CPI、PPI、10(火)中国8月小売売上高/鉱工業生産、12(木)豪州8月雇用統計、米新規失業保険申請件数など。

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にはなる。

 

ポイント

今回
index

前回
index

ファンダメンタルズ

*Good
・第2四半期GDP前期比+0.6%(予想+0.5%、前回+0.5%)、前年比+2.6%(予想+2.4%、前回+2.5%)(9/4)
・7月住宅建設許可件数+10.8%(14ms high、予想+4.0%、前回-6.3%)(9/2)
・Q2民間設備投資(CAPEX)+4.0%(予想+0.0%。前回-2.1%)(8/29)
・7月DEWR熟練工求人+0.7%(前回+0.3%)(8/21)

・8月WESTPAC消費者信頼感105.7(5ms high、前回102.1)(8/14)
・Q2 Wage cost Index q/q +0.7%(前回+0.7%、y/y+2.9%(前回+3.0%)(8/14)
・7月失業率5.7%(予想5.8%、前回5.7%)(8/8)
・RBAアンダーライイングCPI前期比+0.6%(予想+0.5%、前回+0.4%)、前年比+2.4%(予想+2.25%、前回+2.4%)(7/24)

*Bad
・7月貿易収支-765mio (予想+100mio、前回+243mio)(9/5)
・Q2経常収支-9.4bio(予想-8.5bio、前回-8.7bio)(9/3)
・7月小売売上高+0.1%(予想+0.4%、前回+0.0%)(9/3)
・7月HIA新築販売-4.7%(前回+3.4%、過去5カ月で最初の現象
・Q2建設活動前期比-0.3%(予想+1.0%、前回-1.9%、2期連続のマイナス)(8/28)
・6月Conference Board Leading Index -0.2%(4.0%)(8/22)
・6月WESTPAC リーディングインデックス0.0(前回+0.2)(8/21)
・7月新車販売-3.5%(前月比、前回+3.6%)、前年比+3.0%(前回+6.9%)(8/19)
・7月NAB企業信頼感-3(7ms low、前回0)、企業景況感-7(前回-7)(8/13)
・7月就業者数-10.2千人(予想+5.0千人、前回+9.3千人)(8/8)
・7月ANZ求人広告-1.1%(前回-1.6%5か月連続マイナス)(8/6)
・Q2PPI 前期比+0.1(前回+0.3)、前年比+1.2%(前回+1.6%)(8/2)
・豪州Q2CPI前年比+2.4%(予想+2.5%、前回+2.5%)、前期比+0.4%(予想+0.5%、前回+0.4%)(7/24)
・Q2NAB企業信頼感-1(前回+2)、企業景況感-4(前回-3)(7/18)
・RBA四半期金融政策報告書
2013年GDP2.25%(前回2.5%)。インフレ予想2013年2.0%(前回2.25%)(2013/8/09)

・豪政府経済見通し(2013/8/2)
GDP 2013/14 2.5%(5月2.75%)に下方修正、GDP2014/15 3.0%(5月3.00%)に据え置き。
2013/14財政赤字301億ドル(5月180億ドル)、2016/17 40億ドル黒字転換
(参考)2013/14 連邦予算案
2013/14連邦予算案― 2012/13年度 194億ドルの財政赤字(オリジナルは15億ドルの黒字予想)、2013/14年度―180億ドル財政赤字、15/16年度は黒字転換予想、GDP予想12/13年度3.0%(従来3.0%)、13/14年度2.75%(従来3.00%)、GDP比債務比率12/13年度-1.3%、13/14年度-1.1%(2013/5/14)

+2

-2

市場センチメント
(リスク値)

シリア問題来週に持ち越しでリスクやや一服、米雇用統計への期待もあり株価堅調でセンチメントやや改善。 昨日NYダウは+96 ptsの14,930ドル。本日オフショアでは+14pts。昨日VIX恐怖指数は-0.73の15.88。

+2

-3

市場ポジション

シカゴIMMの通貨先物ポジションは豪ドル売りコントラクト71,111(前週比売りが7,934コントラクト増える)(8/27)。短期筋はロングに転換か?

-2

+2

商品相場

原油は107ドル台に反落、金は1392ドル台に反落、CRBは-2.21の290.58。鉄石は139ドル台で小康、石炭(燃料炭スポット)は72ドル台で小康。

-2

+3

金利・為替(当局)

9月は金利据え置き―今後の追加利下げを示唆する文言は今回もなし、<声明>政策は適切、成長維持のためには政策調整、短期的にはトレンド下回る成長、豪ドル高水準で更なる下落の可能性、1.2年のインフレ率は目標圏内、経済は資源投資の減少に適応して調整していく(8/28)RBAエドワーズ理事―鉱業セクターの低迷に対する国内経済への影響を緩和するため豪ドルは一段と下落する必要がある。米豪10年利回り格差1.131%にやや縮小。

-2

-3

需給

豪ドル下落で新たな買いが出るか(本邦機関投資家の外債買い増加)、個人投資家は豪ドル買いにやや躊躇あるいは円転の動きも、アジア中銀の買いはアジア不安で減少、海外からの直接投資、M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。潜在的な輸出の豪ドル買い需要。

+2

+2

テクニカル

豪ドル/ドル、豪ドル/円共に一目均衡表の雲の中まで大幅反発。ただ依然スパンAがスパンBの下で基本は弱い。ボリンジャーバンドの上限に向けて反発し特に豪ドル/円はバンドを一旦抜けた。RSIは豪ドル60.301%、豪ドル/円は63.97でoverboughtになってきた!やはり月曜日の長大陽線が「やぐら」として底値確認の可能性。「三兵」で続伸か?

+3

+2

米ドル強弱

ドルインデックスは81.25にやや反落、ユーロは1.32近辺に反発。

+2

-2

中国関連

8月HSBC非製造業PMI 52.8(前回51.3)(9/4)、中国国家統計局―中国経済により明確な安定化の兆し、2013年の成長目標を達成する軌道に乗っている(8/26)、8月HSBC製造業PMI速報値 50.1(4ms high前回48.2)(8/22)、7月レアアース輸出1.8kt+75%(y/y),+10%(m/m)、7月コンフェレンスボード・経済先行インデックス+1.4%(前回+0.8%)、(景気対策)―不動産規制は継続だが都市化政策、IT振興策が打ち出されて株価に好影響、7月鉱工業生産+9.7%(予想+8.9%、前回+8.9%)、7月小売売上高+13.2%(予想13.5%、前回+13.3%)(8/9)、CPI+2.7%(前回2.7%)、PPI-2.3%(前回-2.7%)、7月貿易収支+178.2億ドル(予想269億ドル、前回271.2億ドル、輸出+5.1%、予想+2.0%、前回-3.1%、輸入+10.9$、予想+1.0%、前回-0.7%)(8/8)、7月非製造業PMI 53.9(前回54.3)、7月製造業PMI 51.3(前回51.3)(8/5)、李克強首相「7%は成長最低ライン」(7/23)、中国人民銀行は貸出金利の下限撤廃(7/19)、GDPは一部予想されたほど(6.5-6.7%)悪くはなく予想範囲内、Q2GDP+7.5%(予想+7.5%、前回+7.7%、前々+7.9%)(7/15)、桜継偉財政相―今年後半成長率7%を大きく下回り、前半も7.7%を下回る可能性(7/12)、株価(上海総合指数)今年になって2番目の上げ幅(7/11)、金融緩和期待後退―中国国務院が穏健で中立的な金融政策維持で緩和期待後退、景気減速・短期金融市場不安、IMF中国GDP見通し下方修正(2013年 8.00−APR―→7.75%、2014年8.00%→7.50%)(5/29)人民元高6.17台(過去最高)、中国銀行業監督管理委員会が銀行に対して内需や環境関連への融資拡大を指示で株反発(4/19)、周中国人民銀行総裁は不動産バブル懸念を述べる(3/13)全人代では財政支出拡大提言(3/5)不動産規制強化で不動産株急落(3/4)、政府は不動産価格抑制を検討か、2012年GDP+7.8%。本日上海総合指数は-1pts。

+3

+3

その他(政治、産業界など)

(豪州国内)
保守連合勝利で豪ドル高か?(労働党の超金融緩和に保守連合は批判的) 二大政党支持率依然保守連合優勢(9/4、労働党46-保守自由連合54)、炭素税廃止を産業界は好感、豪ドル下落を産業界は好感、予算案発表後S&P 、ムーディーズは豪州トリプルA格据え置き、見通し安定的(5/14)、9/14下院総選挙発表―労働党支持率低下→保守党(産業界寄り)勝利で豪ドル安?鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強い、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。

+3

+3

総合index(現状)

依然やや買いバイアス

+11

+5

*Good、Badは豪ドルにとって好材料、悪材料という意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

政権交代でRBAの政策は変わるか?

総選挙を今週末に控えて政権交代観測が高まる中、政権交代がRBAの金融政策に及ぼす影響が論議されている。
もちろん労働・自由両政党の政策が真逆ということではなく、しかもRBAは政治からは独立した機関である。
労働党政権下の6年間でリーマンショック、欧州危機、そして資源ブームの終焉と数々の事象を経てRBAの金融政策もリーマンショック後の金融引き締めから現在の金融緩和まで大きく変遷してきた。
そして選挙の争点として保守自由連合は史上最低レベルへの金融緩和から住宅バブルの懸念が生じ、また景気回復を金融緩和にのみ頼る労働党の政策を批判してきたことも事実である。
こちらの論調では政権交代が起こり、景気が回復基調となればRBAの金融緩和サイクルも終わるという見方が少なからずある。
つまり社会保障などによる歳出増を炭素税導入で補てんしようとした労働党の試みは資源ブームの陰りという逆風もあり大きな財政赤字を残すとういう結果に終わった。
自由連合はより産業界寄りであるために法人減税や社会保障の見直しなどで財政再建を計ることが期待され、豪州経済にとって政権交代をポジティブにとらえる見方が一般的である。
景気が回復基調となればRBAの金融緩和も自ずと終了するとの捉え方である。
ただ自由連合は産業界寄りであるであることからやはり極端な豪ドル高には反対の立場であろうし、RBAとしてもインフレ懸念が高まらない限りは豪ドル安を支持して景気の回復を計るという従来の政策にも大きな変更はないだろう。

 

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