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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

イベントの狭間

更新日:2013年7月25日

豪ドルここまでのレビュー

この1週間(7/18-7/25)の相場レンジ:
AUDUSD: 0.91282-0.93715 AUDYEN: 91.428-92.718

先週はバーナンキ議長の議会証言、モスクワG20、日本の参院選と盛りだくさんであったが、それらイベントも消化し株式市場、為替市場共に来週の米国イベント(FOMC、Q2GDP、7月雇用統計)待ちの状況だ。
NYKダウは15,500ドル、日経平均は14,600円台をキープしているが景気減速懸念の強い上海総合指数は冴えない。

ドル/円は参院選与党が圧勝してネジレ国会が解消されたことや米長期金利上昇から再び100円台を回復する一方、ユーロ圏の7月PMIが堅調でユーロは1.32台、132円台まで上昇し、緩和観測が後退した英ポンドも1.53台、153円台まで上昇している。

一方、炭素税廃止や追加利下げ観測がやや後退した豪ドルは一時0.93台、92円台後半まで上昇したが、昨日発表された7月の中国HSBC製造業PMI(速報値)が予想を下回ったことが嫌気され0.91台前半、91円台半ばまで反落している。
この結果ユーロ/豪ドルは再び1.44台の年初来高値圏に上昇した。
また豪ドル/NZドルは今朝のNZ準備銀行理事会で来年の金融引き締めの可能性が示唆されたことから2008年11月以来の安値1.14台まで値を下げている。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ :
 AUDUSD:0.9050-0.9350 AUDYEN:90.50-93.50

向う半年の予想レンジ :
 AUDUSD :0.88-1.05  AUDYEN: 85.00-105.00

足元のセンチメント――再びベアセンチメント強まる
足元の予想――戻り売りと押し目買いの揉み合い

主要通貨の中期的バイアス :
 ・米ドル―ブル
 ・円―ベア
 ・ユーロ/ドル―ニュートラル
 ・豪ドル/ドル―ニュートラル

先週はバーナンキ議長の議会証言、モスクワG20、週末の日本の参院選と多くのイベントがあり、また来週は米FOMC、米Q2GDP、米7月雇用統計と米国週間となるが、今週はイベントの狭間といったところ。
現在市場の注目するのは米国の金融政策(QE縮小観測)の行方、中国景気動向、そしてネジレ国会解消後の日本のアベノミクスの行方、欧州債務危機続編(ギリシャ融資)、中東不安と原油高といったところ。
これらの材料は昨日今日降ってわいたものではなく、相場の中で既に数カ月間、数週間も居座っている問題であり、市場は過去の経緯から今後の成り行きを見守っているという状態である。

まとめれば:

1)
米国景気は回復過程にあり、遅かれ早かれQE縮小となるだろう。7/30-31のFOMC(8月は休会)と8/2の7月雇用統計が当面の焦点。9月QE縮小観測は時期尚早との市場コンセンサスだが、好調な指標が続けば再び縮小観測が高まるだろう。

2)
中国経済の減速は明白。当局は最早二桁成長は望まず、敢えて安定成長路線に舵を切っている。ただ急激な失速は避けるべく、財政金融政策を適宜調整するだろう。
しかしながら2008年に発表された4兆元の景気刺激策のような大型財政出動は期待できない。

3)
日本のネジレ国会は解消したが、今後は消費増税という問題を抱え、せっかく回復しつつある景気を再度減速させる懸念をはらむ。デフレ脱却や景気回復に目立った進展がなければ、再び新たな金融緩和の催促相場、つまり投機的な円買いや株価押し下げが出回る可能性もある。

4)
欧州不安は基本的峠を越した。ただし周辺国が金融市場から自己調達できる状況になるまでには時日を要し債務危機の後遺症は残る。

5)
中東不安や在庫減少で原油高が進んだが、今後の世界のシェールガス/オイル生産を見越してOPECは簡単に増産に踏み切らず原油の高止まりが続くだろう。その他エネルギー価格の連れ高を誘う懸念もあり、新たな世界経済の懸念材料となる可能性もある。


おそらくこれらの予測は大きくは外れないだろう。
つまり結論は分かっていても、いや分かっているからこそ市場のポジションが偏り易く、その調整も大きなものとなるだろう。結果として通貨の動向は正しく把握できても“いつ動くか?”の時間軸を判断するのは非常に困難であり、今後とも決して簡単な相場とはならないことは覚悟すべきであろう。

豪ドルは炭素税廃止や李克強中国首相が景気の失速を回避する姿勢を示したこと、更には鉄鉱石はじめ資源価格がやや回復していることもあり7月の90セント割れ、6月の88円台から一時93セント台、92円台まで反発した。
昨日発表されたQ2のCPIはヘッドラインインフレーション(全項目)がRBAのインフレターゲット2-3%に対して前年比2.4%(予想2.5%、前回2.5%)、RBAが重視するアンダーライイングインフレーション(刈り込み平均値と加重中央値の平均)は2.4%(予想2.25%、前回2.4%)と予想範囲をあまり外れなかった。最近の豪ドル安やガソリン・エネルギー価格の急上昇にもかかわらず意外と落ち着いた数字で、再び8月利下げ観測が高まっている。
また昨日発表された7月HSBC製造業PMI(速報値)が47.7(11ms low、予想48.2)と冴えなかったことから再び0.91台、91円台に反落するなど、依然として市場は“悪材料探し”の状態である。筆者は、スティーブンス総裁程は景気を悲観的に見ていないし、資源価格が底なしに下がるとも思っていない。
“資源ブーム”が過度に誇張された表現あると同時に、“資源ブームの終焉”もこれまた、過度に誇張されているように思う。

主なイベントは26(木)日本6月CPI、30(火)日本6月失業率/鉱工業生産、RBAスティーブンス総裁講演、7/30-31米FOMC、7/31(水)ユーロ圏7月失業率、米Q2GDP、8/1米ISM製造業景況指数、2(金)米7月雇用統計

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にはなる。

 

ポイント

今回
index

前回
index

ファンダメンタルズ

*Good
・RBAアンダーライイングCPI前期比+0.6%(予想+0.5%、前回+0.4%)、前年比+2.4%(予想+2.25%、前回+2.4%)(7/24)
・6月新車販売+4.0%(前月比、前回+0.3%)、前年比+2.1%(前回+0.8%)(7/15)
・6月の雇用統計就業者数+10.3千人(予想0.0千人、前回-0.7千人)(7/11)

・6月NAB企業信頼感0 (前回-1)(7/9)
・5月貿易収支+670mio (3カ月連続の黒字、予想+53mio、前回+28mio)(7/3)
・5月HIA新築販売+1.6%(前回+3.9%、3カ月連続増加)(7/3)
・6月AIG 製造業PMI 49.6(前回43.8、17ms連続縮小ではあるが)(7/1)
・Q1経常収支-8.5bio(予想-9.0bio、前回-14.8bio)(6/4)・Q1企業収益+3.0%(予想+1.5%、前回-0.5%)(6/3)

*Bad
・豪州Q2CPI前年比+2.4%(予想+2.5%、前回+2.5%)、前期比+0.4%(予想+0.5%、前回+0.4%)(7/24)
・Q2NAB企業信頼感-1(前回+2)、企業景況感-4(前回-3)(7/18)
・6月失業率5.7%(4年ぶりの高さ、予想5.6%、前回5.6%)(7/11)
・7月WESTPAC消費者信頼感-0.1%(前回+4.7%)、102。0(前回102.2)(7/10)

・6月NAB企業景況感-8 (前回-4)(7/9)
・6月ANZ求人広告-1.8%(前回-2.5%4か月連続マイナス)(7/8)
・5月住宅建設許可件数-1.1%(予想-1.0%、前回+9.5%)(7/4)
・AIGサービスインデックス41.5(前回40.6)(7/3)
・5月小売売上高+0.1%(予想+0.3%、前回-0.2%)(7/3)
・第1四半期GDP前期比+0.6%(予想+0.7%、前回+0.6%)、前年比+2.5%(予想+2.7%、前回+3.2%)(6/5)
・Q1民間設備投資(CAPEX)-4.7%(予想+0.5%。前回-2.1%)(5/30)
・Q1建設活動-2.0%(予想+1.0%、過去5四半期で最大の下落(5/29)
・Q1PPI 前期比+0.3(予想+0.2、前回+0.2)(5/3)
・RBA四半期金融政策報告書
2013年GDP2.50%(前回2.5%)。インフレ予想2013年2.25%(前回2-3%)(2013/5/10)

・経済・財政中間見通し(2012/10/22)
GDP 2012/13 3.25%→3.00%に下方修正
2013/14 3.00%据え置き
2012/13財政黒字5月時の15億豪ドル→11億ドルに下方修正
(参考)2013/14 連邦予算案
2013/14連邦予算案― 2012/13年度 194億ドルの財政赤字(オリジナルは15億ドルの黒字予想)、2013/14年度―180億ドル財政赤字、15/16年度は黒字転換予想、GDP予想12/13年度3.0%(従来3.0%)、13/14年度2.75%(従来3.00%)、GDP比債務比率12/13年度-1.3%、13/14年度-1.1%(2013/5/14)

+1

-2

市場センチメント
(リスク値)

株式市場もやや調整色、中国景気減速懸念もありセンチメントやや悪化。
昨日NYダウは-25 ptsの15,542ドル。本日オフショアでは-2pts。昨日VIX恐怖指数は+0.52の13.18。

-2

+2

市場ポジション

シカゴIMMの通貨先物ポジションは豪ドル売りコントラクト70,686売り(前週比売りが7,431コントラクト増える)(7/15)。短期筋のポジションは再びやや売り持ちに。

+2

+2

商品相場

原油は米国の増産で104ドル台に反落、金は1317ドル台に反落、CRBは-2.91の287.74。鉄石は131ドル台に上昇、石炭(燃料炭スポット)は72ドル台に小幅下落。

-3

+2

金利・為替(当局)

Q2CPIの落ち着いた数字で8月利下げ観測も、7月RBA議事録「インフレ次第では一段と利下げ余地の可能性も。 豪ドルの下落を踏まえれば政策は当面適切。豪ドル下落で目先インフレ率若干上昇」(7/16)で8月利下げ観測やや後退、7月は金利据え置きも声明「一段の緩和余地ある可能性、豪ドルは依然高水準、豪ドル一段と下落する可能性」、スティーブンス総裁講演(7/3)「豪ドルの下落が経済を支援する可能性、豪ドルは豪経済の多くの部門にとって高過ぎる水準、資源ブームからのシフトは大きな試練」米豪10年利回り格差1.095%に縮小。

-3

-2

需給

豪ドル下落で新たな買いが出るか(日本のボーナスシーズン)、個人投資家は豪ドル買いにやや躊躇あるいは円転の動きも、海外からの直接投資、M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。潜在的な輸出の豪ドル買い需要。

+2

+2

テクニカル

豪ドル/ドルは一目均衡表の雲の下、豪ドル/円は雲の下限にぶつかってやや反落。スパンAがスパンBの下で依然弱い。豪ドル/ドル、豪ドル/円共にボリンジャーバンドの上限近くに上昇後反落。暫くは底値圏での揉み合いか。RSIは豪ドル/ドル44.87%、豪ドル円47.45%で再びややoversoldに。

-2

+2

米ドル強弱

ドルインデックスは82.35にやや反発したが弱い。ユーロは1.32近辺で堅調。

+2

+2

中国関連

7月HSBC製造業PMI47.7(11ms low、予想48.2)(7/24)、李克強首相「7%は成長最低ライン」(7/23)、中国人民銀行は貸出金利の下限撤廃(7/19)、GDPは一部予想されたほど(6.5-6.7%)悪くはなく予想範囲内、Q2GDP+7.5%(予想+7.5%、前回+7.7%、前々+7.9%)(7/15)、6月鉱工業生産+8.9%(前回+9.1%)、6月小売売上高+13.3%(前回+12.9%)(7/15)、桜継偉財政相―今年後半成長率7%を大きく下回り、前半も7.7%を下回る可能性(7/12)、株価(上海総合指数)今年になって2番目の上げ幅(7/11)、6月中国貿易収支+27.1bio(予想+27.8bio、前回+20.4bio)(輸出-3.1%、輸入-0.7%で不冴え)(7/10)、6月CPI+2.7%(予想+2.5%、前回+2.1%)、6月PPI-2.7%(予想-2.6%、前回-2.9%)(7/9)、金融緩和期待後退―中国国務院が穏健で中立的な金融政策維持で緩和期待後退、景気減速・短期金融市場不安、6月非製造業PMI 53.9(前回54.3)、6月製造業PMI 50.1(予想50.1、前回50.8)、IMF中国GDP見通し下方修正(2013年 8.00−APR―→7.75%、2014年8.00%→7.50%)(5/29)人民元高6.17台(過去最高)、中国銀行業監督管理委員会が銀行に対して内需や環境関連への融資拡大を指示で株反発(4/19)、周中国人民銀行総裁は不動産バブル懸念を述べる(3/13)全人代では財政支出拡大提言(3/5)不動産規制強化で不動産株急落(3/4)、政府は不動産価格抑制を検討か、2012年GDP+7.8%。本日上海総合指数は-25pts。

-3

-3

その他(政治、産業界など)

(豪州国内)
労働党支持率やや後退(7/20-21、二大政党労働党48-保守連合52)、炭素税廃止を産業界は好感、ラッド新首相はギラード女史より強いイメージ、豪ドル下落を産業界は好感、予算案発表後S&P、ムーディーズは豪州トリプルA格据え置き、見通し安定的(5/14)、9/14下院総選挙発表―労働党支持率低下→保守党(産業界寄り)勝利で豪ドル安?鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強い、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。
世論調査
(Australian Financial Review/Nielsen poll 実施日7/11-13、前回実施6/13-15) <各政党支持率>労働党39%(前回29%)、保守連合44%(47%)、緑の党9%(11%)、<二大政党間>労働党支持率50%(前回43%)、野党保守連合(自由党・国民党)50%(前回57%)、首相適任ラッド首相55%(前回41%)、アボット支持41%(前回50%)。

+3

+4

総合index(現状)

やや売りバイアス

-3

+9

*Good、Badは豪ドルにとって好材料、悪材料という意味

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

やはり労働党が不利?

ラッド首相が返り咲いて以来、二党間の支持率を五分五分に持って行った労働党であるが、最新のNEWSPOLL世論調査によると労働党支持率が48%、保守連合が52%と2週間前の50%/50%から労働党が再びやや後退している。

難民問題でラッド首相が解決仲介国であるパプアニューギニア(PNG)に譲歩しているのではないかとのアボット自由党党首の攻撃もラッド政権にやや打撃を与えている。
つまり保守連盟はラッド政権の“アラ探し”に躍起になっているのだ。

英連邦国の豪州では英国同様BOOK MAKER(賭け屋)が大人気でスポーツから政治、経済ネタまで幅広いベッティング(賭け)が対象になるが、最近の数字では労働党が選挙に勝つチャンスは“4つに1つ”という結果になっており、ラッド氏再任時の“3つに1つ”から後退している。
賭け屋の賭け率は歴史的に選挙の勝敗を非常に的確に予測しているという事実がある。

 

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