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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

ドル円は目立たない方が良い

更新日:2013年2月21日

豪ドルここまでのレビュー

この1週間(2/14-2/21)の相場レンジ:
 AUDUSD: 1.02336-1.03739  AUDYEN: 95.536-97.053

この1週間はG20を挟んで株式市場の上げも一服、為替市場ではG20後の様子見気分が強い中、各通貨マチマチの動きとなった。
ドル/円はG20で日本の名指し批判がなかったことから週初94円を回復した後、材料出尽くし感から93円台前半に調整反落し、更に今朝のFOMC議事録のタカ派的な印象から一瞬94円台を付けるなど神経質な展開であった。

ユーロ高に対する懸念と容認姿勢が交錯してアップダウンしたユーロは結局、今朝のFOMC議事録のタカ派的内容から1.32台後半、124円台前半に値を下げている。
また格下げのうわさが絶えない英ポンドは軟調推移し、英中銀議事録のハト派的内容や、今朝のFOMC議事録の内容に下押しされて、先週の高値1.58台、147円台から本日は1.52割れ、142円台まで大幅下落している。

豪ドルは先週は中国経済回復期待やNAB企業信頼感、WESTPAC消費者信頼感などの良好な数字を受けて1.03台後半、97円台まで反発したが、結局中国の不動産規制の観測やタカ派的なFOMC議事録の内容に押されて1.02台前半、96円割れまで反落している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ :
 AUDUSD:1.0150-1.0350  AUDYEN:94.00-97.00

向う半年の予想レンジ :
 AUDUSD :0.90-1.10   AUDYEN: 80.00-100.00

足元のセンチメント――ややベアセンチメント
足元の予想――押し目買いをこなしつつ下押し
主要通貨の中期的バイアス――
・米ドル―ブル
・円―ベア
・ユーロ/ドル―ニュートラルからややベア
・豪ドル/ドル―ニュートラルからややベア

“円が主役”であったG20も終わり、市場の目は“円安”を監視しつつも、再び各国のファンダメンタルズに戻ろうとしている。
当然のことながら日本国内的にも円安は功罪がある訳で、G20と前後していくつかの“円高支援材料”が表面化してきた。

  • 国内ガソリン価格が11週連続上昇するなど円安によるエネルギー価格上昇が問題になりつつある。
  • 円安懸念はG20で十分認識され、今後も監視されるであろうこと。
  • 日銀総裁人事でも超ハト派ではない財務省出身者が総裁になるとの思惑。
  • 麻生財務相の外債購入に否定的な発言。
  • 3月期末に向けたリパトリ(外貨資産売却円転)の動きがそろそろ出だすという観測。
  • 1月の史上最大の貿易赤字はむしろ為替レートが切り下がると当初は貿易収支が悪化するいわゆる“Jカーブ効果”である可能性。

などなど。つまり日本国内でも円安手放し歓迎ではないとの印象を諸外国に与えて警戒感を緩和することが必要であり、また“結果としての円安”であるからには、「行き過ぎた円安の回復過程」や「具体的なドル円のレベルについての言及」も必要ないであろう。
今朝のFOMC議事録から“QE縮小を検討”との思惑が再び高まっているが、先般のルー新財務長官の“強いドル政策”しかりで、今後円安ならぬドル高が進むのであれば、円はドル高を“隠れ蓑”としてできるだけ目立たないに越したことはないだろう。
ただ、日本の円安事情や米国のドル高事情によるドル円の上昇もせいぜい100円程度がいいところであろうと考える。

100円を大きく下回る円安はむしろ“悪い円安”であろうし、想定される原因は円キャリートレードの再来や、極めつけはアベノミクスも日本凋落の歯止めとならず、結局民間の経常黒字で国の財政赤字が補てんできないという“日本版財政の崖”に直面し、日本国債が暴落するシナリオであろうと考える。

さて豪ドル。
今週は中国の不動産規制強化の思惑や米FOMC議事録のタカ派的内容を受けて頭の重い展開になった。下のにも書いたが、今後のRBAの金融政策については、金融緩和継続と金融引き締め転換の観測が混在するなど、不透明感が強い。
国内景況にしても昨年のたび重なる利下げを好感して景況感指数や信頼感指数などのセンチメント系指数に改善が見られる一方、小売、住宅、そして雇用などの実体経済面での指数が依然として不冴えな状態である。

先月豪州資源大手Rio TintoのCEO Tom Albanese氏の交代が発表されたが、昨日はBHPのCEO Marius Klopper氏も解任され、二大資源会社のトップが相次いで交替するという驚きの結果となったが、BHPの上期(7-12月)決算は利益が56億8000万ドルと前年同期の100億ドルから43%減少し、資源産業ピークアウトを印象付ける結果となった。

足元の豪ドル/ドルはややネガティブ材料に反応しやすい地合いとなっており、米ドルが堅調地合いを維持する場合には1.00-1.05レンジの下限をテストする可能性もあろう。
豪ドル/円はドル円の大幅下落がない限り、95円がサポートとなるだろう。しかし、95円のサポートレベルを割り込む場合には93-94円レベルへの調整の可能性もあろう。
月末に発表されるQ4の民間設備投資(CAPEX)が重要指標である。
注目のイベントは、本日の日米首脳会談、24/25のイタリア総選挙、26日のバーナンキ議長の議会証言といったところである。

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にはなる。

 

ポイント

今回
index

前回
index

ファンダメンタルズ

良い(強い)
・Q4賃金インデックス前期比+0.8%(予想+0.8%、前回+0.7)、前年比+3.7%(予想+3.8%、前回+3.7%)(2/20)
・2月消費者インフレ期待値2.2%(前回2.0%)(2/14)
・2月WESTPAC消費者信頼感108.3(26ms high、前回100.6)、+7.7%(17mshigh、前回+0.6%)(2/13)
・1月NAB企業信頼感+3(前回+2)、企業景況感-2(前回-5)(2/12)

・1月雇用統計就業者数+10.4千人(予想+6.0千人、前回-3.89千人)、失業率5.4%(予想5.5%、前回5.4%)(2/7)
・12月貿易収支-427mio (予想-800mio、前回-2.788bio)(2/5)
・12.月NAB企業信頼感+3(前回-9)、企業景況感-4(前回-6)(1/29)
・12月新車販売+2.2%(3ms high、前回-4.1%)、前年比+17.9%(前回+9.7%)(1/16)

悪い(弱い)
・12月住宅融資残高-1.5%(予想0.0%、過去10カ月で最大のマイナス、前回-0.5%)(2/11)
・Q4NAB企業信頼感-5(前回-4)(2/7)
・12月小売売上高-0.2%(予想+0.3%、前回-0.2%)(2/6)
・12月建設許可件数-4.4%(予想+1.0%、前回+2.9%)(2/4)
・1月ANZ求人広告-0.9%(前回-2.8%、10カ月連続マイナス)(2/4)
・Q4PPI 前期比+0.2(予想¥+0.3、前回+0.6)(2/1)
・豪州Q4CPI前年比+2.2%(予想+2.4%、前回+2.0%)、前期比+0.2%(予想+0.4%、前回+1.4%)、アンダーライイングCPI前期比+0.55%(前回+0.75%)、前年比+2.5%(前回+2.5%)(1/23)―予想より弱め
・第3四半期GDP前期比+0.5%(予想+0.6%、前回+0.6%)、前年比+3.1%(予想+3.1%、前回+3.7%)(12/5)
・Q3経常収支-14.9bio(予想-14.55bio、前回-11.8bio)(12/4)
・Q3民間設備投資+2.8%(過去3QTRで最低、予想+2.0%、前回+3.4%)(11/29)
・RBA四半期金融政策報告書 2013年GDP2.50%(前回2.75%)、インフレ予想2013年3.00%(前回3.25%)(2/8)

+2

-2

市場センチメント
(リスク値)

中国の不動産規制強化観測や米FOMC議事録のタカ派的印象でセンチメント悪化。
NYダウ引けは前日比-108ポイントの13,927ドル。本日オフショアでは+1ドル、昨日VIX恐怖指数は+2.37の14.68。

-3

+2

市場ポジション

シカゴIMMの豪ドルポジションは買いコントラクトの54,114に減る(2/12付)。短期筋は豪ドル/ドルショート増え、豪ドル/円ロング減る。

+2

+1

商品相場

原油は95ドル台に反落、金は11555ドル台に大幅続落、昨日CRBは-1.79の296.59。スポット鉄鉱石155ドルで小康、石炭は85ドルで小康、中国の景気回復期待高まる。

-3

+2

金利・為替(当局)

3月利下げ観測は32%、2月据え置きも、「必要な場合は追加緩和、豪ドルは依然として予想を上回る」(声明文)で金利先安観は残る(2/5)一部豪銀2013年末2%までの低下観測あるが、一方利上げ観測も出だして意見分かれる。
米豪10年利回り格差1.573%に拡大。

-2

-2

需給

日本の投信設定が増えてきている。年初も今年の資源輸出カバーが出やすい。根強い中銀の豪ドル債購入観測。中国の景気回復期待で鉄鉱石の輸出回復基調。中国など海外からの直接投資、M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。

+3

+3

テクニカル

豪ドル/ドルは依然一目均衡表の雲の下、豪ドル/円は雲のはるか上。また豪ドルはボリンジャーバンドの下限に反落、豪ドル/円もバンドの中ほどに反落。豪ドルの長短移動平均線はデッドクロス。RSIは豪ドル36.49%でoversold進み、豪ドル円は53.46%でほぼニュートラル。豪ドル/ドルは昨日の長大陰線で軟調示唆、豪ドル/円は上昇トレンドを下にブレークするか?

-3

+3

米ドル強弱

ドルインデックスは81.15に上昇、ユーロ/ドルは1.32台後半に反落。

-3

-2

中国関連

<中国関連>政府は不動産価格抑制を検討か、1月HSBC非製造業PMI54.0(前回51.7、4ms high)(2/5)、1月HSBC製造業PMI+52.3(予想52.0、前回51.5で22ms high)(2/1)、1月製造業PMI 50.4(予想51.0、前回50.6)(2/1)、Q4GDP+7.9%(予想+7.8%、前回+7.4%)(1/18)、2012年GDP+7.8%(確定)、12月鉱工業生産+10.3%(予想+10.2%、前回+10.1%)、12月小売売上高+15.2%(予想+15.1%、前回+14.9%)(1/18)、12月貿易収支+316億ドル(予想+200億ドル、前回+196.3億ドル、輸出前年比+14.1%、輸入前年比+6.0%)(1/10)、中国人民銀行チーフエコノミスト「2013年GDP見通し8%超見込み」。世銀見通しで来年の中国8.4%成長見通し(12/19)、(新華社)社会科学院2013年8.2%成長可能、習主席安定成長に関する発言を好感、中国共産党大会チャイナセブン選出(11/15)―2020年のGDPを2010年の倍が目標、2012年6月(3年ぶり)に続いて利下げ(2012/7/5預金金利3.0%、貸出基準金利6.0%)、預金準備率を20.5%→20.0%に引き下げ(2012/5/20)、人民元変動幅を2012/4/16から0.5%→1.0%に拡大。本日上海総合指数は-35pts。

-2

+2

その他(政治、産業界など)

(豪州国内)
9/14下院総選挙発表―労働党支持率低下(前NSW州労働党鉱山相汚職疑惑)→保守党(産業界寄り)勝利で豪ドル安?QLD州、NSW州の洪水被害拡大、豪ドル高懸念再燃(ワイン輸出など非資源輸出に打撃)、2012/13年財政黒字転断念(市場好感)、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強い、豪州産業グループ(AIG)CEOはRBAによる豪ドル高阻止を希望、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。
(2/3-4AFR/Nielsen poll)(二大政党間)労働党支持率44%(前回-5%)、野党保守連合(自由党・国民党)56%(前回+5%)、首相適任ギラード支持41%(前回45%)、アボット支持39%(前回33%)、難民問題、豪ドル高から鉱山ロイヤルティー(米ドル建)が大幅目減りも。

-2

-2

総合index(現状)

売りバイアス

-11

+5

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

依然RBA内でもくすぶる円安批判

今週発表された今月のRBA議事録では円安及び通貨安について異例の言及がなされている。
「日本の選挙と政治家による発言が大幅円安の原因となった」、「大幅円安を受けて多くの国から自国通貨高懸念が表明された」、「豪州でも為替問題は大きな問題であるが、我々が変動相場制を採用している限り、当局としてできることは限られる」など。

正直なところ、豪ドル高に悩む豪州も円の大幅下落を目の当たりにして、自国通貨高に更にしわ寄せが来ることを懸念しているようだ。
先週もエドワーズRBA理事は「豪ドルの水準は信じられないほど高く輸出業者にとって障害」と述べている。
また産業界出身のRBA理事であるHeather Ridout女史は、従来から産業界寄りの意見を述べているが、今回も「通貨切り下げ問題は世界経済にとって大きな問題であり豪ドル高は豪州経済の構造改革を迫っている」と、このほどGold Coastで行われた豪州労働組合会議の席上で述べている。

豪州製造業会や労働組合からは豪ドル高是正の陳述がなされた。
またAustralian Industrial Group (AIG)は今週、1月PMIが-4.1%と2009年以来の低い水準となったことから、RBAに再利下げを要請している。
豪ドルは円に対して昨年11月の日本の総選挙で自民党が勝利して以来97円台まで約15%上昇しているが、今後豪州経済が回復基調となっても、通貨高がRBAの金融引き締めを困難にするだろうと彼女は述べている。
これはまさに他国(日本)の金融政策により他国通貨安―自国(豪州)通貨高をもたらし、結果として自国の金融政策に制限を加える例とも言える。

現在豪州経済においては昨年のたび重なる利下げの効果から、既に不動産や株価などのアセットバブル懸念が出ており、今年下半期にRBAは金融引き締めに転じる必要があると分析するアナリストが増える一方、通貨高に影響を受ける非資源産業支援のための利下げの必要性を説くアナリストも依然として根強い。
今年下半期に向けてRBAの金融政策のかじ取りは、難しい局面を迎えることとなりそうだ。

 

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