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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

コーシャスリー オプティミスティック (慎重ながら楽観的)

更新日:2013年2月7日

豪ドルここまでのレビュー

この1週間(1/31-2/7)の相場レンジ:
 AUDUSD: 1.02960-1.04570  AUDYEN: 94.239-97.412

この1週間は株式市場、為替市場など各市場のリスク選好度の強弱が交錯し、NYKダウや日経平均、上海総合指数が上げる一方、欧州株が下げるなどマチマチの動きとなった。
ユーロ/ドルは1.37台前半まで続伸したが、その後はイタリアの政局不安やスペイン・ラホイ首相の不正資金疑惑などを受けて1.34台半ばまで反落し、ユーロ/円も127円台後半から126円台前半に反落している。
英ポンド/ドルは引き続き英国の金融緩和観測や将来的なEU離脱観測を嫌気して1.56台前半に続落したもののポンド/円は146円台と堅調推移。

豪ドルはRBA理事会声明文が引き続きハト派的であったことや国内景気の不冴え(12月建設許可件数、小売売上高)を受けて一時1.03台を割ったが、本日の1月雇用統計でpart-time-jobの急増が一因とはいえ就業者数が予想を上回る+10.4千人となったことや失業率が予想値5.5%を下回る5.4%にとどまったことを受け下げ止まっている。
豪ドル/円では、ドル円が一時94円をうかがう動きとなったこともあり、97円台半ばをテストしたが、その後は豪ドル/ドルとドル/円双方の反落を受けて96円台前半に反落。
ユーロ/豪ドルは2011年12月以来の1.31台半ばまで続伸している。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ :
 AUDUSD:1.0200-1.0500  AUDYEN:94.00-97.00

向う半年の予想レンジ :
 AUDUSD :0.90-1.10   AUDYEN: 80.00-100.00

足元のセンチメント――依然ややベアセンチメント
足元の予想――豪ドル/ドル、豪ドル/円ともに下値は押し目買いでサポート
主要通貨の中期的バイアス――
・米ドル―ブル
・円―ベア
・ユーロ/ドル―ニュートラル
・豪ドル/ドル―ニュートラルからややベア

世界的に市場のリスク許容度が増加して株価は上昇し、商品相場も回復基調となっている。
世の中が良い方向に動き出している訳で、この現状に不満を述べる必要など全くないだろう。
ただ欧・米・日・中国はじめ世界経済に対して、つい数カ月まで悲観論が渦巻いていた状況がこうもあっけなく好転することに馴染めない自分がいる訳で、常に懸念材料を探す心配症の自分が空しくなるということだろう。

もちろん懸念材料は各国とも存在する。

欧州ではイタリアの首相選挙を巡る政局不安定や、スペイン首相の不正資金疑惑、更にフランスからはユーロ圏の為替政策に対する問題提起(結局はユーロ高懸念)など小競り合いは聞こえてくるが、欧州危機緩和の大きな流れを変えるものではない。
米国でも債務上限問題は先送りされたに過ぎないが、市場ではQE緩和あるいは停止観測が消えず、米市場金利は着実に上昇し始めている。

日本ではアベノミクス効果を疑問視する声も聞かれるが、円安・株価上昇は止まらず、市場の景況感が好転しつつあることは疑いのないところだろう。

中国でも景気指標の改善と2013年のGDP成長率予想の上方修正、都市化政策や銀行の新規貸し出し大幅増予想などで株価が上昇し、実際に鉄鉱石や石炭の輸入が昨年12月以来急増して世界の資源価格を押し上げている。

古くはブラックマンデー、アジア危機、ITバブル崩壊から、リーマンショック、そして今回の欧州危機と幾度となく世界経済は危機を乗り越えてきた訳で、正に「夜明けの来ない夜はない」のだが、一方必ず次の夜(デザスター)が訪れることも厳然たる事実であることを認識しつつ“コーシャスリー オプティミスティック(慎重ながら楽観的)な”対応をしていきたい。

豪ドルについては欧州危機後退と共に避難通貨としての魅力がやや薄れ、また豪ドル/円が95円を上回るに連れて豪ドル建て金融アセットを売却して円転する個人投資家の動きが活発化した。
加えてRBAが今月政策金利を据え置いたものの、依然としてハト派的スタンスを表明していることも豪ドルの上値を重くした。

ただ下の<OZ NOW>に述べたように、当地のエコノミストの中でも金融緩和継続観測と緩和停止、あるいは引き締め転換観測まで出始めるなど、RBAの金融政策についても意見が分かれつつある。私的には繰り返しになる金融緩和サイクルも終盤に差し掛かっていると考えており、金融政策面からの豪ドル押し下げ材料は今後さほどないと考える。

むしろ9/14に下院総選挙を発表したギラード政権であるが、労働党の支持率が最近急落しており、もし産業界寄りと目される保守連合が選挙に勝利すれば、今よりも更に活発に豪ドル高けん制を行う可能性があると思われる。
もっともRBAが予測するように「実際に今年後半に資源ブームがピークアウトすれば」という前提条件が付くが。
豪ドルは対米ドル、対円共に1.03割れ、96円割れでは押し目買いが強まることが予想される。

足元の注目イベントは明日8日の中国1月貿易収支、PPI、CPI、来週14日の日本、仏、独の第4四半期GDP、また15/16日のG20や21-22日の日米首脳会談における円相場の取り扱いにも注目したい。

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にはなる。

 

ポイント

今回
index

前回
index

ファンダメンタルズ

良い(強い)
・1月雇用統計就業者数+10.4千人(予想+6.0千人、前回-3.89千人)、失業率5.4%(予想5.5%、前回5.4%)(2/7)
・12月貿易収支-427mio (予想-800mio、前回-2.788bio)(2/5)
・12.月NAB企業信頼感+3(前回-9)、企業景況感-4(前回-6)(1/29)

・12月新車販売+2.2%(3ms high、前回-4.1%)、前年比+17.9%(前回+9.7%)(1/16)
・1月WESTPAC消費者信頼感100.6(前回100.00)、+0.6%(前回-4.1%)(1/16)

悪い(弱い)
・12月小売売上高-0.2%(予想+0.3%、前回-0.2%)(2/6)
・12月建設許可件数-4.4%(予想+1.0%、前回+2.9%)(2/4)
・1月ANZ求人広告-0.9%(前回-2.8%、10カ月連続マイナス)(2/4)
・Q4PPI 前期比+0.2(予想+0.3、前回+0.6)(2/1)

・11月コンフェレンスボード景気先行指数-0.2(前回+0.2)(1/29)
・豪州Q4CPI前年比+2.2%(予想+2.4%、前回+2.0%)、前期比+0.2%(予想+0.4%、前回+1.4%)、アンダーライイングCPI前期比+0.55%(前回+0.75%)、前年比+2.5%(前回+2.5%)(1/23)―予想より弱め
・11月住宅融資残高-0.5%(予想+0.5%、4カ月ぶりのマイナス)(1/14)
・第3四半期GDP前期比+0.5%(予想+0.6%、前回+0.6%)、前年比+3.1%(予想+3.1%、前回+3.7%)(12/5)
・Q3経常収支-14.9bio(予想-14.55bio、前回-11.8bio)(12/4)
・Q3民間設備投資+2.8%(過去3QTRで最低、予想+2.0%、前回+3.4%)(11/29)
・RBA四半期金融政策報告書(11/9)
2012年のGDP予想3.5%(前回3.5%)、2013年GDP2.75%(前回3.25%)―鉱業投資の下方修正で。インフレ予想(コアも)2012年2.5%(前回2.25%)、2013年2-3%(コアも)(変わらず)(11/9)

-4

-4

市場センチメント
(リスク値)

欧州不安拡大せず、米議会予算局の今年の経済見通し上方修正などでセンチメント改善。
NYダウ引けは前日比+7ポイントの13,986ドル。本日オフショアでは-19ドル、昨日VIX恐怖指数は-0.31の13.41。

+2

+3

市場ポジション

シカゴIMMの豪ドルポジションは買いコントラクトの85,296に減る(1/28付)。短期筋は豪ドル/ドルややショート増える、豪ドル/円ロングやや減る。

+3

+2

商品相場

原油は96ドル台に反落、金は1677ドル台に小反発、昨日CRBは-1.22の302.91。スポット鉄鉱石155ドルに上昇、石炭は85ドルに小幅下落、中国の景気回復期待が高まる。

+2

+3

金利・為替(当局)

2月据え置きも、「必要な場合は追加緩和、豪ドルは依然として予想を上回る」(声明文)で金利先安観は残る(2/5)一部豪銀2013年末2%までの低下観測あるが、一方利上げ観測もちらほら出だしており意見分かれる。
米豪10年利回り格差1.562%に拡大。

-2

-2

需給

日本の投信設定が増えてきている。年初も今年の資源輸出カバーが出やすい。根強い中銀の豪ドル債購入観測。中国の景気回復期待で鉄鉱石の輸出回復基調。中国など海外からの直接投資、M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。

+3

+3

テクニカル

豪ドル/ドルは一目均衡表の雲の下に下落、豪ドル/円は依然雲のはるか上。また豪ドル/ドルは依然としてボリンジャーバンドの下限に張り付き、しかもボリンジャー自体が下降。豪ドル/円は上限に張り付き違い顔。RSIは豪ドル/ドル33.25%でoversold、豪ドル/円は63.36%でoverboughtやや減る。

+2

+3

米ドル強弱

ドルインデックスは79.82に上昇、ユーロ/ドルは1.35台前半に反落。

-3

+3

中国関連

<中国関連>1月HSBC非製造業PMI54.0(前回51.7、4ms high)(2/5)、1月HSBC製造業PMI+52.3(予想52.0、前回51.5で22ms high)(2/1)、1月製造業PMI 50.4(予想51.0、前回50.6)(2/1)、Q4GDP+7.9%(予想+7.8%、前回+7.4%)(1/18)、2012年GDP+7.8%(確定)、12月鉱工業生産+10.3%(予想+10.2%、前回+10.1%)、12月小売売上高+15.2%(予想+15.1%、前回+14.9%)(1/18)、12月貿易収支+316億ドル(予想+200億ドル、前回+196.3億ドル、輸出前年比+14.1%、輸入前年比+6.0%)(1/10)、中国人民銀行チーフエコノミスト「2013年GDP見通し8%超見込み」。世銀見通しで来年の中国8.4%成長見通し(12/19)、(新華社)社会科学院2013年8.2%成長可能、習主席安定成長に関する発言を好感、中国共産党大会チャイナセブン選出(11/15)―2020年のGDPを2010年の倍が目標、Q3GDP+7.4%(予想+7.4%、前回+7.6%)、1兆元のインフレプロジェクト発表(9/7)温首相「経済は下半期に好ましくない状況にさらされている。政策調整を加速させる」(8/27)、預金準備率引き下げ観測、6月(3年ぶり)に続いて利下げ(7/5預金金利3.0%、貸出基準金利6.0%)、内需拡大策発表、(5/20)預金準備率を20.5%→20.0%に引き下げ(5/12)人民元変動幅を4/16から0.5%→1.0%に拡大。上海総合指数本日-31pts(追加引き締め観測を嫌気)。

+2

+3

その他(政治、産業界など)

(豪州国内)
9/14下院総選挙発表―労働党支持率低下、QLD州、NSW州の洪水被害拡大、豪ドル高懸念再燃(ワイン輸出など非資源輸出に打撃)、2012/13年財政黒字転断念(市場好感)、住宅ローン金利低下せず反発強い、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感強い、豪州産業グループ(AIG)CEOはRBAによる豪ドル高阻止を希望、資源産業/非資源産業格差問題、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。
(2/3-4AFR/Nielsen poll)(二大政党間)労働党支持率44%(前回-5%)、野党保守連合(自由党・国民党)56%(前回+5%)、首相適任ギラード支持41%(前回45%)、アボット支持39%(前回33%)、難民問題、豪ドル高から鉱山ロイヤルティー(米ドル建)が大幅目減りも。

-2

-2

総合index(現状)

やや買いバイアス

+3

+12

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

ハト派的RBA声明にもかかわらず、高まる利下げ終了の思惑

今週のRBA理事会では金利据え置きとなる一方、その声明文では“必要とあれば追加緩和の可能性”、“豪ドルは依然として予想を上回る”などの文言が見られ豪ドル反落(1.03割れに)の一因となった。
しかしこのRBA理事会の結果を踏まえた当地アナリストの間では従来よりも“利下げ終了派”の割合が増えているようだ。
つまり現下の豪ドル高や政府支出の削減という状況下、RBAの言い回しは慎重なスタンス継続の印象を与えるが、スティーブンス総裁の発言や声明文の他の箇所ではよりポジティブなトーンが見られると分析している。

たとえば:

・今年の成長はトレンドライン(3.25%)をやや下回るが、昨年の大幅利下げが望ましい影響を与えつつある。
・家計は車などの耐久財への支出を増やし、住宅価格は上昇しつつあり、貯蓄者はよりハイリスク投資に向かいつつある。
・米国は財政の崖を回避し、欧州債務危機は緩和し、中国の成長ペースはかなり強い水準に戻りつつある など。

実際昨年の1.25%の利下げ実施の背景には商品価格の大幅下落があったが、鉄鉱石や石炭などの資源価格を中心に商品相場は昨年12月以降大きく持ち直している。今週発表された12月の貿易収支は-$427mioと赤字幅が過去10ヶ月で最小となったが、背景は鉄鉱石や石炭価格の上昇と輸出の増加であった。鉄鉱石はトン当たり、昨日154ドルと昨年9月の90ドルから78%上昇しているのだ。
こうした中、昨年1.25%の利下げを行うベースとなったRBAの経済予測の前提が大きく変わってきていることを指摘するアナリストが増えつつあり、今後のRBAの金融政策についても意見が二分されつつある。

マッコーリー銀行のBrian Redican氏やANZのWarren Hogan氏などの年末2%説はさておき、ドイツ銀行(オーストラリア)などは依然として年内3回の利下げを予想している。一方、HSBCやAMPのエコノミストは「RBAの次の行動は“利上げ”」との意見。HSBCのエコノミストPaul Bloxham氏は年末までに最低1回の利上げを予想し、AMPのShane Oliver氏は2回の利上げを予想している。
Warwick MacKibin前RBA理事は年末までに2度の25bp利上げ予想をし「RBAは昨年8月と9月の商品価格の大幅下落が一過性のものか長期にわたるものかを正しく判断すべきだった」と指摘している。
豪州や米国や英国の株価は年初の1ヶ月で5〜6%上昇しており、今後超金融緩和下で世界経済が予想を上回るスピードで回復する場合にはグローバルにアセットバブルの懸念が強まる可能性も否定できない。

 

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