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マーケットビュー

木曜 津田穣のG´Day! (グダイ!) 豪ドルレポート 豪州からホットな最新情報をお届け

リスク選好ムードを維持しつつX'masへ

更新日:2012年12月20日

豪ドルここまでのレビュー

この1週間(12/13〜12/20のレンジ):
 AUDUSD: 1.04637-1.05767 AUDYEN: 87.694-88.980

この1週間は欧州懸念が更に後退する一方、米財政の崖問題は進展が見られなかったが依然として期待感も強く、総じて株価や商品相場は堅調推移した。

週末の衆議院選挙における自民党の圧勝から本日の日銀金融政策決定会合での追加緩和期待が高まり日経平均は1万円を回復しドル/円は年初来の高値84円台後半まで上昇。
また欧州不安の後退と相まってユーロ/円は一時昨年8月以来の高値112円台半ばに上昇し、またユーロ/ドルも今年4月以来の高値1.33台を付けた。

豪ドルは中国の景気回復期待から鉄鉱石がトン当たり131ドルまで上伸したが、不冴えな国内指標や金利先安観、更には豪ドル高警戒もあり、上値は1.05台後半と限定的で1.04台後半にじり安推移した。
月曜日に豪ドル/円はギャップオープンして一瞬89円台を付けたが、その後は“ギャップを埋める”形で88円台前半に軟化した。

昨日ニューヨーク市場後半でオバマ政権当局者の「財政協議は合意から後退している」との発言で一時ドル/円が84円台を割り込むなど、ややリスク回避的な動きが見られた。
ユーロ堅調・豪ドル軟調を受けてユーロ/豪ドルは12月上旬の安値1.22台後半から昨日は1.26台後半まで上昇した。

豪ドル見通し

向う1週間の予想レンジ :
 AUDUSD:1.0400-1.0600 AUDYEN:87.00-90.00

向う半年の予想レンジ :
 AUDUSD :0.90-1.10  AUDYEN: 80.00-100.00

足元のセンチメント―やや買い疲れ感あるが、下値で押し目買い意欲
足元の予想――調整反落後年末に向けて反発

今週も基本的にはリスク選好の流れが継続している。
米財政協議は依然として難航しているようだが、やはり野党の抵抗は日本の国会のみならず米国でも峻烈のようだ。共和党による“大統領選挙敗北の憂さ晴らし”的な抵抗が見え隠れする。

米財政の崖は今や最大のリスク要因であるものの、やはり昨年から今年前半吹き荒れた“ギリシャ離脱、ユーロ崩壊危機”に比べれば一国の内政問題でありリスク値ははるかに低く、その違いが全般的なリスク選好の動きにあらわれているが、崖問題解決には、いかんせんいずこも同じ“ネジレ国会”故の困難が付きまとう。

それにしても今週はS&Pがギリシャの格付けを選択的デフォルトからBマイナスに引き上げたが、ユーロ崩壊論を声高に叫んでいた悲観論者達は今頃“自分達の警告がユーロ崩壊を未然に防いだ”とでも思っているのだろうか?

今回の衆院選挙で自民党が圧倒的に勝利した主因は民主党政権への失望感であるが、もう一つのポイントとして安倍総裁が円安・株高を提唱し、実際に選挙に向けて市場が反応し始めた点が大きい。
筆者はいみじくもかなり以前に「選挙に勝ちたいなら円安株高政策明言すべき」と言っていたことを覚えている方もいると思うが、やはり目に見える数字は最大の説得力を持つ。
野田さんは観念的なことばかり強調して“数字の効果”を軽視したのが惨敗の一因ではないのだろうか。本日の日銀金融政策決定会合の結果が注目されたが、資産買い入れ基金の10兆円増額を決定し、物価目標は次回会合で検討することになった。
需給面、ファンダメンタルズ面から円安のポテンシャリティーが大きいと従来から言っているが、次回の日銀決定が安倍効果に対する“第一の踏み絵”となるだろう。
日銀の積極的な追加緩和姿勢が見られなければ、自民党政権への期待感が一気に崩れ、期待先行の円売りポジションが一時的にせよ巻き戻されるだろう。
一方インフレターゲット2%が実現したり、アグレッシブな緩和の印象を与える結果が出れば、ドル/円の一段高に繋がるものと思われる。

豪ドル/円はドル/円急反発を得て、週初は一時89円台と今年の高値を更新したが、ユーロ/豪ドルが1.26台後半に反発するなど、ユーロに比べて豪ドルの上値が重いのは、やはり依然国内で豪ドル高弊害論が活発であることや、市場アナリストの中にRBAが来年末までにキャッシュレートを2.00%程度まで引き下げるとの大胆な観測があるためだろう。
ただ再三指摘しているように、年末まで資源関連の豪ドル買い需要が押し目買いとなって下値をサポートしよう。今後ドル/円が続伸する場合には、豪ドル/円もリーマンショック以来となる90円台をトライする可能性があろう。

いよいよクリスマス休暇に入りで今年も残すところわずかであるが、市場の焦点は米国財政の崖問題が滑り込みセーフで年内解決となるか、あるには暫定措置の合意に留まり、問題解決が来年にずれ込むかという点であろう。

Joe式豪ドル週替わりindex

独自の手法で10項目について豪ドル相場にとっての好悪インパクトをそれぞれ最弱評価から最強評価まで「-10―+10」でランク付けし、現状を総合判断したもの。したがって総合indexは理論的には最弱-100で最強+100となる。Indexが大きくプラス、マイナスに傾いている時がチャンス。
現状分析であり、今後を予測する機能はあまりないが、ポジション造成や閉じる際の参考にはなる。

 

ポイント

今回
index

前回
index

ファンダメンタルズ

良い(強い)
・10月住宅融資残高+1.8%(前回+0.9%)(12/13)
・11月雇用統計就業者数+13.9千人(予想0.0千人、前回+10.2千人)、失業率5.2%(予想5.5%、前回5.5%)(12/6)
・豪州Q3CPI、ヘッドラインCPI(全項目)前年比+2.0%(予想+1.6%、前回+1.2%)、前期比+1.4%(予想+1.0%、前回+0.5%)、アンダーライイングCPI前期比+0.75%(前回+0.6%)、前年比+2.5%(前回+2.15%)(10/24)―予想より強め

悪い(弱い)
・11月インターネット求人数宇-3.5%(前回-3.1%、8カ月連続マイナス)(12/19)
・10WESTPAC Leading Index+0.1(前回+0.7)(12/19)
・12月WESTPAC消費者信頼感100.0(前回104.3)-4.1%(前回+5.2%過去4ヶ月間で初めてマイナス)(12/12)
・11月NAB企業景況感-5(前回-5)、企業信頼感-9(前回-1)(12/11)

・第3四半期GDP前期比+0.5%(予想+0.6%、前回+0.6%)、前年比+3.1%(予想+3.1%、前回+3.7%)(12/5)
・Q3経常収支-14.9bio(予想-14.55bio、前回-11.8bio)(12/4)
・10月小売売上高0.0%(予想+0.4%、前回+0.5%)(12/3)
・Q3民間設備投資+2.8%(過去3QTRで最低、予想+2.0%、前回+3.4%)(11/29)
・RBA四半期金融政策報告書(11/9)
2012年のGDP予想3.5%(前回3.5%)、2013年GDP2.75%(前回3.25%)―鉱業投資の下方修正で。インフレ予想(コアも)2012年2.5%(前回2.25%)、2013年2-3%(コアも)(変わらず)(11/9)

・9月貿易収支-1,466mio(9カ月連続赤字、予想-1,550mio、前回-1,876mio)(11/5)

-4

-3

市場センチメント
(リスク値)

欧州情勢好転、米財政協議への期待あるが、目先は逃避的な動きも。
NYダウ引けは前日比-98イントの13,251ドル。本日オフショアでは-14ドル、昨日VIX恐怖指数は+1.79の17.36。

-2

+3

市場ポジション

シカゴIMMの豪ドルポジションは買いコントラクトの103,376に増える(12/11付)。短期筋は豪ドル/円のロングもやや減少、豪ドル/ドルはほぼニュートラル。

-2

-4

商品相場

原油は89ドル台で堅調、金は1665ドル台に下落、昨日CRBは+0.05の295.59。スポット鉄鉱石131ドルに上昇、石炭は88ドルに反発、中国減速懸念やや弱まる。

+3

-2

金利・為替(当局)

(12/18)スティーブンス総裁「豪ドルは予想していたより少し強い」、12月0.25%利下げ「金融緩和が景気回復に役立つ、世界情勢依然下振れリスク、交易条件はピークから15%下落、設備投資が弱い、豪ドルは予想外に強い」(12/4)、1月はRBA理事会ないので、クリスマス商戦前のカンフル剤か?ただ利下げ足元打ち止め感も。ただし来年末までに2.00%まで低下観測も根強い。米豪10年利回り格差1.582%にやや拡大。

-2

+2

需給

12月は資源会社が来年度輸出カバーを行う月。日本の外貨投信減少。中銀の豪ドル債購入意欲も一服か→しかし下値では中銀の押し目買い需要も(アジア、南米)、欧州情勢悪化、中国の景気スローダウンなら資源輸出減!中国など海外からの直接投資、M&Aに絡む豪ドル買い需要の話。

+4

+3

テクニカル

豪ドル/ドル、豪ドル/円ともに一目均衡表の雲(1.0334-1.0366、82.16-83.46)の上。両ペア共に先行スパンAがBの上となり強気サイン。ボリンジャーバンド(1.04.01-1.0577、84.79-89.26)の上限から特に豪ドル/ドルは中ほどに反落。長期移動平均線は11月から上昇で基本的にブルトレンドだが、週初からやや調整色で豪ドル/円は先週末の「窓」を埋めた。RSIは豪ドル/米ドル49.78%、豪ドル/円68.98%とoverboughtかなり解消。豪ドルは“戻しは「窓」埋めまで”で再度上昇か。

+3

+3

米ドル強弱

ドルインデックスは79.42に下落、ユーロ/ドルは1.32台前半にやや下落。

+2

+2

中国関連

世銀見通しで来年の中国8.4%成長見通し(12/19)、12月HSBC製造業PMI 50.9(前50.5)と強い(12/14)、11月貿易収支+19.6bio(鈍化、前回+32bio)、輸入は+0.0%(前回+2.4%)、輸出は+2.9%(前回+11.6%)(12/10)、11月鉱工業生産+10.1%(予想+9.8%、前回+9.6%)、11月小売売上高+14.9%(予想+14.6%、前回+14.5%)(12/9)、(新華社)社会科学院2013年8.2%成長可能、習主席安定成長に関する発言を好感して株価急上昇、11月HABC非製造業PMI52.1(前回53.5)、11月製造業PMI 50.6(前回50.2)、11月非製造業PMI 55.6(前回55.5)、11月HSBC製造業PMI50.5(前回49.5)、2020年のGDPを2010年の倍が目標、Q3GDP+7.4%(予想+7.4%、前回+7.6%)、2012年6月(3年ぶり)に続いて利下げ(7/5預金金利3.0%、貸出基準金利6.0%)、内需拡大策発表、(5/20)預金準備率を20.5%→20.0%に引き下げ(5/12)。人民元変動幅を4/16から0.5%→1.0%に拡大。温首相2012年GDP目標を7.5%に下方修正。
本日上海総合指数は小動き。

+3

+1

その他(政治、産業界など)

(豪州国内)
資源産業/非資源産業格差問題、本年度財政黒字転換計画への反発強い、ギラード首相の過去の裏金関連疑惑や英国王室への偽電話問題など、労働党人気やや下落、鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げ検討への反感、豪州産業グループ(AIG)CEOはRBAによる豪ドル高阻止を希望、IMFは資源ブームけん引による豪州の輸出は減速見通し。
(11/15-17AFR/Nielsen poll)(二大政党間)労働党支持率47%(前回-1%)、野党保守連合(自由党・国民党)53%(前回+1%)、首相適任ギラード支持51(50)、アボット支持42(40)、難民問題、豪ドル高から鉱山ロイヤルティー(米ドル建)が大幅目減りも。

-3

-2

総合index(現状)

やや買いバイアス

+2

+3

【豪ドル/ドル チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

【豪ドル/円 チャート】

※チャートはクリックで拡大できます

OZ NOW

アジア通貨戦争?

当地の新聞でもShinzo Abeの発言や自民党の圧倒的勝利が大きく報道がなされている。 FXディーラーは今週の日銀会合で景気刺激と通貨安を狙った新たな金融緩和策が発表されるか非常に注目している。

特に先週金曜日に発表された12月日銀短観の不冴えな数字と昨日発表された11月貿易赤字が1兆円規模に拡大していることをアグレッシブな日銀緩和の裏付けととらえる記事が多く見られ、

(1) 日銀はインフレターゲットを2%に引き上げて、達成するために
“unlimited easing”を行う。
(2) 金利をゼロ以下に引き下げる。

というかなり急進的な観測記事が見られる。
その一つの根拠として日本は第4四半期GDPマイナスで景気後退(リセッション)入りとなる可能性が高く、今月初めに西村副総裁が「景気が回復しない場合は適切かつ断固たる措置を取る」と発言したことを挙げている。

日本は金融危機の最中も通貨下落政策を取らずに、世界経済の“ショックアブソーバー(衝撃吸収材)”の役割を果たしてきたが、それも困難になりつつあると結論付ける。
実際インフレ率を加味した実質長期債利回りは日本が約1%、独が0%、そして米国が-1%となり日本の実質金利の高さが円買いの背景にあったことも確かであろう。

ただ今後円安政策が現実味を帯びる場合には、世界経済、特に豪州を含めたアジア経済への打撃は大きなものになると警告する。
実際安倍発言以降、円はユーロや米ドルに対してある程度下落したが、より大幅に韓国ウオン、人民元、豪ドルなどのアジア通貨に対して下落しており、今後アジア諸国の競争力を奪う危険性が指摘される。

現在日本が関わる領土問題に新たに通貨問題が加わるという警戒的な見方である。
ただ過去30年近くにわたって240円から75円まで減価したドル/円が高々100円近辺に戻ることに諸外国の非難が集中するのであれば、それは未だに日本経済の“ショックアブソーバー機能”を当てにした諸外国の甘えであるように思う。

 

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