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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

G20、昨年掲げた目標に近づけず。米中が原因?

更新日:2015年9月7日

9月7日(月)−9月11日(金)

今週の予想:
ドル円=116-121、ユーロドル=1.09-1.14、ユーロ円=130-135

指標など:
日 GDP 法人企業景気予測調査 貿易統計、 NZ 政策金利、
中 CPI 小売 鉱工業、 豪 雇用、 トルコ GDP、 BOE政策金利

全体

トルコでのG20が閉幕。昨年のG20首脳会議では、構造改革などを通じて、域内全体の国内総生産(GDP)を今後5年間で従来見通しに比べ2%以上底上げする目標で合意していたが到底無理な状況となっている。従来の見通しさえ達成していない。IMFや欧州も成長見通しを下方修正している。各国はその原因とされる2国、すなわち米国の利上げも、中国発の世界同時株下げも名指しされなかったが、やんわりとG20声明に記載した。如何に両国が良心的に今後反応できるかどうかが、市場の安定に影響する。見方によっては、声明に具体性がなく失望したとなるが、それは今後の両国の対応次第である。G20でのいい意味でも悪い意味でもの主役の米中の9月24日、25日の首脳会談がより注目されるだろう。FOMCは17日である。

G20での為替についての声明はやや変わったと思う。今回は「根底にあるファンダメンタルズを反映するため、より市場で決定される為替レートシステムと為替の柔軟性に移行し、為替レートの継続したファンダメンタルズからの乖離を避けるとの我々のコミットメントを再確認する。我々は、通貨の競争的な切り下げを回避し、あらゆる形態の保護主義に対抗する。」となっている。

これは再確認なのでいつも通りと流してもいいのだが、具体的にこの文言が表記されたのは2013年モスクワG20以来である。その間の声明は「我々は、我々の以前の為替相場のコミットメントを再確認する」とまことに簡素で為替についてはあまり問題がないとされてきた。今回再確認で13年の声明が表記され、通貨安へは誘導しがたくなった。

米ドル=「利上げ観測がやや後退」

米2Q・GDPが上方修正され、8月雇用統計の非農業部門雇用者数も予想は下回ったものの、6月、7月が上方修正され、まずまずのものとなった。その他、時折弱い指標も出るが、他国と比べれば強いことでドルが買われている。ただ利上げに向かうにはインフレがまだ低いままだ。ここで利上げをして他国に影響があれば、それが跳ね返って、さらにインフレの低下要因ともなりかねない。また少々の利上げ観測にも耐えられない米株も不安である。NYダウは年初来で9.65%の下げとなっている。ちなみに上海株は2.3%の下げ。インフレ低下、株安で利上げに踏み切るには、織り込み済みで兆候は出ているが今後も弊害は大きくなるだろう。またイエレン議長がジャクソンホール会合だけでなく、G20も欠席したのが気になっている。

ユーロ=
「ドラギ総裁のマイナス・インフレ発言。ギリシャ不安再燃か」

ECBがユーロ圏の2017年までのインフレ率と経済成長率見通しを引き下げたことでユーロが弱含み推移している。ECBドラギ総裁は物価・成長見通しの下方修正の理由に挙げた新興国景気の減速と原油安について今後状況がさらに悪化する可能性に市場は警戒感を示した。ドラギ総裁は資産買い入れプログラムを2016年9月末まで実施することを意図しているが、必要なら延長するとの考えも示した。さらにECBは必要なら利用可能な手段をすべて活用する。成長へのリスクは引き続き下向き、インフレ率は向こう数カ月マイナスの可能性があるが、2016、17年には持ち直すだろうと続けた。
またギリシャ問題だが当初の世論調査ではチプラス氏率いるSYRIZAが優勢であったが、先週はそれが逆転し、また混乱が起きる可能性も出ているので留意したい。今週はユーロ圏財務相会合が開催される。

英ポンド=「来年1Qの利上げ予想に現実味なく弱い」

今年は利上げ観測もあり堅調な展開であったが、カーニー英中銀総裁がインフレが当分は弱いとの見通しを示してから弱含んで推移し、通貨番付でも円やドルにやや引き離されている。またカーニー総裁は、中国経済鈍化で英インフレ率には一段の下押し圧力がかかる可能性はあるが、政策金利をいつ、どのように引き上げるかに関する英中銀のスタンスに変化はない、との見方を示した。英インフレ率はゼロ付近にあるものの、賃金の伸びが加速するなか、来年1Qの利上げ開始を予想している。今週は政策決定会合があるが、国内要因、また海外要因も考慮し据え置きとなるだろう。

人民元=
「PMI依然冴えず、年金の株式投資は効果が出るか、今週も重要指標あり」

財新PMIの悪化に続き、政府版の 8月製造業PMIや非製造業PMIも悪化した。急落した上海株については、年金基金が株式などの資産に2兆元の資金を投資し始めることが明らかになり今後が期待される。ただ先週末の米雇用統計発表後の株価の下落の影響を上海株市場がどう受けるかも注目したい。7月工業部門企業利益は、前年同月比2.9%減少した。今週も重要指標が多く、8月貿易収支で輸出の伸びに注目したい。また8月CPI、PPI、9月13日(日)には鉱工業生産や小売売上の発表もある。また依然中国は景気・株価・為替対策を続けている。固定資産投資の資本規制を緩和、銀行の預貸比率の緩和、人民元の先物売りを規制、利下げと預金準備率引き下げなどだ。またG20では人民元のSDR採用には賛同が得られた。

豪ドル=「主要指標は悪化、今週は雇用統計」

RBAは政策金利を予想通り2.0%で据え置いた。豪ドルは下落しており、商品安や主要貿易相手国である中国の見通し悪化の影響を和らげたとしている。スティーブンスRBA総裁は「入手可能な情報の大半は豪経済の緩やかな拡大が続いていることを示唆している。中国の動向との関連で、最近の株式市場の変動はかなり大きくなってきている」と述べた。ただ先週発表された主要指標は悪化した。2Q・GDPは前期比0.2%増と、2013年1Q以来の低い伸びとなった。予想は0.4%増であった。輸出の急減などが背景。国民可処分所得は前年比0.7%減少。また7月小売売上は前月比0.1%減となり、予想の0.4%増を下回った。2Q民間新規設備投資は、前期比4.0%減となり予想の2.5%減を超える落ち込みとなった。
これに加え中国の製造業PMIの悪化や上海株価の急落で、RBAの豪ドルのこれ以上の下落は望まないと示唆していたにもかかわらずさらに豪ドルは下落している。今週は8月雇用統計の発表があり、今年は雇用は力強い面もあるがこれだけ他の指標が悪化しているので大きくは望めないだろう。
2008年にRBAが豪ドル買い介入を行って豪ドルの下落を食い止めた0.6台に入ってきている。

NZドル=
「今週政策金利決定、利下げ予想、7月買い介入した為替についてどう言及するか」

今週の政策金利決定は0.25%引き下げ予想だが、住宅投資過熱とNZドルの7月買い介入をどう声明で織り込むかに注目したい。8月企業信頼感は悪化、2Q失業率、小売売上、2Q製造業PMIも冴えず。2Q・CPIが弱く、乳製品価格の続落があった。復興需要のあった建設業は伸び悩んでいる。イングリシュ財務相は、減速する中国経済がハードランディングした場合、NZはリセッションに直面するリスクが高まり、利下げや政府支出の拡大を余儀なくされる可能性があるとの見解を示した。リセッションのリスクは小さいが、中国のハードランディングでその可能性は高まるだろうと述べた。
ただ8月半ばより乳製品価格は減産とロシア輸入拡大観測で下げ止まっている。今年NZドルは6月から大きく下げていたので、キー首相の発言は買戻しを誘発した(7月20日、過去1年間で25%下落したNZドルについて、下落のペースが予想より速かったと発言)。ただ8月半ばで効力を失いつつある。来年度の財政は黒字化を目標としこれは格付け会社から評価されている。

南アランド=「ネネ財務相がお手上げ発言」

詳細は後述致します 

トルコリラ=「今週2Q・GDP発表、予想は3%」

トルコアンカラで開催されテロも危惧されたG20財務相・中銀総裁会議は無事に終わった。その間もトルコリラは下落している。11月の再総選挙で過半数獲得をもくろむ最大与党のAKPの支持率は依然40%と低迷している。
8月消費者物価指数は前年比で7月の6.81%から7.14%へと上昇した。債券が売られトルコリラも売られた。今週はすでにゼイベクチ経済相が2015年のトルコの国内総生産(GDP)伸び率は3%を上回るとの見方を示しているが、第2四半期GDP [前年比]が発表される1Qは2.3%増、2Q予想は3.0%増である。
ISやPKKへの爆撃からの報復テロ、政局不安、インフレ懸念と苦しい状況が続く。

 

【今週の注目経済指標】

9/7
(月)

(日)景気動向指数・速報値
(独)鉱工業生産
(加)トロント休場
(米)NY休場(レイバーデー)

9/8
(火)

(日)国際収支、第2四半期GDP・二次速報、貿易統計、企業倒産、景気ウオッチャー調査
(中)貿易収支
(スイス)失業率
(独)国際収支
(ユーロ圏)GDP・改定値
(米)労働市場情勢指数

9/9
(水)

(日)消費動向調査
(英)貿易収支、鉱工業生産
(加)住宅着工件数、中銀政策金利
(メキシコ)消費者物価指数
(米)EIA週間石油在庫統計

9/10
(木)

(NZ)政策金利
(豪)雇用統計
(日)機械受注、企業物価指数
(中)消費者物価指数、生産者物価指数
(トルコ)GDP
(英)BOE政策金利・議事録
(米)新規失業保険申請件数

9/11
(金)

(日)法人企業景気予測調査
(米)生産者物価指数、ミシガン大消費者信頼感指数・速報値

9/12
(土)

(中)小売売上、鉱工業生産 

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り ※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:119-124、黒田総裁の前向き発言からは、個人消費に陰りあるも追加緩和はなさそうだ
世界的な株安が続き円の買戻しが起きドル円は下落した。中国財新に続き、政府版製造業PMIも悪化リスク回避の円買いも起きた。

---先週の予想は以下の通り---

中国初世界同時株下げで一時116円台をつけたが、中国の追加金融緩和や日本と同じように公的機関の株式買いが出て上海株も週末上昇するとドル円も小幅ながら4連騰した。貿易赤字縮小の円買いをGPIFの外貨投資、生保の海外生保買収での円売りで相殺している。2Q・GDPマイナス成長も円売りに少し作用しているだろう。先週は波乱があったものの長い下ヒゲを残し、小幅陰線となった。このまま一目均衡表の雲の下に留まるか注視したい。個人消費は停滞しているが、NYで黒田総裁の講演では、輸出の減少は一時的、2%物価目標の達成は可能、雇用に逼迫感あり、企業は先行きに自信を持ち設備投資を増加させている、原油価格下落は長期的には景気に好影響与えるなどと前向きのものであったことから追加緩和観測は遠のいただろう。

(テクニカル)「サポートラインを下抜いた後は下ヒゲで戻す。8月19日-20日の下降ラインが上値抵抗」
ボリバン上限から反落し一気に下限下抜きへ。7月27日-28日の上昇ラインを下抜き小康して一気に下落。8月24日には下ヒゲを出し、翌日からは4連続陽線。8月20日-21日の下降ラインを上抜いた。8月19日-20日の下降ラインが上値抵抗。8月26日-27日の上昇ラインは急なので下抜いてもおかしくない。5日線は8月24日の大陰線があるのでまだ下向き。
週足は7月27日週から3週連続陽線も上ヒゲが長いのが気になるとしていたが、大幅下落した。7月6日週-8月3日週の上昇ラインを下抜いてボリバン下限を下抜いた。ただ先週は長い下ヒゲを残しボリバン中位まで戻ってきた。
月足は今月6月-7月の下降ラインを上抜いたが下抜き返す。ボリバンでは116への下落があったがまだ上位。6月はボリバン上限に近づいて反落、7月は陽線だが下抜いた5月-6月の上昇ラインを越えられなかった。14年8月-10月の上昇ラインは維持できず。2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインは維持している。
年足は短い陽線。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線だが13年-14年の上昇ラインは下抜きそうで抜かなかった。ただ、先週116円に下落したようにまだ要注意。

【豪ドル円】 予想レンジ:85-90、今週から重要指標発表続く、中国PMIにも注目
GDP、小売売上、設備投資の悪化、また中国では財新に政府版製造業の悪化もあり、豪ドルは売り込まれ大きく下落した

---先週の予想は以下の通り---

(ポイント)
*国内では重要指標は9月初旬に集中して発表される
*8月後半は中国など外部要因で為替、株共に大幅下落した
*輸入品のGSTの適用範囲拡大の予定である
*雇用者の伸びは力強い
*6月小売売上も上昇
*2Q・CPIの基調インフレが落ち着いている
*住宅関連指標は強い
*7月求人広告も改善した
*スティーブンス総裁は最近の豪ドル安を評価し豪ドルは一旦下げ止まる
*鉄鉱石価格下落は続く
*予算案は好感されたが逆にIMFは財政を緩めて景気刺激を勧告
*利下げの懸念は住宅投資が過熱すること
*大手企業の人員削減は続く。トヨタもGM、フォードに続き工場撤退を表明

(トピックス)

(今週、来週に重要指標)
8月後半は豪国内指標で目立ったものはなかった。外部要因(中国、鉄鉱石価格など)に振らされた。今週は経常収支、住宅建設許可、GDP、政策金利、貿易収支、小売売上、来週は雇用など重要指標目白押しとなる。

(政策金利は)
RBAは9月1日に月例会合を開催するが、政策金利は過去最低の2%に据え置かれるとの見方が優勢。国内指標は雇用、小売売上がしっかりしている。インフレもインフレターゲット以下だが落ち着いていた。先週の原油11%上昇も考慮されるだろう。ただ設備投資は弱い。市場は会合後の声明で、中国経済にどのような見方を示すのかに注目している。
中国に関して楽観的すぎることはないが、それほど暗い見通しでもないだろうとの見方がある。

(設備投資は減少)
第2四半期の民間新規設備投資(季節調整済み)は、前期比4.0%減の343億豪ドルで、予想の2.5%減を超える落ち込みとなった。
2015/16年の設備投資計画は1,148億豪ドルで、前回調査の1,040億豪ドルから引き上げられた。予想の約1,125億豪ドルを上回ったものの、2014/15年の設備投資額を大幅に下回る水準だった。鉱業セクター以外の投資はこれまでかなりの期間、大幅に控えられており、RBA)が2月と5月に利下げを決めた主な理由となった。

(スティーブンスRBA総裁)
財政政策をめぐる議論で重要なのは、財政収支がいつ黒字化するのかではなく、経済成長をいかに加速させるかという点だと述べた。総裁は、所得再配分などに関する議論についても、「公平さ」ではなく、「いかにパイを拡大するか」が重要な論点、との認識を示した。
総裁は「われわれが望むたぐいの成長は、中銀による金利調整や、短期的な財政刺激策によってもたらされるものではない」と強調したうえで「より持続的な成長の源を探すことが肝要だ」との見方を示した。

(アボット首相支持率低下)
調査会社ニュースポールが実施した最新の世論調査で、「好ましい首相」としてアボット首相の支持率が5カ月来の最低水準である30%に落ち込んだことが分かった。これに対し、6月には就任以来の最低水準に落ち込んだ野党労働党のショーテン党首の支持率は大きく回復し、3カ月来最高水準になった。中小企業と家族支援に焦点が置かれた5月の予算案発表後、上昇した与党支持率は、3カ月来の最低水準となった。
与党の主要閣僚間で同性婚の自由投票について意見が割れたことや、党内情報が匿名でメディアに流れていることへの懸念に対しアボット首相が警告を発したことなどが影響したとみられる。2党間支持率では緊縮予算案が発表された昨年5月以来、16カ月継続して労働党がリードしている。
ニュースポールが20〜23日に実施した調査では、政党間支持率は保守連合が8月初頭の前回調査から1ポイント低下の38%だった。労働党は横ばいの39%と6カ月来の高水準を維持している。2党間支持率では、ともに横ばいで保守連合は46%、労働党は54%と、労働党が依然リードしている。
アボット首相の満足度(支持率)は、3ポイント低下の30%。これに対しショーテン党首の満足度は5ポイント上昇の34%だった。

(RBA議事録)
8月4日の政策決定会合の議事録では、経済成長を支援するため緩和策が依然として適切だと指摘され、通貨下落が鉱業への投資主導型経済からのシフトを後押ししているとの認識が示された。「ここ数カ月にわたり経済活動は全般に一層ポジティブとなっている」と指摘。「豪ドルがさらに下落すれば、純輸出改善を通じて経済に刺激を与える」との見通しを示した。

(テクニカル)「下ヒゲで戻すも、まだ8月24日の高値抜けず」
ボリンジャーバンドをきっちり往復していたが、8月24日の中国株の下落、再び下落した鉄鉱石価格でボリジャーバンド下限を大きく下抜いた。ただ81.89から84.67と長い下ヒゲを残しバンド内に戻った。8月24日-26日の上昇ラインがサポート。8月18日-20日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足は7月27日週-8月3日週の上昇ラインを下抜いて下落。週のボリバン下限を下抜いたが先週長い下ヒゲは出ている。
月足は5月、6月と上ヒゲを出し、7月の下落につながった。4月-5月上昇ラインは下抜いている。ボリバン下限へ到達した後、今月は反発していて、6月-7月の下降ラインに近づいてきたところへ8月24日の下落でボリバン下限を下抜いた。年足は2009年-12年の上昇ラインを下抜いている。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:116-121、通貨番付2位に躍進、首位に肉薄

円が強い。主要11通貨の年間通貨番付ではドルとポンドを抜いて2位に躍進した。また1月にスイス売り介入を突然中止して、急騰した首位スイスにも肉薄するようになった。8月までも上位に位置していたが、中国発の世界同時株安で円買戻しも入ったのだろう。背景には2012年から拡大の一途であった貿易赤字が縮小傾向にあることも円買いを誘った。もちろん、GPIFや機関投資家の外貨投資の円売りがある程度その流れを抑えている。日本の2Q・GDPは前期比マイナス成長となったが、日銀は今後のインフレが2%に近づくとして追加金融緩和の姿勢を見せていないことは、引き締めしているような空気にもなり円買いとなっている。

今後、日本の円高・株安が進み消費増税が残るのでは個人の可処分所得も減少し、国内投資のみならず、海外投資にも積極的になれなくなってしまう。まだ損切りが損切りを呼ぶ加速度的円高にはなっていないが、アベノミクスのいいリズムが反転し始めているように思える。今週は国際収支、第2四半期GDP・二次速報、貿易統計、日銀短観と同内容の法人企業景気予測調査など重要指標の発表がある

(テクニカル)「2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインに下げて近づいてきている」
ボリバン上限から反落し一気に下限下抜きへ。8月24日の長い下ヒゲでバンド内へ戻すも、8月24日急落の日の高値を抜けず反落。8月20日-31日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下位。5日線下向き。
週足は7月6日週-8月3日週の上昇ラインを下抜いてボリバン一時下限を下抜いた。長い下ヒゲでバンド内へ戻ってきたが3週連続陰線。
月足は今月5月-8月の横ばいからやや下落。14年8月-10月の上昇ラインを下抜く。まだボリバン上位。2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインは維持しているが近づいてきている。
年足は陰転。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線だが13年-14年の上昇ラインは下抜きそうで抜かなかった。まだ要注意。

【南アランド円】 予想レンジ:8.00-9.00、ドル高、中国・欧州景気減速、2Q・GDPマイナス、インフレ懸念

(ポイント)
*8月企業信頼感指数が悪化
*ドル高、中国景気減速、欧州景気も減速、資源価格下落で明るいニュースがない
*アルセロールミタルは人員削減や工場閉鎖を計画
*ネネ経済相も失望の発言ばかり
*南アだけでなく、ナイジェリアなどのアフリカの大国も成長悪化
*2Q・GDPはマイナス成長となった
*7月CPIはインフレ懸念を残した(PPIは低下)
*中銀は利上げを行った。中銀総裁はタカ派である
*プラチナ鉱山会社のロンミンやグレンコアも人員削減を計画している
*電力料金値上観測もあり、さらにインフレが上昇する懸念がある
*格付けは各社現状維持
*アフリカ大陸自由貿易圏の設立が計画されている
*公務員ストの恐れはある
*炭素税導入を計画(豪は失敗して廃止)
*エスコム社の格下げがあった
*中国との通貨スワップを締結
*原油は輸入国であり、原油下落の悪影響はない

(トピックス)

(ネネ財務相お手上げ)
ネネ財務相は、資本フローや為替相場の大きな変動が、様々な課題を抱える同国経済のさらなる圧迫要因になっているとの見方を示した。また、景気減速に反転の動きが出てくるのは中長期的な先になるだろう、と述べた。
議会の質疑に対し「南アフリカの成長加速が、大きな足かせに直面しているのは疑いようがない」と答えた。

(7月貿易収支)
7月の貿易収支は、4億ランドの赤字となった。前月は55億ランドの黒字(改定値)だった。輸出は前月比4.7%増の942億ランド、輸入は12.0%増の946億ランド。

(ネネ財務相)
南アフリカ商工会議所(SACCI)が発表した8月企業信頼感指数は84.3と、前月の87.9から悪化し、約16年ぶりの低水準となった。
内需低迷や、中国発の国際金融市場の混乱が背景。「第2・四半期の経済成長率は前年同期比1.2%で、現在の低成長が懸念される。国内の経済政策を取り巻く環境が不透明で、景気の低迷と企業心理の悪化が長引いている」と述べた。
第2・四半期の経済成長率は前期比年率ではマイナス1.3%と、約1年ぶりのマイナス成長となった。労働争議や中国経済の減速で景気後退への懸念が浮上している

(アルセロールミタルの南アフリカ法人が人員削減、工場閉鎖を計画)
鉄鉱世界最大手アルセロールミタルの南アフリカ法人、アルセロールミタル・サウス・アフリカは、製鉄所2カ所の閉鎖を計画しているほか、最大規模の工場の操業見直しを検討していると発表した。同社は需要低迷と価格下落のあおりで赤字に陥っている。
この発表を受けて同社株は一時23%下落し、13年ぶりの安値をつけた。声明によると、7月に条鋼事業の見直しに着手して以来、事業環境が悪化を続けた。南アで先週実施された鉄鋼の輸入関税引き上げについては、中長期的な恩恵しか見込めないという。ベリーニギング工場の2つの製鉄所の閉鎖と最大400人の削減について、労働組合と交渉を始めた。バンダービールパーク近郊の最大規模の工場も赤字続きで、10月末までに見直しを行うとしている。

(テクニカル)「4週連続陰線、週のボリバン下限以下」
日足はダラダラと下げた後、8月24日急落しボリバン下限下抜きへ。同日の下ヒゲの勢いでボリバン下限へ戻したが8月24日の高値抜けず反落、再びボリバン下限へ下落。9月1日-3日の下降ラインが上値抵抗。8月26日-27日の上昇ラインを下抜いている。5日線下向き。
週足は7月6日週-20日週の上昇ラインを下抜く。8月10日週-17日週、6月22日週-7月13日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限下抜きのまま。4週連続陰線。
月足は14年2月-10月の上昇ライン、15年3月-4月の上昇ラインは下抜いた。14年12月-15年5月の下降ライン、15年6月-7月の下降ラインが上値抵抗。6、7月は陰線。8月も大きく陰線、ボリバン下限下抜きのまま。
年足は06年-08年の下降ラインを上抜いているがその後の伸びが無く横ばいで推移している。ただ今月は2012年10月の安値8.67を下抜いている。

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