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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

地震と為替、GPIFドル買い続く、米雇用、RBA・ECB・BOE政策金利、豪GDP、日中財務対話、黒田総裁 トルコ総選挙など

更新日:2015年6月1日

6月1日(月)−6月5日(金)

今週の予想:
ドル円=121-126、ユーロドル=1.07-1.12、ユーロ円=134-139

今朝のシドニー市場ではユーロが若干下げた。バルファキス・ギリシャ財務相が「私の辞任が迫っているとの噂は正しくない」と発言したことに絡んでいる。IMFへの返済期限が6月5日に迫っている中で様々な憶測も流れるだろう。

週末には小笠原諸島西方沖でM8.5の地震があった。日本の置かれている地理的環境では地震が起こらないほうがおかしい。生保や損保は投資目的以外に地震に備えてある程度、海外投資を行っている。また東日本大震災であったように国内での保険金支払いのために海外資産を取り崩すために円買いが起きる思惑も出てくる。東日本大震災の時はG-7の協調円売り介入で対処したが、実際、被害額も確定していないのにそれほど素早く円に換えることもなかっただろう。むしろ地震で円売りをした投機筋の損切りと輸出やレパトリの円買いが重なったのだろう。

米ドル

さて目まぐるしく変わる米国利上げ思惑である。マチマチの経済指標で一喜一憂が続く。今週も雇用統計、ISM景況指数、貿易収支、ベージュブックなどがある。FRBでも意見が分かれている。ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁は年内に利上げを開始する公算が大きく、その後数年かけて徐々に金利をより正常な水準に引き上げるとしているが、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁は今年は金融引き締めを行うべきではない、今年利上げを行うことはFRBの責務と一致していない、金利について異例の辛抱強さが必要としている。
ただ米指標では強い数字が出た時のほうがドルが動く幅が大きく、年初来、米ドルは2位の強さである(主要9通貨番付)。イエレン議長の年内利上げ示唆の後は米長期金利は逆に低下している。1Q・GDPはマイナスに下方修正されたが、貿易赤字の拡大によるものだ。赤字拡大はドル高によるものなので、また共和党やFOMCメンバーからドル高懸念が出ることも為替条項の議論とともに注意しておきたい。

ユーロ

ギリシャ債務問題もありセンチメントはまだ弱いがチャート的には下げ止まった感じである。1Q・GDPではギリシャはリセッションとなったが、ユーロ圏全体では持ち直した。景気指標も悪化するばかりでもなくなった。主役のギリシャでは金利は大きくは上昇していない。ギリシャの株価は年初来わずかだがプラスでNYダウとほぼ同じ上昇率となっている。今週はECB理事会がある。景気に関しては慎重ながらも先行きの回復を示唆するだろう。今週は消費者物価指数、小売売上に注目したい。わずかだがそれぞれ上昇の予想である。またギリシャのIMFに対する3億ユーロの返済期限は6月5日となっている。

英ポンド

先週は対円で190円にのせるも、1Q・GDPや個人消費が若干予想を下回ると売りが出た。英中銀も今週政策金利を決定する。先行きの利上げを表明するもののなかなか決定的に強い経済指標は出てこないので市場も欲求不満感は残るだろう。ただ利上げ観測があるので今年は円より強い。そのため株価は、他の市場と比べると弱い。EU離脱問題議論の前にキャメロン英首相はメルケル独首相と会談した。英国が求めているEU改革をめぐり、合意が得られるよう連携していく考えが示された。キャメロン首相はEU残留の是非を問う国民投票を2017年末までに実施すると表明しており、自身は改革を実施した上でEUにとどまることを望むが、英国の要求が受け入れられない場合はいかなる可能性も排除しないとの立場をあらためて示した。

人民元

先週の上海株は大きく荒れた。総合指数が5,000ポイントに近づいたあたりから暴落ともいえる下落を見せた。信用取引の規制強化、政府機関の銀行株の売却、人民銀行の資金吸収オペ、IPOによる需給悪化懸念からだ。ただまだ年初来40%以上の上昇率。急な上昇を抑えたい政府側の思惑もあるだろう。景気は減速しているが、改革は前向きに数多くのものが示されている。またG-7は人民元のSDR構成通貨入りに賛同しているし、中国側もそれに先立ってより人民元の国際化を進めている。そうなれば人民元は底堅く推移することとなる。今週は日中財務対話があり月末には米中戦略・経済対話が控えている。

豪ドル

今週は政策金利決定、GDP、住宅建設許可、貿易収支、小売売上と盛りだくさん。6月の政策金利決定は引き下げたばかりなので、さすが様子見となるも、年内追加利下げ観測は強い。先週の1Q民間設備投資が弱かったからだ。好感された予算案での上昇も長続きしなかった。景気減速、インフレ低下、雇用悪化、鉄鉱石価格下落、中国経済減速と状況は変わらない。ただ利下げ思惑が出てきたNZドルの下落が早く、対価として豪ドルが買われる場面も一時的にはあるが、豪ドルの自律反転ではない。

NZドル

主要9通貨番付で8位まで下落し、最下位のユーロにさらに迫られてきている。6月11日の利下げ観測があるからだろう。5月NBNZ企業信頼感の悪化も影響している。1QはCPI、PPIの低下、失業率の悪化と弱い数字が多かった。ただ小売売上や住宅投資は強い。住宅投資過熱の抑制は金融政策以外のもので行われることも金融緩和の余地がでてくることになった。6月11日の政策金利決定会合で市場は40%程度利下げを織り込んでいる。
主要輸出産品の乳製品価格の下落は続く。政府中銀はNZドル懸念を有している。また中国景気の減速で最大輸出先は中国から再び豪に変わったのもいい材料ではない。良いニュースではNZ経済研究所の2017年の成長率予想が3%となったことや財政黒字化も近いことがある。

南アランド

中銀のインフレ懸念は強いが先週発表された4月PPIは予想を下回った。1Q・GDPも予想を下回り、失業率は悪化した。これは株価下落にも繋がった。ランドは対ドルで下落したが、対円では円売りも強く小幅上昇となった。6月はS&Pとフィッチが南ア格付けの見直しを行うがムーディーズは現状維持を表明している。外国人排斥運動は続くが、排斥運動に反対する呼び掛けも起き、平静さを取り戻している。中国との通貨スワップを締結した。原油は輸入国であり、原油下落の悪影響はない。むしろ原油上昇時にはインフレ懸念が高まる。15年度財政赤字目標は2.5%で14年の3.9%から改善している。IMF は、2015 年の南ア経済成長見通しを、2.3%から2%に引き下げた。また、世界銀行も同見通しを2.7%から2.5%に引き下げた。主な引き下げ理由として、双方とも南アの電力不足をあげている。

トルコリラ

44円台で続いたなべ底から上昇、47円をつけたが、総選挙を前に小緩んでいる。今週は5月CPIの発表がある。予想は前年比+8.2%で中銀の目標の5%からは大きくかい離している。ただエルドアン大統領の圧力で、中銀は思う通りには利上げを行っていない。それだけに6月7日の総選挙で政権与党のAKPの獲得議席数が大いに気になるところである。
その選挙の直前の状況ではAKPが2002年に政権の座に就いて以来、初めて経済政策面で苦戦を強いられそうとされている。成長が減速し、失業率は高止まりし、家計債務は憂慮すべき水準まで積み上がっているからだ。
当初はAKPが3分の2を獲得すると予想されていたが、状況は悪化し、辛うじて単独過半数を確保し、現在の経済政策チームを維持できるという予想になっている。ただ過半数割れで連立政権を強いられるとする予想も出ている。与党が総選挙で苦戦すれば、願ってもない警鐘になるとも指摘されている。AKPの人気がある程度衰えれば、経済運営・改革にもっと集中せざるを得なくなるからだ。

 

【今週の注目経済指標】

6/1
(月)

(豪)住宅建設許可
(日)法人企業統計調査
(中)製造業PMI、HSBC製造業PMI
(スイス)SVME購買部指数
(英)製造業PMI
(独)消費者物価指数
(米)個人消費支出、個人所得、建設支出、ISM製造業景況指数

6/2
(火)

(豪)RBA政策金利
(日)マネタリーベース、毎月勤労統計調査
(独)雇用統計
(英)建設業PMI
(ユーロ圏)生産者物価指数、消費者物価指数
(米)製造業新規受注

6/3
(水)

(豪)GDP
(中)HSBCサービス部門PMI
(トルコ)消費者物価指数
(英)サービス部門PMI
(ユーロ圏)失業率、小売売上、ECB政策金利
(米)ADP雇用者数、貿易収支、ISM非製造業景況指数、ベージュブック 
(加)貿易収支

6/4
(木)

(豪)貿易収支、小売売上
(英)英中銀政策金利
(米)チャレンジャー人員削減数、新規失業保険申請件数
(加)Ivey購買部協会指数

6/5
(金)

(日)景気先行指数、貿易統計
(独)製造業新規受注
(仏)貿易収支
(ユーロ圏)GDP改定値
(加)労働生産性指数、新規雇用者数、失業率
(米)非農業部門雇用者数、失業率、消費者信用残高
(その他)石油輸出国機構(OPEC)総会、ギリシャのIMFに対する3億ユーロの返済期限

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り ※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:119-124、新年度の輸出円買い出るが、機関投資家の円売りも旺盛
週前半は米住宅指標改善で上昇、週後半は米1Q・GDPがマイナスへ下方修正で米ドルは円以外で下げるも、ドル円は年金などのドル買いもあり124円を維持して終える。

---先週の予想は以下の通り---

1Q・GDPは予想を上回った。それを受けて日銀黒田総裁は「今の段階で追加緩和を行う必要はない。物価が上昇し始める時期は従来見通しと変わっていない」と従来の発言を繰り返した。日銀にとって、政策遂行は順調であり、株価も強い。円相場も安定しており何か行動することはないだろう。
為替需給では新年度の円買いは出るもののGPIF、ゆうちょ・かんぽ、民間生保の外貨買い円売りが続き例年の円高の動きとはなっていない。今週は生保の決算があり1-3月の外貨運用の金額も出てくるので4月以降の動きも類推したい。おそらく5月末にはGPIFやかんぽ・ゆうちょの動きがわかってくるだろう。GPIFなどは外貨運用の金額が限られているので、どこで運用が休止するかも類推できるだろう。ただ一斉に団体行動で円売りをしかけるのは逆に円買いも一斉になることがあり心配である。

また4月貿易統計が発表される。3月は黒字となったが、4月は3,500億円程度の赤字である。また月末なので消費者物価指数、家計調査、失業率、鉱工業生産などが発表される。
IMFは「日本は円安への依存を避けるために経済政策が必要」としている。現在は機関投資家の国策的円売りが続いている。日銀の円売り介入のようなものとなっている。一部自民党政治家も円売り懸念も出ているが全体的には円安が景気回復継続には必要で逆になると再びデフレ懸念も出てくる。ただ円安円高を決定するのは貿易収支次第だろう。

(テクニカル)
ドル円=5月半ばのボリバン下位より一気に上限へ上昇した。5月12日-13日の下降ラインを上抜き、5月15日の長い上ヒゲもこなした。先週金曜は5月20日-21日の下降ラインを上抜き、ボリバン上限越えとなった。5月14日-18日の上昇ラインがサポート。
一旦下抜いた5月18日-19日の上昇ラインが上値抵抗となる。5日線上向き。週足は3月23日週以降横ばいであったが、3月9日週-5月4日週の下降ラインを上抜き、週のボリバンの上限へ上昇した。4月27日週-5月11日週の上昇ラインがサポート。月足はちょっと異変。3月-4月の下降ラインを上抜いた。年足は陽転。ほぼ寄り引き同時、年間の高値は122.02、安値は115.84で6.18円の幅。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線だが13年-14年の上昇ラインは下抜きそうで抜かない。

【南アランド円】 予想レンジ:9.70-10.70、政策金利据え置きも将来の利上げを示唆、ムーディーズ格付け維持で堅調
1Q・GDP、失業率、4月PPIが弱く対ドルで下げるも、円はさらに弱くランド円は小幅高となった。

---先週の予想は以下の通り---

(ポイント)
*CPIは4.5%、小売は弱い、政策金利は予想通り据え置き
*今週は1Q・GDPや失業率の発表
*南ア中銀総裁は将来の政策金利引き上げを示唆
*6月はS&Pとフィッチが南ア格付けの見直しを行うがムーディーズは現状維持を表明
*エスコム社の格下げがあった
*外国人排斥運動は続くが、排斥運動に反対する呼び掛けも起きている
*中国との通貨スワップを締結
*原油は輸入国であり、原油下落の悪影響はない
*15年度財政赤字目標は2.5%で14年の3.9%から改善
*再び賃金ストの懸念あり
*4Q・失業率は改善

(トピックス)

「政策金利据え置き」
南ア中銀は、政策金利を想通り5.75%に据え置いた。昨年7月以降、政策金利は変更されていない。中銀はただ、原油高や物価の伸びを上回る賃上げ、通貨ランドの下落によって、今後物価上昇率が上振れし、数カ月中に利上げを迫られる恐れがあると示唆した。
CPIの前年比上昇率は4月に4.5%に加速。中銀は2016年1Qには目標レンジ上限の6%を突破すると予想している。
中銀のハニハフ総裁は会見で「物価見通しの悪化からは、政策金利を維持する今の姿勢をずっと続けられないことが分かる。金融政策委員会はより長期の物価見通しを損ないかねない予想物価上昇率やその他の要素をこれからも丹念に点検し、適切な時期に動く用意がある」と述べた。
総裁の発言を受けて市場関係者は、7月にも利上げがあるとみている。

「南ア中銀 成長、インフレ見通し」
南ア中銀は、2015年のGDP見通しを2.2%から2.1%に下方修正、コアCPI見通しを5.5%から5.6%に上方修正、2016年のコアCPI見通しを5.2%から5.4%に上方修正した。

「格付け」
ムーディーズ=近い将来に格付けを変更するような要因はみられない。
(ムーディーズはS&Pと違ってやたらに下げない印象あり)

「為替不正?」
南アフリカ競争委員会は5月19日、通貨ランド関連の外為取引をめぐってトレーダーらが談合していたとし、仏BNPパリバや米シティグループ などの本社や南ア子会社の調査に着手したことを明らかにした。

(テクニカル)
5月7日、5月12日には下ヒゲを出して反発し再びボリバン上限へ。5月8日は5月6日-7日の下降ラインを上抜き、さらに4月29日-5月6日の下降ラインを上抜いた。5日線は上向き。5月7日-12日の上昇ラインがサポート。先週後半2日間はボリバン上限を越えたので小反落。週足は4月6月週-4月13日週、4月6日週-27日週の下降ラインを上抜いた。12月1日週-2月23日週の下降ラインも上抜き強い。4週連続陽線。週のボリバン下限からは反発。月足は10月-11月の上昇ラインを下抜いたが12月-1月の下降ラインを上抜いた。14年2月-10月の上昇ラインがサポート。12月-2月の下降ラインは上抜いた。年足は06年-08年の下降ラインを上抜いているがその後の伸びが無く横ばい推移している。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:121-126、円安懸念もあるが、年金などのドル買い続く

麻生大臣がやや円安を懸念する発言を行おうが、黒田日銀総裁が追加緩和の必要性を否定してもドル円は底堅い。ここ数年と比べると円売りの速度は微々たるものでクロス円では円高方向となっているものも多いが、新年度の輸出の円買いが出てもドル円で円安となるのは、GPIFが月2兆円程度円売りを行っているからだろう。これにゆうちょ・かんぽも加わっている。生保も株や外貨投資を増加させると表明していたが先週の決算報告では、それほどは大きくなく、通常通りの投資増加であった。今週は5月上中旬貿易統計や黒田日銀総裁発言、日中財務対話などにも注目したい。また125円にのればマスメディアも騒ぎそうだが、これらについては無視しないほうがいいだろう。マスメディアの騒ぎを嫌う当局はゆっくりとしてだが対処し始めることが多い。

(テクニカル)
5月半ばのボリバン下位より一気に上限へ上昇した。ボリバン上限を上抜けばやや戻すが依然上限にはりついている。5月27日-29日、5月18日-26日、5月14日-18日の各上昇ラインがサポート。一旦下抜いた5月18日-19日の上昇ラインが上値抵抗となる。5日線上向き。週足は3月23日週以降、横ばいであったが、3月9日週-5月4日週の下降ラインを上抜き、週のボリバンの上限を上抜いて上昇した。4月27日週-5月11日週の上昇ラインがサポートであったが、さらに角度を上げて5月18日週-25日週がサポートとなっている。月足は3月-4月の下降ラインを上抜きボリバン上限へ。14年8月-10月の上昇ラインを維持。年足は陽転。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線だが13年-14年の上昇ラインは下抜きそうで抜かない。

【NZドル円】 予想レンジ:85-90、企業信頼感指数悪化、中国株急落でNZドル売られる。6月利下げ予測あり

(ポイント)
*5月NBNZ企業信頼感は大幅悪化
*先週後半は中国株急落でNZドル売られる
*4月貿易収支では黒字が減少、乳製品の輸出が減少
*NZ経済研究所の2017年の成長率予想は3%
*1QはCPI、PPIの低下、失業率の悪化と弱い数字が多い。一方小売売上は堅調、また住宅投資は過熱気味だ。
*住宅投資過熱の抑制は金融政策以外のもので行われる
*1Q雇用統計では賃金が伸び悩んだ、失業率は予想を下回った
*1Q小売売上は堅調
*対豪ドルとのパリティは、豪の政策金利据え置きや雇用統計改善でやや遠のく
*来年度の財政は黒字化を目標とする
*イングリッシュ財務相は乳製品価格下落でも景気は強いと発言
*キー首相もNZドル高懸念を示唆
*乳製品価格は再び下落し始めた
*4Q・GDPは改善
*14年8月はNZ売り介入を行ったが9月は商業ベースの小額にとどまった

(5月NBNZ企業信頼感指数悪化)
5月15.7(4月は30.3)

(中国株急落でNZドル売られる)
5月28日の中国株は急落し、中国を最大貿易相手国とするNZや豪の通貨が売られた。上海総合指数は6.5%安。IPOによる需給悪化、政府系機関投資家の銀行株売却、証券当局の監督強化、人民銀行による売りオペ実施憶測、バブルを警戒する人民日報の記事などで急落した。

(フォンテラ買い取り価格上昇)
世界最大の乳製品輸出会社のフォンテラは2015/16年度期初の酪農家からの生乳買い取り価格は、乳固形分(ミルクソリッド)1キログラム当たり5.25NZドルとなり、14/15年度の4.40NZドルから19%の引き上げとなった。
昨年来50%近く下落した価格が持ち直すとの楽観的見通しを反映した。ジョン・ウィルソン会長は「今後価格は回復に向かい、年度を通じて需給は均衡する」との見通しを示した。

(4月貿易収支)
4月の貿易収支は1億2,300万NZドルの黒字に縮小した。3月は7億5,400万NZドルの黒字だった。
4月の輸出額は前年同月比5.5%減の41億6,600万NZドル。主な内訳では、粉ミルク・バター・チーズが26.6%減、肉類が1.1%増、木材が8.7%減、果物が20.9%増、ワインが11.88%増、魚介類が12.0%増、原油が42.9%減となった。
輸出先は国別で、中国7億4,200万NZドル、オーストラリア6億4,400万NZドル、米国4億8,300万NZドル、日本2億9,500万NZドル、韓国1億4300万NZドルの順。
輸入額は2.6%増の40億4,300万NZドル。主な内訳は、自動車が5.7%増、石油製品が27%減、工作機械が7.7%増となった。
輸入先は国別で、中国6億8,200万NZドル、米国4億5,500万NZドル、豪州4億4,800万NZドル、日本3億1,600万NZドル、韓国2億2,300万NZドルである。

(6月11日政策金利決定)
1QはCPI、PPIの低下、失業率の悪化と弱い数字が多い。一方小売売上は堅調、また住宅投資は過熱気味だ。ただ住宅投資抑制は金融引き締めではなく、担保制度の強化や取引制限を行う。従って金融緩和の余地が出てきて市場は現在40%程度の確率の利下げを織り込んでいる。

(NZ経済研究所の2017年の成長率予想は3%)
13万人の雇用が生み出され、失業率は5.2%へ低下。物価は世界的な低インフレを受けるが、移民流入による物価押し上げ要因もある。インフレは中銀のターゲットの中位以下で推移しよう。NZ中銀は2017年半ばまで利上げは行わないだろう。懸念は乳製品価格の下落とオークランドの地価急騰である。

(テクニカル)
5月14日長い上ヒゲを出し下落し、一目の雲の下にも出た。一旦5月14日-19日の下降ラインを抜いて反転。5月21日-26日、5月13日-21日の上昇ラインに沿っていたが下抜いてきている。5日線はまだ上向き。ボリバン中位より下。週足は2月2日週-4月13日週の上昇ラインを下抜いた。4月27日週の上ヒゲの下押し効果があった。週の雲に入るには躊躇している。月足は1月-2月の下降ラインを上抜いたが、2月-4月の上昇ラインを下抜いている。今月はここまで陰線。年足は陰線。13年-14年の上昇ラインを下抜いている。12年-13年の上昇ラインも危うい。その下のサポートは09年-12年の上昇ライン。

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