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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

例年通り10月下旬の円安相場が続く。世界に様々な波乱要因あるも一時的な反応に終わる

更新日:2014年10月27日

10月27日(月)−10月31日(金)

今週の予想:ドル円106-111、ユーロドル1.24-1.29、ユーロ円135-140

週末のニュースでは、ECBが、ユーロ圏の民間銀行130行に対する資産査定とストレステスト(健全性審査)の結果を発表、25行が2013年末の時点で不合格となった。
ただこのうち12行は今年に入り150億ユーロの増資を実施している。また先週金曜日のNY市場では同内容の草案が既に発表され内容が消化されているので今朝の市場に影響を与えていない。ウクライナでは政府軍と親ロシア派の散発的な戦闘が続くなか、議会選挙の投票が始まったが、親ロシア派が掌握する東部の一部の地域では投票が行われておらず、東西の分断が固定化する懸念が出ている。ブラジルの大統領選挙では現職のルセフ大統領が再選された。香港の民主派デモは長期化しているが中国政府側も妥協しない姿勢を見せ学生側にも疲れが見えている。
引き続きこのように、エボラ熱、イスラム国紛争と海外でのテロ、香港問題、ウクライナ問題、英国とEUの拠出金問題、欧州銀行のストレステスト問題で揺れているが、それらが長引く大きな相場変動要因とはならず、特に円相場は例年通り、10月下旬の円安気味の推移となっている。為替相場は実需が動かすものであることは理由や数字を示して何度も述べてきた。

さて今週のメインイベントはFOMCだが、QE3は予定通り終了するのだろう。低金利を「相当な期間」維持する文言が消えるかどうかでは、消えない予想が増えているようで、イエレン議長の労働者に優しい姿勢や最近の小売売上の悪化でも市場のぜい弱さを示したことなどもその理由として上げられる。ただイエレン議長のいう「格差の是正」問題はFRBの仕事でもない。格差の頂上近辺にいる議長が発言するなら、先ず自分が頂上からおりて行かなければならず問題が複雑化してしまう。 また文言が消えようが、消えまいが米国指標や企業収益が概ね安定的な現在、市場の反応は一時的なものとなろう。 米国は3Q・GDPを発表するが、2Qの4.6%成長からは減速するも、3.0%と他国から見れば高い成長予想となっている。

日本問題、香港問題を抱えている中国は、欧米主要国やオセアニア・アジア・アフリカ・南米諸国にロシアとは積極的な経済外交を続けている。3Q・GDPも大きくは悪化せず、HSBC製造業PMIや工業生産は改善した。小売売上の減少や住宅価格の下落はあるが、住宅価格の下落は政府が意図してきたものだろう。インフレも2%以下であり、株価も今年の世界の主要市場ではトップの上昇率である。福田元首相が10月29日に習主席と会談を行う観測がある。

欧州は、久々にかすかな光明が見えた。ユーロ圏や独の10月製造業PMIが改善を示した。今週の独IFO景況感指数や欧州の消費者物価指数に繋がるかどうか。元々貿易黒字圏なので、いい指標が出始めるとリバウンドは速いだろう。年後半のユーロのリパトリに繋がるかどうか。ただ当局者はまだまだ慎重な意見が多い。ドラギ総裁は、ユーロ圏のリセッション再突入回避に向け、ユーロ圏加盟各国が構造改革や投資、財政規律の強化、需要押し上げで連携するよう要請した。「われわれは連携し、ユーロ崩壊を回避した。ここにきて再び、リセッション再突入を回避するため、協調行動をとる必要がある。首尾一貫した成長戦略は具体的かつ説得力のある構造改革を伴う必要がある」と言明した。12月18日に開く次回EU首脳会議までに、各国に構造経済改革の工程表を提示するよう求めた。

英国は基本的に最近は景気低迷のユーロ圏と比べれば経済状況が良好ということで、ユーロよりは強い。ブロードベンドBOE副総裁が早期利上げの可能性を示唆したが、すんなりと利上げに踏み切れる経済指標の強さはないようだ。豪やNZ同様に住宅価格の高騰が問題である。またEUとの拠出金配分問題でキャメロン首相が怒っている。EU離脱という議論は常に行われている。チャートでは、対円でボリバン上限から下限へと下落し、現在は下限から反発中と、かつての荒いポンドの動きからは大人しい推移となっている。

資源国通貨では先週、豪、NZ、南アがCPIを発表した。

豪3Q・CPIは予想通りの2.3%となり2Qの3.0%から低下した。またCPI発表の前日に出たRBA議事録もここ数回の内容と同じであり、強くは豪ドル高を懸念しなかったことから反発した。中国の鉄鉱石輸入関税では豪へは免税となる報道や、中国の輸入が増加したこと、3Q・GDPが予想通りであったこと、工業生産が改善したことも豪ドルを支えた。先週は世界的に株価が上昇に転じたことも豪ドル買いに繋がった。インフレは炭素税廃止でエネルギー関連が低下、食料や住宅関連は上昇した。今週も底堅く推移するだろう。焦点は11月第一週で政策金利、雇用統計の発表がある。政策金利はインフレが低下していることで据え置きとなるだろうが、豪ドルがさらに上昇すればRBAは警戒感を強めるだろう。もちろん雇用統計が改善すれば、その警戒感は弱まることとなる。

NZドルは対ドルでは下落、対円ではドル円の上昇で横ばいとなった。3Q・CPIは予想を下回り1.0%とインフレターゲットの下限となった。さらに9月貿易収支は赤字が拡大した。主要輸出品の乳製品価格が下落し、NZ中銀は通貨を安くして景気を盛り返したいところであるが、現状その思惑通りとなっている。気がかりは住宅価格の高騰が政策で抑制しつつもオークランドを中心に収まらないことである。
今週は政策金利決定があるが現状維持、また通貨高懸念は景況感指数も低下していることも加わって強めてくるだろう。ただ10月に入っては対ドルでは7月からの下落は止まっている。乳製品と通貨高懸念は材料的には新鮮味がなくなっているのだろう。

南アはNZと同様にCPI(9月)は低下した。ただ南アランドはNZドルと異なり、対ドル、対円で上昇した。今月はここまで月間最強通貨となっている。CPIは8月の6.4%から5.9%へとインフレターゲットの上限を7か月ぶりに下回った。金融政策が上手く回り始めたことを評価し、南ア国債にも買いが入り南アランド買いに繋がっている。2014年の成長見通しは2.7%から1.4%へ下方修正されたが、予想通りで反応は鈍かった。今年の鉱山業の長期ストライキや電力不足の影響からである。現在南アは原子力発電を増強中である。財政赤字の拡大や格付け引き下げのリスクは残っているが、今のところ海外からの資金流入は続いてランドを支えている。 

【今週の注目経済指標】

10/27
(月)

(NZ)ウェリントン休場(レイバーデー)
(日)企業向けサービス価格指数
(香港)貿易収支
(独)IFO景況指数
(米)中古住宅販売成約

10/28
(火)

(日)商業販売統計
(米)耐久財受注、S&P/ケース・シラー住宅価格指数、消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数

10/29
(水)

(日)鉱工業生産
(米)FOMC政策金利発表
(ブラジル)政策金利

10/30
(木)

(NZ)中銀政策金利
(日)貿易統計
(独)雇用統計
(南ア)生産者物価指数
(米)GDP・速報値、新規失業保険申請件数
(独)消費者物価指数

10/31
(金)

(NZ)住宅建設許可
(豪)PPI
(日)日銀会合、消費者物価指数、失業率
(仏)生産者物価指数
(ユーロ圏)失業率、消費者物価指数
(南ア)貿易収支
(米)個人所得、個人支出、PCEデフレーター、雇用コスト指数、シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大消費者信頼感指数・確報値
(加)GDP 

11/1
(土)

(中)製造業PMI

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り ※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:104-109、10月後半は過去5年円安傾向
季節的な10月下旬の円売り需給と世界の株価は上昇しリスク選好の円売りも出てドル円は上昇した。

---先週の予想は以下の通り---

世界の景気が悪化すると円が買われる空気は、貿易黒字時代だけでなく今も少し残っているようだ。ただ貿易赤字で実需の取引は円売りのほうが多い時代なので大きな動きとはならないだろう。9月末は四半期末で外貨投信などの設定も多く円売りを後押ししていたが、10月になってそれが剥げ落ちたことも円売り調整に繋がっている。今週もその設定は少なく、来週は月末で少しは多くなるが9月末ほどではない。過去5年間を見ると10月下旬のドル円相場はやや円売り方向となっている。11月もそのまま円安の流れに繋がっている。ドル円は先週下落したが、今年の半値あたりで反発した。

円高・株安でIMFのみならず明日の月例経済報告でも景気判断を下方修正するようだ。既に8%消費増税では便乗値上げもあり、消費者側にとっては、既に10%以上の増税感がある。消費を抑制すれば、次第に企業も価格を下げていくだろうが、ここで10%増税を決定すれば、消費がさらに減退し、世界の物価低下の流れに逆行することになるので日本の競争力が低下していくだろう。消費増税がなければ福祉に回せないというだろうが、止まらない公共事業などを見ているとお金がないとは思えない。今週、週初は小渕大臣の去就で揺れる。また日銀支店長会議や貿易統計を注目したい。日本の自信回復で円安、自信喪失で円高となる。

GPIFについて=GPIFは国内株の場合、目安の12%から上下6%分の幅で運用するのが基本ルール。6月末時点は保有上限ぎりぎりの17%。運用比率の目安を25%まで高めると単純計算で8兆円の株買いが発生する。上限ぎりぎりまで活用すれば国内株を最大30%程度保有することも可能になる。外国債券と外国株式の比率を合計23%から30%程度まで高める一方、国債の比率は60%から40%台に下げる方向だ。

(テクニカル)
団子天井からの下落は、今年の高値、安値の半値の105.42あたりで下げ止まった(先週安値は105.19)。10月2日-3日の上昇ライン、8月8日-15日の上昇ラインを下抜いて下落、ボリバン下限を下抜いたが、週後半は10月15日-16日の下降ライン、10月6日-10日の下降ラインを上抜いて小反発した。5日線はまだ下向き。ボリバン下限は106.04。
週足は先週は長い下ヒゲを残している。10月6日週-13日週の下降ライン上抜けを維持できるか。9月8日週-15日週、8月18日週-9月1日週の上昇ラインを下抜いている。
 月足は9月の陽線でボリバン上限を越えていたがようやくバンド内へ。9月の上昇分の調整だろう。月足は長い下降ライン1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインを上抜いた。直近では今年 2月-3月の上昇ラインを下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜いた。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。また年足では先週一時陰線となった。

【南アランド円】 予想レンジ:9.20−10.20、今週はCPI、新中銀総裁はインフレ懸念強い
9月CPIがインフレターゲット内に戻ったことを好感、中国指標(GDP、工業生産、HSBC製造業PMIなど)がまずまずであったことで上昇した。

(ポイント)
8月小売売上は予想を上回る
今週はCPIの発表
新中銀総裁はインフレ懸念が強い
中国9月貿易収支の輸入が伸びたことは南アに利益
先週後半は株式市場の下落も止まった
IMFは南アの今年来年の成長見通しを発表
依然景気減速とインフレ高騰に悩む
原発開発に積極的(世界各国が参入計画)
経常収支赤字が拡大
2Q・GDPはリセッションは免れたが予想は下回った
エボラ熱の予防策を講じている
南アのアフリカン・バンクが破たん
4大銀行の格下げがあった
世界中低金利の中で低下しているとはいえ南アの6%台は魅力があるようだ
今年は海外から債券市場への資金流入が増加しランドを支えている
2Q失業率はさらに悪化した
ネネ財務相が経済の低迷と公的債務の負荷の増大を強調
相次いで国債が格下げされている
ズマ大統領が経済立て直しの演説を行った
停電リスクあり、電源インフラが不足している

(国内要因)
8月小売売上は+2.1%。7月は+2.4%、8月も+1.8%の直前予想(前年比)であった。

(海外要因)
IMFが世界全体の成長率見通しを引き下げたこと、独の経済指標が低調だったこと、香港での民主派デモが続いていること、フィッシャーFRB副議長が、世界経済の減速が米国にも及ぶと述べたことなどから、世界的に株価が下落、ポジション調整のリスク回避で円は買われ、クロス円の下落を追ってドル円も下落した。ただ先週後半はブラード・セントルイス連銀総裁がQE3の終了先送りを示唆したこと、米雇用保険、住宅着工などの指標改善でリスク選好の流れに戻った。
他の明るい材料は9月中国貿易収支で輸出、輸入ともに大きく伸びたことである。
米国はIMFの世界経済見通しで数少ない上方修正組。ただ世界の資金はより安全な米国債券へも向かうので米国金利は上昇していない。
欧州は、ドラギ総裁のみならず、金融緩和やユーロ安には慎重な姿勢を見せている独連銀バイトマン総裁も景気には弱気な発言をするようになってきた。その原因の一つにウクライナ問題を挙げ、独が一番悪影響を受けていると発言している。ただ先週はロシア・ウクライナ首脳会談があり関係改善方向へは向かっている。
中国は上海株価指数が主要国株価指数でトップに立ち他を引き離しにかかっている。高度成長からは減速し始めているが、それはどこの国も経験してきたことだろう。今週はGDP、小売、工業生産のほかに四中全会が開催される。

(トピックス)

「今週はCPI」
9月CPIの発表がある。8月はインフレターゲット上限を越えている6.4%であったが9月の予想は6.1%と低下予想。予想より上昇すれば、11月20日の政策金利でさらに0.25%の利上げの可能性が出てくる。

「原子力協定」
南アは来月、中国と原子力協力協定に調印する可能性が高い。仏とは10月14日に同様の協定で合意した。法人サービス担当幹部は、調達の前提となる中国との枠組み協定は恐らく11月第1週に調印されるだろうと述べた。
南アはこうした協定を仏およびロシアと結んでいるほか、日本などとの調印も計画している。南アでの原発建設には仏のアレバとフランス電力公社(EDF)、東芝傘下のウェスチングハウス・エレクトリック(WH)、中国広東核電集団(CGNPC)、韓国電力公社(KEPCO)が関心を示している。

「自動車部品メーカーが価格操作や入札談合」
南ア競争委員会は、自動車部品メーカーが価格操作や入札談合に関与した疑いがあるとして、調査を開始したことを明らかにした。パナソニックや三菱電機も対象となっている。
自動車メーカーに供給する電動パワーステアリングやスパークプラグといった部品の入札において、部品メーカーが共謀した疑いがある。委員会は、南アで組み立てられ、同国市場で販売される自動車の部品の取引についての調査を優先させる方針を明らかにした。具体的には、2000年以降の14年間で部品メーカー82社が121の部品について価格の設定で共謀していた疑いがある。

「南ア株価指数漸く下げ止まる」
9月中国貿易収支で輸入が大きく伸びたことから、南アランドや株価が下げ止まった。貿易収支では中国よりユーロ圏のほうが取引高が大きいが、1国単位では中国が南アの最大の相手国となっている。

(テクニカル)
9月18日-19日の下降ラインを上抜いたが再び下抜き返し、ボリバン下限を大きく下抜くが先週後半はボリバン内に戻す展開となった。10月15日、16日は長い下ヒゲを残している。10月9日‐15日の下降ライン、8月8日‐10月8日の上昇ラインが上値抵抗。5日線はまだ下向き。一目の小物下限に接してきた。週足はボリバン下限に達し、長い下ヒゲを残している。8月4日週も同じように長い下ヒゲから戻している。月足は2月-3月の上昇ラインを下抜き、3か月連続陰線もその後は横ばい。5月-6月の下降ラインを上抜いているが8月-9月の上昇ラインは下抜いた。年足は06年-08年の下降ラインを上抜いている。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:106-111、月末週、想定通りやや円安で推移

今年はアベノミクスを囃す一時的な投機筋の円売りは株安でお金の回転が鈍くなり、利食いや損切りの調整円買いを出しているので円安は貿易赤字だけの片肺飛行となっているが、乱高下もなくなりそれはそれでいいだろう。今年は昨年と比べ、どの国の通貨も変動幅が小さくなっている。今年ここまで最強の米ドル(円は3位)と最弱のユーロで7%程度の開きしかない静かな市場だ。昨年は多くの通貨が円より20%以上円安となっていた。 ただ貿易赤字時代なので調整があっても大きくは円高にはならないのは20世紀の貿易黒字時代とは違う。21世紀の為替に早く慣れないといけない。

今週は日銀政策決定会合や展望リポートの発表がある。政府は景気判断を下方修正している。日本の株価も不安定である。消費増税に反対する声は政府内や自民党内でも聞こえている。日銀が何らかの対応を見せるか、無視するか。また10月上旬貿易統計も注目したい。月末週なので月末の輸出も出る。外貨投信の設定は9月末ほど多くはない。外貨投信設定が増加するのは冬のボーナス狙いの11月下旬からだろう。また外資系の為替部門はもう今年の業務も終わりに近づき、決算やボーナス配分の季節となりで為替のポジションを大きくは振ってはこないだろう。
日本の生保は下半期の運用計画を公表したが、おおむね横並びで外債投資をやや増やす方針だ。それはGPIFも同じである。円売り要因だが、いつも日本の投資家が横並びの方針となるのは気がかりである。

(テクニカル)
ほぼ予想通りというか、例年の円安になりやすい10月下旬相場となっている。また10月初旬の団子天井からの下落は、今年の高値、安値の半値の105.42あたりで下げ止まった(安値は105.19)。10月6日-10日の下降ラインを上抜き、10月15日-21日の上昇ラインが支えている。10月22日-23日の上昇ラインがその前でサポート。10月21日と24日の下ヒゲが効くか。ボリバン中位(バンドは105.73-109.99)。5日線上向き。
週足は先々週の長い下ヒゲが生きて先週も陽線。10月6日週-13日週の下降ライン上抜けは維持。9月8日週-15日週、8月18日週-9月1日週の上昇ラインを下抜いている。
月足は9月の陽線でボリバン上限を越えていたがようやくバンド内へ。9月の上昇分の調整だろう。月足は長い下降ライン1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインを上抜いた。直近では今年 2月-3月の上昇ラインを下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜いた。例年通り秋は底堅い。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。

【NZドル円】 予想レンジ:83-88、CPI低下でNZドル下落、今週の政策金利は現状維持か

(ポイント)
3Q・CPIは予想を下回りインフレターゲット下限の1.0%となった
食料品価格の下落、住宅関連の上昇がある
10月30日は政策金利決定、引き続き据え置きとなろう
9月貿易収支は赤字拡大 輸出減少で内容も悪化
ビジネスPMIは改善
政府・中銀のNZドル高懸念は継続
8月は実弾介入実施
来年の財政黒字化は不透明
3Q 7-9月期NZIER企業景況感は+19で2Qから減速
与党・国民党は単独過半数は逃す(最終集計)
雇用には良い兆しが出ている(後述@オークランド)
住宅ブームはまだ続いている
企業景況感指数は低下
2Q・GDPはまずまず、農業の落ち込みをサービス業が補った
雇用統計では失業率は改善したが、雇用者数の伸びは予想を下回った
震災復興と移民増も景気回復の要因

(国内要因)
3Q・CPI
(前期比)前0.3% 予+0.5% 結果+0.3%
(前年比)前 1.6%予+1.2% 結果+1.0%
9月貿易収支 前-4.72億NZD 予-6.25億NZD 結果-13.50億NZD 

(海外要因)
香港民主化デモ、エボラ熱、イスラム国、ウクライナ問題など、不安定な空気が終息しない不安はある。中国の四中全会では具体的な景気対策は公表されなかった。中国3Q・GDPは予想を上回りHSBC製造業PMIは改善した。
IMFが米国を除く多くの国の経済成長見通しを下方修正しドル高が進んでいたが、先週は久々に欧州PMIが若干の改善をみせた。中国・欧州の指標改善で株価が上昇し、リスク選好の円売りとなっている。また10月下旬は円売りになりやすい季節的需給要因もある。
米国の指標はマチマチであり、僅かに予想からブレても市場は大きく動く神経質な展開である。ただ膨大な貿易赤字がある限り、ドル売りへの調整は今後も散見されるだろう。
欧州は金融緩和期待があるので株価はそれほど下げていない。英は依然、利上げが先送りされる経済情勢である。

(CPI)
3Q・CPIは前期比0.3%上昇し、予想の0.5%上昇を下回った。3四半期連続で0.3%上昇となった。上昇分の4分の3相当は住宅関連物価の上昇が寄与。それ以外の項目では上昇は抑制されている。
住宅関連価格は1.0%、家賃は0.6%、新築住宅価格は1.1%、交通費は0.1%それぞれ上昇した。一方で、通信費は1.4%、携帯電話など通信機器は7.55%低下した。
食料品価格は総じて横ばい。ただパンは、スーパーが一部商品を1NZドル程度まで値引き販売したこともあり、大きく下落した。野菜価格の上昇率は、好天に恵まれたことで10%にとどまった。天候不順に見舞われた前年同期の上昇率は20%に達した。
3Q・CPIは前年同期比では1.0%上昇。今年に入り、1Qが1.5%上昇、2Qが1.6%上昇と安定している。 上昇率が大きかったのは、家賃が2.2%、新築価格が4.88%、電気が3.7%、たばこが11.6%など。一方、オーディオ・コンピューター関連費が9.8%低下したことが、全体の物価上昇率を抑えたという。

(貿易)
9月の貿易収支は13億5000万NZドルの赤字。8月(4億8900万NZドルの赤字)に比べ赤字額が拡大した。予想6億5000万NZドルの赤字を大幅に上回った。赤字は3カ月連続。
粉ミルク・バター・チーズを中心に輸出が減少する一方、輸入は前年同月比22.9%増加し、赤字額が膨らんだ。
輸出額は5.3%減の36億1400万NZドル。内訳は、粉ミルク・バター・チーズが12.1%減、肉類が10.6%増、木材が30.9%減、原油が37.0%減、魚介類が9.3%増、ワインが0.7%減。
輸出先は国別で、オーストラリア8億0300万NZドル、中国5億6800万NZドル、米国3億0200万NZドル、日本2億1900万NZドル、韓国1億2800万NZドルの順。
輸入額は22.9%増の49億6500万NZドル。石油製品が12.4%増、自動車が32.5%増、工作機械が14.9%増となった。
輸入先は国別で、中国8億6500万NZドル、米国8億3800万NZドル、豪州6億0700万NZドル、日本2億9300万NZドル、ドイツ2億4400万NZドル。

(株価)
NZ株価指数(NZ50)史上最高値を更新している。

(NZ中銀総裁)
ウィーラー総裁は10月23日、最近の通貨高でアジア経済は打撃を受けたが、資本規制は問題の解決策にはならないとの見解を示した。金融業界が国境を超えて連携するようになったことで各国中銀の政策設定は難しくなったと指摘。為替レートに過度な注意が払われ、ファンダメンタルズから持続的にかい離するようになったと指摘した上で、「輸出業者にとっては商品価格が上がらず、その他の企業も安価な輸入品に対抗しなければならない難しい問題に直面することになった」と述べた。
総裁は、これらの圧力に対抗する最善の策は為替相場制度の変更や資本規制ではなく、国内貯蓄を拡大させることだと話した。

(消費者信頼感指数)
ANZとロイ・モーガンが発表した10月の消費者信頼感指数は123.4と、1年ぶり低水準となった。現在や長期的な経済見通しに対し、消費者の間で楽観的な見方がしぼんでいることが示された。 9月は127.7だった。1月には7年ぶり高水準の135.8上昇していた。
同指数は100が楽観と悲観の分岐点となる。

(テクニカル)
弱い材料が多く下げる局面もあるが、10月全体でみると下げ止まってきている。
83円、84円前半では下ヒゲを残すことが多い。ボリバン下限を一気に下抜くこともない。9月19日-25日の下降ラインは上抜いた。10月16日-23日の上昇ラインは下抜くも10月22日-23日の下降ラインを上抜いて今週は始まる。10月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン狭い。ボリバン中位。5日線上向く。
週足では8月4日週-11日週の上昇ラインが崩れ、ボリバン下位、さらに下限下抜きとなっていたが先週はバンド内へ戻した。9月22日週-29日週の下降ライン、9月22日週-10月6日週の下降ラインを上抜いている。月足は12年6月-9月なだらかな上昇ライン、12年6月-13年9月の上昇ラインも維持できない。4月-5月の下降ラインは上抜け。年足は陰転。

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