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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

QE3縮小と消費増税議論。FOMC・RBA議事録、日本・貿易統計、中国・欧州PMIなど

更新日:2013年8月19日

8月19(月)−8月23日(金)

今朝のシドニー市場では先週NY終値とほぼ変わらずスタートした。週末にはエジプトの治安悪化などの報道もあったが、為替相場に影響するトピックは出なかったからだろう。

8月に入って株価は日本と米国が弱い。欧州、中国、豪が持ち直している。日本は消費増税議論が行われているが、増税決定なら金融引き締め効果を持つ。さらに1回限りではなく、もう1回、あるいはさらに数回ということもあって材料出尽くしとはならない。賛否はともかく、可処分所得減少で海外投資、輸入が減少しよう。円高要因だ。日経平均も先を読んで下げている。貿易赤字と資本収支赤字で円安となり景気を浮揚させてきたが、ここで一旦休止となる。また近い将来景気減速となり増税の見直しや財政出動となるだろう。いつものことだ。貿易赤字だけでの円安進行ではその速度は緩やかなものとなろう。

米国では金融当局側はQE3縮小観測に傾いている。真に景気の良さでのQE3縮小ならいいが、最近の指標はやや弱いものも出てきた。株価も弱い。日米両国それぞれ、消費増税、緩和縮小を行って、暫くして誤りに気付いて修正するのだろう。

一方、欧州はまことに地味だが、2Q・GDP、ZEW景況感指数など多くの指標が小幅だが回復している。ユーロ圏の株価も8月は持ち直している。中国はシャドーバンキング問題で銀行間短期金利が14%に達して以来、人民銀行の資金供給が継続され金利は4%前後に低下し現在は落ち着いている。景気対策も不動産規制は継続されながらも都市化政策、IT振興策が打ち出され株価に好影響を与えている。経済指標もCPIは落ち着き、非製造業PMI、サービス業PMI、工業生産が回復し株価の上昇に繋がっている。中国景気の下げ止まりもあり資源価格の上昇となり、これが資源国景気にもいい影響を与え始め、豪ドルやNZドルも上伸している。

豪RBAは次回の利下げを示唆しなかったことと、TDインフレ指数が若干上昇したことでインフレ指標のチェックも示唆した。ウェストパック消費者信頼感指数は大きく上昇した。NZはミルク汚染事件や地震で一旦売られることもあったが一時的であった。住宅を中心とする強い指標でNZドルは底堅い。

南アフリカは中国景気回復の恩恵をエジプト治安悪化、ジンバブエ選挙の不正観測という地政学的リスクで南アランドが売られている。景気減速でインフレが高止まりしているジレンマもある。救いは株価が堅調なことだ。

今週はFOMCとRBAの議事録、日本の貿易統計、中国と欧州PMIを注目したい。いずれも上述の内容に関連する指標だ。

【今週の注目経済指標】

8/19
(月)

(NZ)生産者物価
(日)貿易統計、景気動向指数改訂値
(香港)失業率

8/20
(火)

(豪)RBA議事録
(香港)消費者物価指数
(独)生産者物価指数
(加)卸売売上高
(その他)トルコ中銀金融政策決定会合

8/21
(水)

(南ア)消費者物価指数
(米)中古住宅販売件数、FOMC議事録(7月30日・31日分)

8/22
(木)

(中)HSBC・PMI
(スイス)貿易収支
(独)PMI製造業・速報、PMIサービス業・速報
(ユーロ圏)PMI製造業・速報、PMIサービス業・速報
(米)新規失業保険申請件数、住宅価格指数 景気先行指数
(加)小売売上

8/23
(金)

(独)GDP・確報値
(英)GDP・改定値
(加)消費者物価指数
(ユーロ圏)消費者信頼感・速報
(米)新築住宅販売件数

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り ※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:94-99、日本のGDPと消費増税は
2Q・GDPが予想より弱く、また法人減税の報道で98円後半まで円安が進んだが、官房長官の法人減税否定で上昇幅を縮小して終えた。

(先週の予想は以下の通り)
日本の2Q・GDPの1次速報は上述した通り予想を下回った。個人消費、住宅投資、輸出が増加したが設備投資がそれほど伸びなかったようだ。焦点は伸び率であったが、アベノミクスのブレーンの浜田エール大教授が「今後GDPの4%成長が続けば消費増税してもいいと思う。また有効求人倍率が1倍を超え、失業率も3%台に入るなどが増税の条件だ」としていたので消費増税決定は微妙だろう。

また最近の景気ウォッチャー調査、消費者態度指数、第3次産業活動指数など円高・株安を反映して弱含み推移しているのも心配だ。今後も円高・株安が続けば2Qが景気のピークになりかねない。そこへ増税なら国民にとって重荷となる。

消費増税は為替の需給では円高に作用しよう。可処分所得の減少となり海外投資に関わる円売りも減少するからだ。日本の財政赤字を削減するのが国際公約であるということは為替にとってあまり意味がない。財政赤字と貿易黒字の削減は1985年のプラザ合意のいわば国際公約であった。何十年も無視し続けて今頃公約でもない。

また為替は結局はGDPや国際公約とは関係なく需給で動く。アベノミクス以来、5月までは貿易赤字と海外への資本流出で円安となってきたが、消費増税では後者の勢いがなくなり貿易赤字だけのエンジンの静かな円安に留まる。株価上昇の勢いも既に織り込み始めているように無くなっており下落するだろう。消費増税で国民の投資マインドが衰え始めることはいうまでもない。それも追加増税も予定されていることから、材料出尽くしにはならない円高の不安が出るかもしれない。

(お盆休みで外貨投信の設定も少ない。下旬、月末は増加してくる)
12(月)新光投信 バンクローン・ファンド・ネオ
13(火)投信概況 シュローダー・インベストメント・マネジメント インカムアセット・アロケーション
14(水)パインブリッジ・インベストメンツ オーストラリア・バンク・キャピタル「ハッピー・コアラ」
15(木)、16(金)は無し

(テクニカル)
日経暴落前日の5月22日-7月8日の下降ラインが上値抵抗となり下落。8月2日-5日の下降ラインを上抜いて上昇したが、再びその下降ラインまで戻ってきている。ボリバン下限、先週8日の安値95.80がポイント。5日線下向き。8月8日-9日の上昇ラインを下抜けるかどうか。週足は6月17日週-24日週の上昇ラインを下抜いたまま。5月20日週-7月8日週の下降ラインに沿う。6月10日週-17日週の上昇ラインは下抜いた。週のボリバン下限は92.51。月足は5月の上ヒゲで下げた。5月-6月の下降ラインが下値抵抗、5月-7月の下降ラインが上値抵抗。年足は07年-08年の下降ラインを上抜いて上昇中。

【南アランド円】 予想レンジ:9.3-10.3中銀がインフレとランド安を懸念。今週は小売売上
豪ドルやNZドルなど他の資源国通貨は上昇したが、南アランドはジンバブエ選挙の不正観測と混乱、エジプト治安状況懸念で下落。景気減速とインフレのジレンマも続く。

(ポイント)
中銀がインフレ懸念を表明、ランド安も懸念
中銀はFRBの量的緩和縮小でランド安も懸念
ただ産業界からは利下げを望む声も強い
失業率は25%台で高止まり
今週の欧州GDPもランド相場に影響しよう
製造業PMIは改善
2013年の成長率は2.0%程度で当初の2.4%予想や目標の7.0%を大きく下回る
政府の成長加速プロジェクトチームが発足
ランドは再び年間通貨番付最下位に
ムーディーズは格付けを確認、見通しはネガティブとした

(国内要因)
今週は6月小売売上の発表がある。前年同月比で+2.4%の予想。5月は6.2%。

(海外要因)
米国は雇用統計で雇用者数は減少したが失業率は改善した。その後は多くの地区連銀総裁から秋の量的緩和縮小示唆の発言があり、株価の上昇の勢いがなくなっている。今週の米国はCPIや小売売上の発表がある。米国貿易収支は大幅改善している。欧州は緩やかだが依然景気回復が続いている。今週はGDPの発表がある。ただBOE、ECBとも金融緩和の継続を示唆している。

中国は上海株価指数が下げ止まっている。貿易収支では輸出が伸びたことが市場に好感された。CPIは落ち着き、工業生産、固定資産投資は改善した。豪は政策金利を引き下げたが、インフレを検証するとの発言で豪ドルは下げ止まり上昇に転じた。日本は消費増税決定を前に株安円高が進んでいる。今週はGDPの発表。

(トピックス)

「中銀副総裁発言」
南ア中銀グロエペ副総裁は、「インフレ見通しは悪化しており、インフレ率が高止まりするようなら中銀は必要な手段を講じる用意がある」と述べた。経済成長ペースが鈍化するなかで物価が上昇しており、中銀は先月、金利を過去40年間で最低の5%に据え置いている。
また、「中銀にとって最優先の使命は物価の安定」と繰り返した。中銀は3-6%のインフレ率を目指している。さらに為替について「FRBの量的緩和策の縮小見通しが海外からの資金流入を圧迫し主要通貨に対して進んでいるランド安は国内インフレ圧力を更に後押しする可能性がある」とした。

「中国工商銀行の買収案件」
中国最大の銀行、中国工商銀行は、南アのスタンダード銀行がロンドンで行うコモディティー取引事業を買収する意向で、本格交渉を進めている。工商銀行はスタンダード銀行のロンドンでのコモディティー・外国為替事業の資産の60%を買収したい考えで、この割合は徐々に80%まで高める方針。

「アングロゴールド・アシャンティ赤字決算」
世界3位の産金会社、南アのアングロゴールド・アシャンティの2Qは金相場の下落が響き、赤字決算となった。配当見送りも決めた。決算発表後、株価は12年ぶりの安値となった。 金相場は今年に入って約22%下げている。

(テクニカル)
7月24日-26日の下降ラインと、7月24日-8月5日の下降ラインの間で推移している。それぞれのラインが上値抵抗、下値支持となる。8月8日-9日の上昇ラインを維持できるかどうかは日本のGDP次第。5日線下向き。ボリバン下位。週足は6月10日-17日の上昇ラインを下に切った。5月13日週-7月22日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下位。月足は10月-12月の上昇ラインを下抜いたが6月は長い下ヒゲを残した。年足は07年-8年の下降ラインまで下げてきている。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:94-99、消費増税は円高要因

日本はこれまで貿易赤字と資本赤字の二つのエンジンで円安となり景気回復を後押ししてきたが、消費増税で可処分所得・投資余力が減少、後者の要因がはげ落ち、貿易赤字という方肺エンジンだけでの円安推移となる。今日は7月貿易統計の発表がある。

G-20の国際公約など1985年のプラザ合意以来、達成したことはなかったが、今回の消費税引き上げ論議で「引き上げなければ国際信用を失う」という方がいる。プラザ合意では貿易黒字と財政赤字の削減が日本の公約であった。公約達成どころかますます公約からかけ離れていった。ただ達成しなくても円は売られることなく急騰していった。信用がなければ円が買われるというのが事実であった。為替は信用うんぬんというよりあくまでも貿易需給が決める。ギリシャがいい例だ。ギリシャが信用を失おうと貿易黒字(ユーロ圏で)でユーロは下落しなかった。国際的信用と為替相場は関係がない。

(今週の外貨投信払い込みは週後半多い)
ただここで円安にならないと、個人投資家の円売り余力が減退していることとなる。

・19(月)みずほ投信投資顧問 豪ドル債券ファンド
・20(火)大和投信 ダイワ 米国厳選株Fイーグルアイ
・21(水)東京海上AM投信 東京海上・ニッポン世界債券F
・22(木) 大和投信 ハイグレード・オセアニア・ボンド、ダイワ・US-REIT・オープン、米国リート・ファンドII(年1回決算)、三井住友トラストAM 米国ハイイールド債通貨選択(ペソ)、 PIMCO米国ハイイールド債通貨選択(リラ)米インフレ指数連動5年国債入札
・23(金)大和住銀投信投資顧問 メキシコ債券オープン、ドイチェAM欧州ハイ・イールド債券F(リラペソ)、 国際投信 トルコ債券、三菱UFJ投信 メキシコ債券

(テクニカル)
日経暴落前日の5月22日-7月8日の下降ラインを上抜けず。8月2日-5日の下降ラインを上抜いて上昇した。しかし8月14日の伸びたところでの十字線、8月12日-13日の上昇ラインを下抜いて下落した。8月2日-15日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限はいまのところ95.93。5日線は上向いている。8月8日-12日の上昇ラインがサポート。週足は6月17日週-24日週の上昇ラインを下抜き5月20日週-7月8日週の下降ラインに沿ったまま。6月10日週-17日週の上昇ラインも下抜いている。そのラインが上値抵抗。月足は5月の上ヒゲで下げた。5月-6月の下降ラインが下値抵抗、5月-7月の下降ラインが上値抵抗。年足は07年-08年の下降ラインを上抜いて上昇中。

【NZドル円】 予想レンジ:77-82、景気指標の多くが改善しNZドル高

(ポイント)
フォンテラ社ミルク汚染事件前を越えるレベルへNZドルは回復している
素早い内外への対応が評価されている
小売売上、求人広告、消費者信頼感などの指標が改善
2Q失業率は6.4%(1Qは6.2%)
政策金利は据え置かれるも中銀は来年以降の出口戦略を示唆
政策金利の引き上げ予想は来年1Qあたりが多い
2Q・CPIは低下でインフレターゲットの下限以下
中国は小出しに市場安定化策を出す。上海株価指数は下げ止まる
NZ中銀は5月に続き、6月もNZドルを買い越ししていた
住宅指標は依然強い
IMFは政策金利の引き上げを示唆
財政は2014年に黒字化

(国内要因)多くが改善
・2Q-小売売上高指数(前期比)
 前+0.5% 予想+1.5% 結果+1.7%
・7月求人広告
 前+0.3% 結果+3.5%
・7月製造業指数
 前55.2 結果59.5
・ANZ8月消費者信頼感指数
 前119.8 結果123.0

(海外)
米国は引き続き多くの地区連銀総裁から秋の量的緩和縮小示唆の発言が出ている。量的緩和縮小ならドル高となる予想も多いが、実際は米株も下げているのでドル安の展開になっている。また欧州、中国、豪、NZも小幅であるが景気回復の兆しがあり、それがドル安を導いている。

欧州はGDPを始めZEW景況感指数などが改善している。中国は景気対策や資金供給で株価が買回復し、資源国通貨の上昇を誘っている。豪は次回利下げへの示唆がなかったことやWESTPAC消費者信頼感指数の改善で豪ドルが強含んでいる。
日本は法人税減税の報道があったが政府によって否定され株安となった。消費増税論議が進んでいるが増税は金融引き締めの効果をもたらすだろう。

(小売売上大幅増)
2Qの小売売上高は、物価変動の影響を除く(数量ベース)季節調整済みで前期比1.7%増加した。
予想の1.3%増、前期改定値の0.9%増をともに上回った。
市場では、政策金利は年内据え置かれるが、来年初めに利上げが始まる公算が大きいとの見方が強まっている。レストラン・カフェ・バーの売上高が4.5%増で、四半期ベースでは過去最大の伸びを記録し、押し上げ要因となった。
百貨店、電子機器、ハードウエア、建設資材、自動車の販売・サービスも好調だった。
燃料と自動車販売・サービスを除くコア小売売上高は2.3%増と、2006年12月以来最大の伸びとなった

(NZミルク汚染事件)
NZ乳業大手、フォンテラ の乳製品部門のトップが8月14日、辞任した。約2週間前に、製品の一部にボツリヌス中毒症の原因となりうるバクテリアが混入していた可能性がある、と発表していた。今後は事件発生後、直ちに最大輸入国の中国へスピアリングス最高経営責任者(CEO)が暫定的に指揮を執る。

(テクニカル)
ミルク汚染事件で8月16日に下に窓開けしたが、既に窓を埋めて上昇している。8月12日-13日の上昇ラインは下に抜いて、8月7日-12日の上昇ラインがサポートとなる。ボリバン上位。上は80.32、下は76.52。5日線上向き。週足は7月22日週-29日週の下降ラインを上抜いた。ボリバンでは中位。6月10日週-8月5日週の上昇ラインがサポート。月足は11月-12月の上昇ラインは下抜いたが、昨年6月-9月のなだらかな上昇ラインはまだギリギリでサポートしている。5月-6月の下降ラインも上抜いた。年足陽線。

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